





宇宙が何でできているか、という疑問に始まり、素粒子論、標準理論、宇宙の進化まで、現在わかっていることを、解説した好著だ。
この本は、素粒子論や宇宙論の歴史をわかりやすく説明している。
アインシュタインが相対性理論だけでなく、ブラウン運動の研究で、18gの水の中に、水分子が6.02x10の23乗個あるという発見につながる論文を執筆していたとは、驚きだった。
物質をどんどん小さくしていくと、原子になり、素粒子になる。だが、素粒子になると物質としての個性がなくなる。
力は4つある。すなわち、電磁気力、弱い力、強い力、そして重力だ。
電磁気力を1とすると弱い力は1000分の1、強い力は100倍、重力はなんと10のマイナス38乗倍だ。電磁気力を伝えるのは光子、弱い力はW粒子とZ粒子、強い力はグルーオン、重力は重力子(未発見)が伝える。
素粒子は、物質素粒子と力を伝える素粒子と素粒子に質量を与える素粒子の3つがある。
物質素粒子は、クォークとレプトンに分かれる。
クォークには、アップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6種類がある。レプトンには、電子ニュートリノ、電子、ミューニュートリノ、ミューオン、タウニュートリノ、タウの6種類がある。
強い力はグルーオン、電磁気力は光子、弱い力は、W粒子とZ粒子が伝える。
素粒子に質量を与える素粒子は、ヒッグス粒子だ。
素粒子の中に17種類もあつのには驚く。
質量と重さの違いは、わかりにくい。
質量は止まっているときにどれだけ動かしにくいか、止めにくいかを示した量。
重さは、そのものを引っ張る重力の大きさだ。
真空は止まっていなくて、相転移と呼ばれる状態変化が常に起こっている。
驚くべき話だが、真空から新たな宇宙がビッグバンのように発生し、我々の世界を破壊することは無いのだろうか、と心配になる。
反物質はSF世界ではよく登場する。物質と反物質が衝突すると、すごいエネルギー放出してどちらもなくなる、と言う。そんなものがあちこちにあったら恐ろしい、と思うが、現実には反物質はない。なぜなくなったのかを説明するのが、CP対称性の破れ、だ。これについては日本人が活躍している。小林・益川理論だ。
まだ見つかっていないが、ダークマターやダークエネルギーも、面白い話だ。
素粒子論や宇宙論を語る上で欠かせない装置が、加速器だ。
私は、父の友人が関係していた完成間近の加速器に行き、中を見学したことがある。
何が何だか全く理解できなかったが、今思うと、もっとよく勉強しておき、じっくり見ればよかった、と思う。
私が生きているうちに、ダークエネルギーやダークマターが解明され、重力子も発見され、大統一理論が完成するかわからないが、これからの発展が楽しみな世界だ。
