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さいとう・たかを『ゴルゴ13 36 シシリー島の墓標』(リイド社)(SPコミックスコンパクト)(2004/06/30)

Amazon紙版へのリンク

 

表紙


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もくじ


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SPコミックスコンパクトは、文庫サイズで、中に含まれる話は、SPコミックス版と異なり、最初のうちは、発表順となっている。

SPコミックス版にはない、SPコミックスコンパクト独自として、杉森昌武氏の解説が入っている。杉森昌武氏は、ゴルゴ13研究家兼デューク東郷研究所所長、『THEゴルゴ学』(小学館)編集総監督だ。

解説だけでない。

SPコミックス版にはない、構成、脚本、構図、作画、担当者それぞれのスタッフの名前がきちんと入っている。

なお、それぞれの話の内容は、SPコミックス版を参照するようリンクだけを貼っておく。

 

第138話 アメリカの異邦人(ALIENS OF AMERICA)(1978/10作品)

 

第139話 シシリー島の墓標(1978/11作品)

 

増刊第11話 刑事(バッジ)よさらば(1978/10作品)

 

第140話 アイボリー・コネクション(1978/11作品)

 

増刊第12話 B(ブーン)&C(クロケット)クラブ会員死す(1978/12作品)

 

解説:杉森昌武

 アメリカの有名な心理学者セリグマン博士によると、楽観主義は健康にいいそうだ。楽観主義者は、良いことが起きるのは自分の能力とか人柄のせいで、悪いことが起こるのは、他人とか環境とかウントか、自分の生ではない、と考える人のことだそうだ。ところが、楽観主義は万能ではなく、ギャンブルでは悪い結果につながるそうだ。ではゴルゴ13は楽観主義者か悲観主義者か、と杉森昌武氏が問う。「俺には・・・悲観も楽観もない・・・あるのは・・・事実だけだ・・・」と答えるだろう、と杉森昌武氏が答えている。

 

 第138話では、ゴルゴ13は大ピンチに陥る。麻酔銃を撃ち込まれてしまう。もし敵がゴルゴ13抹殺を狙っていたらここで連載が終了したはずだ。ドクター・リタは「策士、策におぼれる」を地でいってしまった。最後のコマでグラスを持つゴルゴ13は、ひとりで乾杯したい気分だったのだろう、と杉森昌武氏が推測している。私は単に女医(ドクター)リタの持っていたグラスが落ちないようにしただけだと思った。

 

 第139話では、シシリー島(シチリア島)が舞台だ。コーザ・ノストラ(マフィア)発祥の地だ。マフィアをテーマとした映画では、『ゴッドファーザー』が有名だが、『シシリーの黒い霧』『コーザ・ノストラ』も徹底したリアリティが衝撃を与えた問題作だそうだ。ゴルゴ13がバチカン市警の刑事をバレンチノ兄弟の部下に拘束させたシーンが面白い。仇を討つための、壮絶なセルジオ・モレッティの最期が印象に残る。

 

 増刊第11話では、ゴルゴ13は、正当防衛を装って仕事を遂行した。正当防衛の立証のために目撃者をわざわざ作る。ゴルゴ13の仕事の現場を目撃しても消されなかった希有な人物だ。

 

 第140話では、WWF(世界や性動物基金)やFNLA(アンゴラ民族解放戦線)が登場するが実在の組織である。公園管理本部のルートリッジは、うるさい男だが、ゴルゴ13の指示通りバクテリアを送ってきたのは感心だ、と杉森昌武氏が書いている。確かにそのとおりだと思う。

 

 増刊第12話のタイトルになっているブーンとクロケットは射撃の名手と言われる。ダニエル・ブーンは、18世紀後半の軍人で、ケンタッキー州開拓に尽力した。ディビー・クロケットはテネシー州出身の開拓者で、人望が厚く、テネシー州議会議員や下院議員も務めた。映画『アラモ』が有名だ。

 

 

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