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さいとう・たかを『ゴルゴ13 169 極東の凶行』(リイド社)(2013/07/19)

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この本が発売された頃、TOKYO MXでアニメを放映していたようだ。


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====もくじ=====

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第471話 極東の凶行(2007/05作品)


脚本協力:品川恵比寿

ページ数:120ページ

依頼者:ワンダル共和国の隣国

ターゲット:ワンダル共和国の革命グループ"アフリカ解放のサイ"

依頼金額:不明

殺害場所:パプアニューギニアのヘンリー八世島

殺害人数:5人以上

殺害相手:ワンダル共和国の革命グループ"アフリカ解放のサイ"リーダー ナジャブ
  ナボ
  手下3人

H:0人

 

Part1 ある失踪事件
 東京-ジャパン-
 新宿警察署の定年間際の韮沢刑事は、夫の失踪届を出した堂坂夫人の所に聞き込みに行く。
 女、借金、家庭不和の線はなさそうだった。
 堂坂が勤めていたのは、千原精密印刷という会社で、大手の牧園印刷の子会社だった。
 韮沢刑事は水江人事部長に聞き込みをするが、手がかりになりそうな情報は守秘義務の壁に当たり得られない。
 近所の飲み屋で聞き出すと、成田からの商品出荷三日前であること、堂坂の他に警備会社大岬警備の警備員も行方不明になっていたことが、わかった。
 
Part2 もう一人の失踪者
 大岬警備には警察関係者が天下りしていたので、そのつてで、韮沢刑事は、かつて横領事件をもみ消した恩義がある男から情報を得る。
 上村という警備員が失踪していること、上村は女関係が盛んだったこと、チャーター便で成田から出荷されること、などの情報を得た。
 
Part3 国際的犯罪の臭い
 韮沢刑事は、空港警備員から、992便アフリカ方面行きのチャーター便がある情報を入手した。
 韮沢刑事は、堂坂と上村の失踪が国際的犯罪の臭いを感じていた。
 彼は、ナンバーを隠したバンに襲われ、国際的犯罪であることを確信した。
 
Part4 隣国の依頼
 キンシャサ・ヌジリ空港-アフリカ-
 ヌジリ空港からカイロに向かう飛行機の中にゴルゴ13がいて、依頼について回想していた。
 ワンダル共和国と「我が国」は資源問題で敵対していた。
 ワンダル共和国の反乱分子"アフリカ解放のサイ"がイスラム革命を目論んでいた。
 「我が国」に飛び火するのを好まないので、"アフリカ解放のサイ"の革命阻止を依頼した。リーダーの名はナジャブだった。
 ナジャブが日本にいることがわかったので、ゴルゴ13は、カイロ経由日本に向かう。
 
Part5 韮沢襲わる
 東京、新宿
 警備員の上村が入れあげた女の凛子に話を聞く韮沢。
 彼女はサングラスをかけた肌の浅黒いイケメン外国人ら50万円もらって、印刷会社から成田までの輸送の日取りや時間を聞き出そうとしていた。
 凛子への聞き取りの帰り、韮沢はナイフを持った黒人二人に襲われた。一人を投げ飛ばしたすきに相手の財布をスッていた。
 そして拳銃で威嚇して追い返した韮沢だった。
 
Part6 山蛭刑事
 港の倉庫で、ナジャムが黒人2人を前にして、3年かけた作戦について、話していた。
 堂坂の口を割るのは大変だったが、上村の口を割らせて、最後の仕上げ段階に入っていた。
 成田の関係者を一人籠絡済で、仕上げはムハマドとアガシャの出番だった。
 二人は柔軟体操をしていた。
 右目にあざがあるナボは、国家予算をぶん取ってやる、エンリージアイで革命記念日を祝福だ、と意気込むとナジャムが口が軽いことをたしなめる。
 すでに韮沢はそこに潜入しており、それらの会話を聞いていた。
 しかし赤外線センサーが反応し、撃たれて港から海に落ちてしまった。
 ナジャムらはすぐに退避することにした。
 
Part7 食らいつく韮沢
 韮沢は命からがら港に上がったところで気を失った。
 そこへゴルゴ13がやってきて、韮沢が得た情報を入手し、彼の傷の手当てをして去った。
 気を取り戻した韮沢が、倉庫を調べると、既に堂坂と上村は死んでいた。
 携帯電話が水に濡れて使えなくなった韮沢は公衆電話から警視庁に連絡した。
 西沢部長は、神奈川県警に挨拶なしで倉庫の捜査に向かったことや、死体が発見されたのに現場を離れたことをとがめる。
 韮沢の背後をバイクに乗ったゴルゴ13が尾行していた。
 高速道路の料金所で、韮沢は千原印刷が印刷しているのが紙幣であることに気づいた。
 他国の紙幣を印刷している国としては、英、仏、独、スイスが有名だが、技術力の高い日本も極秘裏に輸出していたのだ。
 
Part8 紙幣は踊る
 千原印刷から紙幣を運ぶ荷物が出発し成田に向かった。
 "アフリカ解放のサイ"グループが追跡を始める。
 韮沢には西沢部長から署に戻るよう督促が来る。
 ゴルゴ13は韮沢の尾行をやめUターンした。

Part9 強奪決行場所は?
 成田国際空港にナジャブ、ナボら4人がいる。
 柵の外に黒人男女1組がいて、荷物を放り投げた。
 それを拾う男がいた。
 成田空港に着いた韮沢の前を荷物を運んできた車が通って空港内に入って行った。
 ゴルゴ13はスコープでジャンボ機を見ている。
 
Part10 "エンリージアイ"
 黒人男女からの荷物を拾った男がその箱をパイロットと搭乗員の荷物の間にひそませた。
 柵の外で韮沢は、ジャンボ機に荷物が積み込まれたのを確認した。
 韮沢は、無事にジャンボ機が飛ぼうとしているのを見ながら、ナボが言っていたエンリージアイという言葉の意味をいぶかっていた。
 ゴルゴ13は韮沢の唇がエンリージアイと動くのをスコープで見ていた。
 
Part11 ハイジャック
 ムハマドとアガシャの二人は、搭乗員の荷物の中に、その柔軟性を活かして潜んでいた。
 バッグの中から抜け出した二人は、黒人男女とそれを拾った男が機内に持ち込んだ箱内から拳銃を取り出し、ハイジャックした。
 ゴルゴ13はオーストラリア、ケアンズに向かう民間旅客機の中にいた。
 
Part12 孤島の滑走路
 孤島の滑走路にハイジャックされたジャンボ機が着陸した。
 
Part13 作戦成功
 孤島はパプア・ニューギニアのヘンリー八世島だ。
 ナジャブらはその島を買い取り、飛行場を整備し、ハイジャック機を着陸させたのだった。
 
Part14 Henry The Eighth
 小型機でヘンリー八世島に近づくゴルゴ13。

 ゴルゴ13は、ヘンリー八世と発音したオーストラリアなまりの英語を、日本人が聞いた場合、"エンリージアイ"と聞こえることから、場所をつきとめたのだ。
 
Part15 攻撃
 小型機から海中を進んで島に向かうゴルゴ13。
 上陸して山から、ナジャブらの飛行機の燃料タンクを狙撃したゴルゴ13。
 ナジャブはジェット燃料は引火点が高いから簡単には引火しない、と仲間を安心させ、狙撃者の攻撃に向かわせる。
 ゴルゴ13は、ジェット機のすぐ下にいた車両の燃料タンクを狙撃しガソリンに引火させ、ナジャブらとともに紙幣を燃やす。
 少なくとも5人がその爆発で死んだ。
 
Part16 老兵は去るのみ
 アフリカ解放のサイの仲間割れにより紙幣が燃えた、ということで事件は解決した。

 韮沢は退職して警察を去るのだった。

 

【感想】

「エンリージアイ」が「ヘンリー八世」だとは!!そのストーリー展開に脱帽する。

ゴルゴ13の読唇術と、一般日本人のヒアリング力の解析力について、凄い。

韮沢もいい捜査をしていたが、惜しかった。

日本が秘密裡に外国の紙幣印刷を請け負っているとは知らなかった。日本の印刷技術力があれば、確かに、その仕事を請け負うのはありだと思う。

極秘でやるのがいいのか、公開してやるのがいいのかは、私にはよくわからないが・・・。

 

増刊94話 ドッグマンの鼻(2007/03作品)


脚本協力:横溝邦彦
41ページ
依頼者:エナジーオン社のクレメンス

ターゲット:ノイ社のドッグマンであるチャクラポンの嗅覚を奪うこと

依頼金額:不明

狙撃場所:カリフォルニア州サンディエゴ ノイ社

殺害人数:0人

殺害相手: なし

H:0人


カリフォルニア州サンディエゴ-U.S.A.-
エナジーオン社のエナジーオン飲料は、欧米のエネルギー飲料市場で独占的なシェアを誇っていた。
ノイ社のソムーチャイCEOは、おいのチャクラポンの優れた味覚、嗅覚と執念によって、三種類の酸味料・甘味料と五種類の香料をつきとめ、配合の解明が残っていた。
官能士のフジイは、酒と煙草によって、チャクラポンとソムーチャイCEOによって、解雇された。
ソムーチャイCEOは25年前祖国タイでエナジーオン社のクレメンスに受けた屈辱を今こそ晴らす、と誓うのだった。

25年前、バンコク・タイで、ソムーチャイは、クレメンスが用意した契約書をよく読まなかったため、タイ以外の国での独占販売権をクレメンスに奪われてしまったのだ。
フジイは、チャクラポンが用意した42番と75番のテスト中の試作品をこっそりと盗んでいて、エナジーオン社に売りつけるハラだった。

ウィーン-オーストリア-
エナジーオン飲料研究所
フジイが持ち込んだテスト中の試作品は、エナジーオン社とは異なる原料だが、1%の味と香りをコピーしたことを照明していた。
クレメンスはもはや手段を択ばない、と決意した。

ソムーチャイCEOに、エナジーオン社がチャクラポンの命を狙っている、という情報が入った。ソムーチャイCEOはチャクラポンの警備に最善を尽くすように指示する。

ゴルゴ13がノイ社に潜入した。
クレメンスは、チャクラポンの嗅覚を奪うことを依頼した。

警備主任はゴルゴ13が潜入したマンホールの蓋から、潜入に気づき、より厳重に警備する。

しかし、ゴルゴ13は、一瞬のスキを突き、チャクラポンが持っていた生理食塩水とエッセンシャルオイルのビーカーに、強アンモニア入りのガラス製の銃弾を命中させ、彼の嗅覚を奪うことに成功した。

 

【感想】

ゴルゴ13が誰も殺さない物語だ。

飲料業界が互いに相手の製品を調査し、市場を奪おうとしている厳しい現実を描いた作品だ。

 

 

第473話 デリート・G Gの消去 (2007年07月作品)


脚本協力:麦丘健二
80ページ
依頼者:なし
ターゲット:なし
依頼金額:なし
殺害場所:ヴァージニア州ラングレー郊外トーマス・グローバー邸
殺害人数:1人
殺害相手:CIA対テロリズム分析室室長 トーマス・グローバー
H:0人

 

Part1 極秘任務
 ヴァージニア州・ラングレー-U.S.A.-
 CIA本部 テロリズム分析室
 
 CIA対テロセンターのリアム・レッド副所長と、テロリズム分析室室長トーマス・グローバーとマシューとテッドの合計4人しか知らない極秘任務だ。
 その任務はゴルゴ13がアメリカにとってどれほどの潜在的脅威になるか、調査することだった。
 そして、ゴルゴ13排除のための作戦計画の草案と実行の際のリスクもつけることだった。
 調査結果によっては、アメリカはゴルゴ13を消すことも辞さないというのだ。
 
Part2 任務遂行
 ゴルゴ13はここ5年間平均100件の仕事をしているらしいことを、テッドはつきとめた。
 マシューは、エシュロンを使って調べた結果、1秒に1件、1日8万6000件の依頼がゴルゴ13に舞い込み、そのうち2/3はやり方がまずくてゴルゴ13に届いていないこと、残りの9割以上は何らかの理由でゴルゴ13が取捨選択していることをつきとめた。
 二人はゴルゴ13の危険は明白だから、ゴルゴ13をどうやって排除できるか、に絞ることにした。
 
Part3 テレビ会議
 レッド副所長は、マシュー、グローバーにすべて任せてある、と言ってマシューの言葉を遮った。
 ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港にゴルゴ13が降り立った。
 
Part4 警告
 ヴァージニア州郊外 トーマス・グローバー邸
 トーマス・グローバーとマシューとテッドがトーマス・グローバーの邸に招待されて食事をしている。
 マシューはゴルゴ13を狙うならギランバレー症候群が発症している時だ、と話した時、銃弾がグラスを撃ち抜いた。
 どうやらゴルゴ13による警告のようだ。
 
Part5 調査続行
 マシューはゴルゴ13と同じような症例がないか調べていた。
 テッドはゴルゴ13の警告によってすっかり及び腰になっていた。
 
Part6 警告無視の結果
 リアム・レッド副所長の眉間を何者かによって撃ち抜かれた。
 ゴルゴ13による犯行で、警告無視の結果だと、マシューやテッドは、判断した。
 そしてCIAがそのメンツにかけて、ゴルゴ13と対決するという最悪のシナリオを想像するのだった。
 
Part7 CIAの決意
 トーマス・グローバー室長、マシュー・ホールデン局員、テッド・ウィリアムス局員に対して、リアム・レッド副所長からのゴルゴ13に関するレポート作成指示について、調査が入った。
 マシューは、取調官が「ホールデン局員」と言ったことが気になった。
 
Part8 マシューの疑惑
 テッドは、G対策の特別チームが立ち上がったことを、マシューに話した。
 マシューは、ほとんど会話したことのないレッド副所長が、テレビ会議で最初にマシューにファースト・ネームで呼んだことに疑問を持って調べていた。
 テレビ会議の録画には、あの時の会話が入っていなかった。
 
Part9 非常線突破
 マシューは何かに気づいた。
 そして、テッドに、ゴルゴ13が非常線を突破する方法をきいた。
 テッドは、ゴルゴ13がハッキングして捜査陣の情報を偽造し、自身は堂々と空港から脱出する、と答えた。
 口髭のある男が、若い女を助手席に乗せ、3度の検問を、突破した。
 
Part10 白旗上げて・・・
 ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港
 口髭のある男は、ゴルゴ13が変装した姿だった。
 空港に入ったゴルゴ13に、白旗を上げたラングレーのマシューが待っている、と場内アナウンスがあった。
 テッドとマシューがゴルゴ13と接触しようとしていたのだ。
 そしてマシューは無線機を残してどこかに消えた。
 
Part11 真相
 マシューは、トーマス・グローバー室長がリアム・レッド副所長を殺したこと、その罪をゴルゴ13になすりつけようとしたことを、ゴルゴ13に話した。
 テレビ会議の映像は、トーマス・グローバー室長が作った偽画像で、トーマス・グローバー室長邸の銃弾は映画撮影用の火薬だった。
 ゴルゴ13は、葉巻に火をつけながら、もうすでに終わったことだ、と話す。
 
Part12 罪(ギルト)の"G"
 ゴルゴ13はすでにトーマス・グローバー室長を、自室で殺していた。
 ゴルゴ13にトーマス・グローバー室長からの、イラク人質救出依頼があったが、ゴルゴ13が断るとあっさり引き下がった。
 普通ゴルゴ13に依頼するのは最後の手段なので、あっさり引き下がったことに疑問を持ったゴルゴ13は、トーマス・グローバー室長が機密費を使い込んでおり、レッド副所長に追及されることに気づき、彼を殺したのだった。
 マシューはCIAとゴルゴ13の直接対決を防ぐためにゴルゴ13に姿を消してもらいたい、と頼むが、ゴルゴ13は、自身に危害を及ぼすものには容赦しない、と答えた。
 だが、この件はそうはならないだろう、と付け加えた。
 
Part13 元刑事に託す
 ゴルゴ13は、元刑事に会い、レッド副所長射殺犯人はトーマス・グローバー室長で、使用された拳銃がトーマス・グローバー室長邸にあることを伝えた。
 元刑事の捜査によって、拳銃が発見され、施条痕が一致することもつきとめられた。
 元刑事はその証拠をもってCIAに乗り込んだ。
 
Part14 レポート報告
 マシューは、ゴルゴ13は危険な一方、有益だ、彼の危険が増すのは彼と対決することだ、と最終報告した。

 

[感想]

CIAのトーマス・グローバーは、自分の犯罪をもみ消すためにゴルゴ13を利用するとは、危険なことをするものだ。

自業自得の結果になってしまった。

自分のことをファーストネームで呼ぶレッド副所長に違和感を持ったマシューの観察眼はなかなか鋭い。

そしてCIAとゴルゴ13が対決しないように苦慮する彼の活躍も大したものだ。

 

 

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