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石森章太郎『宮本武蔵』潮出版(1974/08/20)



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吉川英治の『宮本武蔵』と小山勝清の『それからの武蔵』を足して石森章太郎風に脚色した作品だ。

おつうさんはそのままおつうだが後に無想権之介と結婚し幸せになる。沢庵は宗禅和尚。吉野太夫は登場しない。

武蔵の技術は、「他人に教授できぬ技術」であり、「むしろそれほどに秀れていたことの証拠であろうと作者は思う ひとつの技ひとつの芸というものは本来それをつくりあげた個人[個性]のものであって それを理論かできるというのもおかしいし 細分化し誰でも”金さえだせば買える”ようなことのほうがまがいものであると感ずるのである」というのが石森章太郎の意見だ。彼自身の萬画に対する考え方とプライドが本書を書かせたのだろう。