1996年1月1日発行の『別冊ビッグコミック ゴルゴ13シリーズ108』を読んでみた。
収録作品は、第319話『神の眼力』、増刊32話『告発の鉄十字』、第323話『モスクワの記憶』の三話だ。
このうち、増刊32話『告発の鉄十字』は、SPコミック未収録作品の一つだ。
ここではSPコミック版未収録の『増刊32話 告発の鉄十字』について記載し、その他は、SPコミックの該当部分を参照してほしい。(まだ書いていないがいずれ書く予定)
====もくじ=====
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第319話 『神の眼力』(1993/04作品)
SPコミック第105巻参照
増刊32話『告発の鉄十字』(1993/02作品)
36ページ
脚本協力:記載なし
依頼者:ヘルムート・グローガー
ターゲット:通称”虐殺人"、こと元SS少尉ハンス・シュタイナー
依頼金額:不明
狙撃場所:ドイツ ブレーメルハーフェン アルスターが経営するパブ
殺害人数・相手:1人(通称”虐殺人"、こと元SS少尉ハンス・シュタイナー)
H:0人
1992年ーUボート技術博物館・ブレーメルハーフェン・ドイツ
ゴルゴ13と会って狙撃を依頼しているのは、ドイツの精神科医、ヘルムート・グローガーだった。ターゲットは「父の影」だった。
Part1 院長のスケッチ
ヘルムート・グローガーの父ハインツ・グローガーは、病院の院長で、絵が趣味だったが、ある時自分のスケッチブックに絶滅収容所の絵が入っていた。またある時は、アドルフ・ヒトラー総統の肖像画が部屋にあった。
Part2 声をかけた男
グローガー父子が散歩していると、パブ経営者のアルスターというナチくずれの男が、親しげにハインツに「ハンスさん」と話しかけてきて、「またあの熱狂的な演説を頼みます。」と言った。
ハインツは、アルスターに心当たりがなかったが、「ハンス」という男のことが気になった。
ハインツは息子に、自分が戦時中、ミッテルウェルケにあったV2ロケット製造工場にいたこと、そこで平然と囚人を殺した男が「虐殺人」とあだ名されるハンスだったこと、ハインツはそのハンスと撃ち合いになり、彼を殺したが自分も銃弾を受けたこと、銃弾は大叔父が第一次世界大戦でもらった鉄十字章のおかげで命が救われたこと、ハンスを殺した後逃亡したことを語った。
Part3 意外な真相
ヘルムートはベルリン・ドキュメント・センターにいる友人に父親の話を調べてもらった。その結果、1945年3月14日、陸軍上級曹長ブラウラーを殺したのはハンス・シュタイナー少尉だった。ハンス・シュタイナーは熱烈なナチ党員で、通称”虐殺人"、二級鉄十字章を受章していた。そしてその資料を、友人より先に借りたのはハインツ・グローガーで、ハンス・シュタイナーの写真を剥ぎ取っていた。
ハインツは、息子ヘルムートに、自分が二重人格ではないか、二重人格の効果的な治療法が確立していないので自殺するしかない、と話す。
ゴルゴ13は「わかった・・・”方法”を聞こう・・・・」と答えた。
Part4 元SS少尉ハンス・シュタイナー
パブで演説するハンス・シュタイナー。
そこにドイツ軍の軍服を着たゴルゴ13が現れ、「ドイツ陸軍上級曹長ブラウラー」と名乗った。
ブラウラーの身内が仇討ちに来たと考え、拳銃に手をかけた。
ゴルゴ13が先にハンスを撃ち抜いた。
駆け寄るヘルムート。
起き上がったのは、ハンス・シュタイナーではなく、ハインツ・グローガーだった。ゴルゴ13は鉄十字章を見事に撃ち抜いていた。
ハンスの人格の時にハンスを殺すことで、ハインツの人格が安定するようにしたのだった。
[感想]
この作品がSPコミックに入らない理由はわからないが、ナチスや二重人格が扱われているからだろうか
多重人格者は殺さないと治らない、ととられかねない内容だからかもしれない。
設定をナチスではない設定にし、ラストのナレーションも変更するなど、手塚治虫なら改めるかもしれない。
ゴルゴ13が、正確に鉄十字章を撃ち抜き、ハンスだけを殺してハインツは活かした射撃は、見事と言うしかない。
ゴルゴ13の銃弾が殺人だけではなく人を活かすことにも使われている秀逸な射撃が印象に残る作品だ。
第323話『モスクワの記憶』(1993/08作品)
SPコミック第103巻参照
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