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さいとう・たかを『ゴルゴ13 21 地獄への回廊』(リイド社)(SPコミックスコンパクト)(2003/10/30)

Amazon紙版へのリンク

 

表紙

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もくじ


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SPコミックスコンパクトは、文庫サイズで、中に含まれる話は、SPコミックス版と異なり、最初のうちは、発表順となっている。

SPコミックス版にはない、SPコミックスコンパクト独自として、杉森昌武氏の解説が入っている。杉森昌武氏は、ゴルゴ13研究家兼デューク東郷研究所所長、『THEゴルゴ学』(小学館)編集総監督だ。

解説だけでない。

SPコミックス版にはない、構成、脚本、構図、作画、担当者それぞれのスタッフの名前がきちんと入っている。

なお、それぞれの話の内容は、SPコミックス版を参照するようリンクだけを貼っておく。

 

第86話『折れた矢(ブロークン・アロー)』(1974/08作品)

 

第87話『地獄への回廊』(1974/09作品)

 

第88話『ヒドラ』(1974/10作品)

 

第89話『プルトニウム239』(1974/10作品)

 

解説:杉森昌武

 ゴルゴ13は世界中を飛び回っている。この巻だけでも3か月で世界一周するくらいだ。クライアントのどんな難題にも誠心誠意応えている。杉森昌武氏は「姿勢だけは、是非見習いたいものだ。」と書いている。

 

 第86話では、「水爆を搭載したB52爆撃機の墜落事故にハンガリー動乱をめぐる怨念が絡むまさに冷戦時代を象徴するようなストーリーが展開される。」と杉森昌武氏が冒頭で書いている。

 この作品では、米ソ共に同じ穴のムジナで、正義が時代や思惑によるご都合主義で人間が勝手に作り出した虚構にすぎないことを、余すところなく描ききっている。

 冷戦期にはまさにこの作品のような恐怖心がいつもあったことを思い出す。

 

 第87話では、植民地となったアフリカの悲劇が描かれている。ポルトガル領モザンビークが舞台だ。1960年が「アフリカの年」と呼ばれるように、多くの国が独立したが、モザンビークは1975年にようやく独立した。武器を運搬するのに無線誘導機を使っているが、最善の方法だったか、と杉森昌武氏が疑問を呈している。

 

 第88話は、麻薬組織ものの傑作だ、と杉森昌武氏が絶賛している。アクション、サスペンス、濡れ場の三拍子が揃っている。冒頭のアントナン・アルトーの言葉が、杉森昌武氏の指摘であらためて読むと、かなり哲学的で真理を突いていると思った。阿片が社会に危険を及ぼすのではなく、もともと私たちが不適格者なのだ、と言うのだ。ユダヤ教やキリスト教が言う原罪、仏教の煩悩(さらにいえば無明)というテーマになってくる。確かに深い・・・

 

 第89話は、次の巻で解説する。

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

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