『パンツァークリーク』、『12時間ON FIRE』、『英雄列伝』、『東亜総統特務隊』の4編が納められている。
『パンツァークリーク』
1942年末のスターリングラードの戦いから1943年7月13日のクルスクの戦いまでを、最前線で戦う兵士の視点で描いた作品だ。
歴戦のヴェルナー軍曹、補充兵のハンスとルドルフ。
まるで戦場を見てきたかのような描写。ヴェルナー軍曹やハンスの性格描写もいい。
『12時間ON FIRE』
核戦争が始まり、人類は終わる・・・
冷戦真っ最中に予想されたバッドエンドだ。
スペースシャトルの乗組員だけが生き残り、アダムとイブになる、というが食糧や水に限界があるからやがて彼らも・・・
『英雄列伝』
オットー・スコルツェニー、ラムケ、ハリコフ攻防戦、ゲルベ、パンツァーマイヤーことクルト=マイヤーらの戦いを簡潔に描いている。
『東亜総統特務隊』
満州にいた佐藤中尉は、クズ達を集めて、ドイツ軍東亜総統特務隊を組織する。
謀略工作専門で外国語に堪能な先祖が忍者の早川少尉。
無政府主義者の元工兵の小泉伍長。
飛ぶのが大好きで人妻と心中未遂した柿沼曹長。
飯泥棒の神宮寺一等兵。
兵営脱走に強盗殺人の花輪兵長。
ドイツ軍ハイネッケン大尉やマイヤー軍曹や中国人の八百特務中尉など怪しく荒唐無稽な登場人物が、満州からソ連を横断しながら活躍するストーリー。
最後は原爆抱えたB29を奪って・・・。
戦後の闇市では佐藤中尉と八百はやはりしたたかに生き残り、朝鮮戦争で一儲けを狙う。
この絵でギャグみたいなことを描くギャップが凄い。