ゴルゴ13の読者からのアンケートによって選定された13話を集めた1,484ページの凄い本だ。
『ゴルゴ13』には単行本未収録の話しがいくつかあるが、ここに2話含まれている。
この記事では、その2話について、記載する。
その他の記事はそれぞれの単行本の記事を参照のこと。
また、インタビュー記事があって、それもまた面白い。
====もくじ=====
- 読者投票第13位作品 第245話『スワップ 捕虜交換』(1986/12作品)
- 読者投票第12位作品 第37話『AT PIN-HOLE!』(1971/01作品)
- 読者投票第11位作品 第524話『血まみれのマハ』(2012/07作品)
- 読者投票第10位作品 第81話『海へ向かうエバ』(1974/03作品)
- 読者投票第9位作品 第519話『1万キロの狙撃』(2012/02作品)
- 読者投票第8位作品 第59話『日本人・東研作』(1972/05作品)
- 読者投票第7位作品 第266話『バチカン・セット』(1988/09作品)
- 読者投票第6位作品 第100話『芹沢家殺人事件』(1975/11作品)
- 読者投票第5位作品 第343話『病原体・レベル4』(1995/05作品)
- 読者投票第4位作品 第262話『すべて人民のもの』(1988/04作品)
- 読者投票第3位作品 第562話『Gの遺伝子』(2016/05作品)
- 読者投票第2位作品 第1話『ビッグ・セイフ作戦』(1969/01作品)
- 読者投票第1位作品 第213話『2万5千年の荒野』(1984/06作品)
- さいとう・たかを「読者が選んだ"13作品”を語る
- 読者が選ぶBEST50発表!!
=============
読者投票第13位作品 第245話『スワップ 捕虜交換』(1986/12作品)
ページ数:86ページ
脚本協力:K・元美津
依頼者:2)BND(西ドイツ情報局)のパリ支局長ホルスト・シェンク
3)パレスチナ解放武力同盟情報部のカーリッド部長
ターゲット:2)ガブリエレ・クロッフェ・ティーデマン
3)モサド(イスラエル秘密情報機関)の女エージェントのサラ・ストーム
依頼金額:不明
狙撃場所:1)パリ・セーヌ河畔
2)3)イスラエル・ヨルダン国境を流れるヨルダン川アレンビー橋
殺害人数:3人
殺害相手:1)BND(西ドイツ情報局)のパリ支局長ホルストシェンクとゴルゴ13が会っているところを撮影した人
2)ガブリエレ・クロッフェ・ティーデマン
3)モサド(イスラエル秘密情報機関)の女エージェントのサラ・ストーム
H:0人
Part1 女諜報員サラ
ダマスカスのパレスチナ解放武力同盟情報部のカーリッド部長の前に、イスラエルのモサド(イスラエル秘密情報機関)のトップ・エージェントであるサラ・ストームが何者かの密告により連行された。
彼女を拷問し殺そうと見せかけたカーリッド部長だが、サラを捕虜交換(スワップ)のための「価値ある商品」と考えていた。
Part2 体内から出た写真
サラの体内から出た写真にはBND(西ドイツ情報局)のパリ支局長ホルスト・シェンクとゴルゴ13が映っていた。
Part3 突然のレディ
サラは牢屋から出された。カートリッドは、ガブリエレ・クロッフェ・ティーデマンと捕虜交換すると話した。
Part4 男は静かに・・・
ゴルゴ13が入国しホテルに宿泊したところにカートリッドと部下がやってきて、ゴルゴ13を麻薬所持容疑で逮捕した。
ゴルゴ13は牢屋の中で、腕立て伏せや腹筋運動やスクワットをして筋力低下に備えていた。
Part5 解せない情報
BND(西ドイツ情報局)パリ支局では、ホルスト・シェンクが部下のクララから、ゴルゴ13が逮捕されたことを聞いた。またガブリエレ・クロッフェ・ティーデマンがモサドの女性諜報員との間で捕虜交換(スワップ)されるとも聞いた。
シリアのダマスカスでは、サラは待遇改善され、ゴルゴ13は牢屋内で筋肉トレーニングを続けていた。
Part6 "G"の仕事内容は?
BND(西ドイツ情報局)パリ支局では、ホルスト・シェンクが部下のクララに、ティーデマンをマークすることとゴルゴ13の逮捕状況を調べるためにシリアのダマスカスへ飛ぶよう命令した。
シリアでは、カートリッドがサラの暗殺を依頼するが、ゴルゴ13は受けない。
カートリッドの部下は、ゴルゴ13宛てに西ドイツ製グリュンネル・アンシュッツのスペシャル・メイドの銃と20発の銃弾がホテルに届いたことをカートリッドに報告する。
Part7 引きうけた”G”
カートリッドはゴルゴ13にサラ暗殺を依頼する。場所はイスラエル・ヨルダン国境を流れるヨルダン川アレンビー橋だ。
ゴルゴ13は引き受け、銃をカートリッドから受け取った。
Part8 弾丸は一発だけ
ヨルダン川アレンビー橋から300mは離れた所で、弾丸一発を受け取ったゴルゴ13は、捕虜交換(スワップ)を待つ。
Part9 スコープの中の二人
橋の両端から、サラとティーデマンが近づいていく。二人がすれ違った瞬間、ゴルゴ13の銃が火を噴いた。銃弾は2人のこめかみを貫いた。たった一発で!!
ゴルゴ13はカートリッドを銃床で殴り、逃亡した。
Part10 プロの”プライド”
BNDがゴルゴ13に接触したのは、ティーデマンを殺すためで、そのためにサラを捕まえさせるためにゴルゴ13が密告し、捕虜交換(スワップ)させたということに、カートリッドは、気づいた。
ティーデマンとサラの二人を殺したのはプロの"プライド"だったのだ。
[感想]
単行本未収録の作品だ。発表当時、カートリッドの所属先は、PLO(パレスチナ民族解放機構)だったが、PLOの路線変更により、PLO=テロリストというイメージの描かれ方に抗議したため、単行本未収録となった。『リーダーズ・チョイス』に収録されるにあたり、PLOを「パレスチナ解放武力同盟情報部」という架空の組織に変更して収録となった。
一発の弾丸で二人を殺すという神業を披露したゴルゴ13は凄い。だが、ゴルゴ13の殺しの現場を目撃したカートリッドは、依頼者とはいえ殺されなかったので、ラッキーだった。
読者投票第12位作品 第37話『AT PIN-HOLE!』(1971/01作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 7 AT PIN-HOLE!(アット ピンホール!)』(リイド社)(1973/10/25) - haruichibanの読書&視聴のおと
読者投票第11位作品 第524話『血まみれのマハ』(2012/07作品)
読者投票第10位作品 第81話『海へ向かうエバ』(1974/03作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 21 ダラスの疑惑』(リイド社)(1976/12/25) - haruichibanの読書&視聴のおと
脚本の沖吾郎は、さいとう・たかを氏自身のペンネームだ。ペンネームの由来は読んだ時の響きがよかったからだそうだ。また、さいとう氏の娘さんのお名前が真湖(まこ)、夕湖(ゆうこ)、里湖(りこ)で、湖に「清く、深く、美しく」の願いをこめたのだそうだ。
読者投票第9位作品 第519話『1万キロの狙撃』(2012/02作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 191 1万キロの狙撃』(リイド社)(2018/12/08) - haruichibanの読書&視聴のおと
脚本は横溝邦彦氏だ。彼の脚本はゴルゴがコテンパンにやられて苦しみのたうつ話が多いそうだ。傷を同じ位置に間違えないように描かないといけないのでさいとう・たかを泣かせの作品だそうだ。
読者投票第8位作品 第59話『日本人・東研作』(1972/05作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 14 日本人・東研作』(リイド社)(1975/10/25) - haruichibanの読書&視聴のおと
2001年の『リーダーズ・チョイス』第1位作品だ。
読者投票第7位作品 第266話『バチカン・セット』(1988/09作品)
84ページ
脚本協力:安達謙太郎
依頼者:スイス銀行 次期頭取候補 トーマス
ターゲット:ゴルゴ13の口座から20万ドルをハッキングして奪ったニーノ司祭
依頼金額:20万ドル
狙撃場所:バチカン市国
殺害人数・相手:2人(ゴルゴ13の口座から20万ドルをハッキングして奪ったニーノ司祭 スイス銀行 次期頭取候補 トーマス)
H:0人
Part1 ハッカー司祭
バチカンのニーノ司祭は、バチカンで投資をする担当者だった。しかし20万ドルの損失を出し、マッシモ司教によって、バチカンを追放された。本当はマッシモ司教の指示で投資を始めたのに、彼によって追放されたのだった。
ニーノ元司祭は、スイスのチューリッヒで、モニカという修道女を使って、131313・・・というIDの銀行口座をハッキングして、20万ドルを引き出させた。
Part2 神を冒涜する者
バチカン市国では、マッシモ司祭が、ロシア正教を援助する秘密資金が不足しており、なかなか集まらないことを議論していた。カトリックがロシア正教を支援する理由は、無神論の共産主義国を倒すために、ロシア正教を支援する必要があるのだった。
そこにニーノ元司祭が現れ、20万ドルを渡す。
「汚い金は受けとれん!!」と断るマッシモ司教だが、「我々神の金庫番の使命は、心底ユダになることによって、法王のご威光を高める事ではありませんか?」と逆に脅す。
そして、司教の若い頃の男色写真を見せて脅す。
Part3 銀行マンの怒り
ハッキングされゴルゴ13の口座から20万ドルを盗まれたスイス銀行は、対策を話し合っていた。
犯人がわかったら、トーマスとゲルトが金の回収にあたり、回収した方を次期頭取に推薦することにした。
Part4 意外な犯人
修道女のモニカから犯人がバチカンのニーノ司祭であると判明した。
トーマスはゲルトが先に回収を試みていい、と話す。
Part1 蹴られた要求
スイス銀行のゲルトはニーノ司祭を訪ね、修道女モニカの告白を録音したテープを聞かせて金を返すよう依頼するが、ニーノ司祭は拒絶した。
Part2 すべて順調
ゲルトは金の回収に失敗したことを頭取に報告する。
トーマスが次の手を打つ。
Part3 モニカの死
修道女モニカを電話で呼び出したニーノ司祭は彼女を車でひき殺し逃走した。
Part4 スタジアムの忠告
ローマーイタリアーのスタジアムで、トーマスはクイン司祭と交渉する。
ニーノ司祭が殺し屋によって殺されることを話し、ニーノ司祭が奪った20万ドルを殺し屋に払って和解することw提案する。
トーマスはゴルゴ13にニーノ司祭狙撃を依頼する。最初はニーノ司祭がゴルゴ13から20万ドルを盗んだ犯人だ、と言い、依頼がなくてもニーノを片付けると思ったが、それはゴルゴ13があっさり拒絶した。
Part5 法王の目前で
ローマ法王が法話を話し、聴衆と握手をしている所を、拳銃で襲ったテロリストがいた。その男が銃を撃った瞬間、ニーノ司祭の眉間から血が噴き出した!
Part6 依頼者の杞憂
ニーノ司祭が献身的に法王を守った名司祭となった。
ローマ法王を襲ったのはアブ・ニダル・グループのテロリストだった。
トーマスと部下は、金を欲しがっているニーノ司祭に、ゴルゴ13の金を業界の裏情報としてそれとなくリークしていた。
部下の杞憂は、ゴルゴ13が依頼者がウソを交えた依頼をすることを許さないことだった。
車を降りたトーマスの眉間を銃弾が貫いた!!
[感想]
ローマ・カトリック教会の男色をストーリーの中に絡めたからなのか、単行本未収録作品だった。未収録の理由は当時の編集部の判断だった、とさいとう・たかを氏が話している。
カトリック教会の少年への性的虐待を先取りしていた作品と言ってもいいだろう。
さいとう・たかを氏はインタビュー中では、「同性愛は別にタブーでもなんでもない。当たり前の話しです。しかし今の時代、表現への規制が本当に厳しいですよね。・・・人間なのだからセックスがあるのは、当たり前なんですから。」と言っているが、本当にそう思う。
掲載を見送っている作品の一つに『幻(ダミー)の栽培』がある。これはイラン大使館から抗議が来たためだった。「抗議が来たことより、大使館関係者がゴルゴを読んでいた事の方にびっくしりましたね(笑)」とさいとうたかを氏が答えている。
宗教関係者も生身の人間なのだから、飯を食っていかなくては生きてはいけない。そのためには金を集めなければいけない。
宗教関係者の裏面にある醜い部分を描いた傑作だと思う。
読者投票第6位作品 第100話『芹沢家殺人事件』(1975/11作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 27 芹沢家殺人事件』(リイド社)(1978/01/05) - haruichibanの読書&視聴のおと
ゴルゴが出てこなければ、さいとう・たかを氏のペン入れ作業が減るから楽だそうだ。
読者投票第5位作品 第343話『病原体・レベル4』(1995/05作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 114 病原体・レベル4』(リイド社)(1999/10/03) - haruichibanの読書&視聴のおと
読者投票第4位作品 第262話『すべて人民のもの』(1988/04作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 81 すべて人民のもの』(リイド社)(1992/01/06) - haruichibanの読書&視聴のおと
読者投票第3位作品 第562話『Gの遺伝子』(2016/05作品)
脚本を担当した夏緑氏は大学院を出た理系女子で、本格的な生命科学ものを得意としている。ゴルゴ13はもともとさいとう・たかを氏の1つ歳上という設定だった。
読者投票第2位作品 第1話『ビッグ・セイフ作戦』(1969/01作品)
さいとう・たかを『ゴルゴ13 1 ビッグセイフ作戦』(リイド社)(1973/06/01) - haruichibanの読書&視聴のおと
連載開始時に、脚本家を募集したところ採用1人に対して300人もの応募があったそうだ。そして小池一夫氏は最初からモノが違っていたそうだ。
ゴルゴ13のキャラクターは最初にさいとう・たかを氏の頭の中にあり、外見は高倉健氏に似せたのだそうだ。『雲盗り暫平』は千葉真一氏がモデルだそうだ。
読者投票第1位作品 第213話『2万5千年の荒野』(1984/06作品)
チェルノブイリの事故よりも前で、スリーマイル島の事故をヒントに描いた作品だ。物語を描いた後に、それとそっくりの事が現実に起きるというのはゴルゴでよくある。さいとう・たかを氏は特に意識はしていないそうだ。
さいとう・たかを『ゴルゴ13 64 海難審判』(リイド社)(1987/08/10) - haruichibanの読書&視聴のおと
さいとう・たかを「読者が選んだ"13作品”を語る
さいとう・たかを氏自身は、第6話『白夜は愛のうめき』が一番好きな作品だそうだ。
さいとう・たかを氏の作品に対する思いが読めて面白い。

読者が選ぶBEST50発表!!


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