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さいとう・たかを『ゴルゴ13 10 ラ・カルナバル』(リイド社)(1975/02/20)

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紙版

 

 

 

====もくじ=====

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第39話『雪は黒いドレスの肩に』(1971/03作品)

ページ数:44ページ

依頼者:CIA

ターゲット:北米防空司令部のBMEWS(ミサイル早期警報組織)基地の写真を保管したマイクロフィルムを持ち出そうとしたエドモンド・ウィルソンことKGB要員ミハエル・カミンスキー

依頼金額:不明

狙撃場所:アメリカ

殺害人数:2人

殺害相手:スミスことKGB要員ユラノフ

     北米防空司令部のBMEWS(ミサイル早期警報組織)基地の写真を保管したマイクロフィルムを持ち出そうとしたエドモンド・ウィルソンことKGB要員ミハエル・カミンスキー

H:0人

 

Part1 看板(ビルボード)ロージイ

ストリップ小屋では、他の女が触らせてくれるのに、ロージイは、亭主もちだから、触らせない。

 

Part2 帰って来た男

家に帰ったロージイの所に、夫のジョニイが戻って来た。

 

Part3 手をさしのべた男

ギャンブル好きのジョニイは金を持ってまた出て行った。

ロージイは妊娠2か月なのでその金を持っていくな、とすがりついたが、ジョニイは出て行った。

その騒ぎを聞きつけて出てきたのは向かいの部屋のエドモンド・ウィルソンだった。

 

自殺しようとしていたロージイの部屋に、エドモンド・ウィルソンがやって来て、1000ドルを貸すと行った。

 

Part4 笑い話(ジョーク)

ロージイは皿洗いの仕事に変わっていた。

エドモンド・ウィルソンからロージイに手紙が来ていて、ニューヨークの笑い話(ジョーク)が書いてあった。運転するときメガネを賭けるようになって、ものすごく交通信号(シグナル)と道路標識(ロードサイン)と交通量が増えたのに気づいた、というものだった。

そこにスミスという男がやって来た。エドモンド・ウィルソンに、タイプライターの部品を返しに来た。

そして、エドモンド・ウィルソンからの手紙について聞いて、去って行った。

道路に出たスミスは銃撃されて眉間を撃ち抜かれて死んだ。

 

Part5 ジョニイの死

エドモンド・ウィルソンがロージイに、ジョニイが女と一緒にミシガン湖に浮かんで死んだ、という新聞記事を見せて知らせた。

 

Part6 ウィルソンの求婚(プロポーズ)

エドモンド・ウィルソンはロージイに求婚した。

 

Part7 いずれまたモスクワで・・・

エドモンド・ウィルソンは、高校の教授をしている男と会って話していた。

エドモンド・ウィルソンは結婚してエドモンド・ローマンになっていた。実はウクライナ生まれで本名はミハエル・カミンスキーで妻子がいてオルガという子どもと6年ぶりに会うのだ。

スミスはユラノフという名前だった。

教授はKGBのスパイで、学生を使って、北米防空司令部のBMEWS(ミサイル早期警報組織)基地の写真をマイクロフィルムにして、新婚旅行を兼ねて本部に運ぶつもりだった。

パリからフィンランドを経由する予定だった。

ジョニイを殺したのもシカゴのカーロフと呼ばれるKGBのメンバーで教授が命令したのだった。

 

その様子を観察していたCIAの男3人とゴルゴ13がいて、ゴルゴ13は、エドモンド・ウィルソンのほうを依頼された。

 

Part8 引き裂かれた夢

結婚式を挙げた、エドモンド・ウィルソンとロージイ。式が終わり、新婚旅行に向かうエドモンド・ウィルソンとロージイ。そのときエドモンド・ウィルソンが斃れた。眉間を撃ち抜かれて・・・

 

[感想]

切ない女シリーズに含まれる作品だ。

ストリッパーのロージイは不幸な女だったが、幸せを手に入れたその瞬間、夫が射殺された!

この後、彼女はどんな人生を送るのか心配だが、悲しい話だ。

 

 

第45話『アラスカ工作員』(1971/08作品)

42ページ

依頼者:CIA

ターゲット:KGBの非合法(イリーガル)工作員のなかでもっともおそれられている特別工作部第9課のナンバー1であるニコライ・エフゲネウィッチ・イエスホブ、こと”隼のイエス”

依頼金額:不明

狙撃場所:アラスカ秘密基地

殺害人数:1人

殺害相手:KGBの非合法(イリーガル)工作員のなかでもっともおそれられている特別工作部第9課のナンバー1であるニコライ・エフゲネウィッチ・イエスホブ、こと”隼のイエス”

H:0人

 

Part1 A(エース)のワン・ペア

アラスカを飛ぶアメリカ軍輸送機。そこにはマイクとエリックというCIAの切り札(エース)要員二人が乗っていた。

アラスカの諜報基地に二人が降下するのだ。連絡が途絶えて6週間経過し、調査に行ったCIA要員が1ダースも行方不明になっているからその原因調査のためだった。

 

Part2 無人の基地

二人は基地に降下した。基地には人がついさっきまでいた様子だったが、無人だった。基地内にカメラが一台あった。

 

Part3 隼のイエス

エリック・ローランに調査を任せて、基地からのカメラを、マイケル・エバンスが持ち帰った。

そのカメラにはイヌイットの生活をおさめたものだったが、その中に、KGBの非合法(イリーガル)工作員のなかでもっともおそれられている特別工作部第9課のナンバー1であるニコライ・エフゲネウィッチ・イエスホブ、こと”隼のイエス”が写っていた。

CIA局長は、隼のイエスが、CIAの男達を皆殺しにした、と判断した。エリック・ローランの秘密通信も途絶えていた。

そして、ゴルゴ13に依頼することにした。

 

Part4 挑戦者(チャレンジャー)がやって来た

ゴルゴ13が犬ぞりのソリ内に隠れて乗ってやって来た。

そこを遠方から狙撃された。ゴルゴ13はソリ内に隠れ、ソリの操縦者席にダミーを置いていたので、ダミーが狙撃された。ゴルゴ13が反撃を試みたが雪嵐のため反撃できなかった。

 

Part5 攻防(offense & Defense)その①

基地内に入ったゴルゴ13。

隼のイエスは暖房用の重油タンクからのパイプを止めてゴルゴ13をおびき出そうとする。

射撃の腕はもうひとつだとゴルゴ13は余裕を見せる。

 

Part6 攻防(offense & Defense)その②

基地内に置いたダミーが射撃された。ゴルゴ13はすぐに隼のイエスを追うが、防寒服のおかげで動きが鈍く、射撃したが外した。

 

Part7 攻防(offense & Defense)その③

基地の地下道から爆弾をつけた犬がやってきた。ゴルゴ13は肉を使って犬の気を引きつけ、脱出した。

犬の爆弾が爆発した。

隼のイエスはこの地下道を通って隊員を抹殺したようだ。

ゴルゴ13の死体を確かめにやってくる隼のイエスをゴルゴ13が待ち伏せする。

 

照明弾で周囲を明るくし、隼のイエスを狙撃したゴルゴ13。急所を外し、死体の処理法を問い詰めた。隼のイエスは犬笛を吹いて息を引き取った。犬笛でアラスカ狼をあやつって死体を始末していたのだった。

 

Part8 But・・・Why!?

隼のイエスが持っていた無線機に、KGBから連絡が入った。ゴルゴ13が向かっているが戦う必要はない、という指令だった。なぜKGBがゴルゴ13が来たことを知っているのか疑問を持つゴルゴ13だった。

 

[感想]

ミステリーとアクションが混じった面白い話しだ。

死体を狼が処理したのなら、血痕が残っていそうなものだが・・・。

ゴルゴ13が一人の人間に対して射撃して、銃弾を明確に外したシーンが描かれているのは実に珍しい。

この後、連作で次の話に続く。

 

 

第46話『鎮魂歌(レクイエム)に牙を』(1971/08作品)

41ページ

依頼者:KGB

ターゲット:正式な依頼前

依頼金額:正式な依頼前

殺害場所:1)シベリア

     2)ソ連モスクワのKGB基地

殺害人数相手:2人

殺害相手:1)KGBがCIAに送り込んだ暗号名トナカイ2ことポリヤコフ

     2)ポリヤコフを送り込んだ組織の男

H:0人

 

Part1 回収

アラスカの秘密基地で隼のイエスを殺す任務を実行したゴルゴ13をCIAのトニー・マーカスが輸送機で迎えに来た。輸送機の操縦はジョッシュだった。CIAにダブルスパイが潜入していることを疑うゴルゴ13だったが、気づくと輸送機はシベリアに向かっていた。

ダブルスパイはトニー・マーカスだった。

 

Part2 ウォーレン北方10キロ

2機のミグ21に囲まれ、輸送機は、でこぼこの地に着陸させられる。着陸の衝撃でジョッシュは死んだ。ハイジャックしたトニーも怪我を負い、ゴルゴ13と立場が逆転した。

 

Part3 おれは"トナカイ2"

多数のKGB要員に囲まれたトニーとゴルゴ13だ。ゴルゴ13はトニーを射殺し、トニーになりすまし、暗号名”トナカイ2”だと名乗った。

 

Part4 銃殺志願

車に乗ったゴルゴ13だったが、逮捕状が出ていると言われて薬を注射されて眠らされた。

 

Part5 名まえは知っている

KGBのガルキン大佐とシコルスキー少佐が、ゴルゴ13がトナカイ2でないことは確かだが誰かわからない、と話していた。逃走を図ろうとするゴルゴ13だが銃を突きつけられて戻った。

そのときガルキン大佐に、彼がゴルゴ13だという情報が入った。

 

Part6 殺人者へ敬意

ゴルゴ13はある女の前に連行された。トナカイ2ことポリヤコフはCIAに潜入していたKGB工作員だったが、その正体がある機関に賊するプロスパイと判明したのだった。

そして、ゴルゴ13とその女はブラジル人夫婦のパスポートを持ってひそかに脱出するのだ。

 

Part7 へやは焼けて

ゴルゴ13はパブレシル・クガーノ、女はその妻マリエッタ。サンパウロのコーヒー業者となる。日焼けルームで二人は日焼けしようとしていたが、温度が上がり部屋に閉じ込められた。

マリエッタのヘアピンで鍵を開けて部屋を脱出したゴルゴ13は、工作した男の首の骨を折って殺した。

 

Part8 さらばモスクワ

「自分に牙をむけたやつには鎮魂歌(レクイエム)を必ず聞かせてやる」と心の中で誓うゴルゴ13だった。

 

[感想]

初期のゴルゴ13は絶体絶命になることが多かった。

脱出の際にCIAの輸送機を信頼しきっていた。どこに向かっているか気にせず、気づいた時にはシベリアだった。

また、薬を注射されてしまい眠らされてしまった。車の座席も、移動できない後部中央に座っていた。

日焼けルームに鍵がかけられることを予想していなかった。

後のゴルゴ13なら対処を考えていただろう。

 

第47話『リオの葬送』(1971/09作品)

42ページ


依頼者:KGBのシャハリン、CIAのフーバー局長、MI6のヒューム部長、フランス情報部のオマイリー部長、内閣秘密調査室のイシワタリの5人
ターゲット:元ナチSSの科学者ワルター・フォン・オーベルト

報酬:各国10万ドルで合計50万ドル

狙撃場所:なし

殺害人数:0

殺害相手:なし

H:1人(KGB工作員マリエッタ・クガーノことマイヤ・モーニカ)

 

Part1 遠い国から・・・
ゴルゴ13とマリエッタがブラジル リオデジャネイロに到着した。
スリの少年がゴルゴ13のふところに手を伸ばすと、ゴルゴ13は容赦なく手の骨を折った。
マリエッタが金を渡し、穏便にすました。

 

Part2 お話はロンドンで・・・
ロンドンに向かう飛行機の中でゴルゴ13は、マリエッタにゴルゴ13への待遇の変化について、マリエッタは、本当の理由をきくが、ロンドンに着いた時話すと答えた。

 

Part3 5人の依頼主
ゴルゴ13がロンドンの秘密基地に到着すると、テレビ会議画面には5人の男が映っていた。

KGBのシャハリン、CIAのフーバー局長、MI6のヒューム部長、フランス情報部のオマイリー部長、内閣秘密調査室のイシワタリの5人だった。

標的は元ナチSSの科学者ワルター・フォン・オーベルトだった。
彼は、5か国(米英仏ソ日)を、毒ガスミサイルで脅迫してきたのだった。
報酬は各国10万ドルで合計50万ドルだ。
依頼を引き受けたゴルゴ13はマリエッタを抱いた。

 

Part4 荷物は届いた
ゴルゴ13のもとにM16が届いた。

 

Part5 アマゾンの上空で・・・
アマゾン川上空を飛行艇で飛ぶマイヤとゴルゴ13だったが、そこにメッサーシュミットMe109が現れたので、一旦引き上げた。
マナウスに降り立った二人は、別行動をとる。
マイヤは3人の男につかまってしまった。

 

Part6 死が這って来る・・・
KGB工作員暗号名ダンサー、マイヤ・モーニカはつかまってしまった。そして身ぐるみはがされアマゾン特産の毒グモが這って来る

 

Part7 そろえたものは!?
ゴルゴ13は、元マフィアでシカゴにいてFBIに追われてマナウスに逃げていたカルロス・ジモノーザという男に会っていた。
そして買い物リストを出した。

そのころ、マイヤ・モーニカは舌を噛み切って自殺した。

 

Part8 町角に裸身をさらして
町角に捨てられたマイヤ・モーニカの死体を見たゴルゴ13は去って行った。

 

[感想]

第45話から第49話までは連作になっている。

米英仏ソ日の共通の敵は、元ナチスSS科学者だった。

米英仏ソ日が共同で元ナチスSS科学者に立ち向かうという異色の依頼だ。

007もののようなアクションが楽しめる連作だ。

 

第48話『ナチス鉤十字章(ハーケンクロイツ)は錆びず』(1971年09月作品)

43ページ


依頼者:(KGBのシャハリン、CIAのフーバー局長、MI6のヒューム部長、フランス情報部のオマイリー部長、内閣秘密調査室のイシワタリの5人)

ターゲット:(元ナチSSの科学者ワルター・フォン・オーベルト)

報酬:(各国10万ドルで合計50万ドル)

殺害場所:ブラジル・マナウス

殺害人数:5人

殺害相手:ワルター・フォン・オーベルトの部下ヒルカ

    基地内の兵士3人と女1人

H:0人

 

Part1 男はR地点に!
ブラジル・マナウス
ヒルカという女がオットーの指示でゴルゴ13が見つかったR地点に向かった。

 

Part2 思い出のマナウスに
居酒屋で飲むゴルゴ13にヒルカが近づく。

 

Part3 あまいグラス
ヒルカはポートワインに仕込んだ幻覚剤をゴルゴ13に飲ませようとしたが、ゴルゴ13に気づかれ、逆に尋問され、殺され、路上に裸身をさらされた。

 

Part4 目には目を
なぞの組織のオットーらは、ヒルカの死体を目にした。ゴルゴ13の、「目には目を」というメッセージを読み取った。

 

Part5 緊急秘密会議
米英仏日ソの五か国に、ワルター・フォン・オーベルトは、一週間以内に10億ドルを用意しないと毒ガス、ゾマンを搭載したミサイルを発射すると脅迫していたのだった。
マイヤからの連絡が途絶え、ゴルゴ13への連絡ができない今、各国の諜報部長たちは焦っていた。

 

Part6 出発
カルロスはゴルゴ13が依頼したものをすべて揃えた。ゴルゴ13は出発した。

 

Part7 ジャングルを行く
ゴルゴ13は、ヒルカを尋問して得た情報をもとにジャングルを進む。

 

Part8 ひるがえる鉤十字(ハーケンクロイツ)
ゴルゴ13は鉤十字(ハーケンクロイツ)の旗がはためく秘密基地を発見した。
そして夜までに準備をし、夜になると、一個小隊で攻撃しているように騒ぎを起こし、ミサイルを破壊し、基地内に突入した。
ゴルゴ13は、ワルター・フォン・オーベルトの部屋に突入した。しかし彼は防弾ガラスの向こうだった。
ワルター・フォン・オーベルトに、自ら、ゴルゴ13と名乗った。
ワルター・フォン・オーベルトは去って行った。防弾ガラスに阻まれ追跡できないゴルゴ13。

 

Part9 アマゾンを染めて・・・
ゴルゴ13は何とか基地から脱出したが、ワルター・フォン・オーベルトは逃がしてしまった。

 

[感想]

たった一人で1個小隊に相当する演技をして突入するゴルゴ13のアクションがいい。

ゴルゴ13が名前をきかれて、自ら、「ゴルゴ13」と答えている珍しい作品だ。

ワルター・フォン・オーベルトを信頼したからなのか。

防弾ガラスによって目の前にいる標的を逃すというゴルゴ13らしくない失態を演じた。

この後、どう挽回するのか楽しみだ。

 

第49話『ラ・カルナバル』(1971年10月作品)

44ページ


依頼者:(KGBのシャハリン、CIAのフーバー局長、MI6のヒューム部長、フランス情報部のオマイリー部長、内閣秘密調査室のイシワタリの5人)

ターゲット:(元ナチSSの科学者ワルター・フォン・オーベルト)

報酬:(各国10万ドルで合計50万ドル)

殺害場所:ブラジル・リオデジャネイロ

殺害相手:ワルター・フォン・オーベルトの部下19人
     ワルター・フォン・オーベルト

 

Part1 サンバが死を呼んで
カーニバルの喧騒の中、”B12-F6にて13(サーティーン)発見"とモールス符号で叩く男がいて、それを聞いた男たちがB12-F6に向かう。
ゴルゴ13の前にナイフを持った男3人が現れた。
ゴルゴ13はパンチと足刀と飛び蹴りで3人を倒した。
そこへ別の男たちがやってきてゴルゴ13を追跡する。
ゴルゴ13は背後から囲みを脱出しようとする。

 

Part2 群衆の中のひとり
ゴルゴ13はロベールにワルター・フォン・オーベルトの似顔絵を描かせ、カルロスを呼び、ワルター・フォン・オーベルトを探すよう依頼した。


Part3 見せてやれ!
カルロスの手下が似顔絵を持って人探しをすると、ワルター・フォン・オーベルトの部下たちがそれに気づき、カルロスの手下たちを殴りつけた。

 

Part4 銃弾の中を!!
カルロスからの定期連絡の時間を30分も過ぎたので、ゴルゴ13はカルロスの家に向かう。
銃撃されたので、17人の敵を射殺した。
カルロスは家族を殺され、拷問されたが、ゴルゴ13について口を割らず、死んだ。
そこに電話がかかってきてワルター・フォン・オーベルトが山車に乗っているという情報が入った。

 

Part5 標的(ターゲット)はそこにいた
山車を発見したゴルゴ13。そこにはワルター・フォン・オーベルトがいた。
彼は、明朝5時、アベニーダ・リオ・ブランコ(リオ・ブランコ通り)にて待つ、と言った。ゴルゴ13は「わかった」と答える。

 

Par6 狂乱の嵐は過ぎて
翌朝 リオ・ブランコ通り
SSの制服に身を包んだワルター・フォン・オーベルトは拳銃でゴルゴ13と対峙する。
ゴルゴ13のM16が火を噴き、ワルター・フォン・オーベルトは斃れた。その時、レバーを押してゴルゴ13を道連れにしようとしたが、ゴルゴ13はすばやく身をかわして逃れた。

 

[感想]

標的のワルター・フォン・オーベルトを逃したゴルゴ13だが、カーニバルの喧噪の中、リオデジャネイロで発見した。

ゴルゴ13が標的を目の前にしながら射殺しなかったのは、ワルター・フォン・オーベルトの目に嘘がない、と見たからだったのだろう。

正々堂々とゴルゴ13との約束を守ったワルター・フォン・オーベルトも見事なものだった。

最期までワルター・フォン・オーベルトのそばにいて、ナチ式敬礼をした小人症の男はゴルゴ13の殺害現場の目撃者だと思うが、ゴルゴ13は彼を殺したのだろうか?それとも見逃したのだろうか?

米英仏ソ日を追いつめ、ゴルゴ13から一度は逃れたワルター・フォン・オーベルトという男は、敵とはいえ天晴れだった。

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

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