haruichibanの読書&視聴のおと

読書メモや映画やテレビ番組視聴メモです

手塚治虫『幻の名作集』双葉社(1997/7/10)



ふろくに掲載された手塚治虫の作品を集めたものだ。
『太平洋X點』は『冒険王』昭和28年1月号ふろく
『大洪水時代』は『おもしろブック』昭和30年8月号ふろく
『緑の猫』『おもしろブック』昭和31年12月号ふろく
『白骨船長』は『おもしろブック』昭和32年5月号ふろく
トキワ荘物語』は『COM』昭和45年9月号ふろく

『太平洋X點』は空気爆弾という恐ろしい爆弾の実験をしようとする国とそれを防ごうとする元ギャングの戦いだ。
『大洪水時代』はノアの箱船の現代版だ。
『緑の猫』は宇宙人が変身した姿と思われる緑色の猫の物語。
『白骨船長』は、鬼子母神の物語をSFにしたものだ。人口が過剰になったため抽選で当たった子供は月に運ばれ戻ってこない。殺されるのだ。
その月への宇宙船の船長が白骨船長なのだ。ある日、彼の子供が当選してしまった。妻は何とか我が子を逃がそうとするが船長は反対する。
船長は実は子供たちを殺さずにこっそり育てていたのだった。
トキワ荘物語』はトキワ荘自身が語る漫画家たちの物語。手塚治虫が窓から小便したそうだ。
雑誌のふろくはあまり単行本化されないがどの作品も面白い話だった。