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さいとう・たかを『ゴルゴ13 24 聖者からの依頼』(リイド社)(SPコミックスコンパクト)(2003/12/29)

 Amazon紙版へのリンク

 

表紙


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もくじ


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SPコミックスコンパクトは、文庫サイズで、中に含まれる話は、SPコミックス版と異なり、最初のうちは、発表順となっている。

SPコミックス版にはない、SPコミックスコンパクト独自として、杉森昌武氏の解説が入っている。杉森昌武氏は、ゴルゴ13研究家兼デューク東郷研究所所長、『THEゴルゴ学』(小学館)編集総監督だ。

解説だけでない。

SPコミックス版にはない、構成、脚本、構図、作画、担当者それぞれのスタッフの名前がきちんと入っている。

なお、それぞれの話の内容は、SPコミックス版を参照するようリンクだけを貼っておく。

 

第95話 ザ・スーパースター(THE SUPER STAR)(1975/05作品)

 

第96話 カリフォルニア軍団(1975/06作品)

 

第97話 レディ・ビッチ(1975年07月作品)

 

第98話 聖者からの依頼(1975/08作品)

 

解説:杉森昌武

 2003年時点で、『ゴルゴ13』は、連載35周年だった。さいとう・たかを氏もデビュー50周年だ。これだけ長く連載しているのは、さいとう・たかを氏の劇画が人間の「業」を描いているからだ、と杉森昌武氏が喝破している。「何が善で何が悪なのか、正義とは何か、何が愚かで何が賢いのか・・・、それは単純に誰かが決められる事ではない。」「人間は誰しも、複雑な内面を持っている。矛盾を抱えながら生きている。」そうした人間の真実をさいとう・たかを氏が描いている。「そんな業を背負った人間でも、崇高な生きざまを示すことはできる・・・。」これが『ゴルゴ13』の一つのテーマだ、と杉森昌武氏が書いているがその通りだと思う。

 

 第95話は、連載当時大きな反響があった作品だそうだ。ゴルゴ13の「うさぎのように臆病」「臆病のせいで・・・こうして生きている・・・」というセリフが光る。正義と悪、強者と弱者、物事を単純に理解していてはわからない事実と信念に基づいた価値観だけで行動するゴルゴ13のような考えが重要だ。

 

 第96話では、モランド大佐は「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子の兵法の鉄則を踏み外している。彼が最期に、依頼人のハミルトンが関知していない、と言ったのは唯一よかった点だ。この作品では金のために命を落とす愚かな業を持った人間たちが登場する。

 

 第97話に登場するリンダは『THEゴルゴ学』(小学館)のp.112で色情狂第一位を獲得している。杉森昌武氏は、彼女は色情狂ではなく、人間の愚かさ、性(さが)だ、と言っている。これは私も同感する。また早撃ちのビリイについては、もっと活躍してほしかった、と書いている。私も賛成だ。できれば敵ではなく、味方として活躍してほしかった。

 

 第98話については、杉森昌武氏はいくつか疑問点をあげている。オーハラ神父が前非を悔いているのはわかる。そのために自分を殺させようとするのもわかる。しかしゴルゴ13に大金を払ったり、ゴルゴ13を捕らえて拷問したり、部下もゴルゴ13に殺させているのはわからない。杉森昌武氏は、作者が人間の複雑性、多面性を描き、善悪が単純に決められないことを暗示している、と解釈している。

 

 

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