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桑田次郎『ミュータント伝』マンガショップ(2004/12/05)

1970年(昭和45)年週刊少年マガジン4・5号から26号

この頃の桑田次郎ペンネームは桑田二郎だったが、この作品ではペンネームを桑田次郎にしている。

 

第1章 大進化

 地球に生命が誕生してから人類に到達するまでの進化を描く。

第2章 のけもの

第3章 人類の武器

 雪男のような原人(旧人?)から誕生した毛がないが知恵があり弓矢を作る少年と少女。

 仲間に追われ知恵と弓矢で生き延びていく。

第4章 未知の世界から

第5章 悪魔の宝石

 ここで一転し、宇宙に舞台が移る。チルドという惑星から持ってきた鉱石に触ると仲間を殺しやがてドロドロに溶けてしまい、その時に周囲に菌をまき散らす。それがわかったので、ともに宇宙空間で旅をした仲間や婚約者を殺し、自分自身を焼かねばならない。バッドエンドな悲しい話だ。

第6章 にごる大気の中に

 放射能によって異常な生態系になった地球。人食い鬼のように進化した生き物たち。そんな中でわずかに生き延びた人類によって「また新しい人類の歴史がはじまる」

第7章 永遠にかえらぬ旅へ

 資源を宇宙に求める人類。だが宇宙はあまりに大きい。そのためコンピュータが選ぶ男女が強制的に結婚し子どもを産み宇宙を飛び続ける。

第8章 あすにくるもの

 人類が進化し、次にくる生物はどうなるのか?地球はどうなるのか?

 酸素を吸収する謎の菌。そのため高山のように酸素が薄くなった島。

 そんな環境で生きるために内蔵だけで巨大な試験管内で生きている主人公の恋人ミチ。エラとヒレを持ち海に戻ろうと進化する次の人類?

 そして50億年後、膨張し燃え尽きる太陽。だが宇宙のどこかでは生命が生まれているはずだ、というナレーションで終わる。

 これはバッド・エンドなのかハッピー・エンドなのか?

 冷戦真っ最中、人類を何度も絶滅させることが可能な核兵器の恐怖があった1970年代らしいSF作品だ。