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さいとう・たかを『ゴルゴ13 89 BEST BANK』(リイド社)(1994/01/04)

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第320話 BEST BANK(1993/05作品)

脚本協力:静夢

ページ数:89ページ
依頼者:四菱グループ総帥・志村
ターゲット:大蔵省出身で東亜銀行頭取で四菱銀行と合併後のやまと銀行で会長となる坂本と、彼を殺そうとする人物
依頼金額:不明
殺害場所:日本 東京
殺害人数:2人
殺害相手:大蔵省出身で東亜銀行頭取で四菱銀行と合併後のやまと銀行で会長となる坂本と、彼を殺そうとする人物
H:0人

Part1 セレモニー
 四菱銀行と国際業務に強い東亜銀行の対等合併セレモニーが行われていた。
 四菱銀行の山城頭取に東亜銀行の坂本頭取が依頼して合併に至ったのだ。
 四菱銀行の業務部長丸山と、東亜銀行の秘書室長の滝田は先輩後輩の仲で今回の合併を祝い二人で呑んでいた。
 坂本頭取は大蔵省出身で、彼がベストバンクを作りたい、と言ったことを思いだしていた。
 
Part2 オペレーション
 フロリダ沖で、リプケン財務次官からの電話を受けたランドルフは、東亜銀行の坂本頭取が、アメリカでも日本の政策当局もコントロールできないストロングバンクができる、と慌てていた。
 電話を切った後、ランドルフはケインを呼び、四菱銀行と東亜銀行の株を買い集めるよう、命じた。
 
Part3 "法王"と呼ばれる男
 元日銀総裁・松下邸に坂本頭取が挨拶してきていた。
 そこへアメリカのリプケンから電話が入ったが、もう寝た、と答えろ、と松下は部下に言った。
 
Part4 合併発表翌朝
 滝田の家で、妻は無理をしないで、と夫を心配する。
 滝田は部下の金子に頭取の坂本に間違いがないよう迎えにいくよう、命じた。
 兜町では、大相場が来ていた。
 
Part5 レイズ・アップ
 四菱銀行と東亜銀行合併の話は株式市場で好感を持たれていた。
 ランドルフは買いを続けろ、と部下に命じた。
 
Part6 王国の威信
 元日銀総裁・松下と荒井が呑んでいる。株式市場が活況を呈していて二人は喜んでいた。
 信託銀行協会の高村から松下の事務所に献金の申し出もあった。
 松下は、政治家に頭を押さえられないようにしろ、と荒井に言った。
 松下は、金融船団をまとめて日本の成長を引っ張ってきた金融システムに、誇りを持っていた。
 
Part7 逆転の一手
 東亜銀行で、滝田は、高梨副頭取と上田専務が三友銀行の神田が会っていたのを見た。
 三人は料亭で会った。神田は、今回の合併がなければ高梨副頭取と上田専務が順に頭取になっていたはずだ、と言った。
 そして、クーデターを起こすよう、二人をそそのかした。
 
Part8 嵐の前の静寂
 坂本頭取は取引先企業廻りをしていた。
 金子がお供していた。
 ウルグアイラウンドが大詰めを迎えていた。
 また、アメリカ新政権の政策担当チームが来日して担当省庁と事務レベルの交渉を始める、と金子が話す。
 さらに、明日、取締役会が開かれる、と話した。
 
Part9 起死回生
 東亜銀行では、取締役会が開かれ、予定の議題が終わった。
 山下常務から緊急動議が出た。坂本頭取の解任要求だった。
 急遽、決が採られようとしたとき、坂本頭取は、三友銀行の神田頭取と、東亜銀行の高梨副頭取と上田専務が料亭で会っている写真を見せた。
 
Part10 百年の野望
 四菱グループ総帥・志村邸で、山城と話をしている。
 東亜銀行の坂本頭取が身内の大掃除をしたことを話していた。
 坂本頭取は、高梨副頭取と山下常務を追放した一方、上田専務を副頭取に昇格させた。
 四菱は"国家"だと言い切る志村だった。
 
Part11 脅し
 東京国際空港にアメリカ新政権の政策担当チームがやって来た。
 荒井は、元日銀総裁・松下に電話した。
 荒井は、リプケン財務次官に脅されたのだ。
 ウルグアイラウンドでコメの自由化を実質回避することと引き換えに新銀行設立を認めるな、というのだった。
 荒井は民間銀行のことなので政府に干渉する権限がない、と答えたが、リプケンは納得しそうになかった。
 松下は、新銀行を守り、脅しに屈しないつもりだった。
 リプケンは、計画が失敗に終わったと、電話していた。
 
Part12 決意
 坂本東亜銀行頭取と山城四菱銀行頭取がゴルフをしていた。滝田と丸山も同席していた。
 坂本頭取は、新銀行は、バブル精算をすすめ、国家や財閥などの制約も受けない銀行にしていきたい、と決意を語る。
 
Part13 見せしめ
 ニューヨーク・ウォール街では、日本が官民グルになってアメリカに挑戦してきた、と怒る部下にランドルフが、見せしめをする、と宣言した。
 とびきりのプロをケインに手配させ、新銀行設立と同時に一気に売り浴びせるよう、指示した。
 
Part14 招かざる客
 東京のホテルにゴルゴ13が到着した。
 
Part15 オフィス街の銃声
 四菱銀行に東亜銀行の坂本頭取が現れた。
 滝田はその時銃声を聞いた。
 四菱銀行と東亜銀行は、やまと銀行となり、会長に坂本が、頭取は山城がなる、と発表された。
 
Part16 秘書室長の不安
 坂本会長は、松下の所に向かう。
 丸山は滝田に、坂本頭取が到着したとき、近くのビルで外人が射殺された、と話した。
 外人の内ポケットに坂本会長の写真があったのだ。
 滝田は慌てて、坂本会長の車を追う。
 坂本会長が乗った車のタイヤをゴルゴ13が狙撃し、車はトラックと衝突した。

 

Part17 "白鳥"への恐れ
 四菱グループ総帥・志村は、電話で、坂本会長が事故死したことを知った。
 志村は、坂本会長を生かして、そして殺すことをゴルゴ13に依頼したのだった。
 元日銀総裁・松下も、大和銀行会長坂本の死を電話で知った。
 そこへ志村からの電話を受けた。志村は、四菱銀行と東亜銀行の合併に松下が力を貸したことを知っていた。
 さらに、リプケンの裏にいるランドルフが刺客を送り坂本をなき者にしようとしたことを伝え、切り札を手に入れ、坂本を助け、新銀行設立後坂本を除く、と言った。
 松下は、志村に対して、「老いぼれ亀めっ・・・!!出しゃばりおっていずれ、貴様も・・・」と心の中で決意するのだった。
 ゴルゴ13は空港から飛び立った。


【感想】
 『ゴルゴ13』はSPコミックスに収録されるのに数年かかるのが通例だが、本作品は『ビッグコミック』誌掲載後、わずか半年ほどでSPコミックスに収録された。
 四菱銀行のモデルは三菱銀行で、東亜銀行のモデルは東京銀行だと思われる。実際には1996年4月1日に両行は合併した。
 1993年は定期預金の金利が完全自由化された頃だ。また、金融制度改革法が施行され、業態別子会社を設立して証券業務に参入できるようになった頃で、銀行業界の大変革の年だった。
 日本の銀行を舞台にした本作品は、そのために、他作品より早くSPコミックスに収録されたのだろう。
 四菱グループ総帥・志村と元日銀総裁・松下の対決、元日銀総裁・松下とアメリカ新政権の政策担当チーム・リプケンとその背後にいるランドルフ、坂本東亜銀行頭取に対するクーデターなど、それぞれの人物が思惑を持って暗躍する面白いストーリー展開の作品だ。
 

 

 

 

増刊第22話 カリブの夢(1990/05作品)

脚本協力:新井たかし

ページ数:38ページ
依頼者:元キューバ革命戦士パブロ
ターゲット:元キューバ革命戦士でドジャース球団選手養成学校校長のアベラ
依頼金額:不明
殺害場所:ドミニカ共和国 ドジャース球団選手養成学校の野球場
殺害人数:1人
殺害相手:元キューバ革命戦士でドジャース球団選手養成学校校長のアベラ
H:0人

Part1 フロリダへの候補生
 ドミニカ共和国 サント・ドミンゴ
 パブロとロドが大リーグに行くことを夢見ており、ドジャース球団選手養成学校で練習している仲だ。
 ドジャース球団選手養成学校の幹部達は、パブロをメジャーのフロリダキャンプへ送るが、スピードはあるが制球力のない3年目のロドはフロリダ行きの対象外にした。
 
Part2 "本国(キューバ)"の意向
 ドジャース球団選手養成学校校長であるアベラはロサンゼルスに飛んだ。
 彼は実はキューバ情報局の人間だった。
 そして、外部のプロを雇ってパブロを殺すことにしたのだった。
 
Part3 同志"ジェーン"
 フロリダで意識が戻らないジェーンを見舞ったアベラだった。
 アベラのかつての同志だったジェーンはかつて自殺を図り意識が戻らなかったのだ。
 ジェーンとアベラは愛し合っていた。
 しかしジェーンの本当の気持ちはパブロにあったのだ。
 
Part4 獄中のパブロ
 ソ連のモスクワの獄中で、アベラの同志だったパブロを、ロスポローチ博士が接見した。
 パブロはキューバの革命戦士でモスクワに留学してきたキューバ人で一番優秀な経済学者だった。
 ロスポローチ博士は、パブロに、アベラが動きだして、大リーグを目指している、パブロの息子の命が狙われている、と伝えた。
 牢獄のパブロは、キューバ革命の時の秘密資金を譲渡する条件として、息子を救うために超一流のプロを雇ってほしい、とロスポローチ博士に依頼した。
 
Part5 アベラの決心
 かつての同志パブロがキューバ革命の時の秘密資金を利用しようとしていることを聞いたアベラは、野球選手のパブロ殺害がなくなったこと、野球に専念しろ、と上司に言われた。
 アベラは、フロリダ行きのセレクションを再度行うことにした。
 ロドが完封した時、アベラが喜んだ矢先、彼は射殺された。
 ロドとパブロの2人がフロリダに行くことになった。
 パブロは、ジェーンを見舞い、息子のためと言うより自分が心から愛していた女性を不幸にしたアベラを許せなかった、と言う。
 彼がゴルゴ13に依頼したのだった。

【感想】
 カリブ海諸国の貧しい人達が、アメリカ大リーグを目指して必死に練習していることと、キューバ革命をクロスさせた傑作短編だ。
 一度読んだだけでは、名前が同じパブロで、キューバとドミニカが舞台だし、30年前と現在が行き来するので、少し混乱した。
 再読してようやく構成がわかった。短編だが、味のある作品だと思う。
 

 

第291話 人工知能AIの誤算(1990/11作品)

脚本協力:熊坂俊太郎
ページ数:131ページ
依頼者:米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)のアダムス局長
ターゲット:米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)の局員リチャード・ランスキーとAIコンピューター
依頼金額:不明
殺害場所:
  1)ヨルダン アンマン国際空港近く
  2)イラク サマッラー地区・イラク国軍司令部
殺害人数:
  1)5人
  2)6人とAIコンピューター1台
殺害相手:
  1)ヨルダン軍兵士に変装したイラク軍兵士
  2)米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)の局員リチャード・ランスキーとAIコンピューター
   極東物産 倉本
   イラク国軍の軍人4人
H:0人

 米国国防総省(ペンタゴン)高等研究計画統括局(ARPA)で人工知能(AI)とチェスを楽しむ研究員のところに、研究員全員の招集がかかった
 イラク軍がクウェート侵攻したからだった。
 コンピューター(ディープ・ソート)の予想が的中したのだ。
 CIAとNSC(国家安全保障会議)が今後の事態展開をAIで分析せよ、という命令だった。
 1990年8月2日午前2時、十万人のイラク軍がクウェートに侵攻を開始し、9時間後に完全制圧した。

Part1 不可解な一致
 ワシントン・ホワイトハウスで、アメリカ大統領は断固としたイラク非難を行うと言った。
 チェイニー国防長官は、国連安保理のイラク非難決議(660号)、アラブ連盟によるイラク軍撤兵決議に続き、西側の徹底した軍事的プレゼンスが不可欠だと言った。
 アダムス局長は、統括局のコンピューター(ディープ・ソート)による、アメリカの軍事的優位を報告した。しかし一点気になるのが、フセインの決断がAIがはじきだした"仮想戦略方法"と全く同じだ、と言った。
 
Part2 商社マン・クラモト
 イラク軍によるクウェート侵攻の6か月前・・・1990年2月
 極東物産のクラモトは、コンピューターの売り込みをしていて、売買契約の最終段階で一方的にイラクから契約破棄を通告された。
 米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)の局員リチャード・ランスキーがクラモトとクルーザーで会う。
 リチャード・ランスキーは、イラク側にARPAが開発した人工知能AIの移植を売買契約の条件として提示することを指示した。
 リチャード・ランスキーがAIの移植作業を行うのだ。
 その代金としてアタッシェケース一杯の現金をクラモトはリチャード・ランスキーに渡した。
 
Part3 リークされた戦略プログラム
 リチャード・ランスキーは、AIにフロッピーディスクを入れ、思う存分フセインを挑発しろ、中東の火ダネにライターで火をつけてやる、と心の中で思いながらAIを操作する。
 東京の大手商社"極東物産"本社では、倉本がイラクへの人工知能AIコンピューター売り込みに成功して社内で褒められていた。
 この受け渡しが中東に危機を勃発させないか、気にする質問に対し、倉本は菱洋商事が利益損失することはあっても極東物産は利益を享受することになるだけだ、と答えた。
 プログラムの移植が完了した、とリチャード・ランスキーから倉本に電話が入った。
 イラクのパイプライン制御のための人工知能コンピューターを売り込む平和的な取引だ、と言う会議出席者に対して、パイプラインのプログラムが戦略プログラムに少し変わっただけだ、と言う倉本だった。
 
Part4 侵攻の伏線
 リチャード・ランスキーは自分が開発した戦略プログラムを机上ではなく実際にその完成度を試すことが研究者としての永遠のテーマだと、倉本に語った。
 
 イラク軍のクウェート侵攻より二ヶ月前の1990年6月
 イラクのバグダッド サダム・フセイン大統領は、対クウェート戦の準備の最中だった。
 
Part5 成功率82%
 クラモトはサダム・フセイン大統領と契約締結の握手をしていた。
 イラク国軍作戦司令室では、人工知能AIコンピューターが成功率82%だと結論を出していた。
 顔がほころぶサダム・フセイン大統領とサムッソス・イラク国軍副司令官、アジズ革命評議会副議長だった。
 AIの答えは次のようなものだ、とリチャード・ランスキーが説明する。
  UAE(アラブ首長国連邦)とクウェートを原油盗掘というカードを使って非難し、あえて国際世論にイラク批判の伏線を打つ。
  原油価格が上昇し1バーレル72ドルまで理論的には上昇可能だ。
  8月はじめにクウェートと直接交渉をしそれを決裂させて、翌日未明クウェートへ侵攻する。
 倉本の顔が曇る。

Part6 異なる立場
 サウジアラビアのリヤドで、ファハド国王はチェイニー米国防長官に、アラブの危機解決にアメリカの力を借りるわけにはいかない、と言う。
 チェイニー米国防長官は、中距離弾道弾の衛星写真を見せ、それらがサウジアラビアを狙っている、と話した。
 イラクによるクウェート侵攻後、多国籍軍とアラブ連合軍が、海上・陸上封鎖に参加し、イラクへの砂漠包囲作戦(デザート・シーリング)が動きだした。
 
Part7 "AI"の結論
 米国国防総省(ペンタゴン)のNSC(国家安全保障会議)で、フセインの狙いが原油価格上昇による対外債務のご破算が狙いだ、と話していた。
 1990年6月1バーレル13ドルだった原油価格は1バーレル32ドルに上がっていた。
 最悪の場合70ドルを超えることもあり得て、その場合、世界経済が破綻する。
 また火種が次々と広がることも懸念された。
 高等研究計画統括局のアダムス局長が、会議に送れて出席して、リチャード・ランスキーによって中東対象の極秘プログラムを日本のコンピューターにリークされた、と報告した。
 当初82%だったイラクの作戦成功率が現在99%まで上がっている、とアダムス局長が報告した。
 残る1%の可能性は、25時間以内にランスキーを抹殺しイラクのコンピューターを完全破壊することだ、とアダムス局長が答えた。
 打開できない場合、フセインは58時間後にアラブ世界への攻撃とイスラエルへの全面攻撃を開始する、とアダムス局長が続けた。
 1%の任務を可能な人間はゴルゴ13だった。
 
Part8 抹殺された事実
 東京の外務省に極東物産の湯沢が現れ、アメリカの懸念に対して、イラクに売ったコンピューターはイラクのパイプライン制御のためのものだ、と答えた。
 外務省の男は、COCOM違反の例もある、と脅しをちらつかせる。さらに、大方の商社がクウェートで大打撃を受けているのにイランのプラントで莫大な利益が出る、と加える。
 湯沢は、心外だ、と答える。
 
Part9 託された打開策
 ニューヨーク・ヤンキースタジアムで米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)のアダムス局長がゴルゴ13と会った。
 そして米国国防総省(ペンタゴン)・高等研究計画統括局(ARPA)局員のリチャード・ランスキーの抹殺とAIコンピューターの完全破壊を依頼した。
 
Part10 予測しなかった回答
 サマッラー地区のイラク国軍司令部で、クラモトは帰国命令が出たが動けなくてイライラしていた。
 リチャード・ランスキーとクラモトはサダム・フセイン大統領と食事を共にする。
 そこで、イラクに敵対する国民をすべての軍事施設に移動させる、というサダム・フセイン大統領の作戦を聞いた。
 
Part11 動きだした暗殺指令
 イラクのAIコンピューターが、ゴルゴ13が、リチャード・ランスキー抹殺とAIコンピューターの破壊計画を開始した、と答えた。
 そして、99.999%の確率でそれを阻止できる、と答えた。
 ゴルゴ13の潜入ルートはアンカラ経由かヨルダンのアンマン経由で、待ち伏せ作戦を実行することになった。
 
Part12 東京の傍観者
 極東物産本社では、湯沢社長に対して、アメリカでゴルゴ13への依頼を終えた、と報告が入った。、
 
Part13 アンマンからの侵入
 ヨルダンのアンマン国際空港で、イラク軍がヨルダン軍を装い、ゴルゴ13を待ち伏せしていた。
 ゴルゴ13の背後に回ると、ゴルゴ13が反射的に手刀を出した。
 ゴルゴ13はタクシーを奪い、逃走した。
 そして、行き止まりで、5人の兵士を抹殺した。
 
Part14 危機への秒読み
 サダム・フセイン大統領は、イスラエルに化学兵器のミサイルを投下し第五次中東戦争を始める考えだった。
 ペンタゴンのARPAにある人工知能コンピューターも同じ予想をしていた。イラクのミサイル攻撃が10時間以内と予測していた。
 その頃、サマッラー地区の隊商の列の中にゴルゴ13がいた。
 その知らせを受けたリチャード・ランスキーは、人工知能AIの指示通りにゴルゴ13を迎え討てばいい、と断言する。
 
Part15 武器調達
 ゴルゴ13は隊商を外れた。
 バグダッド・イラク軍基地に潜入したゴルゴ13はジープを奪って砂漠を走る。
 
Part16 サラートまでの待機
 ゴルゴ13が現れないので焦り始めるイラク軍。リチャード・ランスキーは人工知能AIの指令通りに行動すればいい、となだめる。
 
Part17 礼拝(サラート)の"光"
 礼拝の時間になった。イラク軍は礼拝のためにミサイルの天窓を開ける。
 リチャード・ランスキーが天窓を閉じろ、と叫んだ!!
 天窓の開いた空間を通って、ゴルゴ13が放ったミサイルが降ってきて爆発した。
 アメリカでは衛星写真でAIが設置されたイラク軍基地の司令室が完全に破壊されたことを確認した。
 アダムス局長が大統領に報告に行った。
 

【感想】
 イラクによるクウェート侵攻戦の背後であったゴルゴ13の活躍を描いた作品だ。
 ゴルゴ13を雇ったのがARPAのアダムス局長なのか極東物産の湯沢社長なのかは、謎だ。
 p.206からp.211の依頼シーンを見るとアダムス局長しかいない。p.226からp.227の極東物産本社のシーンでは、会社としては絶対に表沙汰にできない、いくぶんの値は張った、と話しているから、極東物産がカネを出したのは間違いない。
 ゴルゴ13は同じ案件で二者から依頼を請けることはないから、ARPAか極東物産のどちらかの依頼で仕事をしたはずだ。
 ARPAが依頼し極東物産がカネだけ出しだのだろう。
 今回はM16ではなく、イラク軍から武器を奪って、仕事を実行した。
 現在のAIの発展を先取りしたような作品だ。
 ゴルゴ13はAIさえ予測し得ない方法で任務を全うした。現在のAIとゴルゴ13の対決だったらどうなるだろうか?
 

 

 

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