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さいとう・たかを『ゴルゴ13 19 幽霊定期便(ゴーストライナー)』(リイド社)(1976/06/25)

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====もくじ=====

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第77話  『ジェット・ストリーム』(1973/11作品)

ページ数:86ページ

依頼者:MI6 ヒューム部長

ターゲット:トランスアトランティック航空901便をハイジャックした4人

 アメリカ国籍バーナード・ケリー、ダイアン・ケリー夫婦
 フランス国籍アンドレ・D・ルノー
 パキスタン国籍ムハマド・ローマン

依頼金額:不明

殺害場所:トランスアトランティック航空901便

殺害人数:2人

殺害相手:アメリカ国籍バーナード・ケリー、ダイアン・ケリー夫婦

H:0人

 

Part1 トランスアトランティック航空901便
 240人の乗客と21人の乗務員を乗せてイギリスヒースロー空港に向かうトランスアトランティック航空901便。
 ニューヨーク市警察のジョージ・キンポールとアリスは結婚して20年になるが初めての海外旅行だった。
 ロンドンで産婦人科をしているドクター・エドマンド・スタークと機内で会話している。
 彼はこれまでに600人をとりあげていた。
 
Part2 4人の男女
 トイレに立った女が銃を取り出し隣の男に渡した。
 別な席にいる2人の男も銃を取り出した。
Part3 ハイジャック
 1人が客室乗務員を脅して機長のところに行った。
 他の3人が乗客を脅してハイジャックをした。
 今のところハイジャック犯の要求は不明だ。
 機内にはゴルゴ13もいた。
Part4 ヒースロー空港
 ヒースロー空港の管制塔にはバートンが来ていた。
 乗客名簿を見たバートンはファースト・クラスの乗客デューク・トウゴウについて、調べるよう、部下に命令した。
 901便はヒースロー空港に着陸し給油を始めた。
 2時間はかかるという。
Part5 気になる乗客 その①
 ハイジャッカーに立ち向かった乗客1人が殺された。
 
 管制塔では、ハイジャック犯4人と思われる人物を特定した。
 アメリカ国籍バーナード・ケリー、ダイアン・ケリー夫婦
 フランス国籍アンドレ・D・ルノー
 パキスタン国籍ムハマド・ローマン
 
Part6 要求は出された!
 管制塔にいる上院議員サー・ウィルソンに犯人のリーダーから交信の申し出があった。
 ロンドン警視庁外事課主任レイモンド・バートンが出た。
 犯人はバーナード・ケリーで、帝国主義とパレスチナ解放のために闘っている、と言う。
 目的地は言わないが、現金100万ドル、パラシュート6個、高性能ダイナマイト50本を要求した。
Part7 命の重さは同じ
 犯人達の要求したものが揃ったので、犯人はバートンが物品を運ぶことを要求した。
 PLO(パレスチナ解放機構)もPFLP(パレスチナ解放戦線)も、今回のハイジャックとは無関係と声明を出した。
 デューク・トウゴウについて、MI6に確認中とバートンに連絡が入った。
 そこにMI6のヒューム部長が現れた。
Part8 気になる乗客 その②
 機内では、バートンが持ってきた物品を犯人達が確認していた。
Part9 ヒューム部長の苛立ち(いらだち)
 バートンが機内に入ってから40分経過し、女性と子どもの解放が始まった。
Part10 バートン主任の申し入れ
 バートンは人質100人を連れていく必要はないので解放するように犯人に申し入れた。
 犯人一味の一人ダイアン・ケリーは、自分達の目の届く範囲にした方がいい、と納得し、人質を10人にすることにした。
Part11 10人の人質
 ジョージ・キンポールやエドマンド・スタークは人質になる、と手を上げた。
 ジョージがゴルゴ13に、人質に残るように、声をかけた。
 ゴルゴ13は同意した。
Part12 ヒューム部長の決断
 渋滞に巻きこまれヒースロー空港に迎えないMI6のヒューム部長は、管制塔に連絡をとり、ハイジャッカーに伝言を伝えることにした。
Part13 「賛美歌13番」
 管制塔からハイジャッカーに、ヒューム部長からの暗号が伝えられた。
 乗務員もハイジャッカーもその意味はわからない。
Part14 顔色を読め!!
 ダイアン・ケリーはヒュームからのメッセージのキーワード「賛美歌13番」を人質に伝える。
 誰もが顔色一つ変えなかった。
Part15 暗号文の意味
 ヒュームの依頼がゴルゴ13に届いたかどうかわからないが、901便は飛び去った。
 行き先はわからない。
Part16 "男"が動いた時
 行き先はリビアのトリポリだった。
 ゴルゴ13がトイレに立った。
 トイレについてきたアンドレをゴルゴ13が首を絞めて倒す。
 ジョージがムハマドの正面で気を引く。
 ゴルゴ13が背後からムハマド殴り倒す。
 操縦席に向かうゴルゴ13に、ジョージもついていこうとしたが、ゴルゴ13は銃を向け手出しするな、と警告する。
 そしてゴルゴ13はバーナード・ケリーとダイアン・ケリーを撃ち殺した。
Part17 それは"ビジネス"
 901便はヒースロー国際空港に戻ってきた。
 ゴルゴ13はバートンに「仕事だ」と言ってどこかに雲隠れした。

 

[感想]

機内のゴルゴ13にメッセージを伝えるのに、賛美歌13番を使うMI6のヒューム部長。

それを察知して仕事に移るゴルゴ13。

ハイジャッカーとロンドン警視庁の緊迫した状況、ゴルゴ13の堅実な仕事ぶりが光る快作だ。

 

紐状のもので首を縛られたフランス国籍アンドレ・D・ルノーと、拳銃の銃床で殴られたパキスタン国籍ムハマド・ローマンの2人は、絵の描写から殺していないと判断して殺害人数にはカウントしていない。

 

 

第74話『アーリイ・オータム』(1973/08作品)

86ページ

依頼者:ジョニィ・オーガスタが死ぬことでその縄張りを得るチャールズ・ルカ

ターゲット:ニューヨークの芸能界を牛耳っている大物ジョニィ・オーガスタ

依頼金額:不明

殺害場所:マンハッタン

殺害人数:2人

殺害相手:ニューヨークの芸能界を牛耳っている大物ジョニィ・オーガスタ 歌手キャンディ

H:1人(ラスベガスの最高の女 天使(エンゼル)のアニー)

 

Part1 シーツを血に染めて
 マンハッタン
 大物芸能ボスのジョニィ・オーガスタと歌手キャンディ・ウェストがベッドの上でセックスの最中だ。
 ジョニィはキャンディがテレビで歌えるように骨折ると約束する。
 そこに警官姿のゴルゴ13が現れた。
 ジョニィは死ぬ間際に、ゴルゴ13を雇ったのがチャールズ・ルカだな、と言って拳銃を取りに行こうとしたところを殺された。
 キャンディは命乞いをするが殺された。
 
Part2 大物(ビッグ)オーガスタの死
 リッチモンド
 新聞を読んでいるビルに朝食を出すアイリーン。
 アイリーンは、ジョニィ・オーガスタとキャンディ・ウェストが殺された記事を読んだ。
 ビルは拳銃を持って、チャールズ・ルカの所に仕事をもらいに行こうとする。
 アイリーンはルカに会わないで、ビル懇願し、ビルの子どもを妊娠していると伝えた。


Part3 ビル・マクダネル
 ビルはルカの事務所に行った。そこで用心棒のテッドにバカにされたので、彼の手を踏みつけ前歯を折った。
 もう一人の用心棒ハンフリーにテッドを病院に連れて行くように、とルカが命じた。


Part4 A級か!?B級か!?
 ビルはルカがジョニィを他の殺し屋を雇ったことが気に入らなかった。
 ルカは今回は確かな奴にきれいに仕事をしてほしかったのだ。
 そしてビルが麻薬に手を出していることをルカは知っていた。
 そしてルカはビルにアイリーンを殺すよう命令した。


Part5 その名はゴルゴ13
 ルカの用心棒ハンフリーからジョニィ・オーガスタ殺しを依頼された殺し屋がゴルゴ13だと聞いた。


Part6 さようなら(グッバイ)アイリーン
 ビルはアイリーンを呼び出し射殺した。


Part7 追って来た男
 ビルは車を高速で走らせてラスベガスに向かう。


Part8 最上階2207号
 ラスベガス
 カジノに来たビルは天使(エンゼル)のアニーの所に行き、彼女の昨晩の客ゴルゴ13の居所を聞いた。
 そこが2207号室だと聞いた。


Part9 "確かな奴"は居た
 2207号室にビル・マクダネルがやって来た。ゴルゴ13は彼を部屋に入れる。
 ビルは"確かな奴"が自分とどの程度、差があるか確かめに来た、と言った。
 ゴルゴ13もビルも無言だ。
 しばらくしてビルは部屋を出て行った。


Part10 街はずれの決闘
 バーで呑んでいるビルの所にギルバートがやって来た。
 撃たれたアイリーンが生きている、とギルバートが言った。
 驚くビル。そしてギルバートの前で薬を注射する。

 ビルは仕事の最中に、無関係な女も殺してしまったことがトラウマになっていたのだ。
 ギルバートはチャールズ・ルカに命令されてビルを殺しに来たのだった。
 二人は決闘して、ビルがギルバートを殺した。
 しかし目撃されてしまった。
 目撃者は車で逃走した。


Part11 早朝の舗道で・・・
 ゴルゴ13がホテルの部屋から降りてくると、ホテルの外で、警官とビルが撃ち合っていた。
 既に警官2人が殺されていた。
 ゴルゴ13が表に出る。
 ビルはゴルゴ13に向いた時、警官からの集中射撃を受けて、彼は死んだ。

 

[感想]

隠れ家に隠れていない標的のジョニィ・オーガスタを、ゴルゴ13が珍しく至近距離から仕事をしている。しかもそこにいたキャンディも殺している。

そのことが殺し屋ビルが麻薬中毒になったことと重なる。

ビルは麻薬中毒になったが、ゴルゴ13は無表情に仕事としてこなす。

この違いがA級かB級の違いなのだろう。

 

 

第78話『幽霊定期便(ゴースト・ライナー)』(1973/12作品)

85ページ

依頼者:西ドイツ憲法擁護曲のフリードリッヒ・ヨーン

ターゲット:東ベルリンから西ベルリンへの逃亡請負組織幽霊定期便(ゴーストライナー)の中心人物のハンス・カートランド(44歳)

依頼金額:50万マルク(5000万円)

殺害場所:

 1)ハノーバー郊外

 2)場所不明

 3)カートランドの女の家

 4)東西ドイツ国境近くの町、ヘルムシュテッド

殺害人数:8人と1匹

殺害相手:

 1)ローザのフィルムを取りに来た男 カートランドの殺し屋フランツ
 2)カートランドの殺し屋フランツとズルゲとシュトリッヒとシュトリッヒ
 3)カートランドの女が買っているチーターのグーグ
  カートランドの女
 4)ハンス・カートランド

H:1人(ローザ)

 

Part1 向こうへ行きたい・・・
 東ベルリン
 西ベルリン
 西ベルリンに数年前に逃亡してきた男達が雑談している。
 そこへゴルゴ13が現れ、西ドイツ憲法擁護曲のフリードリッヒ・ヨーンと会う。


Part2 幽霊定期便(ゴーストライナー)
 車に乗ったゴルゴ13にフリードリッヒ・ヨーンが依頼する。
 ターゲットは東ベルリンから西ベルリンへの逃亡請負組織幽霊定期便(ゴーストライナー)の中心人物のH・カートランド44歳で暗殺料は50万マルク(5000万円)だ。
 殺す理由は、東ドイツが西ドイツの不誠意を追及してきたことと、カートランドが確かな情報網と判断力を持っており西ドイツ政府で追い切れないからだ。
 ゴルゴ13は引き受けた。


Part3 逃亡してきた女
 ハンブルグ
 ゴルゴ13は東ベルリンからカートランドの会社によって西ベルリンに来たローザという女を訪ねる。
 500マルクを払ったゴルゴ13は、彼女から情報を聞き出す。
 彼女は逃亡時の借金を抱えており、情事の様子を撮影し売っていた。
 ゴルゴ13はカメラに気づき、売り先を訊く。


Part4 行くだけ無駄だぜ!・・・
 ローザの撮影したフィルムを取りに来た男に、ボスのH・カートランドの所に案内させるゴルゴ13。
 その部下は、カートランドが、何かを感じ取る能力がすごいので、行くだけ無駄だと話す。


Part5 手を掻く男
 ハノーバー郊外
 カートランドは、既に去った後だった。
 クララという隣の女性に写真を見せるゴルゴ13に、クララは隣人はその男だと答えた。
 ゴルゴ13が去った後、クララの家にはカートランドがいた。彼は危険が迫ると手の甲がかゆくなる性質があるのだった。
 ゴルゴ13が危険な男だと感じたカートランドはフランツという殺し屋にゴルゴ13を殺すよう指令した。
 
Part6 引き返す理由
 ゴルゴ13を襲ったフランツだったが、ゴルゴ13によって逆に殺されてしまった。ローザのフィルムを取りに来た男も車から投げ出されて死んだ。
 ゴルゴ13はこれだけ早く襲われたからカートランドがそこにいたと判断し引き返した。


Part7 消えていた男
 そこにはクララ一人が残されていてカートランドは去った後だった。


Part8 さよならは町角で
 ゴルゴ13はローザに金を渡し、命を狙われるからしばらく隠れているように言った。


Part9 5人の殺し屋
 カートランドは、ゴルゴ13を殺すために5人の殺し屋を雇い、ゴルゴ13を殺した者には20万マルク(2000万円)を出す、と言う。

 

Part10 路地の対決
 ゴルゴ13を2人の殺し屋が襲ったが、返り討ちにした。

 

Part11 残るはふたり
 カートランドはフランツとズルゲという2人の殺し屋が返り討ちに遭ったことを知った。
 またシュトリッヒが額を撃ち抜かれてハーフェル川に浮かんでいたという情報も入った。
 残るはマッケンリッジとデクスビッチの2人だった。


Part12 カートランドの女
 カートランドの女が飼っているチーターのグーグとベッドで戯れているところにゴルゴ13がやってきた。
 ゴルゴ13はグーグを射殺し背後から来た殺し屋と女を殺した。


Part13 金になる"仕事"
 カートランドの所に、彼の女の所でデクスビッチも殺されたという情報が入った。残るはマッケンリッジだけだった。
 カートランドの部下ペーターともう一人は仕事から足を洗うという。
 カートランドは金になる仕事だから自分がやる、と言う。
 
Part14 終着点
 東西ドイツ国境近くの町、ヘルムシュテッド
 クララとDr.ラッセンが待っているところに、カートランドが逃走させたラッセンの妻子を連れてきた。
 チューリッヒに逃げるというカートランドの所に、マッケンリッジが現れた。
 ゴルゴ13がカートランドのもとに向かっている、という情報が入って、急行したのだった。
 それはゴルゴ13が、カートランドの居場所を探すために流した情報だった。
 カートランドの眉間をゴルゴ13の銃弾が貫通した!!

 

 

[感想]

危険が迫ると右手の甲がかゆくなる、という特殊能力を持つハンス・カートランド。

その能力のせいで、うまく逃げ回ることができたが、今回ばかりは、ゴルゴ13が上まわり、それがかなわなかった。

ゴルゴ13とカートランドの知恵比べ、5人の殺し屋との戦いというアクション、ローザやカートランドの女の色気が盛りだくさんの話になっている。

 

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