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鳥越規央『統計学が見つけた野球の真理』講談社(2022/03/20)

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野球のデータ解析であるセイバーメトリクスが野球を大きく変えている。

セイバーメトリクスの指標について、その目的や計算式や読み取り方を解説した本だ。

 

驚いたのは、1979年に日本でも野球統計分析の研究論文が発表されているそうだ。意外と古いのだ。そして、その発表者が後の総理大臣、鳩山由紀夫というのにさらに驚いた。

 

打撃や投球についていろいろな指標ができてきて、球場による違いやチームによる違いをなくしてなるべく公平に選手を評価しようとしていろいろな指標が作成されていることがよくわかった。さらにポジションによる違いさえなくして選手を評価しようとしているのも驚いた。

 

また、球審がストライクとコールしたゾーンと本当のストライクゾーンの違いに驚いた。なんとストライクゾーンの四隅は、球審はストライクとコールしていないのだということだ!!球審のストライクゾーンは四角形ではなく円に近いのだ!!

 

野球はかなり統計的に分析されているスポーツだと思うが、それでも「勝負強さ」や「フレーミング」(ボールをストライクと判定させる技術)や「配球」は、評価できていない、とのことだ。

 

他の競技でもどんどん統計的な分析が進んでいる。スポーツと統計学をどう結びつけていくか、今後とも楽しみな分野だと思う。