====もくじ=====
- 第54話『死の収穫』(1972/01作品)
- 第53話『ナポリの女』(1971/12作品)
- 第51話『潜入ルート”G3”』(1971/11作品)
- 第27話『シェルブール0300(オースリーハンドレッド)』(1970/04作品)
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第54話『死の収穫』(1972/01作品)
ページ数:85ページ
依頼者:ボリビア軍政府 アメリゴ・カルダス長官
ターゲット:マルロー大使奪回と、ボリビア人民解放軍というゲリラのエルナンド・モンテス殺害
依頼金額:10万ドル
殺害場所:ボリビア共和国 ラパス
殺害人数:1人
殺害相手:ボリビア人民解放軍特殊兵リタ・クローグ
H:1人(ボリビア人民解放軍特殊兵リタ・クローグ)
Part1 ゲリラ狩り
ボリビア共和国で、ガルシア少佐が率いるゲリラ狩りがあり、1人が射殺され、7人が逮捕された。
ガムラをリーダーで、マルチスという部下を始め、7人だった。死んだのがガムラの妹、コシーナだった。
ガムラは兄エルナンドが手を打つと信じて投降した。
Part2 ゲバラの教え
ボリビア共和国 首都ラパス
ゲリラのリーダー、エルナンド・モンテスは、妹コシーナが死に、ガムラ、マルチス、ボサダら7人が捕まったことを知った。
Part3 人質に選ばれた者
エルナンドは、フランス大使、オーギュスト・マルローを誘拐した。
Part4 要求を拒否すれば
エルナンドらは、オーギュスト・マルローに、ボリビア政府に捕まった人質7人の解放を要求させた。
Part5 マルロー大使夫人
オーギュスト・マルロー大使夫人はエリノア・マルローと言った。彼女は、ガルシア少佐と不倫していた。
ガルシア少佐のもとに、マルロー大使がゲリラに人質になった、という情報が入った。
Part6 その男の名はゴルゴ13
ガルシア少佐は自分が捕まえたゲリラを釈放するのに反対だった。
政府はゴルゴ13を雇うことにした。
10万ドルでマルロー大使奪回とエルナンド・モンテス殺害を依頼済みだった。
Part7 迎え撃つ”武器”
ゲリラ側には、ゴルゴ13がやって来ること、東洋人であることなどの情報が入っていた。
リタという女が中心になって迎え撃つことになった。
Part8 "男"が現れた!!
居酒屋で、背後から新聞をのぞき見した男に酒をぶっかけたゴルゴ13。彼の後を追うリタ。
Part9 あなたには悪いが・・・
オーギュスト・マルローには悪いが、まだ軍政府からの回答はなかった。
Part10 答えて眠れ!
ゴルゴ13と寝たリタ。拳銃を奪ってゴルゴ13に狙いをつけたが、リリオス・オバタ樹からとった催淫剤が効いてきた。リタはボリビア人民解放軍特殊兵リタ・クローグだった。アジトがサンデ・ピサーロ教会の裏がアジトだと白状した。
Part11 ラパスの町はずれ
エルナンドに、リタが死んだ情報が伝わった。
オーギュスト・マルローは家に電話したが、妻は不在だった。
オーギュスト・マルローはアメリゴ・カルダス長官に、ゲリラを解放するな、と伝えた。
エルナンドらは怒ったがオーギュスト・マルローを殺すわけにもいかずマルローを別な場所に連行することにした。
Part12 追跡
ゲリラのカミロがオーギュスト・マルローに銃口を向けながら、連行した。ゴルゴ13は、依頼人からマルロー大使の命の保証を言われていたので、狙撃せず、ゲリラを追跡する。
Part13 情事の果て
リカルド・ガルシア少佐は、エリノア・マルローとの情事の後、仕事に向かった。
Part14 捕らえられた娘
ガルシア少佐は、部下と会っていた。彼はジャングルの奥のゲリラ司令部へ食料を運んだ娘を捕らえていた。
Part15 拷問(ごうもん)
ガルシア少佐が娘を拷問しゲリラの司令部を吐かせようとする。部下が優しく話してつきとめた。
Part16 許可はおりた!
カルダス長官は、ガルシア少佐に、ゴルゴ13のマルロー大使救出が困難と判明してから、という条件で、ガルシア少佐によるゲリラ狩りに許可を出した。
Part17 ジャングルの司令部
ゲリラは軍政府にガムラ・モンテス以下7名の解放をしなければ、オーギュスト・マルロー大使を殺すと打電した。
Part18 政府軍の接近
ガルシア少佐率いる部隊もゲリラ司令部に接近していた。
Part19 合図の銃声
ガルシア少佐は一人でゲリラ司令部に向かった。窓際にオーギュスト・マルロー大使が立っているのを見たガルシア少佐が拳銃を出して、オーギュスト・マルロー大使を射殺した。
ガルシア少佐率いる政府軍とゲリラの戦いが始まった。
エルナンド・モンテスとカミロがゴルゴ13の目の前を歩いて行く。ゴルゴ13は、自分は撃っていないこと、エルナンドが通りすがりの男だ、と言って見送った。
Part20 返送された通告状
ガルシア少佐は、カルダス長官に、マルロー大使の死体が見つからなかったこと、エルナンド・モンテスは取り逃がしたが、ゲリラを壊滅したこと、ゴルゴ13がいなかったことを報告した。
だが、マルロー大使の死体は、ゴルゴ13から”契約破棄のための通告状"として、カルダス長官のもとに送られてきていた。「念のため通告状の中身を改めるよう」というメッセージと共に。
カルダス長官は、ガルシア少佐がオーギュスト・マルロー大使を殺害したと判断し、彼を逮捕した。
[感想]
ゴルゴ13のミラクル・ショットが見られるかと期待が高まったが、最終的には、依頼がキャンセルされた。カルダス長官はゴルゴ13を信頼しきれなかったのだから、ゴルゴ13のルール違反、という気もする。だが、条件付きでガルシア少佐に許可し、その条件を破ったのはガルシア少佐だから、ゴルゴ13のルールを破っていないといえるのかもしれない。
「契約破棄のための通告状」と「中身を改めるよう」というメッセージがいい。
第53話『ナポリの女』(1971/12作品)
43ページ
依頼者:不明
ターゲット:ギャングのボス
依頼金額:不明
狙撃場所:ナポリの海上のヨット
殺害人数:1人
殺害相手:ギャングのボス
H:1人(シルビーア)
Part1 ピエトロのナイフ
イタリア ナポリ
ナイフ投げの訓練をする少年。
そのナイフが壁にぶつかりゴルゴ13の目の前に飛んだ。
ゴルゴ13が素早くよけて拳銃を少年に向けた。
少年はピエトロと言い、母シルビーアと二人暮らしだった。
ピエトロは、母につきまとうジューコブ・ガリヤーノをナイフで殺そうと思って練習していたのだ。
ゴルゴ13は、ピエトロの家に泊まることにした。
Part2 2000リラのへや
シルビーアの夫は4年前に商売女にだまされて出ていった。半年ほど前に商売女のごたごたで殺されたらしい。
Part3 男ぎらいのシルビーア
ジューコブがシルビーアに言い寄ってきたが、ピエトロとシルビーアが追い返す。
ジューコブは貸した5万リラを明日中に返せ、と言って帰って行った。
Part4 マリアの抱擁
シルビーアは夜、ゴルゴ13の部屋に忍んでいった。
二人は寝た。
ピエトロはゴルゴ13とシルビーアが一緒になることをマリアに祈った。
Part5 どこへ行くの?
ゴルゴ13が外出した。
Part6 ジューコブの行動
そこへジューコブがやって来て、町でピストル強盗があって、犯人は東洋人で耳の後ろにきずあとがあった、と話した。
シルビーアはゴルゴ13がピストル強盗犯だと確信した。
そこへゴルゴ13が戻ってきた。ジューコブが出て行った。
シルビーアは包丁を持って出ていった。
ピエトロも母シルビーアを追って出て行った。
Part7 母と子の家
シルビーアが家に戻ると誰もいなかった。
ピエトロが帰って来て、ジューコブが警察に行ったが、ピストル強盗犯人は既に捕まっていた。
ゴルゴ13も家を出て行った。
Part8 さようなら・・・そしておはよう!!
翌朝、町の人達が、ヨットに乗っていたギャングのボスが射殺された、と噂していた。
[感想]
ゴルゴ13には哀しい女シリーズとでも言うべき作品群があるが、本作もその一作だ。
男嫌いのシルビーアと息子のピエトロ。ゴルゴ13と一夜を共にするシルビーアだったが、ゴルゴ13は仕事が終わると出て行った。
女手一つで息子のピエトロを育てるシルビーアの切ない話だ。
第51話『潜入ルート”G3”』(1971/11作品)
87ページ
依頼者:KGBのオルドフ部長
ターゲット:KGBのG・ステパノフ大尉
依頼金額:USドルで10万ドル
殺害場所:1)シベリアの小屋の外
2)モスクワ・ウヌコボ飛行場
3)中国北京の病院更衣室
4)中国北京の病院廊下
殺害人数:1)5人
2)3人
3)2人
4)1人
殺害相手:1)CIA工作員5人(オクトパスとポパイ)
2)CIA工作員2人、KGBのマノレンコ(暗号名クークラ(人形))
3)CIAが送り込んだ中国人の陳
4)KGB工作員G・ステパノフ大尉
H:0人
Part1 国籍不明機
中国領土上空を高高度で飛ぶ飛行機が中国軍に撃墜された。機体は自爆装置によって爆破された。
乗員のウラノフとカミンスキーは死んだが、一人、G・ステパノフ大尉が重傷を負って北京の病院に収容された。
Part2 決は出された
モスクワでは、KGB(ソ連国家保安局)のSR74が中国軍に撃墜されたことに対する会議をしていた。
ステパノフ大尉が生きており、何か話すと、国際問題になるため、ステパノフ大尉をゴルゴ13に依頼して殺すことにした。
Part3 接触地点
KGBのオルドフ部長と2人の女の部下がシベリアの小屋の前で、ゴルゴ13を待っていた。ゴルゴ13は軽飛行機からパラシュートで降りてきた。
Part4 かわいい羊の群れ
オルドフ部長は、報酬としてUSドル10万ドルで、ステパノフ大尉暗殺を、ゴルゴ13に依頼した。
そして、出入国に関する手助けを、ミレーナ(暗号名ドゥヒー(香水))と、マノレンコ(暗号名クークラ(人形))が行うと紹介された。ゴルゴ13は周雷峰28歳になった。
小屋の外に5人の馬に乗った男達がやってきた。
オルドフ部長とミレーナが射殺された。
ゴルゴ13は煙突から屋根に移動して、5人のCIAを殺害した。
生き残ったマノレンコとゴルゴ13は去って行った。
Part5 機影は去った
モスクワ・ウヌコボ飛行場
マノレンコ(暗号名クークラ(人形)が、ゴルゴ13が乗った247便が飛び立ったのを見送った。
そこへ、CIA工作員2人(オクトパスとポパイ)がやって来て、毒ガス弾で脅し、ゴルゴ13が何という名前か知ろうとする。マノレンコは周雷峰だと口を割った。その直後、CIA工作員2人が銃で撃たれて死んだ。
ゴルゴ13が247便に乗っていなかったのだ。
ゴルゴ13は自分の変名を話したマノレンコも射殺した。
Part6 待ちうける者たち
中国 北京
CIAのキャプテン・ステイクは、ステパノフ殺害にさし向けられた暗殺者を探していた。G-G-Gというプロフェッショナルとだけわかっていた。モスクワでオクトパスとポパイが殺されたことがわかった。G-G-Gの暗号は、最初のGが北京、2つめと3つめのGでゴルゴ13を意味していた。
キャプテン・ステイクはステパノフ殺害を阻止するために全員を呼び戻した。
Part7 奴は潜入した
ゴルゴ13は人民飯店というホテルに入り、荷物を受け取った。
Part8 手は口ほどに・・・
ステパノフ大尉は順調に回復していた。しかし下顎骨が損傷を受けており話すには一ヶ月もかかる。中国政府としては、二週間後のブカレストで行われる中ソ首脳者会談に影響を与えるので、筆談で情報を聞き出そうとしていた。
Part9 値いなき標的に・・・
病院で目を覚ましたステパノフ大尉に、中国公安部は、暗殺者が送られたこと、早く話して暗殺に値ない存在になれ、と話す。
Part10 更衣室にて
CIAが派遣した陳が病院でゴルゴ13を発見した。ゴルゴ13は更衣室で陳を射殺した。
Part11 暗殺方法は!?
ゴルゴ13は病院内に入り込み、煙草を吸いながら、ステパノフ大尉がいるところを偵察する。
Part12 狙撃!!
ゴルゴ13がロケット弾を撃ち込んだ。
中国公安部は、カーテンを閉めて外部から見えないようにして、ステパノフ大尉の乗ったベッドを移動させる。偵察時に仕込んだ盗聴器の音を頼りに、ベッドの位置を推測し、ゴルゴ13がステパノフ大尉を狙撃した。銃弾は見事にステパノフ大尉の右こめかみから左こめかみに貫通した!
Part13 成功と不成功
ゴルゴ13によるステパノフ大尉暗殺は成功した。しかし、中ソ首脳会談は流会となった。
[感想]
人民服を着て多数の自転車が走る北京の風景や、病院の廊下で堂々と煙草を吸えたのも懐かしい。
ゴルゴ13も人民服を着て周雷峰になりきっている。
ゴルゴ13のスーパーショットの一つだ。
第27話『シェルブール0300(オースリーハンドレッド)』(1970/04作品)
44ページ
依頼者:イスラエル ダヤン
ターゲット:フクバルハップ団レネ・ガルシア
依頼金額:不明
狙撃場所:フランス シェルブール
殺害人数:0人
狙撃目標:リビアの爆破装置
H:0人
リビアのトリポリで、ナセル・アラブ連合大統領、ヌメイリ・スーダン国家最高評議会議長、カダフィ・リビア革命評議会議長が話し合い、カダフィがイスラエルを敵視する演説をした。
Part1 黒雲の下で・・・
地中海・イスラエル沖35マイル
ゴルゴ13がイスラエルのダヤンと会った。
Part2 5隻の砲艦(ガンボート)
ダヤンが諜報部のアビバを紹介する。イスラエルは12隻の砲艦(ガンボート)をフランスに発注し、7隻を受け取ったが、5隻がシェルブールに係留されたままだった。5隻の砲艦を奪うために60名の艦船乗っ取り団をシェルブールに潜入させた。カダフィは7名の特殊破壊工作員を送り込んだ。ゴルゴ13への依頼はこの7名の活動を阻止し、シェルブール港から5隻の砲艦が出港する姿を確かめることだった。
Part3 その7人を捜せ!
シェルブールに入ったアビバとゴルゴ13だった。リビアが送った7人の特殊工作員の行方は杳として知れなかった。
Part4 アジトの7人
アジトにいる7人はクリスマスの夜0時ちょうどにポイント0に投下し、0300時ちょうどに爆破させると作戦を再確認していた。
Part5 鉄の骨入り七面鳥
アビバとゴルゴ13の部屋に七面鳥がルームサービスで持って来られた。アビバもゴルゴ13も心当たりがなかった。七面鳥には爆弾が仕掛けられていた。
Part6 残るは”海"
7人が見つからず焦るアビバ。ゴルゴ13は7人は一か所にいるが、海にいると推理し、二人は部屋を出た。
Part7 プラスの答え
爆破装置を積んだ飛行機が飛び立った、との情報がアビバとゴルゴ13に届いた。
潜水艦で接近した7人に飛行機から爆破装置を投下するのだ。
Part8 黒い海
ゴルゴ13達は、潜水艦と飛行機を発見した。
Part9 標的(ターゲット)の弱点
飛行機が爆破装置を投下した。
ゴルゴ13がそれを狙撃した。
Part10 応戦隊出動せよ!
ゴルゴ13は、器具の一部にタマが当たったことはたしかだが、破壊できたかどうかは保証のかぎりではない、と言う。さらに、「ことわっておくが、あんた(アビバ)の調べがちゃんとついたところで・・・行動をしてくれ・・・と言われているんだ!あんたの調べじゃここまでがせいいっぱいだったな。」と続ける。
イスラエルは応戦隊に出動命令が出た。
Part11 水中の死闘
水中ではアラブ側7人とイスラエル側多数が激しく戦っていた。
Part12 0300(オースリーハンドレッド)はいま・・・
イスラエルの応戦隊は全滅した。
そして0300時
5隻の砲艦は無事出港した。
[感想]
イスラエルのダヤンが久しぶりに登場した。
ゴルゴ13が「器具の一部にタマが当たったことはたしかだが、破壊できたかどうかは保証のかぎりではない。」と、珍しく、依頼主側に契約上の不備があったと言わんばかりの言葉を発する。
ゴルゴ13が爆破装置のどこかのパーツを破壊したのだが、それがどこなのかは、劇中では語られない。暗い夜に、初見で、爆破装置の弱点を見つけるゴルゴ13は凄い。
リビア側は、爆破装置も潜水艦内に搭載しておけば、ゴルゴ13に狙撃されなかったのに・・・。アビバとゴルゴ13の居場所までわかっていたのだから、作戦ミスだと思う。
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