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アリスV

アリスV  このアルバムは、私は、アリスのアルバムの中で第一位をつけたい。どの曲もアリスの良さが光っており、それでいて、全体がまとまっている。紺色の背景に、アリスロゴが中央にあるシンプルなデザインが印象的だ。 1. 今はもうだれも アリス待望の初めてのヒット曲。ツインボーカルとパーカッション構成を活かした曲だからヒットしたのも当たり前だ。作詞作曲は佐竹俊郎。私はこの曲を最初に聴いたのは近くの書店の有線放送だった。そのため曲名もアーティストもわからなかった。だが、この曲のインパクトはとても大きかった。後にアリスの曲とわかって、切れていた糸がつながったことがとてもうれしかった。 2. 遠くで汽笛を聞きながら この曲は私が一番好きな歌だ。サビのベーヤンの長く響くボーカル。その後ろの低くて力強いチンペイのバックコーラス。静かな曲なのに存在感があるキンちゃんのドラムス。間奏のギター。「自分の言葉に嘘はつくまい。人を裏切るまい。生きてゆきたい」という三番の歌詞。全てが一体になって名曲になっている。この曲も私は書店の有線放送で聴き、震えが走ったのを昨日のように覚えている。 3. 雪の音 日本の美しい冬景色とかつての苦い恋の思い出を、歌詞と曲で巧みに描写している。コンガの音がしんしんと降り積もる雪の音を美しく表現している。静かな夜に響く時計の音、ため息の音、鳴るはずの無い電話、古い手帳や古本や出すあての無い手紙…こういった音とアイテムが結びついて詩的な光景をうまく描ききっている。 4. あの日のままで 学生時代の淡い片想いを歌った曲。これもどこにでもありそうな光景と語り手の思い出と曲を聴いている人の思い出が重なり、美しい曲になっている。このアルバムから明らかに歌詞に大きな成長が見える。 5. 僕の想うこと 歌の下手なキンちゃんの本音をコミカルに描いた作品。キンちゃんが裏声に挑戦し、歌いきっている。レコーディングに何回NGを出したことか…。下手でも一生懸命やるという前向きで楽しい歌。 6. 音の響き インパクトのある始まり、二本のギターとベーヤンのボーカル。作詞は矢沢透。私は若い頃は、この曲の歌詞がなにを言っているのかよくわからなかった。大人になってだんだんこの曲の歌詞が理解できてきた。流れてゆく時の流れを音で表現した傑作。 7. もう二度と…… この曲はシングルA面にしてもよかったのではないか。ドラムスとツインボーカルのアリスの良さが、歌詞や曲と結びついているすばらしい曲。 8. 夏の終わりに ピアノとベーヤンの高音がマッチして、静かに流れる時間と、夏の終わりの光景を美しく表現している。これも矢沢透作詞。 9. 指 「ふれあう手と手のぬくもりを忘れないでいてほしい」この歌詞は自分が親になって子どもの小さな手を握ったときに心にいつも浮かんできた。この歌詞そのものが私から我が子に伝えたいメッセージだ。 10. 帰らざる日々 薬を飲んで自殺するときに、愛する人に最期の電話をかける…。そんな歌詞だ。コンサートでは必ず手拍子がなる歌だ。世界中探しても自殺の曲に手拍子するのはこの歌だけだろう。そんな暗い歌詞は私は好きではない。曲は好きなので歌詞の違う別バージョンを作ってほしい曲だ。