表紙

もくじ

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第493話 顔のない死神(2009/06作品)
脚本協力:横溝邦彦
119ページ
依頼者:FSB(ロシア連邦保安庁)長官
ターゲット:武器商人ガブリエル
依頼金額:不明
殺害場所:インド洋上のディエゴ・ガルシア島
殺害人数:1人
殺害相手:武器商人ガブリエル
H:0人
Part1 取り調べ室の裏切者
インド洋上ディエゴ・ガルシア島で元武器密輸業者幹部のアルキニスは、イギリスMI6ダルトニー捜査官に、怯えながら身の安全の保障を求めていた。
アメリカCIA部長パトリックは、アルキニスへのイギリス側の手厚い対応に不満げだった。
ダルトニー捜査官らは、武器商人のガブリエルの正体を探っていた。
アルキニスがガブリエルのもとを去る時、金を持ち逃げしたことにガブリエルは怒って、ゴルゴ13を雇ったのだ。
そのため、アルキニスは、イギリスに出頭したのだ。
Part2 臨戦態勢レベル4
アルキニスがゴルゴ13に狙われているため、警備をレベル4に引き上げられた。
20マイル(32km)以内に接近する飛行機は警告し指示に従わないと即座に撃墜する。
20海里(約37km)以内に一切の船舶を接近させないようにする。
アルキニスの取り調べが始まった。
アルキニスがガブリエルに初めて会ったのは1991年のソ連崩壊だった。
ソ連崩壊によって出回った武器を大量に安く買いたたき、紛争国に売りさばいてガブリエルが大儲けしたのだ。
ガブリエルの身体的特徴を、ダルトニー捜査官がアルキニスから聞き出そうとするが、なかなか話さない。
そこへロシアのFSB(ロシア連邦保安庁)が尋問に立ち合いと連絡してきた。
ロシアのFSB東欧局長ボルツが連絡機でやってくることになった。
Part3 変わった趣味の客
インド洋の大海原
ゴルゴ13が大金でボートや水中スクーターをチャーターし、釣りを楽しんでいた。
Part4 ゲスト到着
FSBのボルツが到着した。
アルキニスの取り調べが再開した。
アルキニスが武器を売る手口を話し始めた。
まず、商社を作り、どちらの勢力がより金になるか計算し、賄賂を渡し、機械部品の鉄くずなどをコンテナの扉付近に詰め込んで武器を輸送するのだ。
アルキニスがやめようと思ったのは、彼が商売に見切りをつけたからだった。
世界中の監視網ができたこと、ロシアと中国が武器商人の商売敵になったことだった。
そのことをガブリエルに忠告すると、ガブリエルは逆にアルキニスが臆病風に吹かれている、と言いアルキニスの始末を決めたのだ。
アルキニスはようやく、ガブリエルの身体的特徴を話し出した。
身長は180前後。体重は80kg前後。目の色はグレー。東欧系のロシア訛りがある。右手の小指は爪が無い。
ガブリエルがグルジアに武器を売りロシアに一泡吹かせようとしている、とアルキニスが言った。
Part5 緊迫の洋上
ゴルゴ13がチャーターした船がディエゴ・ガルシア島20海里近くに来た。
停船して後部からゴルゴ13が水中スクーターで海に潜った。
チャーターして船は引き返した。
フリゲート艦が水中スクーターをキャッチした。
Part6 水中の侵入者
水中スクーターの近くにフリゲート艦が集まり、アンチフロッグマン・グレネードランチャーDP64小型対人爆雷で水中スクーターを沈めた。
残骸回収に向かう。
Part7 核心を語り始めた男
ガブリエルが、携帯型地対空ミサイル、ストレラ2を、グルジアに売り込み、ロシアとグルジアを泥沼の戦いにするつもりだ、とアルキニスが言った。
ストレラ2をガブリエルは200機持っているがそのうち10機を売った。
効果があれば、価格を5倍に引き上げてもっと売るつもりだった。
FSBのボルツが怒って、自分にも捜査させrと、と言う。
パトリックは、止めるが、ボルツが国際問題になるぞ、と脅す。
パトリックは上司に相談する。
Part8 海底の捜索
海底に沈んでいたのは、サメに水中スクーターを取り付けた囮だった。
ゴルゴ13は、ロシア製の燃料電池水中スクーターとフランス製の特殊閉鎖循環式ボンベを使ったのかもしれない。
それらは金属を使わず、プラスチック製なので、磁気探知器に捉えられないのだ。
Part9 侵入
テロリスト(ゴルゴ13)が侵入した可能性があるので、基地内が騒然としてきた。
ゴルゴ13はディエゴ・ガルシア島に上陸し、偽造IDカードと変装をした。
Part10 怯え切るアルキニス
ボルツの強引な主張に、パトリックは折れて、5分間だけ、特別に取調室にボルツを入れてやることにした。
怯えるアルキニスにボルツが握手を求めるが、アルキニスは握手に応じない。
そこにゴルゴ13が潜入したと情報が入り、アルキニスを島から脱出させることになった。
Part11 厳戒態勢の中を通って
第一ゲートに変装したゴルゴ13が緊急の修理のため、と称して、やって来た。
修理のために第一ゲートに入り、屋上に上がったゴルゴ13。
工具箱の工具から銃を組み立てた。
Part12 標的(ターゲット)の素顔
怯えるアルキニスを、ダルトニーとパトリックが車に乗せようとする。
ボルツはそばにいる。
ゴルゴ13の銃弾がボルツを貫いた!!
ボルツはマスクで変装していた。
ボルツの右中指の指輪には毒針が仕込まれていた。
右手小指には付け爪があった。
ボルツに変装していた男がガブリエルだった。
ガブリエルは自分を裏切ったアルキニスを自分の手で始末したかったのだ。
ガブリエルがゴルゴ13に依頼した、というのはアルキニスの居場所を特定するために自分で流した情報だろう、とパトリックが推理した。
Part13 修理完了
ゴルゴ13は修理が完了した、と言って、屋上から下りて来て、基地を出た。
海岸で、ゴルゴ13は着替えながら回想する。
写真がついていないFSB(ロシア連邦保安庁)長官の身分証でゴルゴ13は、FSB長官と会った。
ガブリエルがFSBのボルツに変装してディエゴ・ガルシア島に向かうことがわかった。
FSB長官は、ソ連時代、武器庫の責任者だったが、ガブリエルに大量の武器を売った過去があった。
過去をばらすとガブリエルに脅され、ボルツになりすましたガブリエルが、ディエゴ・ガルシア島に向かうことに協力していたのだ。
Part14 何事もなかった基地
自分たちの大失態だ、と言うパトリックに、アルキニスは、何事もなかったことにすればいい、とアドバイスする。
透明人間だったガブリエルが、ボルツになりすましたために、見える人間になって標的になってしまったのだ。
変装名人が変装のおかげで罠にはまったわけだ。
【感想】
アルキニスを狙うゴルゴ13がディエゴ・ガルシア島にどうやって潜入するのか?
ガブリエルの正体をどうやって探るのか?
ぐいぐいと物語に引き込まれてしまう。
透明人間が変装したために標的になってしまった、という皮肉な結末が印象に残る作品だ。
増刊第98話 必殺の0.5秒(2008/10作品)
脚本協力:ながいみちのり
41ページ
依頼者:不明
ターゲット:弾(ブレット)というあだ名で呼ばれる狙撃手(スナイパー)
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ、ニューメキシコ州
殺害人数:4人
殺害相手:
弾(ブレット)というあだ名で呼ばれる狙撃手(スナイパー)
弾(ブレット)とゴルゴ13の対決に大金を賭けていた男2人(一人は"教授"と名乗る)と双眼鏡で対決を見た男
H:0人
ニューメキシコ州-USA-で対峙するゴルゴ13ともう一人の狙撃手(スナイパー)の男。
1か月前-ロスアンゼルス埠頭-
弾(ブレット)というあだ名の狙撃手と対決する若い狙撃手。
彼が、心の中で、思い出す。
狙撃手同士の戦いで負けたことがない男が二人居る。一人は不吉な数字をまとい、もう一人は名を体で表していて"弾(ブレット)"という。
弾(ブレット)と対峙した若者は撃たれて死んだ。彼の撃った弾を、弾(ブレット)はなんとかわした!
サンディエゴの病院に弾(ブレット)が訪ねる。そこに息子のジョンが入院していた。
ジョンは腸に障害があり、多臓器移植が必要だった。
費用は25万ドルだ。
サリーからの電話で新しい依頼を受けた弾(ブレット)は、ロスアンゼルス、ロングビーチで、"教授"と会う。
"教授"の依頼は、ゴルゴ13殺しだった。
弾(ブレット)は30万ドルを請求した。
ゴルゴ13は現役の刑事から弾(ブレット)に関する情報を入手した。
報告書には、弾(ブレット)と戦った狙撃手は、堂々と撃ちあい、一発目を撃ちながらそれはすべて外れているのだ。
ゴルゴ13は、なぜ弾(ブレット)がまず相手に撃たせるのか、考え、ニューメキシコ州での対峙に戻る。
相手の弾を100%かわせるのはなぜか、考えるゴルゴ13。
弾(ブレット)が立ち上がった。ゴルゴ13も立ち上がった。
弾(ブレット)が銃を構えた。
ゴルゴ13もM16を構えた。
ゴルゴ13は弾(ブレット)が向かって左によける、と読んで、狙った。
ゴルゴ13は弾(ブレット)と同じように弾(ブレット)横によけて弾(ブレット)の銃弾をかわした。
その様子を双眼鏡で見ていたひとりの男がいた。
その男が建物に入ると、"教授"ともう一人の男が、札束を前にしていた。
彼らはゴルゴ13と弾(ブレット)のどちらが勝つか賭けをしていた。
ゴルゴ13が勝ったことを、双眼鏡の男が伝えると、賭けに負けた男が狙撃された。
次に双眼鏡の男が狙撃された。最後に賭けに勝った"教授"が狙撃された。
ジョンが入院している病院の開院記念事業の一環として、ジョンの治療および手術が選ばれ、費用は全額免除されることになった。
【感想】
狙撃手同士の正面からの対決で弾丸をかわして生き残る弾(ブレット)。
結局、彼の超能力の秘密は明かされないが、ゴルゴ13は、その技を自分のものとして、勝利した。
ゴルゴ13を賭けの対象にする愚かな行為をした3人はゴルゴ13の必殺のショットを受けて死んでしまった。
ゴルゴ13を賭けの対象にしてはいけない。
弾(ブレット)の息子、ジョンの治療をただにしたのはゴルゴ13の寄付によるのだろう。
ゴルゴ13も粋なことをするものだ。
第487話 アジ・ダハーカの羽(2008/11作品)
脚本協力:川泉賢祐
83ページ
依頼者:ゾロアスター教の聖者
ターゲット:ハーリ・モーターズの新型車両プルームの車両に欠陥はあるが致命的ではないと思わせること
依頼金額:不明
狙撃場所:インド、ムンバイ プルーム走行会用特別サーキット場
殺害人数:0人
狙撃対象:ハーリ・モーターズの新型車両プルーム
H:0人
200X年9月、ハーリ・モーターズCEOのハフィーズ・シンがプルームという新型自動車を発表した。
主任設計技師はビハリで、価格は10万ルピーで、排気量は600ccで重量は550kg、燃料はエタノール100%にも対応し、燃費は50mpg(1ガロンあたりの走行距離(マイル))を達成していた。
Part1 日本人ヒロカミ
ムンバイ-インド-
ゾロアスター教の聖者と一人の男、広上が会話している。
広上はあの車は21世紀のアジ・ダハーカだと言う。
アジ・ダハーカとは、古代ペルシア神話やバールシー教(ゾロアスター教のインドでの呼び方)の聖典『アヴェスター』に登場する怪物だ。
ビハリは、ハーリ・モーターズ本社で、政府関係者にプルームについて説明している。
ビハリは広上の弟子だった。
ハフィーズ・リカーのオーナーでCEOの兄弟のニベルが現れ、ビハリは席を外された。
Part2 ヒロカミの死
アーンドラ・プラデシュ州の地区警察で、広上の遺体と対面するビハリ。
ビハリは5年前、日本で、自動車工学を学んだ。
広上の論文は革命的なアイデアだったが、日の目を見ず、ビハリがその論文を実現させようとした。
ヒロカミは、環境保護を目的としたNGOの一員だった。
アーンドラ・プラデシュ州の植林と企業の環境基準向上活動をしていた。
特に自動車の排ガス規制のオブザーバーとして積極的に活動していた。
Part3 ヒロカミからの情報
ヒロカミがビハリに残した手紙とUSBメモリーがあった。
その資料中では、プルームがE100対応可能でも食糧安定供給を考慮しE25以下にすることだったが、推奨燃料がE85~100になっていた。
そしてハフィーズ・リカーとの契約書があり、それは、ビハリ達も知らないことだった。
CEOをつかまえて、ビハリは問いただす。
高濃度エタノール供給可能なインフラはインドにはないが、CEOは弟のニベルがオーナーであるハフィーズ・リカー社との間で、大規模なエタノール精製プラント建設の内諾をとりつけた。
農業局次官との間でもトウモロコシの栽培促進政策を合意し高額な献金を行う。
バイオエタノールを使用するとCO2排出は削減できるが、穀物の需要急増による市場のマネーゲーム化、食糧危機、大規模な環境破壊を引き起こす、とヒロカミの言葉を引用するCEO。
ハフィーズ・シンCEO率いるハーリ財閥は、ブラジルに先行されたバイオエタノールを、インドが追い越し、途上国の自動車市場をハーリ財閥が握ることを狙っていた。
ヒロカミが資料をマスコミに開示すると言ってきたので、ハフィーズ・シンCEOがヒロカミを殺したようだ。
自席に戻ったビハリは、部下のカブールにも、ついていけない、と言われてしまう。
バーで飲んだくれるビハリ。
USBメモリーの資料を失ったビハリは、手紙に会った地図"アータルの雷"を思い出した。
アータルとは最高神アフラ・マズダーの息子とされる火の聖霊だ。
Part4 アータルの雷
ゾロアスター教の寺院に行くビハリ。
自分を罰してくれ、というビハリに、聖者はそれで師の望みが達せられるのか?、と問いただす。
その様子を陰で見守るゴルゴ13。
聖者は、ゾロアスター教で重要なものが、自己の意志であることを思い出させる。
そして、ビハリ自身が生み出した物を、ビハリ自身が止められる場所で、問いかけ為すべきことを決めるのだ、と説く。
ビハリはゾロアスター教寺院を一旦去る。
聖者は、「"三頭なるアジ・ダハーカよ・・・もし、汝が光輪を得るならば我は汝の尾と口に火を放つであろう・・・" 『アヴェスター』の一節だ・・・これで"アータルの雷"を使う事になったか・・・」と言う。
ゴルゴ13が聖者の前に現れた。
Part5 ニューヨーク-USA-
デイブ・マッカートニーの所にゴルゴ13が現れた。
シェラックで中を空にし先端にはタングステン鋼の弾丸と、マグネシウムとセリウムをコーティングしたシェラックの銃弾が、ゴルゴ13の要求だった。
ムンバイ-インド-
プルーム走行会用特別サーキット場
ハフィーズ・シンCEOは、ビハリが車両に工作する可能性を考えていた。
ビハリは、ゾロアスター教の聖者にプルームの構造図を見せ、エンジンの燃料フィルタに不純物を混入させて、妨害しようとしていた。
そこを見つかってしまい、スタッフルームに連行された。
走るプルームは予備があり、ビハリの工作は失敗した。
Part6 エンジン異常
サーキット場を見下ろす所にゴルゴ13が現れた。
ゴルゴ13が狙撃した。銃弾は道路でワンバウンドした。
やがてプルームが停車した。
インジェクターが閉塞していた。
ハフィーズ・シンCEOは、プルームの評判が地に落ちる、と焦る。
ハフィーズ・シンCEOは燃料が漏れていることに気づいた。
画像解析にかけられる恐れがない位置を確認したゴルゴ13が二発目を撃つ。
銃弾におってプルームが出火した。
ハフィーズ・シンCEOは、マスコミを追い返しテスト走行を中止した。
Part7 聖なる火アータル
ゴルゴ13は、依頼時のことを回想する。
バイオエタノールは貴重な戦略資源だ。
エタノールへの依存度の高さから貧しい人々の口に入る食糧まで車が消費する危険性がある。
そこで車両に欠陥はあるが致命的ではないという形でプルームの販売を妨害するのが、ゾロアスター教の聖者のゴルゴ13への依頼だった。
Part8 ビハリの分析
プルームを調査するエンジニアたち。
配管が異常に腐食し、インジェクターは閉塞して燃料を噴射できなくなっていた。
さらに旋盤の刃と思われるタングステン鋼が見つかった。
また燃料のマグネシウム含有量がかなり高かった。
ヒロカミ殺害犯人が逮捕され、その犯人に殺害を依頼したのがハフィーズ・シン社長と秘書の女性であることが判明した。
【感想】
二酸化炭素などの地球温暖化ガスによる地球温暖化は待ったなしの状況だ。
経済的に採掘可能な石油がどんどん減ってきている。
ブラジルが先行するバイオ・エタノールは、トウモロコシやサトウキビが光合成で吸収した二酸化炭素を排気ガスとして出すのでプラスマイナス0になる。
しかし、本作品でも触れているが、食糧と競合し、価格が上下するリスクがある。
環境問題とゴルゴ13の物語をうまく融合させた作品だ。
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