haruichibanの読書&視聴のおと

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石ノ森章太郎『新・変身忍者嵐』大都社(1998/6/8)

『希望の友』(1972/4-73/3)に連載したもの。

前作と同じ登場人物が登場するが、ストーリーのつながりはない。

ハヤテは父鬼十を血車党の殺され、旅をして血車党の化身忍者達に復讐する。

今回は一人旅ではなく、竜巻、カスミ、ツムジと旅をする。血車党の副首領は同じ姿だが骨餓身丸と同じ姿だが、がいこつ丸と名前を変え、性格もより残忍になっている。

そして最終話で、化身忍者達が実は宇宙人であり、血車党は母星に帰るための宇宙船作りのために活動していたことがわかる。

 がいこつ丸に「一緒に帰ろう」と言われるが、ハヤテは断る。がいこつ丸はUFOに乗り込む。首領とハヤテが戦う。ハヤテは首領を倒すが、首領はロボットだった。がいこつ丸や化身忍者達はUFOでどこかへ飛び去って完結する。

 

 『変身忍者嵐』が親殺し、兄弟殺しという救われない終わり方だったが、こちらは一応なんとかなる終わり方だった。それにしてもこの頃の石ノ森章太郎は子ども向けとは思えないような暗さがあった。実際、高度経済成長や科学技術のゆがみ、資源不足や人口爆発、米ソ冷戦、核兵器ノストラダムスの大予言などディストピア的な未来ばかり見えていたから、その視点で見るとこういう作品になるのもわかる。