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高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所『宇宙と物質の起源』講談社ブルーバックス(2022/03/20)

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宇宙が何でできているか、という疑問に始まり、素粒子論、標準理論、宇宙の進化まで、現在わかっていることを、解説した好著だ。

この本は、素粒子論や宇宙論の歴史をわかりやすく説明している。

 

アインシュタインが相対性理論だけでなく、ブラウン運動の研究で、18gの水の中に、水分子が6.02x10の23乗個あるという発見につながる論文を執筆していたとは、驚きだった。

 

物質をどんどん小さくしていくと、原子になり、素粒子になる。だが、素粒子になると物質としての個性がなくなる。

 

力は4つある。すなわち、電磁気力、弱い力、強い力、そして重力だ。

電磁気力を1とすると弱い力は1000分の1、強い力は100倍、重力はなんと10のマイナス38乗倍だ。電磁気力を伝えるのは光子、弱い力はW粒子とZ粒子、強い力はグルーオン、重力は重力子(未発見)が伝える。

 

素粒子は、物質素粒子と力を伝える素粒子と素粒子に質量を与える素粒子の3つがある。

物質素粒子は、クォークとレプトンに分かれる。

クォークには、アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6種類がある。レプトンには、電子ニュートリノ、電子、ミューニュートリノ、ミューオン、タウニュートリノ、タウの6種類がある。

強い力はグルーオン、電磁気力は光子、弱い力は、W粒子とZ粒子が伝える。

素粒子に質量を与える素粒子は、ヒッグス粒子だ。

 

素粒子の中に17種類もあつのには驚く。

 

質量と重さの違いは、わかりにくい。

質量は止まっているときにどれだけ動かしにくいか、止めにくいかを示した量。

重さは、そのものを引っ張る重力の大きさだ。

 

真空は止まっていなくて、相転移と呼ばれる状態変化が常に起こっている。

驚くべき話だが、真空から新たな宇宙がビッグバンのように発生し、我々の世界を破壊することは無いのだろうか、と心配になる。

 

反物質はSF世界ではよく登場する。物質と反物質が衝突すると、すごいエネルギー放出してどちらもなくなる、と言う。そんなものがあちこちにあったら恐ろしい、と思うが、現実には反物質はない。なぜなくなったのかを説明するのが、CP対称性の破れ、だ。これについては日本人が活躍している。小林・益川理論だ。

 

まだ見つかっていないが、ダークマターやダークエネルギーも、面白い話だ。

 

素粒子論や宇宙論を語る上で欠かせない装置が、加速器だ。

 

私は、父の友人が関係していた完成間近の加速器に行き、中を見学したことがある。

何が何だか全く理解できなかったが、今思うと、もっとよく勉強しておき、じっくり見ればよかった、と思う。

 

私が生きているうちに、ダークエネルギーやダークマターが解明され、重力子も発見され、大統一理論が完成するかわからないが、これからの発展が楽しみな世界だ。