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第79話 『ペギーの子守歌』(1973/12作品)
ページ数:85ページ
依頼者:KGB(ソ連国家保安委員会)
ターゲット:4年前までスパイ活動をしていた、ハワード(黒人大学)の考古学教室・助教授のチャールズ・コバーン
依頼金額:不明
殺害場所:ワシントン郊外・メリーランド州 シルバー・スプリングの森
殺害人数:1人と1匹
殺害相手:
4年前までスパイ活動をしていた、ハワード(黒人大学)の考古学教室・助教授のチャールズ・コバーン
チャールズ・コバーンの飼い犬のノージィ
H:0人
ワシントン郊外・メリーランド州 シルバー・スプリングでノージィという犬の散歩をしていた男が、レイプ後殺されたベビーシッターの遺体を発見した。
Part1 ”鉄の人”
ワシントンからルート95を南に下るとトライマングルに着く。そこは海兵隊基地クワンティコだ。そこから専用道路を入っていくとFBIの特別射撃訓練所に着く。
FBIのギャラットは部下のサムを厳しく指導していた。
そこへ本部からギャラットに電話が入った。
Part2 一刻も早く!!
ワシントン郊外・メリーランド州 シルバー・スプリングで見つかったベビーシッターは、ペギー・ブロッサム、15歳だった。第一発見者はハワード(黒人大学)の考古学教室・助教授のチャールズ・コバーンだった。
ギャラットの上司は一刻も早く解決せよと命じた。
Part3 犯人(ホシ)を裁く者
ボブ・ギャラットとマイク・ティモンズは、被害者のペギーをベビーシッターとして雇っていたジェフ・カーターとヘレン・カーター夫妻の家に行った。ジェフ・カーターは毛布のセールスをやっている男だった。
FBIでは約6,000人のリストを作っていた。
FBIに戻ろうとしたボブ・ギャラットとマイク・ティモンズのもとに、リックが不審な男を見つけたと連絡が入り、二人は現場に向かった。
Part4 不審な男
不審な男はモーテルに泊まっており、そこのミセス・ミルトンにシルバー・スプリングの森について質問したので、彼女が不審感を抱き通報したのだ。
ミセス・ミルトンが不審な男と言ったのは、トウゴウだった。ギャラットはトウゴウを見て、トウゴウに何かがある、と感じ、一人で当たってみる、と言って部下三人から離れた。
Part5 ギャラットの”やり方”
車に乗り込もうとしたトウゴウの背後から拳銃を構えて近づいたギャラット。
トウゴウは一瞬のうちに拳銃を手刀で落とし、左ストレートの後右廻し蹴りでギャラットを倒した。そこにギャラットの3人の部下が近づいてきてトウゴウを逮捕した。
Part6 無言の容疑者
トウゴウは黙秘を続けていた。
ギャラットの勘ではトウゴウはきれいなはずはなかったが、トウゴウの部屋からは証拠となるものは何も発見されなかった。
一方、ペギー殺しの犯人がAB型で、ナイロンストッキングでの絞殺だとわかった。
Part7 血液、AB型
ボブ・ギャラットのもとに、トウゴウの血液型がAB型ではない、と連絡が入った。
Part8 奴をマークしろ!!
ボブ・ギャラットは、トウゴウを釈放した。その際、ゴルゴ13は「子守歌・・・か・・・」と一言つぶやいた。ボブ・ギャラットは釈放したトウゴウの尾行を続けていた。
ボブ・ギャラットはゴルゴ13を張り込みしながら、部下に、トウゴウが犯人ではなく、目撃者ではないか、と自分の考えを語った。
Part9 "奴"の行動 その1
ゴルゴ13の元に分解されたM16が届いた。ゴルゴ13はM16を組み立てた。ゴルゴ13は電話帳を調べて誰かに電話した。そして、ゴルゴ13は、シルバー・スプリングの森に向かって歩き始めた。ボブ・ギャラット達が尾行する。
Part10 "奴"の行動 その2
シルバー・スプリングの森に、ペギーの目撃者であるチャールズ・コバーンが犬の散歩に現れた。その先のベンチにはトウゴウが座っていた。そこに、ペギーの雇い主のジェフ・カーターが来た。
ゴルゴ13は、「やはり・・・同じカーターさんだったらしいな・・・」と言った。ペギーが「やめてっ、カーターさんっ」と言ったカーターさんと新聞に載っていた娘の雇い主のカーターさんが同一人物かと思って確かめようとしたのだった。
カーターがナイフを取り出し、ゴルゴ13に襲いかかった。
そこにボブ・ギャラット達が現れた。逃げようとしたカーターの脚にボブ・ギャラットが拳銃弾を撃ち込んだ。
Part11 第二の殺人
カーター逮捕の翌日午後3:25 シルバー・スプリングの森
眉間を撃ち抜かれたチャールズ・コバーンと彼の飼い犬のノージィの死体があった。
Part12 ボブのひとり言
ボブ・ギャラット達が捜査していると、チャールズ・コバーンは、じつはモスコー生まれユダヤ系ロシア人で、ニューヨーク中心にスパイ活動をしていたが、4年前からスパイ活動を一切やめていた。KGB(ソ連国家保安委員会)があとくされを断つために消した、ということが考えられる。
ボブ・ギャラットは、ゴルゴ13が、ペギー殺害事件の犯人逮捕に協力した理由が、自分の仕事遂行の邪魔になる存在を消しただけだった、と気づいた。
[感想]
背後に回った敵を反射的に攻撃してしまうゴルゴ13の悪い癖が出てしまい、逮捕されてしまったゴルゴ13。
だが、彼は事件の容疑者ではなく、目撃者だった。そして仕事を完遂するために、間接的だが、FBIに協力した。
ミステリアスなストーリー展開が面白い作品だ。
第82話『殺しの紋章五爪竜(ウーツァオロン)』(1974/03作品)
86ページ
依頼者:1)某方面
2)秘密結社、赤眉(チーメイ)の巡風頭(チョンフォンタオ)
ターゲット:1)大戦中に日本陸軍特務機関に協力した暗殺76号機関の季子全、こと、秘密結社、赤眉(チーメイ)の巡風頭(チョンフォンタオ)
2)巡風頭(チョンフォンタオ)から金塊を奪おうとした趙秀峰
依頼金額:1)不明
2)7万ドルのキャッシュ
殺害場所:1)スマトラ島 コタラジャ市
2)ペナン島近くの島の浜辺
殺害人数:1)7人
2)1人
殺害相手:
1)赤眉(チーメイ)のカンフーの達人である元三兄弟
赤眉(チーメイ)の幹部の男
最初にゴルゴ13を尾行した男
青蘭
季子全(巡風頭(チョンフォンタオ))
2)趙秀峰
H:0人
マレーシア・ペナン島2.4キロの沖合に沈没しているのが偶然発見されたドイツ海軍のUボートU-859をめぐって、西ドイツ政府の意向を受けている称するドイツ人・シモンと第一発見者の英人ダイバー・グループ、マレーシア政府が三つ巴で法定闘争していた。
Part1 呼びとめられた男
ペナン
東南アジア屈指の貿易商人趙秀峰が、ゴルゴ13に会いたいということで部下8人を送りこんだ。
Part2 Uボート財宝の行方
ゴルゴ13は趙秀峰と会った。
趙秀峰によると、U-859が運んでいた5tの金塊は既に赤眉(チーメイ)の一派だった。赤眉は五爪竜(ウーツァオロン)の死の予言で有名な秘密結社だった。
金塊は小舟でスマトラ島に運ぼうとして海難事故のため行方不明になったという。
趙秀峰はそれを疑っており、彼の依頼は、金塊の行方の追求と赤眉(チーメイ)一派の抹殺だった。首魁の名は巡風頭(チョンフォンタオ)で北スマトラのコタラジャの町にいるとのことだ。現金5万ドルで依頼する趙秀峰だが、ゴルゴ13は断った。
趙秀峰は最初からゴルゴ13に仕事を依頼するつもりはなかった。
ただ巡風頭(チョンフォンタオ)の情報を伝えることと、金塊の話を聞いて興味を持つかどうか試すことだった。
Part3 巡風頭(チョンフォンタオ)の”網”
スマトラ島 コタラジャ市
ゴルゴ13に声をかける少年。
少年にも油断しないゴルゴ13を見て尾行する3人の男。
Part4 きさまは何者!?
ゴルゴ13が外出すると、3人のうち1人が尾行し、二人がゴルゴ13の部屋に忍び込み荷物を調べようとした。
そこへ、尾行していた男を倒したゴルゴ13が戻ってきた。
1人を気絶させ、1人は外に逃げ出した。ゴルゴ13が追跡する。
Part5 "罠"への招待
外に逃げた男は、荘銭記信という看板の店に入った。そこには赤眉(チーメイ)の仲間達がいた。
一人は青蘭という女だ。
噂では趙秀峰が巡風頭(チョンフォンタオ)を殺すために殺し屋を雇ったということだ。
彼女はゴルゴ13を罠にかけようとする。
シャッターを閉め、男4人が外に出た。中には女と幹部らしき男の2人だけだ。電話がかかってきたが女は出ない。2度目の電話がかかってきた。外にはゴルゴ13らしき影が見える。
Part6 巡風頭(チョンフォンタオ)
赤眉(チーメイ)の4人は船を使って、巡風頭(チョンフォンタオ)の所に報告に行った。
Part7 男は捕らえられた!
ゴルゴ13は、荘銭記信の店内に入り、デスクに近づいた。
デスクのそばには落とし穴が仕掛けられていたが、ゴルゴ13は足音の違いに気づき、かわした。
しかし、青蘭がダイナマイトが仕掛けてある、と言うと、大人しく捕らえられた。
Part8 "五爪竜(ウーウァオロン)"を胸に
ゴルゴ13は独房に捕らえられた。
青蘭が"五爪竜(ウーウァオロン)"のカードー赤眉(チーメイ)による殺しの予告ーをゴルゴ13に渡した。
眉一つ動かさないゴルゴ13。
Part9 三人の牢番
元三兄弟がやってきた。
ゴルゴ13の始末は巡風頭(チョンフォンタオ)がやるが、痛めつけるのは元三兄弟の役目だった。
Part10 決闘三対一!!
ゴルゴ13は、カンフーの達人である元三兄弟を挑発し牢の鍵を開けさせ闘い、三人を倒した。
Part11 標的の願い
巡風頭(チョンフォンタオ)と青蘭達が荘銭記信の店内にやって来た。
ゴルゴ13は"五爪竜(ウーウァオロン)"のカードを返し、幹部の男と最初にゴルゴ13を尾行した男と青蘭を一瞬のうちに始末した。
巡風頭(チョンフォンタオ)は、趙秀峰の依頼で、ゴルゴ13が来た、と話した。
ゴルゴ13は、否定した。大戦中に日本陸軍特務機関に協力した暗殺76号機関の季子全として抹殺するよう、某方面から依頼されてきた、と答えた。
ゴルゴ13は二重の依頼を引き受けない、というルールを話す。
巡風頭(チョンフォンタオ)は、死の間際に、趙秀峰の始末を7万ドルのキャッシュで依頼する。趙秀峰も赤眉の一派だったが、巡風頭(チョンフォンタオ)が金塊を入手したと知ると、何とかそれを手に入れようとして、巡風頭(チョンフォンタオ)に2年で30人ものスパイを送り込んだのだった。
Part12 死の海岸線
海岸で、5tの金塊を捜す趙秀峰と部下達。その海岸には魚が浜辺に打ち上がり、奇形の鳥たちがいた。
ダイバーが沈んだ小舟を発見したが金塊がなかった。
一発の銃弾が趙秀峰の眉間を撃ち抜いた!!
U-859には5tの金塊の他に12tの水銀も積まれていた・・・
[感想]
カンフーの達人との素手での戦いのシーンは圧巻だ。
青蘭たちを一瞬のうちに始末した拳銃での射撃も凄い。
死の間際に、巡風頭(チョンフォンタオ)に、どういう筋の依頼か、話すのはゴルゴ13としては珍しい。
死の間際の依頼もきちんと請けて仕事をするゴルゴ13の真面目さは凄い。
第80話『銃殺人ひとり』(1974/01作品)
85ページ
依頼者:大農園主 ホセ・ロペス・デ・ガルシア
ターゲット:アントニオ誘拐と殺人の主犯 エルナン・デ・バーガ
共犯者で元プロ・ボクサーのフランシスコ・ドミンゴ
共犯者ロレンソ・コロナド
依頼金額:1千万ペソ(約2億2000万円)
殺害場所:グアダラハラの裁判所近く
殺害人数:3人
殺害相手:
アントニオ誘拐と殺人の主犯 エルナン・デ・バーガ
共犯者で元プロ・ボクサーのフランシスコ・ドミンゴ
共犯者ロレンソ・コロナド
H:1人(娼婦)
Part1 誘拐
グアダラハラ・メキシコ
大農園主の御曹司のアントニオと彼女のケイトが車でデートしていた。
しかし、二台の車に挟まれ、アントニオは誘拐され、ケイトは殺された。
Part2 射撃場にて
車椅子に乗ったホセ・ロペス・デ・ガルシアと、その後ろにいるカルロスが、射撃場で、ゴルゴ13の射撃を見物している。
ガルシアは射台から降りたゴルゴ13があらためて弾丸を込めたことを見落とさなかった。
そこへコルドバ警部がやってきて、アントニオが誘拐されたことを話した。
Part3 全財産を投げ出しても
パンチョ・ガルバという男が自首してきて誘拐事件がわかったのだ。主犯はエルナン・デ・バーガで、元プロ・ボクサーのフランシスコ・ドミンゴ、ロレンソ・コロナドの三人だった。
Part4 犯人からの連絡
犯人から手紙で身代金1千万ペソ(約2億2000万円)を要求してきた。
その後、情勢が変わったので今夜の8時までに金を用意せよ、と電話がかかってきた。
Part5 犯人の焦(あせ)り
犯人達は、ガルシアが警察に知らせたと思って焦っていた。
そこへたまたま警察の車がやって来た。
警察の車は応援を呼ぶために逃走した。
だが、エルナン・デ・バーガは、逃走の足手まといになるアントニオを射殺した。
Part6 失いたる者の叫び
アントニオを誘拐し殺した犯人達は逮捕された。
しかしアントニオは戻ってこない。
死刑制度のないメキシコでは犯人達は生きながらえるのだ。
怒りに燃えるガルシアだった。
Part7 選ばれた男
ゴルゴ13が射撃場に現れるのを3日間待ったガルシアは、ゴルゴ13に、復讐を依頼しようとする。詳しい話をするために自宅の住所と電話番号を伝える。ゴルゴ13はそれを暗記した。
そこにコルドバ警部がやって来て、ガルシアが復讐する、という噂が耳に入ったと話し、止めようとする。
ガルシアはノーコメントで立ち去った。
Part8 銃殺執行官
ゴルゴ13にガルシアは3人の銃殺執行官として1千万ペソ(約2億2000万円)を提示した。ゴルゴ13は引き受けた。
条件として、自分がガルシアに生命を狙われていることを知らせ、恐怖を味あわせることだった。
Part9 知らされた三人
アントニオを殺した三人に、他の囚人からのメモで、ガルシアが三人を狙っていることが伝えられた。
警察が守ってくれると、うそぶく三人だった。
Part10 男は何処(いずこ)に?
コルドバ警部はゴルゴ13を捜していたが、グアダラハラでは見つからなかった。
ゴルゴ13は娼婦と一戦交えていた。
Part11 待つ・・・
明日から公判が開かれる。
ガルシアはひたすら待つだけだった・・・
Part12 護送車は出た・・・
3人を乗せた護送者が出発した。
ゴルゴ13はバイクで追跡する。
何かを護送車に取り付けた。
Part13 死刑執行!!
裁判所を見下ろすゴルゴ13。
護送車が近づいてくる。ゴルゴ13は護送車のタイヤに銃弾を当て、バイクでつけた何かを狙撃した。火が出た。
護送車から3人が引き出される。
3発の銃弾が、3人の眉間を撃ち抜いた!!
コルドバ警部が狙撃犯人が近くにいると見て、部下達に非常線の手配を命じる。
ガルシアが銃を構え、警官達を止める。
「逃げてくれ!!わたしの死刑執行官!!」と心で思い涙を浮かべるガルシアだった。
[感想]
射撃場での仕草をみて、ゴルゴ13がただ者ではないプロだと見抜いたガルシアの眼力は凄い。
死刑制度のない国で被害者が思う復讐感情を描いた作品だ。
ゴルゴ13はコルドバ警部の目から逃れるために娼婦のもとに行ったが、どこにいたのだろう?
3人を同時に射殺しなければいけない状況で、どうやって狙撃するのか、考えながら読むのも楽しい作品だ。
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