haruichibanの読書&視聴のおと

読書メモや映画やテレビ番組視聴メモです

さいとう・たかを原作 さいとう・プロ作品『ゴルゴ13』第649話『レベル3の罠(わな)』(『ビッグコミック』2025/04/25号)

 

 

第649話『レベル3の罠(わな)』 

 

 

 

Amazon Kindle版へのリンク

Amazon 紙版へのリンク

 

脚本協力:テーラー平良
ページ数:78ページ
依頼者:ハリケーン災害で保険金支払をグリードが拒んだために起こった放火事件の火災に巻きこまれ大やけどを負い昏睡状態になっていた若い夫アーサーの父親
ターゲット:保険会社のグリード専務
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ 高速道路上
殺害人数:1人
殺害相手:保険会社のグリード専務
H:0人

 

Part1 自動運転車
 自動運転車に乗る男の眼前の横断歩道を、子連れの歩行者5人が歩いている。自動運転車はブレーキがかからない。男はとっさに左にハンドルを切って、家族連れをよけた。車は若者をひき殺した!!

 
Part2 ルトマンの死
 ひき殺された男は27歳のルトマンという男でAI会社の社長だった。

 ルトマンの葬儀で、保険会社の男二人が、話をしていた。一人は黒い口ひげを生やした男グリード専務で、彼は、運転していたハリスが5人の家族がルトマンより社会的に価値があるとは思えない、と言った。もう一人は小柄で白い口ひげを生やしたメガネをかけた男で御曹司アロンの叔父のヘンリーだった。

 葬儀の場に白い口ひげとあごひげを生やした恰幅のいい男がいて、グリード専務をにらみつけていたが、グリード専務は、あんな奴は知らん、と言った。ヘンリーはどこかで見た覚えが・・・と言った。

 

Part3 保険会社の思惑

 保険会社の男は、ルトマン氏に2000万ドル(日本円で約30億円)も払うのか、と言う。自動運転車に乗っていたのだから、自動車会社が払うべきだ、と言う。自動運転車にはレベル0からレベル5まであり、販売されているのはレベル3で、レベル3の場合、危険なシチュエーションになった場合、運転手が運転を引き継がなければいけないのだ。

 また、ルトマン氏は、万一自分が事故を起こした場合に、自宅や会社を取られないように傘保険にも入っていた。保険会社は、ルトマン氏の会社に6億7000万ドル(日本円で約1000億円)も融資していた。

 ヘンリーは、ルトマンの後継者のリックが優秀な男だ、と言った。

 グリード専務は、融資をただちに打ち切るべきだと言った。そしてリックによる開発がどこまで進んでいるか確かめることになった。

 

Part4 神の御業

 リックは保険会社の男達に、AIがもうすぐ必要なデータを学び終える、と話した。

 保険会社の男達は、残念がる。

 リックは、どういう研究をしていたかを話す。3Dカメラで人の顔を認識し、加齢やマスクや化粧や眼鏡をかけても、誰なのか判断でき、1秒で2億人の検索ができ、日本のNBC社と同等の技術を持つ、と言った。グリード専務は、100m先の横断歩道を何十人も渡っていても、誰が重要人物か、わかるのか、と質問した。

 リックは、データが入力されていれば、0コンマの世界でわかる、と答えた。

 グリード専務は、自分の要求するシステムを加味できるなら投資を考える、と言った。これまでは誰をひいて誰を助けるかなど、神にしかできなかったが、このシステムが可能ならそれが実現できる。猶予は3か月となった。

 リックはやってみる、と答えた。

 

Part5 生命(いのち)の差配

 3か月後、グリード専務と保険会社の御曹司アロンが乗り、リックが運転する車のディスプレイ上には、前を走る車の映像が映っていた。それぞれの車の上に数値が表示されていた。これはナンバープレートから運転手を特定し職業や社会的貢献度を加味して点数化したのだ。全米でもトップ3に入る保険会社なので、様々なデータから、財力や基本的幸福度を元に点数化したのだ。

 ルトマン氏の事故の時、もし、このシステムがあれば、ルトマン氏とアメリカに渡ってきたばかりの5人の移民家族を、AIが比較してルトマン氏を救えた、とグリード専務が言った。

 その時、積み荷を満載したトラックの荷台から管が落ちた。それをよけようとしてハンドルを左右に切ったグリード専務とアロンが乗る車。右横にいたハーレーの男が中指を立てる。左横にはヘルメットをかぶったバイクもいた。

 グリード専務が、もしもっと大量にくず鉄が荷崩れしたら、アロンならどちらにハンドルを切るか、ときいた。アロンは、ちゃんとルールを守っている人をひくのは気がひける、と言った。

 グリード専務は、左右の男のデータを調べる。右のハーレーの男は、元銀行員で定年退職し、離婚歴1回で子どもなしだった。左のヘルメットの男は、俳優でファンクラブには100万人の会員がいて、慈善活動もしており、妻に子どもが5人いる。点数では、ハーレーの男が400点、俳優は850点だった。このシステムでは、ハーレーの男の方にハンドルが切られるのだ。

 アロンは、ルトマンが望んだシステムか、と疑問を呈する。彼はルトマンに命を救われ、ルトマンは半年も学校を休む羽目になったことがあったのだ。ルトマンは自分を捨ててでも他人を救える人なのだ。

 グリード専務は、「誰をひいて誰を救うかは、これからは顔認証システムのAIが決める時代だ。」と断言した。

 その言葉に驚くアロンとリックだった。

 

【感想】
 AIの発展は著しいものがある。物語中とはいえ、1秒間で2億人の検索し一人一人に点数をつけた世界になろうとしている。

 物語中では、自動運転車が万一事故になろうとしたときに誰をひいて誰を助けるか、の判断に使うことになっている。しかし、これが、誰を生かして誰を殺すか、という判断に使われるとしたら、恐ろしい世界になる。間瀬元朗『イキガミ』の世界を思い出す。
 この話に、今後ゴルゴ13がどう絡んでくるか、次号以降が楽しみな話だ。

 

Amazon Kindle版へのリンク

Amazon 紙版へのリンク

 

 

 

Part1 生殺与奪権
 御曹司アロンの叔父ヘンリーは、アロンを、10年前に巨大ハリケーンによって壊滅した町に連れて行った。
 グリードのAIは、誰をひいて誰を救うかを決める。
 御曹司アロンはその考えに賛成ではないがグリードの考えにも一理あると考えていた。
 人間の発展性を計算しているが、発展性が喪失したときには価値なしとしている。
 ヘンリー叔父さんは発展性が失われたからと言って価値がないわけではない、と言う。
 人の幸福感はそれぞれ違うのだ、とも。
 
Part2 グリードの本性
 10年前に巨大ハリケーンによって壊滅した町で、グリードが保険金を出すのを渋ったのだった。
 ハリケーンによる水害は免責条項にあった。そのせいで、浸水が降水によるのかハリケーンによるのかで、住民ともめたのだ。
 グリードは被害鑑定人を脅し、多くの保険加入者の家はハリケーンによる浸水とされた。
 住民達は自暴自棄になり保険金を得られないなら燃やしてしまえ、となったのだ。
 その火が被害を逃れた家にまで燃え移り、幼子のいる20代の若夫婦の家に燃え広がり、若い夫を残して焼死した。
 その夫も前進大火傷を負い昏睡状態にある。
 グリードは会社を守ったとして大株主から重役に推挙された。
 御曹司アロンは自分達の仕事がささやかな人生を送っている人々の生活を守ることだと気づいた。
 ハリケーンで亡くなった人達が眠る墓地に、葬儀の時にグリードをにらみつけていた男がいた。その男の息子は今でも昏睡状態だった。
 その男はグリードを訴えたが裁判で負けたのだ。
 
Part3 レベル4の保険
 役員会議で、御曹司アロンの叔父ヘンリーが、グリードに、アロンとグリードのどちらかが死ぬような事故の時どうするか、と問う。
 グリードは喜んで自分が死ぬ、と答えた。
 ヘンリー叔父さんは、もしグリードの顔認証システムがハリス氏の車に搭載されていた場合について、話す。
 あの事故の時の状況では、ルトマン氏を救うために、移民の5人にぶつけるか、中央分離帯の鉄柱にぶつけてハリス氏自身を殺すしかない。
 他人の命を守るために自分を殺しかねない車に高い金を出して買うか?とヘンリー叔父さんが問う。
 席上の誰もが、自分自身を殺しかねない車を買いたいとは思わない、と答えた。
 グリードは、システムのことを消費者に言う必要はない、と断言した。
 レベル4以上の自動運転車の保険は個人消費者ではなく、製造した自動車会社が車一台一台にかけるようにさせるのだ。
 御曹司アロンは、自動車会社の車が、保険の分を予め価格に転嫁して消費者に販売するから消費者が保険金を払っているのと同じだ、と主張する。
 グリードは、今度大株主を集めた会議でこの議題を決議する、と言って、席を立った。
 アロンの叔父ヘンリーは何とか挽回する、と言うが、大株主に受けがいいから挽回は難しいと判断したアロンは地下駐車場に事故やのハプニングを呼び、自動運転車のブレーキに細工することにした。
 
Part4 神の仕事
 御曹司アロンの叔父ヘンリーは、ゴルゴ13に依頼する。
 mRNAワクチンを考え出した女性研究者が、ハンガリーで職を失いアメリカに来た。もしその時グリードのAI車があり、ヘンリーと彼女が車の前に立ったら、AIは間違いなく彼女をひく。
 そうすると、コロナから人類を救ったmRNAワクチンは生まれず人類はもっとひどい目に遭った、と話す。
 人の未来の価値など本人自身でさえもわからない、ということだ。
 ゴルゴ13は、先約がある、と言って依頼を断った。
 
Part5 暴走自動運転車
 グリードとヘンリー叔父さん、リック、アロンが乗った自動運転車がハイウェイを走っている。
 自動運転車の前に、事故やのハプニングが乗った大型トラックが、走り、急停車をする。
 自動運転車のブレーキが効かない。
 トラックの鉄骨が、グリードを突き刺すように接近する。
 自動運転車のハンドルも効かない。
 助手席のグリード700点、助手席後ろのヘンリー叔父さん700点、運転手のリック600点、運転席後ろの御曹司アロン1000点だ。
 合計点で、グリードとヘンリー叔父さん1400点、リックとアロン1600点なので、グリードとヘンリー叔父さんを殺す、とAIが判断したのだ。
 アロンは必死でヘンリー叔父さんを自分の席に引っ張る。
 鉄骨が助手席に突き刺さった。
 グリードの死体を見ると眉間を撃ち抜かれていた。
 ルトマンの葬儀でグリードをにらんでいた男が静かに車で近寄ってきた。
 その男は、ハリケーン災害で保険金支払をグリードが拒んだために起こった放火事件の火災に巻きこまれ大やけどを負い昏睡状態になっていた若い夫アーサーの父親だった。
 彼は、敵を討ったぞ、と言って、去って行った。
 
【感想】
 自動運転車が、万一の事故の際、車内の人を殺す可能性がある場合、私ならその車を買うだろうか?
 かなり重い問いかけの話だ。
 AIがどんどん進化してきているが、いったい、どんな社会になるのか・・・。
 平気に利用して人類を攻撃する『ターミネーター』の世界がいよいよ現実になってきた気がして、楽しみよりも恐怖の方が大きい。
 

 次号は第650話 『2-1+1』だ。
 予告では、双子の姉妹が同じ男を愛したとき、となっている。
 どんな物語が展開するのか楽しみだ。

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

 

haruichiban0707-books.hatenadiary.com