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さいとう・たかを『ゴルゴ13 29 女王陛下の憂鬱(ゆううつ)』(リイド社)(1978/08/15)

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====もくじ=====

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第42話 女王陛下の憂鬱(ゆううつ)(1971/05作品)

脚本協力:★

ページ数:84ページ

依頼者:MI6 ヒューム
ターゲット:二重諜報員(ダブル・エージェント)のマックス・デスモンドらがフィルムを乗せて飛ばしたラジコン機
依頼金額:現金1万ポンド

殺害場所:1)MI5の秘密施設の地下

     2)ドーバー海峡の崖上

殺害人数:1)3

     2)3人

殺害相手:1)MI5局員のジミー、拷問担当の女2人

     2)二重諜報員(ダブル・エージェント)のマックス・デスモンドと男女のスパイ

H:1人(高級コールガールのアニタ)

 

何者かが忍び込み、キャビネから何かの設計図らしきものを取り出し、ミノックス・カメラで撮影して出て行った。

 

Part1 朝もやを裂いて

 ロンドン

 多数のパトカーがロンドン市内を走り廻る。道路を封鎖し空港にもケリーを指揮者に一小隊を送り込んでいた。だが、犯人はすぐには行動を起こさないだろう、と読んでいた。

 ロンドン市民は切り裂きジャックでも現れたかと噂していた。

 

Part2 最上階の男

 MI5(軍事情報部第5課)のポール・プレストンはロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)のJ・ジャクソンに、ピカデリー・ホテルの最上階920号室にいるデューク東郷という怪しい人物がいるので応援を依頼した。

 

Part3 ミノックス・カメラ

 ゴルゴ13に近づいてきたアニタという女と寝るゴルゴ13。

 ノックの音がしたので、アニタが出ると男達が踏み込んできた。ゴルゴ13は一人を手刀で倒したが、多数の男達に囲まれた。

 男達は部屋の中を捜索し、ミノックス・カメラを発見した。

 ゴルゴ13は、プレストン達が警官ではなく、情報部だと見抜き、逮捕権がないはずだ、と言った。プレストンは1階に警官が来ていることも見せた。ゴルゴ13も観念した。

 

Part4 サメ吊り(シャーク・ハンギング)

 プレストンは地下の密室にゴルゴ13を連れ込み、何の目的でロンドンへやって来たのか、答えるように迫る。ゴルゴ13は黙秘する。ゴルゴ13の部屋にあったミノックス・カメラからはすでにフィルムが抜き取られていた。

 プレストンはゴルゴ13をサメ吊り(シャーク・ハンギング)して自白させようとする。

 ミノックス・カメラを使ってゴルゴ13が重要機密をフィルムに収めてフィルムを誰かに渡した、とプレストンは考えていた。

 プレストンはゴルゴ13に屈辱を与えるために女にムチで叩かせる。ゴルゴ13は黙秘を続ける。

 アニタの方も尾行をつけていたが特に怪しい様子は見られなかった。

 

Part5 これほどの男なら・・・

 ムチで叩かれ続けてもゴルゴ13は黙秘を続けた。プレストンは部下達に休憩を命じた。そしてロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)に身元調査を依頼した。

 

Part6 男の名はゴルゴ13(サーティーン)

 ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)で、ポール・プレストンらがつかまえた男が、ゴルゴ13だと判明した。

 そこへMI6のヒューム卿が現れ、英国情報部、MI5、MI6、そしてロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)が面子にかまわず、協力して、女王陛下の気持ちを晴らすことが大事だ、と説く。プレストンも同意する。

 ヒューム卿は、ゴルゴ13は諜報員ではなく狙撃屋だ、と言う。プレストンは、ミノックス・カメラが彼の部屋で見つかったことを話す。ヒューム卿はゴルゴ13が現れた理由が気になる、と言う。

 

Part7 反撃(カウンターアタック)!!

 ゴルゴ13は、プレストンが後に残したジミーという男と、ムチ打ちをした二人の女を斃して、脱出しようとする。そこへヒュームとプレストンらがやって来た。ヒュームはMI5のやったことを謝罪し、ゴルゴ13に、ロンドンに来た理由をきく。

 ゴルゴ13はそれには答えずその建物から出て行った。

 

Part8 アニタ・クリスティ

 アニタは妹のコーリンと話していた。

 MI5の者達が彼女たちをマークしている。マックスという男が二人の部屋に入り消音器付の拳銃で二人を殺した。そして、仲間に、アニタが殺されていることを報告した。

 

Part9 ふたつをむすぶ線

 アニタ・クリスティは1946年生まれで、売春容疑で二度検挙されたことがある、高級コールガールだった。

 ヒュームは、ゴルゴ13の部屋でのミノックス・カメラの発見、女の死体の発見というふたつをむすぶ共通の線、とプレストンに言う。プレストンは気づいた!ヒュームは「きみの部下のマックス・デスモンドが、つまり線だ!」と言う。

 マックス・デスモンドは40分前に姿を消していた。マックスが自分の手でフィルムを外に持ち出そうとしていた。

 ヒュームとプレストンはマックスがどうやって国外へフィルムを持ち出すか考えていた。また、ゴルゴ13に依頼することも考えていた。

 ジミーの服を着たゴルゴ13は、彼の持っていた身分証によって、検問を抜けた。

 

Part10 二重諜報員(ダブル・エージェント)

 マックスに近づく一台の車。それには男女一組が乗っていた。マックスは自分の車を崖から突き落とした。

 マックスはもう一台の車に乗り換えた。マックスらを回収する潜水艦は明日の夜になる。

 マックスは早く国外に脱出したい、と言う。

 

Part11 白い国境線

 ドーバー海峡でラジコン機にフィルムを乗せるマックス達。

 そこにゴルゴ13が現れた。ゴルゴ13は3人を射殺した。

 ヒュームやプレストンが現れた。ゴルゴ13は自分を罠にかけた相手を殺したのだ。

 フィルムは既にドーバー海峡を渡り始めていた。

 ヒュームは、至急でゴルゴ13に依頼する。報酬は現金1万ポンドだ。

 500ヤードは離れているが、ゴルゴ13は一発でラジコン機を撃墜した。

 ゴルゴ13は金を受け取らずに去った。

 ゴルゴ13はけじめの仕上げをしたに過ぎなかったのだ。ヒュームはゴルゴ13がやって来たことが新たな"憂鬱"にならなければいいが・・・と懸念するのだった。

 

 

[感想]

 ゴルゴ13が何度もピンチに陥る。だが、その落とし前は、二重諜報員(ダブル・エージェント)のマックス・デスモンドにきちんと自分でつけるのがゴルゴ13だ。

 誰が犯人か謎解きやゴルゴ13の見事な狙撃も楽しめる快作だ。

 

第107話 行方不明のH氏(1976/04作品)

脚本協力:外浦吾郎

ページ数:86ページ
依頼者:CIA(CIA反米防止特別委員アル・ハッチャー、CIA諜報特別監査官クルス・ブラウン、CIA国際安全部部長ウィリアム・トンプソン、CIA破壊活動防止特捜部部長トーマス・ウェイン)

ターゲット:KGBが整形で作ったニセ者のジェームス・R・ホッファ
依頼金額:不明
殺害場所:
 1)アンバサダー・ホテルの最上階の奥の部屋

 2)ロスアンゼルスの軽飛行機用飛行場

 3)アリゾナの渓谷

殺害人数:
 1)2人

 2)7人

 3)5人

殺害相手:
 1)KGB要員ブローニンともう一人

 2)KGB要員

 3)ニセのホッファ、KGBコワルスキー大佐、軽飛行機のパイロット、双発軽飛行機のパイロット、KGB要員

H:1人(娼館サンセット・バラ園の女スージー)

 

Part1 ホッファの波紋

デトロイト郊外ウォーターフォードの森 デトロイト-USA-

 遺体発見者には20万ドル、犯人逮捕の功労者には30万ドルがかけられたジェームス・R・ホッファ氏の遺体を多数の人達が、森に入って探していた。

 ホッファは1957年44歳で全米最大のチームスターズユニオン(トラック運転手労働組合、組合員220万人)の委員長だった。

 1966年組合員退職積立金不正使用などの罪で懲役13年の判決を受け投獄され、彼の腹心フランク・フィッツシモンズが後を継いだ。

 フィッツシモンズは1971年、今後10年ホッファを組合活動に従事させないという条件で、13年の刑を5年にする特赦を勝ち取った。当時大統領選挙を控えていたニクソンにとっては、”票”を、フィッツシモンズにとっては”体制強化”というお互いにうまみを持っていた。

 ホッファは”あの取引はおれを委員長に復帰させないためのフィッツシモンズ一派の陰謀だ”と激怒した。そして1976年7月30日ホッファは行方不明になった。消された可能性が濃厚だが、可能性は、フィッツシモンズ派かマフィアのどちらかだ。

 ホッファの息子J・P・ホッファが、遺体発見者には20万ドル、犯人逮捕の功労者には30万ドルの賞金をかけた。

 CIA反米防止特別委員アル・ハッチャー、CIA諜報特別監査官クルス・ブラウン、CIA国際安全部部長ウィリアム・トンプソン、CIA破壊活動防止特捜部部長トーマス・ウェインらがゴルゴ13に説明した。

 

Part2 標的はホッファ!?

 CIAにとって、ホッファが生きているかいないかは関係ない。それはFBI(連邦警察)の管轄だからだ。

 続いて映された映像を見て、ゴルゴ13はすぐにホッファの偽物であることを見抜いた。それはKGB(ソ連国家保安委員会)が整形手術して作り出したニセ者のホッファだった。彼がゴルゴ13への依頼の標的だった。

 

Part3 KGBの4人

ロスアンゼルス

 KGBのコワルスキー大佐のもとに、ゴルゴ13が空港に到着した、という報告が上がってきた。コワルスキー大佐はゴルゴ13の動きを見た上で処置方法を考えることにした。

 

Part4 到着した"招かれざる客"

 アンバサダー・ホテルにゴルゴ13が到着し、最上階の一番奥の部屋に入った。

 

Part5 サンセット・バラ園

 高級コールガール店のサンセット・バラ園にゴルゴ13からの依頼が来た。KGBはそれを盗聴して知った。ゴルゴ13は金髪の白人であるスージーを注文した。

 

Part6 スージーの腕時計

 コワルスキー大佐は、ふところから懐中時計を取り出し、それが今は亡きキニスキー大佐からもらった時計だ、と話す。コワルスキー大佐は、同じ時計でもその価値がわかると変わって見えてくる、価値がわからなければ感動はない、と言う。

 ちなみにキニスキー大佐は、第4話『色あせた紋章』第19話『ベイルートVIA』第24話『査察シースルー』、に登場し、第24話『査察シースルー』で死亡する。

 KGBの男が、スージーに時限爆弾付きの腕時計を渡す。

 

Part7 9時ジャストの"罠"

 KGBのコワルスキー大佐は、スージーがゴルゴ13のすぐそばでサービスし、時限爆弾付きの腕時計が爆発するはずだと考えていた。万一の際には、KGB要員が手榴弾をゴルゴ13の部屋に投げ込むことになった。

 9時、手榴弾が暴発しKGB要員二人が爆死した。

 

Part8 "虎穴"の中の虎は!?

 ゴルゴ13の死体は発見されなかった。スージーの死体は窓際で、KGB要員二人の死体は部屋の入口で発見された。

 コワルスキー大佐は、ゴルゴ13が腕時計を外さないスージーを窓際に立たせ、時限爆弾が爆発し彼女は死に、突入したKGB要員の手榴弾を拳銃で撃ち、二人を殺した、と推理した。

 コワルスキー大佐はホッファ発見の予定を早めることにした。

 

Part9 役者は飛び立った

 コワルスキー大佐やKGB要員たちの会話を読唇術で読み取らせて、アリゾナのフェニックスへ向かうことを知ったゴルゴ13。

 コワルスキー大佐はゴルゴ13が現れることを想定しており、厳重な警備態勢を敷いていた。そしてニセのホッファを軽飛行機に乗せて飛び立たせた。

 

Part10 ”砦”は落ちた

 飛行場の滑走路に一台の車があった。KGB要員4人が車を調べる。トランクにあったダイナマイトをゴルゴ13が狙撃し爆発した。ゴルゴ13はKGB要員7人を撃ち殺した。

 

Part11 峡谷の上の二機

 コワルスキー大佐とニセのホッファは軽飛行機上で雑談する。

 そこにゴルゴ13と2人の男が乗った双発の軽飛行機が追いつく。そして、ゴルゴ13はニセのホッファとコワルスキー大佐、そしてパイロットの眉間を撃ち抜いた。軽飛行機は、アリゾナの渓谷に落ちていった。

 CIAは、死体が誰だか判明できないような形で始末することを条件にしていた。

 

Part12 日は沈む

 ゴルゴ13を乗せた双発軽飛行機のパイロットとそれに乗っていた男も眉間を撃ち抜かれていた。

 ゴルゴ13は車で去って行った。

 

[感想]

 チームスターズの委員長だった"ジミー"ジェームズ・リドル・ホッファが行方不明になったのは事実であり、その事件を題材にしたストーリーだ。

 ニセのホッファを作りあることないことスキャンダルをばら撒こうとしたKGBだったが、多数の死者を出して作戦は失敗した。

 ゴルゴ13は自身でも読唇術もできるはずだが、今回は専門家を雇った。きちんと仕事をするためだったのだろう。

 一度、ニセのホッファを飛び立たせてから後を追うという作戦は意外だった。

 気の毒なのはサンセット・バラ園のスージーだ。腕時計を外させて彼女の命も救ってあげればよかったのに・・・。

 

第104話 スキャンダルの未払い金(1976/02作品)

脚本協力:外浦吾郎

ページ数:84ページ
依頼者:
 1)ホルスト・マンハイムの政敵で亀を愛する老人

ターゲット:
 老人の政敵ホルスト・マンハイム

依頼金額:
 1)手付金3万ドル 合計10万ドル

 2)約束の10万ドルの2倍の20万ドル、手付金3万ドルを支払い済なので残金17万ドル上積みで10万ドルで合計30万ドル

殺害場所:
 1)ホルスト・マンハイム邸の寝室
 2)ゴルゴ13が指定した場所

 3)西ドイツフランクフルト郊外の老人の屋敷

殺害人数:
 1)2人
 2)2人

 3)3人

殺害相手:
 1)老人の政敵ホルスト・マンハイムとその息子の妻マリーネ
 2)老人の秘書フルウールト、フルウールトの部下

 3)ヘリ・パイロット、老人の警備員2人

H:0人


Part1 老亀の依頼

 -西ドイツ-フランクフルト郊外

 亀に餌をやる車椅子の老人。彼の秘書のフルウールトが標的は政敵のホルスト・マンハイムと話した時、ゴルゴ13は「依頼主が直接話せないような仕事なら・・・なかったことにしてもらおう・・・」と言って立ち去ろうとする。

 自分に刃向かうゴルゴ13に驚く老人だったが、自分から説明を始めた。

 西ドイツ空軍の次期主力戦闘機(FX)購入のために、莫大な金が動く。今、老人が推す機種よりホルスト・マンハイムが推す機種の方が優位だった。そこで、老人はホルスト・マンハイムを消そうとしていた。ただ殺しただけではホルスト・マンハイムの後継者が弔い合戦をするので、ホルスト・マンハイムにスキャンダラスな死の演出が必要だった。

 

Part2 一級品の欠点!?

 老人は、ヒトラー以上に傲慢なゴルゴ13に残金を払う気はなかった。そのことをフルウールトに話した。フルウールトはゴルゴ13殺害に失敗したデータを研究し秘策を考えていた。

 老人の孫とその母親が老人の部屋に入ってきた。

 

Part3 人格者の深層心理

 フルウールトが屋上のヘリの前で待っているところにゴルゴ13がやってきた。

 フルウールトが飛び立ったヘリ上で説明する。ホルスト・マンハイムは息子ハンスの妻マリーネにふつう以上の関心を抱いており、それを利用するのだ。

 夕方、ホルスト・マンハイムは経済誌のインタビューを受けており、その際、セクソチウム63という媚薬を飲ませていた。それが効き始める時間であり、マリーネがホルスト・マンハイムにミルク・ティーを運ぶ時間でもあった。

 

Part4 悪夢の接近

 ヘリがホルスト・マンハイム邸に近づく。

 

Part5 呪われた寝室

 マリーネがミルク・ティーを寝室に持ってきた。悶々としていたホルスト・マンハイムがマリーネに襲いかかった。高度を保ちながら家の上空まで行ったら一気に寝室窓際に下降するよう、ゴルゴ13が指示する。ヘリが寝室をとらえるのは一瞬だが、庭にいる用心棒達に姿を見られないようにするためだった。

 マリーネの服を脱がし裸にしたホルスト・マンハイムとマリーネが、ベッドの上で重なる。ヘリが寝室の窓に急降下する。ゴルゴ13はシャンデリアを狙撃した。マリーネとホルスト・マンハイムの上にシャンデリアが落ちてきた!!

 

Part6 瞬間の罠

 フルウールトは、元ヒトラー・ユーゲントの少年ファシストだったが、ユダヤ人8人を殺してニュールンベルグ裁判にかけられそうになったとき、反ナチス地下抵抗員だった老人に救われたのだ。フルウールトは戸籍は抹消されている。そのため"過去のない男"としてゴルゴ13に親近感を持つ、とフルウールトはゴルゴ13に話す。

 ヘリが予定の地点に着いた。フルウールトらが準備した車と、男が1人そこにいた。ゴルゴ13は時限爆弾が仕掛けられていないか調べ、エンジンも始動させた。始動させた男がキーをゴルゴ13に渡し、ゴルゴ13の背後に忍び寄った。ゴルゴ13は反射的に水平チョップを男に当てた。その瞬間、フルウールトがゴルゴ13の背後に回り拳銃を向けた。フルウールトの狙った作戦だった。

 フルウールトが自慢げに話していると、ゴルゴ13は隙を見て男にキーを投げ男の拳銃を奪い、男とフルウールトに銃弾を当てた。

 「思いつきだけで行動するのは・・・愚か者のすることだ・・・それを得意気に話すのは、もっと愚か者のすることた・・・」と言ってフルウールトの眉間をゴルゴ13は撃ち抜いた。

 ゴルゴ13はヘリで飛び去った。

 

Part7 帰って来た代理人

 ヘリは西ドイツグランクフルト郊外の老人の屋敷に着陸した。ゴルゴ13はヘリのパイロットを射殺し、老人の警備員2人も射殺した。

 老人は自分の負けを認め、約束の10万ドルの2倍の20万ドル、手付金3万ドルを支払い済なので残金17万ドル上積みで10万ドルを支払うと言った。

 

Part8 感情と規律

 老人は電話をかけてゴルゴ13の口座に27万ドルを払い込む。

 ゴルゴ13は老人に拳銃を向けて「あんたは、人間の欲について勘違いしているようだな・・・”自分を納得させる"ためには物欲を捨てるという”教え”もあるんだ・・・」と言う。プロが感情に流されてしまってはおしまいだ、という老人に「それも違うな・・”感情”と”規律”は本質的に違うものだ・・」とゴルゴ13は答える。

 そこに老人の孫クルトが入ってきてゴルゴ13に立ち向かう。老人は中世の鎧のそばにある刀を投げつける。その刀がクルトの心臓に突き刺さりクルトは絶命する。老人は鎧の槍をとってゴルゴ13に突進する。バランスを崩した老人は槍を床に突いたが、槍が折れ、槍の穂先が老人の胸に刺さった。庭に這って出ようとするが老人が息絶えた。

 老人の飼っている亀たちが庭の池に集まっている。ゴルゴ13は静かに立ち去った。

 

[感想]

 政敵ホルスト・マンハイムの政治的な価値を無にするような殺害方法が秀逸な作品だ。気の毒なのはホルスト・マンハイムの息子と彼の妻マリーネだ。

 ゴルゴ13を斃すためのフルウールトの作戦は図に当たった。しかし彼は自慢気に話したため墓穴を掘ってしまった。それさえなければゴルゴ13はここで終わっていたかもしれない。そうすると今現在我々はこの作品を楽しめなかったのだから、フルウールトには感謝だ。

 Part8 感情と規律でのゴルゴ13と老人のやりとりは、考えさせられる。

 ゴルゴ13を裏切った老人から違約金なのか余分に金を送金させ、その上で老人をゴルゴ13は殺さなかった。彼のルールなら自分を裏切った依頼人は即座に射殺すると思う。

 ホルスト・マンハイムがスキャンダラスな死に方をしたので、老人も射殺されると、ホルスト・マンハイムの死のスキャンダラス性が失われるからだろうか。老人と孫は事故死だと、ホルスト・マンハイムの死はスキャンダラスな死のまま残る。

 この話の人物の絵は太いペンタッチで、独特の迫力があって、私は大好きだ。

 

 

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