■システム障害はなぜ二度起きたか――みずほ、12年の教訓
■編著:日経コンピュータ
■出版社: 日経BP社 (2011/8/1)
■ISBN-10: 4822262596
■ISBN-13: 978-4822262594
■発売日: 2011/8/1
システム障害の原因が経営層にある、と主張しているのが本書である。
実際に同行のプロジェクトを担当した経験からすると、「よくぞ言ってくれた!」と拍手喝采したい本だ。
システムは人の間違いをそのままシステム障害とする。人や組織に問題があれば、システムも問題を抱えるのだ。
本書p.190にある"「動かないコンピュータ」撲滅のための10ヵ条"は、とても参考になる。
一、経営トップが先頭に立ってシステム導入の指揮を執り、全社の理解を得ながら社員をプロジェクトに巻き込む
一、複数のシステム開発会社を比較し、最も自社の業務に精通している業者を選ぶ
一、システム開発会社を下請け扱いしたり、開発費をむやみに値切ったりしない
一、自社のシステム構築に関する力を見極め、無理のない計画を立てる
一、社内の責任体制を明確に決める
一、要件定義や設計など上流工程に時間をかけ、要件の確定後はみだりに変更しない
一、進捗は自社で把握、テストと検収に時間をかける
一、システムが稼働するまであきらめず、あらゆる手段を講じる
一、システム開発会社と優勝のアフター・サービスを結び、保守体制を整える
一、「うっかり」ミスを軽視せず、抜本的な対策を取る