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さいとう・たかを『ゴルゴ13 122 リスキー・ビジネス』(リイド社)(2001/10/05)

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第363話 リスキー・ビジネス(1997/04作品)

 

脚本協力:横溝邦彦
ページ数:82ページ
依頼者:ロイズの保険引受人の友人
ターゲット:

  1)鳩の脚に付いた金属箱

  2)タイのテレコミュ社社長でアジアのロケットブローカーと言われるポンピッチ
依頼金額:不明
殺害場所:

  1)日本・種子島・H-2Aロケット打ち上げ場所

  2)日本・種子島から出航した船上
殺害人数:

  1)2羽と1人

  2)2人
殺害対象:

  1)鳩の脚に付いた金属箱とポンピッチの漢方医の老人知臾

  2)タイのテレコミュ社社長でアジアのロケットブローカーと言われるポンピッチと中国電波局第一書記の焔瓏
H:0人

 

 ロケットが発射されたが、数秒後爆発した。関係者達は落胆する。
 
Part1 通信分野の市場
 ジャパンのトウキョウで、タイのテレコミュ社社長でアジアのロケットブローカーと言われる男がNNT社の小松原に会って話をする。日本のNNT社の携帯電話は高性能だがアジア各国は性能の低いノアキル製携帯電話を採用した。ポンピッチは、国家的な商談で一大プロジェクトになるAST(アジア・スペース・テレコミュ)プロジェクトを、小松原に提案した。

 

Part2 ASTプロジェクト

 通産省で、伊藤通産大臣が、中国電波局第一書記の焔瓏とNNT社小松原とタイ・テレコミュ社社長ポンピッチらとともに、日中の巨大プロジェクトを発表した。それは、中国がノアキル製携帯電話をやめてNNT製携帯電話にするのだ。昨年の長征、アリアンロケットの相次ぐ失敗により、日本のH-2Aロケットと静止衛星、携帯電話をセットで、日本が中国に提供するのだ。

 タイのテレコミュ社社長ポンピッチが、各国のロケットの価格を説明する。

 アメリカのデルタ2=約100億円

 ヨーロッパ共同体のアリアン=約80億円

 ロシアのソユーズとプロトン=約40億円

 中国の長征=約40億円

 日本のH-2=約120億円

 日本のH-2A=100億円を切る

 アリアン、長征は立て続けに打上に失敗し、ロシアは財政難だから、日本のH-2Aが優位だ。今後8機の静止衛星をH-2Aを使って打ち上げるのだ。

 記者会見後、小松原はポンピッチに50億円振り込む、と話した。ポンピッチは記者会見会場にゴルゴ13を目撃した。

 

Part3 美味しいビジネス

 中国大使館で、ポンピッチと焔瓏が祝杯をあげる。そのそばには謎の老人知臾(ちゆ)がすりこぎで何かを摺っていた。

 ゴルゴ13は望遠鏡で二人が祝杯をあげている部屋を覗いていた。ゴルゴ13は、依頼時を回想する。依頼者は、アリアンの爆発で破産して自殺したロイズの保険引受人の親友だった。発車前のアリアンロケットにポンピッチが触れたことが爆発の原因と見ている依頼人は犯人の抹殺を依頼した。

 

Part4 気になる"来日者"

 ゴルゴ13が来日している、という報告が、ポンピッチと焔瓏に上がった。警備を厳重にすることになった。

 知臾は、ポンピッチの漢方医だった。

 車の中でポンピッチと焔瓏は、H-2Aロケットの失敗を想像して笑い合う。

 ガソリンスタンドで洗車する若者を見て、かつての自分を思い出すポンピッチ。彼は、金儲けするためには手段を選ばないことをそこで学んだのだ。

 

Part5 H-2Aロケット

 H-2Aロケットの発射前に、ポンピッチと焔瓏と小松原は種子島に向かった。

 ポンピッチは、H-2A打ち上げ責任者の五条に、発射前のロケットに手を触れる験担ぎをさせてくれ、と頼む。

 

Part6 悪魔の"儀式"

 ポンピッチはH-2Aに触れた。「これで・・・H-2Aは死んだ!」と心の中でつぶやく。

 焔瓏たち中国人は、ゴルゴ13警備のために人数を増やそうと話すが、騒ぎにするとまずい、と焔瓏が答えた。ポンピッチは知りすぎた男だ、と言うと、「H-2A爆破が終われば奴も始末する!」と焔瓏が答えた。

 

Part7 2度の偶然

 H-2Aロケット打ち上げの時刻が近づいてきた。ポンピッチの漢方医の老人知臾が鳩を2羽放った。ゴルゴ13は、「アリアンの失敗の時も鳩が・・・」と思った。そして、「二度の偶然はないっ!!」と引き金を引き、2羽の鳩の脚を撃った。

 H-2Aロケットは発射成功した。

 ゴルゴ13はポンピッチの漢方医の老人知臾を射殺した。彼は鳩に求愛させるホルモンを調合し、ポンピッチがロケットに触れたときにそれをロケットに塗り、強烈な誤作動信号を出す金属箱を鳩の脚につけてロケットに近づけてロケットを爆発させていたのだ。

 

Part8 成功と失敗

 ポンピッチと焔瓏達は、種子島から船に乗って逃亡をはかろうとするが、ゴルゴ13が2人を射殺した。

 ロイズ保険は、アリアンを守るつもりがH-2Aを守ってしまう皮肉な結果になった。

 
  
【感想】
 本作品のラストで、「衛星ビジネスは西暦2000年にはビジネス界の主流になる」とあるが、2025年現在、そこまでいっているとは思えないが、成長産業になるのは間違いないだろう。

 

増刊第51話 PROFESSIONAL(1997/05作品)

脚本協力:ながいみちのり
ページ数:44ページ
依頼者:名バイプレイヤー・レイスの妻リサ

ターゲット:名バイプレイヤー・レイスの妻リサ
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ・ロス北部・サンタ・バーバラ

殺害人数:1人
殺害相手:名バイプレイヤー・レイスの妻リサ

H:0人

 

 眠る妻の前で拳銃を取り出す男。

 「カット」の声がかかった。俳優のレイスは、楽屋に戻る。

プロデューサーのシャムロックが、監督のフーバーに撮影条件の第一条件として俳優レイスを使うことをのませたのだ。

 レイスは一旦、休養し、他のシーンを先に撮影することになった。

 ロス北部の都市、サンタ・バーバラの自宅で、妻と過ごすレイス。彼はボクサー崩れのチンピラだったが、小遣い稼ぎに出入りしていた撮影所で、組織の冷酷な殺し屋役が回ってきてそれが当たり役になった。名バイプレイヤーのレイスに主役が回ってきたのだ。

 レイスのマネージャーとレイスの妻リサが浜辺で話をする。レイスは、アル中の禁断症状に苦しむ脱獄囚の役作りのために半年も刑務所に入ったり、放浪者の役の時も三か月行方不明になったりするくらい、役作りに没頭する男だった。

 今回の映画は、1920年代のシカゴで暮らす元殺し屋が再び銃を手にする。そのためには長年連れ添った妻を殺さなくてはならないという条件を突きつけられ男は迷う、というストーリーだった。

 レイスは街のバーでチンピラに殴られカネを奪われた。そこで「じっさいトシをとってみなけりゃ、年寄りってやつはわからねえや・・・"I GOT IT"・・・まあいい、これも"収穫"さ。!!・・・"じっさいなってみなけりゃあ"」と気づく。

 レイスと妻リサは旅行に出かける。明日はプロポーズした教会に行くことにする。その夜、5年前の頭痛が検査の結果悪性腫瘍で、手術では取り出せないが、運がよければ腫瘍より長生きできる、と医師に言われた、と妻がレイスに言った。

 レイスとリサの結婚記念日の夜、寝ているリサにレイスが拳銃を向ける。リサは「キメてちょうだい、レイス!一発撮りよ!」と言った。銃声が鳴った。マネージャーが寝室に駆け込むと、リサのこめかみには銃痕があり、レイスが拳銃を彼女に向けて立っていた。マネージャーは警察に電話した。

 レイスが持っていた銃は撮影用の拳銃で人は殺せないものだった。窓には外からの銃痕があった。

 レイスの映画は興行記録を次々と塗り替えていた。リサの墓前で新聞や雑誌を見せるレイス。リサは腫瘍を苦にして自殺したのではなくレイスの演技のためにそうしたのだ、とレイスは言う。そして墓前でレイスは拳銃で自殺した。

 ゴルゴ13が去って行く。

 

【感想】
 完全主義の役者レイスの妻は、自身の病気もあるが、夫のために殺し屋ゴルゴ13に自分を殺させた。哀しい話だが、愛と哀しさのある増刊向けの短編だ。

 

第364話 アム・シャラーの砲身(1997/05作品)

脚本協力:熊坂俊太郎
ページ数:126ページ
依頼者:アメリカ政府
ターゲット:イラクが完成させた超巨大砲

依頼金額:不明
殺害場所:イラク・ジャバル・ハムリン地区アム・シャラーダム
殺害人数:3人と1門
狙撃対象:アム・シャラーダムの超巨大砲警備兵と超巨大砲

H:1人(米国政府の女)

 

 1995年3月某日、イギリス・リバプール港、5:00AM、ダドリー商会の船が沖に向かって航行していた。

 

Part1 疑惑の巨大鋼管

 半年後、1995年8月、イラク・中部カルバラ地方で、国連大量破壊兵器破棄委員会による対イラク調査団(UNIKOM)の前に、巨大な鋼管を運ぶ巨大トラックが走ってきた。UNIKOMコックスは、トラックを止めて調査する。ジャバル・ハムリン地区建設中のダムに使うものだとイラク側は言う。口径7フィート(約2.1336m)、材質もタイタニウム合金だった。UNIKOM側が道を譲ったが、コックスは轍の深さで総重量も計れると言った。

 

Part2 暴かれた衛星写真

 U・S・Aのニューヨークにある国連本部で、コックスは、巨大鋼管がリバプールからトルコを経由してイラクに向かったことをつきとめていた。そこへMIT(マサチューセッツ工科大学)の同級生のジェニーが衛星写真分析のプロであるサリバンを連れてやって来た。NORAD(北米航空宇宙防衛軍)の軍事衛星KH-12がイラク上空で捉えた写真に、ダムの側面にポッカリと開いた開口部があり、そこに巨大鋼管が写っていた。

 

Part3 震撼するワシントン

 ワシントン・ホワイトハウスで、大統領の前でARPA(高等戦略研究所)のドスキン教授が、アム・シャラーダムに砲身が130フィート(40m)もある超巨大砲(スーパーガン)をイラクが完成させた、と報告した。

 大陸間弾道弾に匹敵する驚異的な射程を持っており、高速で小さい砲弾は、アメリカのレーダーも反応しないし阻止できないのだった。

 

Part4 軍事評論家・村井 泉という男

 ジャパンの渋谷のNHK放送センターで、軍事評論家でチューリヒの軍事研究機関・DAAの特派員である村井泉が、中東の凶犬・フセイニの目標は、クルド人弾圧より米国への復讐かもしれない、と言った。

 そのまま中東への機上の人となった村井は、計画は思い通りに進んでいる、今は亡き最大の恩師ミハエル・バルト博士の三十年来の夢が叶えられようとしている、と心の中でつぶやく。

 

Part5 弾道学への傾倒

 35年前の1962年、京都府・丹後地方で高高二年生の村井泉は、弾道学に興味を示す高校生だった。

 4年前の1993年、ベルギー・ブリュッセルで、ミハエル・バルト博士と村井泉は口論となった。村井泉は、ミハエル・バルト博士の超巨大砲の設計図を現実化し、弾頭に生物兵器を装備するつもりだった。ミハエル・バルト博士は生物兵器を弾頭につけることに反対した。村井泉は、ミハエル・バルト博士を花瓶で殴りつけ、部屋に放火し立ち去った。

 

Part6 国境に現れた男

 ヨルダン・イラク国境を日本人記者コバヤシと名乗るゴルゴ13が通った。

 U・S・Aバージニア州ペンタゴン(国防総省)のARPA(米国高等戦略研究所)では、超巨大砲に関するデータをコンピュータに入力していた。

 

Part7 偉大なる設計者

 コンピュータによると、超巨大砲(スーパーガン)の設計者は、数年前に亡くなったミハエル・バルト博士だった。彼は1935年に旧ユーゴで出生。30代半ばで旧ソ連にわたり、大砲による人工衛星打ち上げ研究に着手。1986年ブリュッセルで兵器設計コンサルタント会社(SPRING社)を設立し、イラン・イラク・ヨルダン・リビアに設計図を売却し、米国政府の圧力で国外追放となり1993年死去。FBIはミハエル・バルト博士の部屋から1枚のメモを入手しており、それは多連薬室を備えていた。空気密度が低く抵抗が小さい超航空を飛ぶように50度の仰角で発射する。

 ミハエル・バルト博士とフセイニをつないだ人物の特定と、フセイニの超巨大砲の砲身がどこを向いているかを導き出す必要があった。

 

Part8 イラクの挑発

 イラク北部で、イラク正規軍がクルド人自治区のPUK(クルド愛国同盟)への攻撃準備態勢のために、数個師団移動させているのを、米国軍事衛星KH-12が捉えていた。

 イラクのバグダッドでは、フセイニが村井泉に偉大なる英雄"アバルハム"の称号を与えた。

 イラクは、明後日、北部コンサンジャック、スレマイヤの両クルド人自治区を潰滅させ、飛行禁止空域を侵犯する。アメリカは1996年9月3日以来の爆撃を仕掛けてくるはずだから、その時その報復をする計画だった。

 フセイニは、超巨大砲の名前を"プロジェクト・バビロン"と名付けた。

 村井泉とアバドカス将軍は、アム・シャラーダムにヘリコプターで向かった。

 

Part9 炙りだされた著作

 イラク・シリア国境地区、クサイバで、米国政府の女がゴルゴ13に情報を渡す。ARPA(米国高等戦略研究所)のドスキン教授は、村井泉がフセイニとミハエル・バルト博士をつなぐ男だと結論づけた。

 米国政府は、イラクがクルド人自治区を攻撃し、米国が空爆した後、フセイニが報復として超巨大砲の発射ボタンを押すときに、超巨大砲を破壊するよう、ゴルゴ13に依頼した。国際世論を敵に回さないために、空爆開始後に超巨大砲を破壊するよう、依頼した。

 ゴルゴ13は女を抱く。

 

Part10 砲弾の着地点

 ARPA(米国高等戦略研究所)のコンピュータは、超巨大砲がワシントンを狙っていることを突き止めた。ドスキン教授はすぐに大統領に連絡した。大統領は国家安全保障会議を招集する。

 

Part11 イスラムの戒律

 河でカヌーを漕ぐゴルゴ13。2時からの休息の教えに従順に従うゴルゴ13だった。

 

Part12 飛行禁止空域突破
 イラク空軍機が飛行禁止空域を突破しクルド人自治区を攻撃した。

 

Part13 アメリカの焦燥

 U・S・A、ワシントン・ホワイトハウスで、国家安全保障会議が開かれていた。

 既に打開策を打っていた。

 

Part14 予想外の事態

 イラク、ジャバル・ハムリン地区でゴルゴ13は、アム・シャラーダムを見下ろす。

 イラク・バグダッド近郊・上空で、アメリカ空軍機がイラク空軍機を撃墜した。しかし2発のミサイルが地上に落ち、爆発した。

 

Part15 報復宣言

 ホワイトハウスに、2発のミサイルがバグダッドのフセイニ大統領府のわずか数キロ地点に落下し大規模な火災を巻き起こしている、という報告が入った。

 フセイニ大統領は、アメリカに報復する、とテレビで宣言した。

 アメリカ大統領はすぐに超巨大砲破壊工作の遂行を命じるが、連絡方法が皆無で破壊工作遂行ができないのだった。

 

Part16 砲身は向けられた

 アム・シャラーダムの超巨大砲では、発車時刻が40分後の午前2時45分となった。

 水位低下完了までに27分後で、発射扉を同時に開く。村井泉は、ゴルゴ13がイラクに潜入したことを知った。

 

Part17 迫る発射時間

 ゴルゴ13が3人の警備兵を射殺してアム・シャラーダムに向かう。

 超巨大砲が姿を現した。秒読みが始まった。

 ゴルゴ13が引き金を引いた。弾丸はダムの湖面で跳弾し超巨大砲の砲身に命中した。超巨大砲発射ボタンを村井泉が押した。多連薬室の点火時間が狂い砲弾が加速されるどころか砲身につまって爆圧が異常に高まっていた。超巨大砲が爆発した。

 

Part18 ノーバディ・ノーズ(神のみぞ知る)

 ドスキン教授らは、衛星写真を分析して超巨大砲が爆発完全に破壊されたことを知った。

  
【感想】
 超巨大砲や多連薬室を使った砲は、よく登場するが、あまり実用的ではないのだろう。

 刻々と状況が変わり、スリル満点だ。そんな中で、冷静沈着に仕事をこなすゴルゴ13はやはりカッコいい。

 

 

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