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さいとう・たかを『ゴルゴ13 26 聖者からの依頼』(リイド社)(1977/10/25)

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====もくじ=====

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第94話 破局点(カタストロフィ・ポイント)(1975/04作品)

ページ数:83ページ

依頼者:犯罪心理学者 ウェブナー教授
ターゲット:犯罪心理学者 ウェブナー教授
依頼金額:不明

殺害場所:ケニアの草原

殺害人数:2人

殺害相手:
 1)犯罪心理学者ウェブナー教授に雇われた動物保護監視員 ラリー
 2)犯罪心理学者 ウェブナー教授

H:1人(娼婦)


 
Part1 犯罪心理学

 ハーバード大学

 ウェブナー教授がヒューイの右肩を叩いた。ヒューイは右後ろを振り返ったが誰もいない。ウェブナー教授は左側に立っていたが、ヒューイの反応は正常だ、と言う。右肩を叩かれ左を振り向くようでは、心理学的に問題がある、と続ける。ヒューイは、ウェブナー教授の弟子で、今はFBI犯罪予防担当主任だ。

 ヒューイは黒板に書いたB=f(P,E)という公式を見て考え事をしていたのだ。この数式がカリフォルニアの連続ノド切り魔事件を解決した、というのがヒューイには信じられなかったのだ。

 ウェブナー教授は、公式の説明をする。この公式はゲシュタルト心理学者レビンの公式で、Bは行動、Pは個体、Eは環境を示す。ウェブナー教授は、これを犯罪心理学に応用し、Bは犯罪行動、Pは犯罪者の個性、Eは犯行環境とおきかえた。つまり、犯罪行動は犯罪者の個性と犯行環境の相互作用で決まる、ということだ。

 ウェブナー教授はこの公式とオートマトン(自動機械)理論を応用して、ノド切り魔事件を解決したのだ。

 ウェブナー教授は、リモコンの車や機械人形を見せて、それらの行動を予測する様子を見せた。そして、行動パターンがわかっている犯罪者と犯行環境を知ることで、犯罪行動を予言できる、と断言する。この学説を発表するために、自分の命を、犯罪のプロに狙わせることにした。ウェブナー教授は、犯罪者の行動を予測し、先手を取って犯罪行動を防ごうというのだ。そして、依頼したプロというのが、ゴルゴ13だった。

 

Part2 実験動物はやって来た!

 東アフリカーケニアーナイロビ空港

 飛行機のタラップをゴルゴ13が降りてきた。

 何者かが双眼鏡でゴルゴ13の姿をとらえると、ウェブナー教授に電話した。

 ウェブナー教授は、ヒューイに、ゴルゴ13が泊まるホテルがニュー・スタンレーホテルであること、401号室をとっていることを予言する。

 

Part3 助手は"狩猟屋(ハンター)"

 ウェブナー教授に実験を止めるようにとすすめるヒューイ。だが、自説が間違っていたら死んだ方がましだと言うウェブナー教授だった。

 ナイロビ国立公園で、ウェブナー教授はラリーというガイドに会った。彼は狩猟案内人(ガイド)だったが今は動物の保護監視員だった。

 ウェブナー教授はラリーにゴルゴ13のデータを見せて、ゴルゴ13を撃つことを依頼する。

 

Part4 実験は始まった!

 ゴルゴ13はビルの屋上に上がり、双眼鏡で探索していた。

 ウェブナー教授は、ゴルゴ13の動きを読み、A-3地点にゴルゴ13がいることを、予想しており、ラリーにゴルゴ13の双眼鏡を射撃するよう指示した。ゴルゴ13は慎重に反撃しようとしたが、自分の動きを読まれていることに気づいた。

 

Part5 "数式"にはまった男

 ゴルゴ13はトラックの横にぶらさがって身を隠しながらホテルに戻ったことをラリーが報告した。

 部屋に戻ったゴルゴ13に花が届けられていた。しかしそれには時限爆弾が仕掛けられていた。ゴルゴ13は時限爆弾の捨て場所を捜すが、適当な所が見つからない。ホテルの外に出たとき、彼の背後に男が近づいたので、ゴルゴ13は、男を殴りつけてしまった。

 

Part6 "実験動物"の個性

 ゴルゴ13は警察につかまり拳銃を取り上げられ、釈放された。

 別荘でゴルゴ13を待機するラリーが釈放されたゴルゴ13を見送った後、殴られた男に時限爆弾が時計だったことを話し、すぐに消えろと指示した。ラリーに無線機でウェブナー教授が、そろそろゴルゴ13が現れるので、ゴルゴ13を打ち倒せ、と指示する。

 

Part7 射殺のタイミング

 ラリーがいる別荘に接近するゴルゴ13。

 ウェブナー教授は、ゴルゴ13が寝室に向かう、と予言していた。寝室に入った時、忍び込んだ強盗として射殺するつもりだった。

 寝室に入った瞬間、ゴルゴ13は、ラリーの存在に気づき、窓から外へ逃げ去った。ラリーの銃弾がゴルゴ13の左肩をかすめた。ゴルゴ13を見失ったラリーは庭に出てゴルゴ13を捜したが見つけられなかった。ラリーが庭で捜しているのをゴルゴ13は別の部屋から見ていた。

 

Part8 傷ついた"獲物"

 ラリーがウェブナー教授に、撃ち損じたことを報告した。ウェブナー教授はゴルゴ13が消えたことは、前もって近くの部屋の窓もあけておき、そこへとび込んで隠れたのだろう、と予測した。

 ゴルゴ13は、ラリーがつけている夜光の腕時計に気づいたのだった。ウェブナー教授はそれに気づき、今頃、ラリーのあとをつけて、二人がいるホテルをつきとめたと予測した。ゴルゴ13は近くの娼婦街に身を潜めるだろう、と予測した。

 ゴルゴ13はウェブナー教授とラリーがいるホテルの外の車内で左肩の傷に触っていた。

 

Part9 手中の"獲物"は

 娼婦に傷の手当てをしてもらったゴルゴ13。その娼婦は客の秘密を守るのが娼婦の仁義だと思っていた。そしてお客の顔色を読むとろくなことがない、と話す。ゴルゴ13はその一言で何かに気づいた。

 ウェブナー教授のもとに、ゴルゴ13が娼婦街に入ったという報告が来た。ウェブナー教授はケニアの草原にゴルゴ13を引っ張り出してラリーが始末する、という作戦を立てた。

 ウェブナー教授の予想どおり、娼婦と寝るゴルゴ13だった。

 

Part10 騒動師リンドン

 ゴルゴ13は空港で騒動師林ドンと会話していた。ゴルゴ13は、時間と場所を指定するのでかってに騒ぐように指示した。目的は”不足の事態に遭いたいだけ”だった。

 

Part11 最後の”実験場”

 ケニアの草原をゴルゴ13が車を運転している。双眼鏡でその様子を観察するウェブナー教授は、ラリーに動くな、と指示を出し、ゴルゴ13が監視所の数百メートル先で車を降り、あるいて向かってくる、と予測した。

 その予想どおり、ゴルゴ13がM16を右手に持って歩いてくる。

 そこへ背後から双発飛行機が一機飛んできた。

 そして多数の時限爆弾を落とした。

 土煙の中、ゴルゴ13を発見したラリーが引き金を引いた瞬間、時限爆弾があちこちで爆発した。

 ゴルゴ13の銃弾がラリーの眉間を貫いた!

 ウェブナー教授は、ゴルゴ13が、自分の危険もかえりみず、自分でも予測できない突然の環境の変化である破局点(カタストロフィ・ポイント)を自分の手で作ったのだった。破局理論も通用しない犯罪者が居ることをウェブナー教授は自分の理論に組み入れんかったことを反省した。

 ゴルゴ13の銃弾がウェブナー教授にとどめを刺した。

 

[感想]

 ウェブナー教授はいくら自分の理論に自信があっても、ゴルゴ13を試すようなことをしてはいけない。

 ウェブナー教授の理論は、後のプロファイリングに応用されるようになったものだろう。

 しかし、現在のAIでも、この話まで完璧に人の行動を予測できない。ウェブナー教授の理論と実践は、21世紀になってもまだまだだ。

 今回は、ゴルゴ13のミスがいろいろと目立った話だった。依頼者がウェブナー教授自身であることを見抜けず実験動物になってしまったり、単なる時計を時限爆弾と思って捨てようとして右往左往したり、およそゴルゴ13らしくなかった。

 こういうことから学んでいったのかもしれないが・・・

 

第98話 聖者からの依頼(1975/08作品)


83ページ
依頼者:オーハラ神父とテレシタ修道尼

ターゲット:反政府武装ゲリラNPA(新人民軍)の首領

依頼金額:不明(アタッシェケース1個分の現金)

殺害場所:

 1)ミンダナオ島、ブツアン港近くにあるルハスの隠れ家
 2)ミンダナオ島、ブツアン港近くにある艀の老人の小屋
 3)ミンダナオ海に臨む、ナシビットの港町

殺害人数:

 1)2人
 2)5人
 3)1人

殺害相手:

 1)密造拳銃を製造するルハスの部下
 2)密造拳銃を製造するルハスと彼の部下
 3)反政府武装ゲリラNPA(新人民軍)の首領(=オーハラ神父)

H:0人


Part1 ”虎(ハリマオ)”の遺産

 フィリピン、マニラ

 トゥクトゥクに乗ったゴルゴ13が、サン・オーガスチン教会に到着した。

 教会内に入ったゴルゴ13に、オーハラ神父と修道尼テレシタが会った。太平洋戦争中、山下奉文大将が持っていたという800万ドルにのぼるという金塊や宝石が、いわゆる"虎(ハリマオ)"の遺産と呼ばれる。オーハラ神父によると、テレシタは両親を、その"虎(ハリマオ)"の遺産にまつわる事件で殺された。

 その事件は4年前、ルソン島北部バギオ市郊外の高原避暑地で起こった。

 

Part2 避暑地の惨劇①

 バギオ地方裁判所判事サントスが反政府武装ゲリラNPA(新人民軍)の者達に襲われた。サントスがマレーの虎の遺産の一部とみられる時価200万ペソの黄金像を押収した際に真鍮製のものにすりかえたのだ。

 NPAの者達は、サントスの耳を銃で撃ち抜いたり、サントスの妻を陵辱して、黄金像のありかを聞き出そうとする。

 ついにサントスは裏庭のマンゴーの木の根元に埋めたことを白状した。

 

Part3 避暑地の惨劇②

 裏庭のマンゴーの木の根元から、黄金像や多数の宝を発見したNPAの者達は、サントス夫妻と、テレシタ修道尼の両親である使用人夫妻を射殺した。

 

Part4 目には目を・・・

 PC(フィリピン警察軍)、BSDC(民間自衛隊)の捜索にもかかわらず、NPAの消息はぷっつりと切れてしまった。

 その後のPC(フィリピン警察軍)の調査で、NPAの者達の首領が北ルソンで長い間悪の限りを尽くしてきた”公衆の敵(パブリック・エネミー)NO・1”だったらしいことがわかった。先日、オーハラ神父がミンダナオ島、ブツアンの町でTEAM(福音主義同盟伝道団)に所属する新任宣教使の所蔵品の中に"マレーの虎(ハリマオ)の秘宝"の一つ、”義烈”の刻印のある金の延べ板を発見したのだった。

 オーハラ神父はゴルゴ13にNPAの首領の殺害を依頼した。

 

Part5 出迎えた奴ら

 ミンダナオ島、ブツアン港

 ルハスと呼ばれる男に、沖に着いた”淀丸"から陸にあがりたい客人がいる、と報告し金をもらう老人。

 老人が艀で運んだのはゴルゴ13だった。

 艀の上で、ゴルゴ13が求めているのはCRS密造ピストルのことと予想した老人は、自分が話を通してやる、と言った。

 そこへモーターボートがやって来て、ゴルゴ13に重を突きつけた。

 

Part6 イヌを吊るせ!!

 ゴルゴ13は縛り付けられ、殴られていた。日本の警察が送り込んできた密造拳銃現地調査団のイヌだと思われたのだ。黙秘を続けるゴルゴ13を、ルハスは”鳥かご”に入れろと部下に命じた。鳥かごは、丸太にゴルゴ13を縛り付け、鳥かご状にして木に吊るしたものだった。

 

Part7 現れた標的(ターゲット)

 鳥かごに入れられ身動きとれないゴルゴ13の目の前に、標的(ターゲット)が現れ、ルハスと話をしていた。

 

Part8 鳥かごの"虎"

 ゴルゴ13は、鳥かごを揺さぶって破壊し逃亡した。

 

Part9 安全か?危険か?

 逃亡したゴルゴ13は、ルハスの部下を2人殺した。

 そこへ艀の上にいた老人が現れゴルゴ13をかくまい、密造拳銃1挺を渡した。

 そして老人は「娘」を置いて、小屋から去った。

 小屋の外には消毒用のサラシ粉が入ったドラム缶が積んであった。

 

Part10 高度サラシ粉
 老人はルハスの部下達に密告していた。

 ルハスと部下4人が小屋に入るとそこにはゴルゴ13も老人の娘もいなかった。ベッドにはサラシ粉が入ったドラム缶が置いてあった。

 ゴルゴ13は密造中を4発撃ってドラム缶に当てていた。そして5発目を撃つと、ドラム缶が大爆発を起こしてルハスと部下5人が即死した。

 高度サラシ粉=次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2)は、危険物の取り扱いを受けていない物質だが、衝撃で容易に爆発し危険性が高い物質だ。

 老人は、金はいらないと命乞いをする。そんな老人に馬車を1台要求するゴルゴ13だった。

 

Part11 聖者は死せず

 ミンダナオ海に臨む、ナシビットの港町

 説教をするオーハラ神父。ゴルゴ13は馬車で海浜を進む。崖の上にはNPAの首領が立った。

 ゴルゴ13と向かい合ったNPAの首領。

 ゴルゴ13が低い態勢から拳銃を懐から出してNPAの首領の胸を撃ち抜いた。サブマシンガンを持っていたNPAの首領だったがゴルゴ13の敵では無かった。

 NPAの首領はオーハラ神父だった。

 最初は隠れ蓑のつもりで神父になりすましていた悪人が人々から敬われ慕われたことで己の過去の罪業に苦しみだし、自分の血潮でその悪業を洗い流そうとしたのだった。

 オーハラ神父はすべてをテレシタ修道尼に告白し、テレシタ修道尼が止めるのも聞き入れず自分を裁いたのだった。

 

 

[感想]

 ゴルゴ13に依頼時にテレシタ修道尼がすべてを話していなかったことを、ゴルゴ13は、違反だとは思っていないようだ。艀の老人がゴルゴ13を売った時も馬車を都合するよう依頼はしたが、命を奪っていない。後のゴルゴ13に比べるとずいぶん慈悲深い。

 ゴルゴ13はどこかでNPAの首領=オーハラ神父と気づいたと思うがどこでだろうか?

 自らの罪をゴルゴ13による射殺で贖おうとしたオーハラ神父。カソリックは自殺を禁じているからだと思うが、それにしてもとても切ない話だ。

 

第101話 ハロウィン ニューヨーク(1975年12月作品)


85ページ
依頼者:不明
ターゲット:ニューヨーク・マフィアの五家族の一員でエンリオ・デ・ドラーゴ
依頼金額:不明
殺害場所:
   1)ニューヨーク ロング・アイランドの路上
   2)ナイアガラの展望台近くの林
殺害人数:
   1)1人
   2)9人
殺害相手:
   1)ニューヨーク・マフィアの五家族の一員でエンリオ・デ・ドラーゴ
   2)ドラーゴの部下のボス、ボスの手下6人、ベルリンの用心棒ジョー、警官ディノの息子カルロス
H:0人

 

Part1 警官ディノ
 ニューヨーク、U.S.A

 路上を70kmで走る車が狙撃され、ニューヨーク・マフィアの五家族の一員でエンリオ・デ・ドラーゴという大ボスが死んだ。

 私服刑事達はゴルゴ13の手口に似ていると話していた。

 制服警官のディノは交通整理をしてから家に帰った。家には無職の息子、カルロがステレオでレコードを聴いていた。

 妻が出す食事を食べながら、ロング・アイランドで起こったエンリオ・デ・ドラーゴ殺害事件の話をするディノ。ディノは犯人はゴルゴ13で、つかまらないだろうと予想する。

 ディノは息子のカルロが職業安定所に行っているかきき、最近競馬をしているらしいことを追及しようとする。カルロは部屋を出て行った。

 

Part2 カルロの憂うつ

 10月26日・日曜日

 ジョーからの電話を受けたカルロ。競馬のツケが500ドルあり一週間以内に返すはずだったが、今日は10日目だった。明日の晚までに500ドルを持って来ないと、カルロはイースト川に浮かぶことになる、と脅された。

 

Part3 500ドルのために

 カルロは友人や母親に相談してなんとか500ドルを集めようとする。母親は1/3にもならないが、今家にある全財産をカルロに渡す。恋人のジーンにも金を無心するが裏町の食堂のウェイトレスのジーンにはそんな金はない。困ったカルロは新聞でエンリオ・デ・ドラーゴが殺された記事を見て、父親が家でゴルゴ13の話をしていたことを思い出し、何かひらめいた。

 

Part4 大ボス(ドン)の仇の名は

 10月27日・月曜日

 カルロは、男にドラーゴ殺しの犯人を知っていることを知り合いの新聞記者に話す。とりあえず100ドルを手にした。250ドルを返済に回し二、三日中には残りを払うと言うカルロ。ドラーゴ殺しの犯人に関する情報を持っているから金が手に入る、と言うのだった。ドラーゴは、カルロが金を借りた男の大ボスで、殺した相手を捜していたのだった。

 

Part5 ニューヨークに日は沈む

 ディノが乗ったパトカーが街を走る。そのパトカーが走り去った後ろをゴルゴ13が歩いていた。

 

Part6 警察官の使い道

 10月27日・月曜日

 カルロが金を借りた先の部下で、ベルリンという店の用心棒をやっているジョーが、ディノに勤務終了後事務所に来るように、と伝えた。

 仕事が終わった後のディノがジョーのボスの事務所に行った。

 

Part7 "父親"の行為

 10月28日・火曜日

 ジョーのボスは、ディノにゴルゴ13の資料を要求した。ディノはその資料を持ち出し、ボスに渡した。

 ボスはカルロを呼び、新聞記者にゴルゴ13の資料を渡し、新聞記者の協力を得てゴルゴ13の居所をつきとめようとする。

 

Part8 大ボス(ドン)の仇は俺の手で

 10月29日・水曜日

 新聞記者はゴルゴ13の居所を捜していた。

 10月30日・木曜日

 新聞記者がゴルゴ13の居所をつきとめた。ナイアガラのホテルにトウゴウの名で滞在中だった。ボスは部下達やジョーやカルロらを連れてナイアガラのホテルに電車で向かっていた。

 カルロが資料を渡した新聞記者は上司によって、記事を掲載できない、と告げられた。

 

Part9 轟音に消せ!!

 10月31日・金曜日

 ゴルゴ13を発見した、という情報がボスの耳に入った。ナイアガラの展望台で新しい依頼人と会うようだ。

 依頼人と会い、別れたゴルゴ13が林の中の小道に入った。前に4人、後ろに5人がいる。ゴルゴ13は立ち止まりアタッシェケースを開ける。アタッシェケースの中には札束が入っていた。ゴルゴ13は札束の帯を指で切った。

 前の5人、後ろの4人との距離が縮まった時、ゴルゴ13は、アタッシェケースを放り投げた。札束が空に舞う。

 ボスが「そんなものにかまうなーっ!!」と叫ぶが、手下達は札を拾おうと必死だ。

 ゴルゴ13がボスや手下達全員射殺した。ジョーもカルロもだ。

 

Part10 クイーンズ区異常ナシ

 10月31日・金曜日・ハロウィン・デー

 ハロウィンで大騒ぎの町をパトロールするディノのパトカー。

 少年時代のカルロとの想い出を思い出すディノ。そこへ指令が入り、現場に急行するディノのパトカー
 

 

[感想]

 ハロウィンがまだ一般敵ではない頃だったから、ハロウィンの解説もさりげなく入っている。前の年に死んだ人の悪霊を、死の神が呼び寄せる日だそうだ。

 悪人が善人を悪の道に引きずり込む手口が絶妙に描かれている。最近の闇バイトではないが、悪人が悪の道に引きずり込む手口は、昔も今も変わらない。

 金持ちではないが、家族3人それなりに幸せに暮らしているディノ一家だが、カルロが競馬で500ドル借金を作ったために不幸に陥っていった。

 哀しく切ない物語だ。

 

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