■出版社: 集英社; 隔週刊版 (2011/10/27)
■ASIN: B005QTP8FM
■発売日: 2011/10/27
アントニオ猪木の異種格闘技戦の中でも好勝負と言われる2試合と初代タイガーマスクの2試合を収録している。「この号に集めてしまっていいのか?別な号に分散した方が売り上げが上がるのではないか?」と思うほど豪華なラインナップだ。
■1976年2月6日 日本武道館 アントニオ猪木 vs ウイリエム・ルスカ
私は、異種格闘技戦の中では、モハメド・アリ戦の次に好きな試合だ。お互いが組み技系のため、柔道の良さとプロレスの良さの両方が融合した好勝負になった。
ルスカはお金が必要だったルスカは、猪木の言うがままだったようだが、そんなのはどうでもいいくらい、試合は興奮できて、面白い。ルスカが得意の投げを何発も爆発させたり、猪木が柔道技の出足払いを決めたり、後に前田と共闘するクリス・ドールマンが格闘家と言うよりオタクのような出で立ちでルスカのセコンドについていたりして、興味深い。
■1977年8月2日 日本武道館 アントニオ猪木 vs ザ・モンスターマン
猪木の異種格闘技戦の中でも最高の試合と評価されるのが、この試合だ。打撃系の相手との戦いなので、猪木が懐に入り込めるかどうかがキーポイントとなる。リアルタイムで見た当時、サイコーにワクワクした。
今あらためて見ると、モンスターマンのジャンプ力やキックやパンチのフォームはとても美しい。しかし、間合いを見ていると、この人は本当にフルコンタクトの選手だったのか、疑問を持つ。パンチやキックに体重が乗っていないのだ。
フィニッシュは5Rの猪木のパワーボムからのギロチンドロップ。この決着は、当時も疑問を持ったが、今見ても「・・・」だ。単に逆さまに持ち上げただけで、パワーボムと呼ぶにはあまりにお粗末で、マットにたたきつけているのではなく、マットに下ろしているのだ。モンスターマンは肩を傷めたらしいが、あのパワーボム(?)で肩を壊すとは思えないのだ。
それでも、プロ空手の技の良さとプロレスがコラボレートしたいい試合になっている。
■1983年6月2日 蔵前国技館 タイガーマスク vs 小林邦明
二人の闘志がかみ合った好試合だ。
リアルタイムで見ていた時は、思わなかったのだが、今見ると意外と二人とも技を失敗している。タイガーマスクが失敗しても、ミスに見えないが、コブラ(ジョージ高野)が失敗すると失笑を買っていたのを思い出した。タイガーマスクの試合は緊張感があるから、技のミスもミスに見えないのだろう。
■1983年7月7日 大阪府立体育会館 タイガーマスク vs 寺西勇
寺西勇ほど過小評価された選手はいないだろう。失礼ながらあの容姿で、華麗に空中殺法をこなし、関節技や投げ技もいい。入った団体が東京プロレスや国際プロレスでなく、髪型や体型やコスチュームを変えていたら、もっと違ったプロレス人生を歩んだと思う。
その寺西の良さとタイガーマスクの良さが噛み合った好試合だ。