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さいとう・たかを『ゴルゴ13 107 力は我々にあり』(リイド社)(1998/06/25)

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第333話 南ア革命・アマンドラ・アウェトゥ 力は我々にあり(1994/07作品)

 

脚本協力:竹内とおる
ページ数:86ページ
依頼者:南アフリカ共和国マンデラ大統領
ターゲット:アフリカーナー国民戦線
依頼金額:不明
殺害場所:

  1)南アフリカ共和国 トランスバール州北部山中アフリカーナー国民戦線基地近くの森

  2)南アフリカ共和国 トランスバール州州境

  3)南アフリカ共和国・トランスバール州北部山中アフリカーナー国民戦線基地

  4)南アフリカ共和国・ヨハネスブルク
殺害人数:

  1)7人以上

  2)10人以上

  3)3人

  4)1人
殺害相手:

  1)ズールー族の兵士

  2)アフリカーナー国民戦線最精鋭、アンドレアスの部隊

  3)ヴァルター大尉とニコラスと部下

  4)カベク国家防衛大臣
H:0人

 

南アフリカヨハネスブルクで1994年4月26日からの総選挙でANC(アフリカ民族会議)が勝利をおさめ、340年以上続いた白人支配に終止符が打たれた。

 

Part1 捕らえられた日本人

 ヨハネスブルク空港でゴルゴ13が逮捕され拷問された。ゴルゴ13は拷問する男2人を斃して脱出した。

 

Part2 敵の敵は味方

 ゴルゴ13はケープタウン沖合、ロベン島刑務所で、マンデラ大統領と会っていた。マンデラ大統領は白人と共に南アフリカ共和国を発展させたいと考えていた。そしてテロで国家転覆を狙うアフリカーナー国民戦線だけは許せない、と言った。

 

Part3 アフリカーナー国民戦線

 南アフリカ共和国・トランスバール州北部山中アフリカーナー国民戦線基地では、黒人政権を追放しようとニコラスという男が檄を飛ばしていた。マンデラはニコラスを潰すことを依頼した。

 

Part4 白と黒の共闘

 ヨハネスブルクでゴルゴ13はアフリカーナー国民戦線に入ろうとして基地に潜入した。ニコラスはゴルゴ13の身元照会と情報屋のマイヤーにマークさせる。ズールー族と合流しようとしていた。

 ゴルゴ13は夜、秘かにベッドを出た。

 

Part5 ズールーの"敵"

 ニコラスに合流しようとしていたズールー族をゴルゴ13が襲った。 少なくとも7人以上をゴルゴ13がナイフで斃した。p.52では数十人の部隊だったようだ。

 ニコラスにズールー族の兵士達が殺された、と報告が入った。

 

Part6 消えていた日本人

 ニコラスの基地からトウゴウ(ゴルゴ13の偽名)が基地を夜抜け出した、という話がニコラスに伝わった。

 

Part7 網にかかった男

 ゴルゴ13が州境のドライブインに入りヨハネスブルクの方角に向かった、と情報がニコラスに入った。すぐにアンドレアスの部隊を送る。

 

Part8 精鋭部隊の追跡

 アンドレアスの部隊を発見したゴルゴ13が10人以上を殺害した。

 ゴルゴ13は装備を見て、ただのゲリラではないことに気づいた。

 

Part9 動いた"膿"

 ゴルゴ13はマンデラの元を訪れ、、明日、軍の予定とは別にヘリコプターのフライトがあるが、それを誰が指示するか調べるように言った。ニコラスの基地が単なる過激派の装備を超えているので政府の上層部に"膿"がある、というのだ。

 ニコラスはトウゴウがゴルゴ13だと知った。そして弾薬庫と格納庫が爆破され装甲車やヘリコプターも爆破された。ニコラスたちは閣下にヘリを手配してもらうことにした。

 カベク大臣に意味不明の電文が届いた。国家防衛省はカベク大臣も盗聴していた。カベク大臣はヴァルター大尉を呼び、自身でヘリを飛ばしてニコラスたちを救援しろ、と命じた。

 

Part10 揺れる大統領

 マンデラ大統領に国家防衛省からカベク大臣が膿だと報告が上がった。マンデラはゴルゴ13とカベクとどちらを信じればいいか迷う。カベクがマンデラを失脚させて政権につこうとしている、と推理した。

 マンデラはカベクの消去は依頼していない、と言った。ゴルゴ13は俺には関わりのないことだ、と言った。

 マンデラは15年前のロベン島刑務所の出来事を思い出した。マンデラはゴルゴ13と会っており、漁師に聞いた脱出方法をゴルゴ13に教えた。数日後、ロベン島刑務所の所長が事故死し、ゴルゴ13がいなくなった。刑務所内にはゴルゴ13が誰かに依頼されて所長を殺して脱出した、という噂が流れた。

 

Part11 緊急脱出

 ヴァルター大尉が操縦するヘリコプターがニコラスと部下を乗せて離陸し始めた。ゴルゴ13がヘリコプターのメインローターを狙撃しヘリコプターは墜落した。

 

Part12 カベク大臣の死

 カベク大臣が心臓マヒを起こして亡くなった。マンデラの部下が、ゴルゴ13が"アフリカーナー国民戦線の消去"の依頼に黒幕の消去も含まれ、カベクが狙撃で死ぬと大問題になるのでを狙撃以外の方法で殺した、と推理した。ゴルゴ13がロベン島刑務所脱出方法を教えたマンデラに借りを返したのではないか、と続けた。

 マンデラは、救われた。

 

【感想】
 アパルトヘイトを最後まで実施していた南アフリカ共和国最初の黒人大統領マンデラが誕生したのは驚いた。ゴルゴ13は第164話『ロベン監獄島』、第263話『悪魔の島影』でロベン島刑務所に潜入している。マンデラと会ったのは、第164話だろう。

 南アフリカ共和国は、ボーア人と呼ばれるオランダ人がやってきて、イギリス人と対立し、ボーア人はアフリカーナーと自らを呼ぶようになった。二度のボーア戦争でイギリスに敗北したアフリカーナーは大英帝国内の主権国家として自治を確立した。

 そんな南アフリカの複雑な民族問題をわかりやすく描いた作品だ。

 

第329話 守宮(ウォール・リザード)の盗聴(1994/03作品)

脚本協力:横溝邦彦
ページ数:86ページ
依頼者:

 1)企業乗っ取り屋ヘンダーソン

 2)なし
ターゲット:

 1)ハーベイ社ジェイミー・ペイジ社長

 2)なし

依頼金額:

 1)50万ドル

 2)なし
殺害場所:

 1)アメリカ サンフランシスコ・バンネス・アヴェニュー

 2)アメリカ バウミューホテル502号室
殺害人数:

 1)1人

 2)1人

殺害相手:

 1)ハーベイ社ジェイミー・ペイジ社長

 2)守宮(ウォール・リザード)(やもり)と呼ばれる一匹狼の盗聴屋ボイス

H:0人

 

 ボイスという男が、製薬会社がHIVワクチンの開発成功やDAE社合併話を盗聴していた。

 

Part1 一匹狼のボイス
 アメリカ・サンフランシスコでアンドレイという男と不倫するマクベイン上院議員夫人のSEXをボイスが盗聴する。

 ボイスは20万ドルを受け取った。ボイスは元FBIのエリートだった。エリオットという男はボイスに一緒に組まないかと誘うがボイスは断った。

 

Part2 悪魔の聴技

 ヘンダーソンがエリオットと車に同席する。エリオットは自分の探偵オフィスへ案内する。ボイスは別名"守宮(ウォール・リザード)(やもり)"途呼ばれていた。エリオットはヘンダーソンに盗聴の技術を見せる。

 しかし、エリオットのポケットにコインに見せた盗聴器をボイスが仕掛けてことがわかり、エリオットは恥をかかされた。

 

Part3 FBIの資料

 サンフランシスコ近郊、サンノゼ郊外

 ボイスが家に帰ってきた。出迎えたのは3頭の犬と1羽のカラスだった。ボイスは早速ハーベイ社のジェイミー・ペイジ社長を盗聴する。彼はゴルゴ13と明日、正午、サンフランシスコ湾のパルクルーサー号の前で話すと約束した。

 ヘンダーソンの指示で盗聴されたので、ゴルゴ13に依頼する、とボイスは読んだ。

 

Part4 追われる"声"

 ジェイミー・ペイジは、サンフランシスコ湾のパルクルーサー号の前から移動する。ボイスはその都度ついていき盗聴しようとする。

 公園でゴルゴ13とジェイミー・ペイジが会い、盗聴させてハーベイ社に損害を与えた起業乗っ取り屋のヘンダーソン殺しを依頼した。ヘンダーソンは中国系マフィア福青幇(フーチンバン)と手を組んでいた。依頼金は50万ドルだった。公園にはボイスの犬やカラスがいた。

 

Part5 盗聴網は張られた

 ボイスはジェイミー・ペイジがゴルゴ13に依頼した様子を盗聴した。

 そしてゴルゴ13狙撃の瞬間を盗聴しようと準備する。

 

Part6 銃声キャッチ

 ヘンダーソンが狙撃された。

 ボイスは全部の盗聴マイクから射撃ポイントを割り出した。バンネス・アヴェニューのヘンヒュービル35階屋上から狙撃し、距離は480mだった。

 ゴルゴ13はボイスの車や犬に気づいた。

 

Part7 謎の逆探知

 ボイスはゴルゴ13の盗聴データをFBIに渡すかどうか考えていた。その時、自身が逆探知されていることに気づいた。

 エリオットがボイスを盗聴しているようだった。エリオットが公衆電話ボックスに入ると、ボイスはレーザー式盗聴器を取り出した。これはガラスにレーザー光線を当て振動から会話を傍受する機械だった。エリオットが電話していた相手はゴルゴ13だった。

 

Part8 クリーニングされた部屋で

 ボイスは自宅からバウミューホテル502号室に移動した。

 ボイスは過去を思い出す。ジュエルホテルを盗聴捜査しているとき、妻エミリアの不倫を盗聴して知ってしまった。ボイスはFBIに電話して、ヘンダーソン射殺事件の証拠を握っている、と言った。

 エリオットは、ボイスがバウミューホテル502号室にいることをつきとめゴルゴ13に連絡した。

 

Part9 確認されたボイス

 ボイスの泊まっている部屋に無言電話がかかってきた。それはゴルゴ13がボイスがいることを確認した電話だった。

 ゴルゴ13はバウミューホテル502号室に侵入し待ち構えていたボイスを射殺した。そしてボイスが盗聴した証拠のカセットテープやフロッピーディスクを橋から川に投げ捨てた。

 

【感想】
 盗聴技術の進歩についてわかりやすく解説した作品だ。ガラスの振動から会話を盗聴するレーザー式盗聴器は凄い。ボイスが妻の不倫を盗聴で知って性格が変わったのは気の毒だ。ゴルゴ13がボイスを殺すために非常階段から502号室に向かいドアをサイレンサー付き拳銃で破壊して入っていったシーンは迫力がある。

 証拠のカセットテープやフロッピーディスクを完全に破壊せず川に捨てているように見えるが、これは完全主義者のゴルゴ13らしくない。

 

第327話 円卓の騎士団(1993/12作品)

脚本協力:ながいみちのり
ページ数:85ページ
依頼者:

 1)不明

 2)不明(おそらくハーディー卿)
ターゲット:

 1)IRAシンパの統括責任者だった"老主教"

 2)マーガレット・サッチャーを狙う暗殺者
依頼金額:

 1)不明

 2)不明
殺害場所:

 1)イギリス・ロンドン

 2)イギリス・ロンドン
殺害人数:

 1)1

 2)3人
殺害相手:

 1)IRAシンパの統括責任者だった"老主教"

 2)MI6のチャーリーと対戦車ミサイルを発射した2人組

H:0人

 
Part1 二人の老紳士

 イギリス・ロンドンの保険組合ロイズビルからハーディーとバートレットという二人の老紳士が出てきて一杯飲んでいた。ロイズは30億ポンドにもなろうという赤字決算が無限責任を持つ彼らに降りかかってくるところだった。バートレットの息子ジョンはフォークランドで戦死していた。

 

Part2 刑事ケンドリック

 バートレットは酔っ払ってハーディーが肩を貸して道を歩いていた。その時、ケンドリック刑事とぶつかった。ケンドリックはヒルツが経営するパブで酒を呑んでいた。3年前の今日、ケンドリックはヒラに落とされ、ヒルツはスコットランドヤードをやめた肥立った。IRAシンパの統括責任者だった"老主教"を3年かかって逮捕したが、ゴルゴ13によって狙撃されたのだった。

 

Part3 2つの"危険な席"

 バートレットは息子ジョンの子どもショーンにアーサー王の話の続きを始めた。アーサー王が王妃クィネヴィアを選び、彼女の父カメラード王がアーサーに送ったのが、150席の大きな円卓と100人の円卓の騎士だった。のちに国中から50人の優秀な騎士を集めて、彼らが"円卓の騎士"と呼ばれるようになった。そのうち2席は空席で"危険な席"と呼ばれ最高の騎士しか座れないのだった。

 

Part4 ケンドリックの悪夢

 ケンドリックは"老主教"が殺された時を夢に見た。MI6のチャーリーがケンドリックに、ゴルゴ13がまた来た、と知らせた。

 

Part5 円卓の十人

 20人が座れる円卓に10人の男達が座っていた。それは"円卓の騎士団"の総会だった。

メージャー首相が資産相続税や固定資産譲渡税を課していることに彼らは腹を立てていた。彼らはメージャーの背後にいる黒幕がマーガレット・サッチャーだと名指し、彼女の抹殺を全員一致で決めた。

 

Part6 想像される"相手"

 ヒルツのパブで呑んでいるケンドリックに相棒がやって来た。ペギーというコールガールが、"円卓の騎士団"に入っているジイさんが暗号名"G"を雇った、と言った。

ケンドリックはすぐに署へ戻った。

 ヒルツはGがゴルゴ13と決めつけるのはどうか、と言う。MI6のチャーリーからの連絡でゴルゴ13がロンドンにいることもわかった。

 

Part7 ”G”取り囲み作戦

 ニュー・スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)で、ケンドリックは、ゴルゴ13を包囲する。

 

Part8 マークされた"G"

 町角でゴルゴ13は一号チームの2人を倒した。ゴルゴ13はタクシーに乗った。禁煙だと運転手に言われたが無視して葉巻を吸う。

 

Part9 作戦失敗の後で

 三号チームのゲッツたちからの連絡が途絶えた、と言うケンドリック。ケンドリックが車を降りるとそこにはゴルゴ13がいた。ゴルゴ13はケンドリックに「俺に・・・かまうな・・・」と言った。そうはいかない、俺は"俺の仕事"をしている、とケンドリックが言った。ゴルゴ13は静かに去って行った。

 

Part10 食いさがる刑事
 ケンドリックはゴルゴ13を目の前にして動けなかった・・・ヒルツは無理もない、と答える。

 MI6のチャーリーが殺された。ケンドリックは戦力を集中し有力官僚の予定を洗い出す。

 ケンドリックは書店に貼ってあるマーガレット・サッチャーの回顧録のポスターを見た。

 

Part11 狙われる"鉄の女"

 ケンドリックはサッチャーがゴルゴ13のターゲットだと刑事達に話す。そしてサッチャーの警備責任者にガードのフロントラインを600mから1000mに下げるよう交渉させる。

 ゴルゴ13がビルの屋上に上ってM16を構えた。

 

Part12 飛来した"ミラン"

 ビルの屋上に二人組の男がいた。ミラン対戦車ミサイルを構えた。このミサイルは秒速200mで、目標まで1200mなので約6秒で到達する。

 ミランが発射された。ゴルゴ13が気づき、2人組を射殺した。ミサイルはコントロールを失い地上に激突した。

 ミサイルを発射した地点にケンドリックらが走る。ケンドリックはその時引き揚げるゴルゴ13を目撃した。

 

Part13 "鉄の女"を守った者

 ケンドリックはゴルゴ13がサッチャーの私兵として雇われたと悟った。

 ハーディー卿は、サッチャーに自分の話を信用してもらえるか、と話した。そしてロイズの件をとりはからうよう依頼した。

 ハーディーは「すまん・・・バートレット・・・」と心の中でつぶやいた。

 バートレットは自らのこめかみを拳銃で撃ち抜いて自殺していた。

 ケンドリックは"円卓の騎士"の中の、"資格の無いもの"が座ると命を落とす"危険の席"の話を思い出していた。そこに座れたのは最高の騎士と謳われた”ギャラハット”だった。例の情報の"G"は"ギャラハット"のGで、ゴルゴ13の"G”と思ったのはギャラハットの早とちりだった、と笑って酒を呑むケンドリックだった。ヒルツと部下のトニーはそんなケンドリックを「・・・」と言って見つめていた。

 
【感想】
 円卓の騎士団がマーガレット・サッチャーを殺そうとしたが、ハーディー卿は、親友のバートレットを裏切り、ゴルゴ13にサッチャーを守るよう依頼したようだ。サッチャーが自分自身を守るようゴルゴ13に依頼するとは思えないので、ハーディー卿が依頼したのだろう。

 またゴルゴ13を取り囲んだケンドリックの部下達4人が倒されたが、ゴルゴ13は気絶させたものとして殺した相手とは数えなかった。絵を見るとどちらともとれるが、おそらくゴルゴ13は相手がスコットランドヤードと気づいて無用な殺しは避けたのではないだろうか。チャーリーは限度を超えてゴルゴ13に接近したので殺されたのだろう。

 ケンドリックやヒルツはなかなか魅力的なキャラクターだ。ぜひまた別な話で登場してもらいたいものだ。

 
 

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