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手塚治虫『サンダーマスク』秋田書店(1980/10/10)

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表紙

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もくじ


『バンパイヤ』と同様、手塚治虫本人が登場する。

炭素系生物である地球上の生物に対して、ケイ素系生物であるデカンダー。

その秘密を知った高瀬博士は、炭素系のガス状生物サンダーに人類の身体を貸すために、公害病で余命いくばくもない命光一の身体を、1000万円で買う。命光一は、サンダーに身体を貸したときには記憶を無くす。

デカンダーもサンダー同様にガス状生物で地球上の生物の身体を欲しているが合う身体がない。

デカンダーとサンダーの秘密はバイブルと呼ばれる石に刻まれている。それを発見した手塚治虫は解読を試みる。

高瀬博士の娘高瀬まゆみに会いに行く命光一。命光一は、高瀬まゆみの身体が異常に冷たいことに気づいた。

お互いに好意を持つ二人。

 

デカンダーに味方する地球人の組織は、オミクロン。なんと高瀬まゆみが通っているミッション・スクールがその組織だったのだ。デカンダーが地球に対する攻撃を本格化した。デカンダーがとりつくと地球上の生物は皆、石になってしまう。

 

後でわかるが高瀬まゆみはデカンダーに身体を貸していた!!

サンダーとデカンダーが戦う。それは、好意を持っている命光一と高瀬まゆみの戦いなのだ。

バイブルの解読に成功した手塚治虫が、サンダーにデカンダーの弱点を伝える。デカンダーはガス状生物だから風に弱いのだ。大気圏の外で太陽にも吹き飛ばされるのだ。

それを知ったサンダーはデカンダーを倒す。しかし、高瀬まゆみは石状になってしまった。

「もう手遅れだ」とつぶやく光一。

ケイ素生物に変わってしまったのだ。5年後に手塚治虫が見たまゆみは、少しだけ動いていた。ケイ素生物になると炭素系生物に比べて動きが遅いようだが、生きているのが少し救われる。

 

炭素もケイ素も結合手が4個だから、広い宇宙の中には、ケイ素系生物がいるかもしれない。

デカンダーが強い風に弱く、デカンダーのグループがオミクロンとは・・・。単なる偶然だが、新型コロナやオミクロン株を彷彿とさせる。

『サンダーマスク』は特撮番組としてテレビ放映されたが、ストーリーに共通性があるかどうかは、記憶が定かではない。テレビ放映が先で漫画が後から制作されたのは、手塚治虫作品としては珍しいのではないだろうか。