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さいとう・たかを『空気男爵 死太刀双之進』桃源社(1975/12/10)

『空気男爵』は、さいとう・たかをのデビュー作だ。絵柄が後の『ゴルゴ13』の面影は全然ないのに驚く。手塚治虫風の丸みを帯びた絵なのだ。

エジプトの星と呼ばれる宝石を盗む、空気男爵と名乗る男が、予告する。

ぼんぼん探偵こと田良良一と相棒の菅田が空気男爵の謎を解く冒険活劇だ。

空気男爵はいろいろな姿で現れ、追跡されてもなぜか消えてしまう。

田良良一がその謎を解く。

空気男爵は、小人症の双子が大人に変装していたのだった。

 

『死太刀双之進』は、時代劇だ。『空気男爵』より白土三平っぽい絵柄になり少し劇画調になった。

物語は宗方流の剣術道場には、双之進と敬一郎の兄弟がいた。兄の双之進は足が悪く、足を引きずって歩く。そのため父親は弟の敬一郎に後を継がせたい。兄弟を戦わせ、弟の敬一郎が勝てば後を継がせようとしていた。敬一郎は、兄を立てて、兄を勝たせようとする。それがわかった兄双之進は家を出る。双之進は、同じく足が不自由な奇動無心斉のもとで修行する。奇動無心斉対決して彼を倒し、旅の途中で何人もの剣客を倒した双之進は弟敬一郎と戦う。

敬一郎の刀に刃がないことを知った双之進はどこかへ去って行くのだった。

 

ゴルゴ13』とは絵柄が全く違うし、ストーリー展開も稚拙だが、さいとう・たかをファンなら一度は読んでおいてほしい作品だ。