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小林源文『パンツァークリーク』ゴマブックス(2019/10/10)


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『パンツァークリーク』、『12時間ON FIRE』、『英雄列伝』、『東亜総統特務隊』の4編が納められている。

 

『パンツァークリーク』

1942年末のスターリングラードの戦いから1943年7月13日のクルスクの戦いまでを、最前線で戦う兵士の視点で描いた作品だ。

歴戦のヴェルナー軍曹、補充兵のハンスとルドルフ。

 

まるで戦場を見てきたかのような描写。ヴェルナー軍曹やハンスの性格描写もいい。

 

『12時間ON FIRE』

核戦争が始まり、人類は終わる・・・

冷戦真っ最中に予想されたバッドエンドだ。

スペースシャトルの乗組員だけが生き残り、アダムとイブになる、というが食糧や水に限界があるからやがて彼らも・・・

 

『英雄列伝』

オットー・スコルツェニー、ラムケ、ハリコフ攻防戦、ゲルベ、パンツァーマイヤーことクルト=マイヤーらの戦いを簡潔に描いている。

 

『東亜総統特務隊』

満州にいた佐藤中尉は、クズ達を集めて、ドイツ軍東亜総統特務隊を組織する。

数々の軍紀違反をおかした元憲兵でいじめられっ子の中村軍曹。

謀略工作専門で外国語に堪能な先祖が忍者の早川少尉。

無政府主義者の元工兵の小泉伍長。

飛ぶのが大好きで人妻と心中未遂した柿沼曹長

飯泥棒の神宮寺一等兵。

兵営脱走に強盗殺人の花輪兵長

 

ドイツ軍ハイネッケン大尉やマイヤー軍曹や中国人の八百特務中尉など怪しく荒唐無稽な登場人物が、満州からソ連を横断しながら活躍するストーリー。

 

最後は原爆抱えたB29を奪って・・・。

 

戦後の闇市では佐藤中尉と八百はやはりしたたかに生き残り、朝鮮戦争で一儲けを狙う。

 

この絵でギャグみたいなことを描くギャップが凄い。