haruichibanの読書&視聴のおと

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小澤さとる『黄色い零戦』世界文化社(1998/8/1)

『サブマリン707』や『青の6号』やロボダッチで有名な小澤さとるが描いた、零戦の設計者、堀越二郎物語。

ただ単に飛行機を作ることだけが楽しみな堀越二郎

彼が設計した飛行機は、アヒルと呼ばれた7試艦上戦闘機、96式艦上戦闘機、そして零戦

時代はその間に戦争に突き進む。緒戦の勝利。

そこで、アジア人でも優秀な戦闘機を作ることができることを証明した零戦の活躍。

だが、戦争が進むと、低馬力で重量を限界までそぎ落とした零戦は、アメリカの2000馬力級エンジンの戦闘機にかなわなくなる。そして特攻の機材として零戦は敵艦に突っ込んでゆく・・・。

大人が始めた戦争で若者が死んでいく・・・という話だ。特攻に行く少年が教師の父に、「これから生き残る若者達に同じ若者として死に往くボクの希望(メッセージ)を伝えてください いいですね 父さん・・・」と伝え、「この国を守るために敢然と戦おう。日本は必ず敗れるであろう。そして残された君たちはこの日本を再生し建て直すために全力を尽くしてほしい。」というメッセージを残し、零戦が飛んでいく。

戦前の1936年生まれの小澤さとるだからこそ、描けた物語だ。