

第300話 最後の戦場(1991/08作品)
脚本協力:きむらはじめ
ージ数:138ページ
依頼者:なし
ターゲット:なし
依頼金額:なし
殺害場所:
1)タンザニアシニャンガ高原の南ア航空117便墜落現場から3km以内
2)タンザニアシニャンガ高原の洞穴
殺害人数:
1)3人
2)6人
殺害相手:
1)アメリカ特殊部隊デルタの兵士
2)スペツナズの兵士とアメリカ特殊部隊デルタの兵士ウイリアム他
H:0人
旅客機が1機墜落した。
アイルランド共和国 コナハト州で8月10日、オーケリーさんが缶を3個出しているのを見つけた老人と孫の男の子。
老人はロサンゼルスに電話する。
それがこの一家が貧乏せずに暮らせる年金の仕事だった。
Part1 デルタ部隊葬
アメリカ、ノースカロライナ州、フォートデリックの米軍基地で、部隊葬が行われていた。
そこに今はアリゾナ通信基地のアーロン・バンク大佐がやって来た。 アーロン・バンク大佐は亡くなった隊員の一人リック・モリスが部隊創設以来の部下だったため来たのだ。
ブレナン少佐が、隊員以外の参列は禁じられている、と言って、拒絶する。
アーロン・バンク大佐はリック・モリスの妻に、リックがどんな時も最高の兵士だった、と一言だけ言った。
アリゾナ州・膜練り案の自宅に戻ったアーロン・バンク大佐は、妻と話す。
アーロン・バンク大佐は来年定年だった。
Part2 国家安全保障会議
8月11日未明、ワシントンD.C.で陸軍参謀総長エーベル・ウィルソン、CIA長官ラルフ・ベンダーらが緊急でホワイトハウスに呼び出された。
そこにはターナー特別補佐官がいた。
会議が始まった。8月10日23時過ぎ(現地時間午前6時)に、タンザニアとケニア国境近くに旅客機が墜落した。
ヨハネスブルグからナイロビへ向かった南ア航空のDC9で、パイロットが一人生き残っていた。もう一人生き残りがいて、その男は折れた足を引きずり森へ消えた。
その男はゴルゴ13らしいのだ。
アレン・ターナー特別補佐官は、このチャンスに、デルタ部隊をアーロン・バンク大佐指揮の元送り込んでのゴルゴ13抹殺を提案した。
Part3 サバンナに潜む男
タンザニアシニャンガ高原でゴルゴ13は大木の下で自分自身を手当てする。
ソ連モスクワでは、会議の結果、オブザーバー派遣を条件に、アメリカがゴルゴ13を抹殺することを了承した。
Part4 アーロン・バンク大佐
アリゾナ州・シグナス陸軍通信基地にアレン・ターナーがやって来て、アーロン・バンク大佐にゴルゴ13抹殺命令を話した。
Part5 "デルタ"出動す!
アーロン・バンク大佐指揮するデルタ部隊が出動した。
Part6 ソ連軍のオブザーバー
アーロン・バンク大佐の司令部にソ連軍イグナチオ・ムジル中佐がオブザーバーとして到着した。
3人の兵士の前にゴルゴ13が現れた。
2人が1発ずつ撃ったが外れた。
ゴルゴ13は、ゴルゴ13に銃を奪われないようにするための用心として1人に1発ずつしか実弾を配布していないことを見抜いた。
ゴルゴ13は一人をナイフで、一人を左廻し蹴りで、もう一人も斃した。
ゴルゴ13は墜落現場から3キロ地点に潜んでいてほとんど動かなかったのだ。
Prt7 彼の目的地は!?
アメリカ、カリフォルニア州・ロサンゼルスのバーで、ある男が割のいいバイトをしていた。
10年間でたった4回、アイルランドからの電話を受けてローマに電話するだけの仕事で年金をもらえるのだ。
ワシントンD。C.では、ゴルゴ13が「例の場所」に向かっていることに動揺していた。アレン・ターナー特別補佐官はソ連の申し出を受けて援軍を受け入れるよう大統領に提言した。
Part8 米ソ特殊部隊協力
8月12日、タンザニアのシニャンガ高原を飛ぶデルタ部隊のヘリコプターが山を登っているゴルゴ13を発見し攻撃を開始した。
アーロン・バンク大佐はA班26名を送り込んだが、ゴルゴ13がうまく岩場に逃げ込み、阻止しようとしたヘリコプターのロケット弾による落石で、少なくとも5人が死んだ。
p.81では「たった1回の戦いで半分近くの隊員を失うなんて・・・」とアーロン・バンク大佐は嘆いている。
Part9 雪山の追跡
ホワイトハウスでは、ゴルゴ13が「例の場所」に向かっていることを懸念していた。
もし「あれ」を暴露されたら米ソ協調、相互軍縮の動きは頓挫し、ゴルバチョフにがっぽりたかられる恐れがあった。
アーロン・バンク大佐からの定時連絡も途絶えていた。
アーロン・バンク大佐と部下たち、それにソ連軍イグナチオ・ムジル中佐らは雪山を登ってゴルゴ13を追跡していた。
Part10 洞穴に追いつめる
イタリアローマ郊外、フラスカーティで老人がケニアに電話する。
8月13日、ヘリコプターからの連絡で、ゴルゴ13が洞穴に逃げ込んだことをアーロン・バンク大佐らは知った。
アーロン・バンク大佐は、現地の洞穴調査と、ジョージア大学のクライン教授を呼ぶように命じた。
クライン教授は闇や闇夜に関する特殊心理学の専門家だった。アーロン・バンク大佐とともにベトコンのトンネルを這いずり回ったトンネル戦のプロでもあった。
Part11 トンネル作戦
8月14日、現地時間の午後4時、クライン教授を迎えてトンネル作戦を開始予定だった。
クライン教授と、ユーリ・マルトフが同行する。ユーリ・マルトフは炭鉱員で炭鉱ストのとき20日も暗闇の中でハンストをしたのだ。
その間、虫を食べて生きていたのだ。
Part12 闇の中の追跡
穴の中で音がした。ユーリ・マルトフが止めたが、兵士たちは前進し、スペツナズ兵一人が落とし穴に落ちて死んだ。
音の正体は鹿威し(ししおどし)だった。
Part13 任務続行
闇に怯えた兵士が一発銃を発射した。どうやら幻だった。
最後尾にいたウイリアムという兵士がゴルゴ13を見たが、殺された。
Part14 闇の中の攻防
ケニア、ナイロビ郊外バルキタブ組合農場で、男がローマからの5年ぶりの電話を受けた。
8月15日、洞穴の中では、ライトに向かって小石が投げられた。
ライトを消して暗視スコープにして前進すると光を暗視スコープに照射されて一人が離脱した。
一人が単独行動をして洞穴内に走った。
瓶穴(ポットホール)に手榴弾を投擲すると、古い鉱山跡が発見された。
1894年に20㎞離れたムソマ銅鉱山が開かれ、許可鉱区外を盗掘のために掘った坑道だった。
Part15 盗掘の坑道
坑道を進む一行を鉄砲水が襲った。どうやらゴルゴ13が地下水流をせき止め、手榴弾で堰を決壊させたのだ。
クライン教授とユーリ・マルトフが生き残った。
Part16 地底のSECRET
アーロン・バンク大佐は解任された。
ケニア、ニーリ高原(タンザニア国境附近)に小型ヘリコプターが着陸していた。ケニア、ナイロビ郊外バルキタブ組合農場で電話を受けた男が待機していた。
5年前は結局誰も来なかったが、約束の待ち時間はあと1時間だった。
ゴルゴ13はミサイルサイロに到着した。そこにはアレン・ターナー特別補佐官がいた。
ミサイルサイトの存在を黙っていてもらう代わりに脱出用ヘリコプターを提供する、と取引しようとした。
ゴルゴ13は断り、ケニア、ナイロビ郊外バルキタブ組合農場で電話を受けた男のヘリコプターに乗った。
【感想】
ゴルゴ13のすさまじいサバイバル術が展開される。
またゴルゴ13の救援システムの一端も垣間見える。全世界にこのようなネットワークを作っているとしたらその費用も凄い。
ゴルゴ13はこの後、自分を襲ってきた米ソに対してどういう行動をとっただろうか?気になるところだ。
なお、大統領はp.20では「アレン」と呼び、p.26では「アラン」と呼んでいる。
増刊第27話 バスを待つ人びと(1991/11作品)
脚本協力:新井たかし
ページ数:39ページ
依頼者:シャーリーの父ドン
ターゲット:シャーリー殺しの真犯人のあぶり出し
依頼金額:なし
殺害場所:なし
殺害人数:0人
殺害相手:なし
H:0人
荒野のバス停でバスを待つ人々がいた。
黒人娼婦、香港のビジネスマン、通りすがりの白人男の3人だった。
この町では選挙の日に21歳のシャーリーという女がレイプされ殺されたのだ。
そこへゴルゴ13がやって来た。
南部行きのバスが来て、娼婦と香港人ビジネスマンがバスに乗った。
そこへスタンリーというレイプ犯に間違えられた白人男と、ハンナという白人女がやって来た。
スタンリーはウィチタまで行く予定だった。ハンナは隣町に行くつもりだった。
デイリー・カンガスの記者トム・コンバルという男がやって来た。
トム・コンバルはスタンリーがレイプ犯と決めつけるように挑発して取材に応じるようにと話す。
スタンリーは、シャーリーの父親がユダヤ教から改宗したことを秘密にしており、それを知っているのが東部訛りの男だ、と言った。
通りすがりの白人男に、皆の視線が集まった。
通りすがりの白人男は、自分の町ではレイプ事件は日常茶飯事だと話した。そしてバスが来て州境を越えたら真実を話す、と言った。
そしてレイプされた深窓の令嬢は処女だった、と書け、とトム・コンバルに言った。
シャーリーを殺したのは自分だ、とハンナが白状した。
シャーリーが深窓の令嬢だという記事が出たら、彼女を殺した意味がなくなる、とハンナが言った。真実のシャーリーは、荒れ果てた私生活を送っていたのだ。
ゴルゴ13と、通りすがりの白人と、トム・コンバルはバスに乗った。
ハンナとスタンリーは残った。
通りすがりの白人とトム・コンバルはゴルゴ13に雇われた役者だった。
ゴルゴ13は、回想する。今回の仕事はシャーリーの父親ドンの協力が必須だった。
ドンはシャーリーの死によって仕事できない状態だったので、ゴルゴ13はシャーリー殺しの真犯人あぶり出しに協力したのだ。
【感想】
ゴルゴ13には珍しいミステリー小説のような作品だ。
レイプ犯が誰なのか、あぶりだしていく面白い展開だ。
この後、ハンナがどうなったか、ドンと組んでやろうとしていた仕事がどういうものだったのか、あれこれ想像すると楽しい。
第311話 THE SILENT ARMY(1992/07作品)
脚本協力:ながいみちのり
ページ数:42ページ
依頼者:
1)シーア派"ヒズボラ"指導者シェイク・アッバス・ムサウイ
2)国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のフィジー隊のコンウェイ軍曹とネパール隊のノルプ
ターゲット:
1)不明
2)イスラエル国防軍(IDF)ダニエル大佐
依頼金額:
1)不明
2))不明
殺害場所:
1)なし
2)レバノン・UNIFIL駐留地域
殺害人数:
1)0人
2)1人
殺害相手:
1)なし
2)イスラエル国防軍(IDF)ダニエル大佐
H:0人
1982年6月6日 レバノン西部、ティール近郊で一人の男が尋問を受けていた。
子供が国連軍の方に脱出しようとした。国連軍の兵士ノイマンがその子を背負って逃げようとしたところを隊長が狙撃してノイマンと子供を殺した。
Part1 UNIFIL
1992年2月、UNIFILは国連レバノン暫定軍の略称だ。レバノンに侵攻したイスラエル軍の撤退の確認と平和の回復支援を目的にしていたが、14年経った1992年7月も目標を達成できず半年ごとの任期延長を繰り返していた。
戦史教官の西田は外務省の男とともにUNIFILの駐留地域に入った。
現地ではフィジーのコンウェイ曹長が出迎えた。
Part2 湾岸道路の惨劇
シーア派"ヒズボラ"指導者シェイク・アッバス・ムサウイが乗った車が武装ヘリの襲撃を受けて全滅した。
そのラジオ・ニュースを聞いたゴルゴ13は、車を発進させた。
Part3 夜のパトロール
コンウェイ軍曹は、西田中尉に、明日はネパール隊のノルプに引き渡す、と話した。
コンウェイ軍曹らは怪しい車を発見した。地雷を持っているのはわかっていたが検問所ではないので、見逃した。
西田中尉は、この任務の表と裏の矛盾に気づいて苦しむ。
Part4 失われた兵士
コンウェイ軍曹とノルプと西田中尉が乾杯する。
ノイマンの話になった。ノイマンは、ゲリラを説得して、足を怪我したノルプを助けたのだ。
コンウェイ軍曹は"彼"に連絡がとれた、とノルプに言った。喜ぶノルプだった。
西田中尉はゴルゴ13とすれ違った。
コンウェイ軍曹とノルプはゴルゴ13と会った。
Part5 ダニエル大佐の安全保障地帯
イスラエル"安全保障地帯"内補給基地で、ダニエル大佐はゴルゴ13の狙いが自分だと思って、基地内の警備を強化させる。
彼は8年前にレバノンで作戦中に資金弾を浴びて以来、周囲500mの絶対的な安全確保を言い出すようになったのだ。
Part6 二人の兵士の依頼
コンウェイ軍曹とノルプはゴルゴ13にノイマンを殺したダニエル大佐の暗殺をゴルゴ13に依頼した。
Part7 新たなる蠢動
ゴルゴ13に武器を運搬する爺さんとゴルゴ13が会った。しかし爺さんはベングリオン空港のシステムが変更になったため荷物が運べなかった。
ゴルゴ13は「ここまで来てもらった足代だ・・・」と言って金を払った。
ゴルゴ13はフィジー隊に潜入しポリジという兵士のM16を入手した
Part8 "その時"はきた!!
ダニエル大佐が率いるイスラエル機甲部隊がカフラに迫って来た。
コンウェイ軍曹率いるフィジー隊が止めに入るが、装甲車と戦車では勝負にならない。
コンウェイ軍曹らが徒手空拳でイスラエル軍戦車に接近する。中には西田中尉やゴルゴ13もいた。
ダニエル大佐が銃を向けて、550m、フィジー隊を引き離した。
また殴り合いが始まった。
その時、ダニエル大佐が眉間を撃ち抜かれて死んだ。
西田中尉はレバノンを去った。
【感想】
UNIFILの活動は2025年現在もまだ続いているようだ。
国際平和維持軍の活動の難しさ、裏と表の矛盾をテーマにした国際政治の難しさを描いた重厚な作品だ。
平和のありがたみと、平和を守るために断固として戦わないといけないこと教えてくれる作品だ。
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