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石ノ森章太郎『リュウの道』竹書房

 石ノ森章太郎リュウ三部作の一作目。

 2020年に地球を出発し2038/7にシリウス第5惑星を目指す宇宙船フジ1号に密航した柴田リュウが主人公。宇宙船が着いた星は地球なのかそれとも別な星か?どうやら地球のようだ。

 マリア、その弟ジミイ。ロボットのアイザック。新北京原人のペキ。老人のゴット。ミュータントのコンドルやムツンバイ達と旅を続ける。

 収穫の塔では、人を食糧として飼育している恐ろしい世界。生物を殺しロボットだけが暮らすのロボット・シティ。燈台と巨大な神殿。精神を襲う異次元の生物。聖なる神の使徒を操るのはまさかの回虫。公害病によって滅亡しそうなニッポン島。ミュータントだけが暮らすニューマンランド。ニューマンにはヘソがない。実は人工生命だった。

 

リュウが「幸福になるために今努力する。次の世代が幸福になるために今努力する。」と言うのに対し、イルカに語らせている言葉「なぜ幸福を明日に延ばす?今ではなぜいけないのか?」

 

 50年前に発表された作品だが、科学の進歩と環境問題、幸福について、人の生き方について、考えさせられる作品だ。