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第583話 ホワイトハッカー(2018/08作品)
脚本協力:品川恵比寿
ページ数:103ページ
依頼者:1)不明
2)三島財務次官
ターゲット:
1)姿なきハッカー通称"孫悟空"
2)今回の騒動を巻き起こし、裏で操って最大の利益を得ている者
依頼金額:不明
殺害場所:1)上海・南京路の繁華街
2)海ほたる近辺の海上
殺害人数:
1)1人
2)1人
殺害相手:
1)姿なきハッカー通称"孫悟空"
2)ロシア大使館通商代表のウラジミール・カルリン
H:0人
Part1 整った準備
南房総沖-ジャパン-
海底ケーブル敷設船が光ファイバーケーブルを引き揚げていた。
光ファイバーケーブルは数10kmごとに中継器が必要だが、そこから出る微弱な電磁波がサメが何か獲物のサインと思うのか、噛みついて壊してしまうのだ。
敷設船の近くに怪しい外国人が乗った船が近づいてきた。
その外国人は総攻撃の準備が整ったと言って、東京湾に引き揚げていった。
Part2 記者会見
霞が関
総務省サイバーセキュリティセンター長兼内閣サイバーセキュリティセンタ管理責任者の馬場俊夫や財務事務次官三島浩太郎らが記者会見をしていた。
厚生労働省の年金基金機構でのハッキングに関する記者会見だった。
原因は職員によるパソコン操作の初歩的ミスを犯し外部からのハッキングを受けたのだ。
犯人の目星や悪用される危険性は現在調査中だった。
個人情報は暗号化しておりハッカーが情報を読み取ることはできない、と説明した。
Part3 責任の所在
総務省サイバーセキュリティセンター企画官小早川隼(はやと)が、馬場俊夫に頭を下げて謝る。
会見では言い逃れしていたが、実は住基ネットは暗号化していない上、100万人の個人情報がハッキングされていた。
財務省でも添付ファイルをつい開きPCウィルスに感染した事案があった。
外務省事務次官小室孝は、外務省も同様だ、と言った。
防衛事務次官添田剛(つよし)もアメリカ軍部からセキュリティを強化しなければ国家間の軍事機密を共有できないと警告されている、と話す。
馬場俊夫は、責任を負うのはメーカーや、環境やセキュリティを請け負った会社だと、言う。
三島財務次官は、役所が責任逃れする常套句で逃げるのか、と党。
失礼だ、と怒り気味の馬場俊夫。
内閣サイバーセキュリティセンター主導でもう少し時間をくれ、と言う小早川準。
財務次官三島浩太郎は、外部から専門家の協力を仰ぐことが決まった、と言う。アメリカのセキュリティ専門家でカスパスキー社にいる日系人ショーン・鍛冶屋だ。
馬場俊夫は小早川隼に「君が能無しだから、こんな事態を招くんだ!」と怒る。
Part4 スペシャリスト
三週間後の霞が関
ショーン・鍛冶屋が霞が関にやってきた。
そのラフな姿に驚く日本人達。
先進国で国家のセキュリティの順位は、2位がイスラエル。日本は30位だ。
先進国で最低レベルだ。
今回全省のシステムに侵入した犯行は、ロシアの仕業だと、ショーン・鍛冶屋は言った。
ロシア大使館通商代表のウラジミール・カルリンがハッカーの"親分"だった。
ショーン・鍛冶屋は父はアメリカ人の元SE、母は日本人だった。
今回の彼のビジネスは、日本の全省をハッキングした敵の手口の解明と再発防止のため対策を講じること、ネット関連セキュリティ全般のレクチャーだった。
条件はつき100万でも格安なので価格の再考とサイバー防犯局の設立が条件だった。
早速、ショーン・鍛冶屋のレクチャーが始まった。SNSラインズの電話帳読み取り機能にウイルスが潜んでいたこと、無料Wi-Fiにセキュリティ対策が施されていないこと、そのため、有料のビジネス向けアプリだけ使え、と強く言う。
公務用に支給されたスマホやタブレットを使う時に誓約書にサインすること、違約したら財産没収や刑務所行きがあることを、ショーン・鍛冶屋が話す。
それを聞いて一昨年、クリンガー大統領候補に公務メール問題が起こったことに気づいた外務省事務次官の小室孝。
ショーン・鍛冶屋は、高三の時、仙台で東日本大震災を、経験していた。
その時、"トモダチ作戦"で見せた圧倒的な米軍情報網に驚き、アメリカへ留学したのだった。
Part5 姿なきハッカー
上海-中国-
ゴルゴ13が捜している男の居場所はわからない、と何者かがゴルゴ13に電話で話した。
サンフランシスコ-USA-カスパスキー本社
ゴルゴ13が追っている姿なきハッカー通称"孫悟空"は最近頭角を表した若手ハッカーで標的のPCを乗っ取り"なりすまし"で大金を奪うのが得意だ、とカスパスキーCEOがゴルゴ13に調査状況を報告していた。
孫悟空はゴルゴ13に狙われていることを察知し3日前に上海に逃げ込んだが、その頃アメリカ政府がカスパスキーウイルス対策ソフトがロシアに情報提供していると嫌疑をかけ社内が大混乱していた。
ゴルゴ13は、カスパスキーの会社の状況を理解し、そちらを優先するようにと伝えた。
感謝したカスパスキーは、孫悟空が慎重75cm、細身の若者と、最後にゴルゴ13に伝えた。
時間がないと判断したゴルゴ13は痕跡を残すやり方だが非常手段で行くことにした。
Part6 非常手段
「簿金平(ボージンピン)、お前の居場所を特定した。G」というメッセージを送ったゴルゴ13。
身体の特徴、仕草、恐怖の反応、ビルの屋上を確認したのが一人と特定したゴルゴ13は孫悟空を狙撃した。
Part7 追放の策
東京・麻布-ジャパン-ロシア大使館
ロシア大使館通商代表のウラジミール・カルリンと何者かが話していた。
ウラジミール・カルリンは日本のセキュリティが向上しては困るので、金を渡して、ショーン・鍛冶屋を追放するよう、その男に頼んだ。
ウラジミール・カルリンは女好きのその男にロシア女を囲わせたので、女に金がいるからカルリンの言うがままだった。
Part8 セキュリティ強化
経済産業省
ショーン・鍛冶屋がAIスピーカーの問題点をレクチャーしていた。ネットと繋がっているから外部からハッキングされて乗っ取られる、というのだ。
ロシアや中国が国家レベルでハッキングしていることを説明する。そのためにサイバー防衛局が必要だと話すショーン・鍛冶屋だった。
データを外部からのアクセスを遮断した形でSSDに記憶しろと話すショーン・鍛冶屋だった。
Part9 ハッカーの分類
霞が関、文科省
日本のネットのセキュリティ、ITリテラシーが低いのは文科省のせいだと攻撃するショーン・鍛冶屋。
総務省では、ハッキングされたらその責任を外注企業に押しつけているとショーン・鍛冶屋は批判する。
そしてハッカーに、良いハッカー=別名ホワイトハッカーと、悪いハッカー=別名クラッカーがいると解説する。
ホワイトハッカーには企業は謝礼を払い、専門家として雇うのが先進国の常識だが、日本では日本の法律で処罰する、と対抗する総務省の役人。
SSLを管理しているシマンティ社にクラッカーが内部侵入しSSLを支える暗号解読キーを入手したことを、シマンティは認めていないが、トップSEの中では周知の事実だと話すショーン・鍛冶屋。
Part10 未遂
オタクの聖地、秋葉原を歩くショーン・鍛冶屋の頭上に落下物が落ちてきた。誰かが彼を狙ったのだ。
ショーンは三島次官に慌てて連絡した。三島次官はSPをつけることにした。
Part11 盗聴
千葉県・南房総市
三島次官とショーンが海底ケーブルの中継基地近くにいた。
三ヶ月前、南房総沖でサメによる光ケーブル切断があり取り替え作業を行ったとき近くに停泊していた大型クルーザーの下で、盗聴器が仕掛けられた、と話すショーン・鍛冶屋。
Part12 予想外
実際に海中ケーブルを引き揚げると、盗聴器がついていた。
ショーン・鍛冶屋は、海底にあるということは地上にもあるということだ、と話す。
霞が関の光ケーブルの中継器があるところに、盗聴器が仕掛けられていた。
ロシア大使起案ではウラジミール・カルリンが、盗聴器が見つかったことを知り、彼と会話している男に、ただちにショーン・鍛冶屋を追放するよう、命令した。
Part13 世界からの遅れ
警視庁
ショーンは警視庁サイバーポリスのレベルの低さに感心していた。
三島次官は、サイバー防犯局創設が見送りになったこと、ショーン・鍛冶屋への報酬増額も前例がないからと見送られたことを、ショーン・鍛冶屋に伝えた。
「官僚達は新システムが世に広まれば、高額でも喜んで導入する!だが、それに関わるソフトの運営、外部の人材には最低額しか提示しない。これで、世界と闘えると思うのかっ!?」と三島に問いかけるショーン・鍛冶屋。
"優秀なる官僚様"達との対応に疲れたショーン・鍛冶屋は三島との契約も終わりにして去って行った。
「いつものパターンだ・・・優秀な人材が去って、日本はまた、一つ世界から遅れをとる。」と心の中でつぶやく三島だった。
Part14 暴走
一週間後、都内近郊の自動運転試験場
自動運転中の自動車が暴走した。
Part15 ダウン
家庭内で使われていたAIスピーカーがハッキングされ一家の銀行口座の金が奪われた。
大手銀行のサーバーが次々とダウンしATMも使用不能となった。原因は悪質なハッカーが乗っ取ったIoT関連機器を使って一斉にサーバー攻撃を行ったからだ。
Part16 依頼
三島は、ショーン・鍛冶屋がこの騒動を引き起こしたと考え、ゴルゴ13に依頼した。
マスクとメガネで変装したショーン・鍛冶屋は、官庁街のネットセキュリティがどれほどザルか思い知らせてやる、と思いながら、ネット・カフェに入った。
Part17 騒動の犯人
同時刻、ロシア大使館の地下室
鍛冶屋がクビになったことでヤケを起こし行動に出ると予想したウラジミール・カルリンは部下達に命じて、政府機関のハッキングに成功しデータを盗み出した。
しかしデータは暗号化されていた。
ショーン・鍛冶屋は、自分のIoTハッキングに便乗して銀行の騒動を起こしたのがロシアだと見抜いていた。
ショーン・鍛冶屋は、三島と馬場のPCに盗聴の細工を施しておいた。
そして三島がゴルゴ13に依頼したことを知った。
Part18 真相
東京湾海ほたる近辺
ショーン・鍛冶屋はボートに乗り、韓国か台湾に逃げようとしていた。
そしてゴルゴ13にコンタクトをとり魅力的な提案をしようとしていた。
ゴルゴ13が海ほたるからショーン・鍛冶屋の胸を狙撃した。
それをクルーザーから見ていたウラジミール・カルリン。
鍛冶屋が始末できた、と満足げに話す小早川隼企画官だった。
鍛冶屋のボートに二人は近づき、暗号キーの入ったSSDを手に入れようとした。
ショーン・鍛冶屋は生きていた。そしてウラジミール・カルリンの眉間が撃ち抜かれた!!
ショーン・鍛冶屋の胸ポケットに入っていたSSDは破壊されていた。
Part19 ホワイトハッカー
数日後、霞が関
三島は、銀行への一斉攻撃がロシアのカルリン達の犯行で、小早川隼企画官が加わっていたことを知った。
三島が依頼した時、最初はショーン・鍛冶屋の始末だったが、ゴルゴ13が背後で操る者がいる、と話すのを聞き、依頼内容を変えた。
「今回の騒動を巻き起こし、裏で操って最大の利益を得ている者の始末」に依頼内容を変えたのだ。
ショーン・鍛冶屋は、大量のハッキングしたデータや奪った金をすべて、三島に返却していた。
三島はショーン・鍛冶屋がホワイトハッカーだった、とあらためて思った。
Part20 交渉
ホテルの部屋に入ったショーン・鍛冶屋だったが、その前にゴルゴ13が入っていた。
ショーン・鍛冶屋は、自分を雇ってくれ、と依頼した。
ショーン・鍛冶屋は米ロの他に日本にも追われることになった。
そこでゴルゴ13の協力者の肩書きが欲しかったのだ。
ゴルゴ13は「そのようなスタッフは既に居る。」と答えながら「だが、お前の能力は認める・・・不定期に使ってやろう。」と答えた。
「やったーっ!!」と喜ぶショーン・鍛冶屋だった。
[感想]
ゴルゴ13がSPコミックス化された頃、現実が追いついてくることがよくある。
海底ケーブル切断や国家がハッカーを使って敵国を混乱させたり金銭を奪ったりすることなど、この話に現実が追いついた話の一つだ。
ゴルゴ13に、様々な分野の高度な技術を持った専門家がいることはわかっているが、この物語で、IT関係でカスパスキーが登場する。またショーン・鍛冶屋がゴルゴ13に雇われた。この後登場するのが楽しみだ。
第585話 地獄のホバートレース(2018/10作品)
脚本協力:よこみぞ邦彦
137ページ
依頼者:不明(オーストラリアの政治家やヨットの富豪達か?)
ターゲット:洲白虎
依頼金額:不明
狙撃場所:タスマニア島のホバート湾口アイアンポット灯台からチャイナ・タイガー号上
殺害人数:0人
狙撃相手:洲白虎の歯とチャイナ・ドラゴン号のロープ
H:0人
Part1 伝統のレース
12月、真夏のオーストラリア・シドニー湾
シドニー・ホバート・ヨットレースは、1925年開始のイギリス、ファストネット・レース(606海里=約1120km)、1906年開始のアメリカ、バミューダ・レース(635海里=約1176km)と並ぶ世界の三大ヨットレースの一つだ。
1945年に始まり、シドニー湾からタスマニア島のホバート湾までの628海里(約1163km)の距離を競う。
12月26日にシドニーをスタートし、昼夜を問わず約3日間、行われる。
Part2 得体の知れない者
クルー主任のキリオスが右腕を折って救急車で病院に運ばれた。
エリスは副主任のメルシャーにクルーをまとめることを頼むが、そこに顔に傷を負ったゴルゴ13がやってきて、ドルフィンIV号で使ってくれないか、と頼む。
ゴルゴ13がキリオスともめて、ゴルゴ13は顔に傷を負ったが、キリオスの腕を折ったのだ。
ゴルゴ13は日本人アズマと名乗り、20年以上ヨットレースの経験があると話した。
艇長(スキッパー)のエリスは、アズマを雇うことにした。ただし艇長(スキッパー)の命令には絶対服従。クルーでは一番下っ端扱いという条件だった。
Part3 優勝候補
ドルフィンIV号は15年前の船体のため、重い。そのため、セール操作を万全にして的確にコースを取らないといけない。
だが優勝候補のチャイナ・ドラゴン号は、新素材や高強度軽量高価なチタン合金などを使った超ハイテク艇だった。
チャイナ・ドラゴンを見つめる中国人企業家の洲白虎(ジョウ・バイフー)。
彼にチャイナ・ドラゴンの優秀さや乗っているクルー、中でもスキッパーの葉健民(イエ・ジェンミン)の凄さを説明する女と制服を着た老人。
満足する洲白虎。
Part4 嵐の予感
いよいよレースが始まる。ニックが新入りのアズマにトイレ掃除をさせる。
ニックは雑用をやらせるつもりだった。
Part5 指名手配
シドニー空港の監視システムがゴルゴ13を捉えていたので、シドニー警察部長・ヒューイットは、やって来た。
ユーチューブにゴルゴ13とキリオスの喧嘩の様子がアップされていた。
壁にホワイトシャーク号が写っていたので、ヒューイットはホワイトシャーク号付近を警官の半分で、残りでVIPが集まる会場を見張ることにした。
Part6 号砲
ヒューイットは、ゴルゴ13とキリオスの喧嘩があった店に行き、店主に話を聞いた。
キリオスが先に手を出し、ゴルゴ13は騒がせ代として1000ドルを置いて去った。
ヒューイットはゴルゴ13がどこに潜んでいるか可能性を考えるが、競技用ヨットに乗り込んだ可能性を考えた。
部下はその可能性を否定したが、ヨットレースが始まった。
Part7 爆弾低気圧
全艇のナビゲーターに、指名手配犯が紛れ込んだ可能性がある、と連絡が入った。
ナビゲーターが艇長のエリスにアズマが指名手配犯ではないか、と話す。
エリスは、東洋人の顔は似て見えるしアズマは大切なクルーだ、と言ってその話を却下した。
波の高さは最大30m、最大風速50m/sに達する爆弾性低気圧が発生した。
Part8 嵐のレース
嵐の中、次々とレース艇が棄権していく。
エリスは首にかけたペンダントの父の写真を見ながら、あの時と同じあの悪夢を払拭するには同じ条件下で乗り切るしかないと思う。
海に落とされそうなエリスをアズマが支えた。
メインセールがからまり降ろせなくなった。メインセールが降ろせないとマストが折れる可能性があった。
メインセールを斧で切るしかないかと考えたエリス。
アズマは暴風の中、メインセールに上っていき、メインセールを降ろすことに成功した。
Part9 セーラーの定め
嵐に翻弄され、通信機器が壊れた。
棄権しよう、と言うクルー達に、エリスは、1998年のレースで海に落ちたエリスを助けた父が死んだことを話した。
ヨットレースは一旦始まればいかなる困難があろうと立ち向かうのが定めだ、と言っていた。
Part10 追跡
ヒューイット達が乗ったヘリは、ドルフィンIV号の上空に着いた。
ゴルゴ13がなぜレースのヨットに乗り込んだのか、疑問に思っていた。
Part11 特命
ドルフィンIV号の前を進むチャイナ・ドラゴンはエンジンを動かしていた。
チャイナ・ドラゴンは歴史あるレースで優勝するという特命を帯びていた。
レース艇は、全て船内にあるスクリュー軸を動かさないよう特殊な封印をしているが、極秘で入手した封印をゴール間近で取り付けるつもりだった。
Part12 限界
アズマがエリスに乗組員が疲労で効率が落ちていると意見を言う。
エリスは二交代制にした。
ゴルゴ13はこの船が限界だと感じていた。
Part13 荒れ狂う海
ドルフィンIV号の船首が壊れて浸水してきた。
アズマは船首の穴を塞ぎに行く。
アズマはライフラフト(救命いかだ)を膨らませて浸水を止めた。
Part14 決死の救助
海水を排水し、マストに滑車をつけてセールを張り直した。
クルーの一人が海に落ちた。
エリスが救出のために海に飛び込んだ。
アズマが船足を止め2人を助け出した。
Part15 地獄のレース
ヒューイットが乗ったヘリは、捜査より救助を優先することになった。
ドルフィンIV号船内ではアズマとエリスが着替えや手当をしていた。
Part16 突破
ドルフィンIV号のGPS類の機器が全滅した。
アズマはウェイファインディング法でホバート港を目指す。
Part17 傷の真相
ヒューイットはゴルゴ13とキリオスの喧嘩のユーチューブを分析しゴルゴ13がキリオスにわざと殴られたことに気づいた。
ゴール地点にゴルゴ13の目的があるのだろうがそれが何かはわからない。
Part18 終盤戦
チャイナ・ドラゴン号がゴール地点に近づいた。
洲白虎が乗るチャイナ・タイガー号で出迎えていた。
Part19 中華の虎
洲白虎は、政財界でのし上がっていく間に多くの敵を蹴落としてきたので、多数の恨みを買っていた。
チャイナ・ドラゴンの後方1マイルをドルフィンIV号が続いた。
Part20 別れ
ヒューイットがドルフィンIV号に、凶悪犯(ゴルゴ13)を引き渡すよう要求する。
エリスは邪魔するな、と言い、ゴールを目指す。
アズマは前夜のうちにダイビングの格好をしてドルフィンIV号を離れていた。
Part21 狙撃
ドルフィンIV号に向けて警備艇が出ていて、ゴール地点のアイアンポット灯台から警備艇が離れていることに、ヒューイットが気づいた。
ゴルゴ13は、アイアンポット灯台にいた。
洲白虎の歯が狙撃された。
洲白虎は、オーストラリア政界への浸透を図っていたが、「オーストラリアから手を引け、次は命がない」とオーストラリア政界からの警告だと気づいた。
洲白虎が乗ったチャイナ・タイガーは港へ引き返した。
チャイナ・ドラゴンのマストのロープが切れた。
ゴールまで数百mなのにチャイナ・ドラゴンは失速した。
ドルフィンIV号はチャイナ・ドラゴンを追い越したて逆転優勝した。
Part22 計算通り
アイアンポット灯台を捜査するヒューイット。
ゴルゴ13はわざとドルフィンIV号に乗り、ヒューイットが追うことも、嵐が来ることも計算していたのだろう。
ドルフィンIV号でアイアンポット灯台にやって来て洲白虎に警告弾を撃ち込んだだろう。
洲白虎はオーストラリアの政治家やヨットの富豪達から顰蹙を買っていたので彼等が依頼者だろう。
ゴルゴ13が二発撃っていたのをヒューイットは目撃したが、二発目の意味についてはわからなかった。
ゴルゴ13はボートで去って行った。
[感想]
ヨット競技の過酷さがよくわかる作品だ。
嵐の海上の描写、ヨットのセール操作の描写は、秀逸だ。
ドルフィンIV号に乗るためにわざと騒ぎを起こし喧嘩の様子をわざと撮影させたのは、およそゴルゴ13らしからぬ行動だ。想像だが、依頼はチャイナ・ドラゴン号を優勝させないことと、洲白虎に警告することだったのだろう。
チャイナ・ドラゴン号の優勝を阻止するために、ドルフィンIV号に乗ったのだと思う。動画を見たヒューイットがレースを追跡しアイアンポッド灯台の警備が薄くしてでもゴルゴ13を追うだろうと考えたのだと思う。
ドルフィンIV号がチャイナ・ドラゴンに続いて2位だったからいいようなものの、ビリだったらどうするつもりだったのだろう?嵐の中で転覆したらどうするつもりだったのだろう?
私がゴルゴ13なら、もっとラクに依頼を遂行できるような方法を考えるなぁ~。
また、ラストでゴルゴ13を迎えに行った男も気になる。物語中では名前は出てこなかったが、もしかしたら以前に登場していたかもしれない。今後登場するかもしれない。
ゴルゴ13の数ある仕事の中でも、体力的なシンドさトップ3に入るのではないだろうか
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