haruichibanの読書&視聴のおと

読書メモや映画やテレビ番組視聴メモです

1_感想:歴史

竹村公太郎『地形と水脈で読み解く!新しい日本史』宝島社新書(2019/08/23)

新書版 高速道路網の発達によるトラック輸送が中心となった現代日本の視点で過去を見るとよくわからないことが多い。 例えば、旧国名は、京都に近い方から上下、前後となる。例えば、備前、備後。上野、下野。しかし、千葉県は、京都からは遠い方から上総、…

小野寺拓也 田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』岩波ブックレット(2023/07/05)

本のタイトルどおり、「ナチスは良いことをしたか」どうかを検証している。 私が一番、心に残ったのは、「はじめに」にある歴史研究について、歴史家の態度についてだった。 歴史研究は、「過去を「切り取る」ときに自分のその時々の立場性と全く無縁でいる…

武田知弘『ヒトラーの経済政策』祥伝社黄金文庫(2018/12/20)

人や物事は、何か問題点があがることにより、全否定されることがある。 二酸化炭素を排出し地球温暖化の元凶になる、ということで石炭火力発電は目の敵にされる。 同様に、温暖化ガスを出すから、ガソリン車やハイブリッド車をなくし、全てEVにする、という…

磯田道史『日本史を暴く』中公新書 (2022/11/25)

もくじはこちら 『読売新聞』連載「古今をちこち」2017年9月から2022年9月までを収録したものだ。 新聞の連載なのでとても読みやすい。 「信長は「地球は球体」をひろめた」織田信長が地球儀を持っていたのは知っていたがそれを使って子ども達にも見せていた…

田村尚也『イラストでまなぶ!用兵思想入門 近世・近代編』ホビージャパン(2021/03/31)

もくじは次の通り テーマは「用兵思想」だが、イラストを交えていてとてもわかりやすい。 紀元前26から25世紀(今から4600から4400年前)の密集方陣が人類史上もっとも古い戦闘隊形とのことだ。紀元前371年の「レウクトラの戦い」での重点形成が用兵思想の始ま…

安彦良和『虹色のトロツキー』双葉社(2010/05/23)

Kindle版第1巻はこちら 満洲事変からノモンハン事件までの満洲や中国を舞台にした物語。 スターリンに追放されたトロツキーをかついだりそれを防ごうとするなどの思惑を持った日本人、満洲人、モンゴル人、中国人、ロシア人達。 石原莞爾、辻政信、尾崎秀実…

半藤一利原作・星野之宣漫画『日本のいちばん長い日』文藝春秋(2022/07/30)

映画にもなった半藤一利の『日本のいちばん長い日』を星野之宣が描いた漫画版だ。 星野之宣のリアルな絵で描いているので迫力が凄い。 星野之宣の想像が含まれているのが、原作や映画と違うところだ。 77年前の今日から明日にかけてを描いた傑作だ。 原作、…

ジェームズ・B・ウッド『「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか』ワック(2009/12/10)

もくじはこちら。 「太平洋戦争」のifを、アメリカの視点で、検討した書籍だ。 第1章、第2章は、「外郭要地攻略」作戦をせず、当初のとおり、絶対国防圏の中で防衛に専念すればよかった。 第3章で、日本に戦勝をもたらしうる戦略として、次の10項目をあげて…

横山光輝他『忍法十番勝負』秋田書店(1966/10/05)

Amazon紙版へのリンク 大阪城の抜け穴が書かれた巻物をめぐり、忍者同士が戦う連作・忍者コミックス。 当時第一線で活躍していた漫画家たち以下の10人による連作漫画だ。 堀江卓 藤子不二雄 松本あきら 古城武司 桑田次郎 一峰大二 白土三平 小沢さとる 石森…

猪瀬直樹 田原総一朗『戦争・天皇・国家』角川書店(2015/07/10)

目次は以下 ペリー来航による開港から現代までの日本について、概略をまとめ、猪瀬直樹氏と田原総一朗氏が語り合った本。 日本が大東亜戦争に突入したのは、「軍部を含めた官僚機構が縦割り化してそれぞれの部局ごとに暴走し・・・国家としての意思統合がで…

播田安弘『日本史サイエンス弐』講談社ブルーバックス(2022/05/20)

同じ著者の『日本史サイエンス』の第2弾だ。 第1弾はこちらを参照。 haruichiban0707-books.hatenadiary.com 本書の目次は次のとおりだ。 第1章 邪馬台国はどこにあったか 第2章 秀吉は亀甲船に敗れたのか 第3章 日本海海戦でなぜ完勝できたのか 終章 「翡…

板野博行『眠れないほどおもしろい吾妻鏡』三笠書房(2021/12/20)

2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の背景がよく分かる本だ。 1979年の『草燃える』では源平合戦後の御家人同士の争いについていけず理解できなかったが、この本読んでよくわかった。源平合戦から北条氏独裁確立までの歴史が短い章立てでわかりやすく解説…

小沢郁郎『つらい真実 虚構の特攻隊神話』同成社(1983/04/20)

Amazon単行本へのリンク 出版社 ‏ : 同成社 (1983/1/1) 発売日 ‏ : 1983/1/1 言語 ‏ : 日本語 単行本 ‏ : 208ページ ISBN-10 ‏ : 4886210147 ISBN-13 ‏ : 978-4886210142 「特攻隊は、祖国日本を守るために、志願した人達が、自らの命を賭けて戦ったのだ」と…

黒野耐『「たられば」の日本戦争史 もし真珠湾攻撃がなかったら』講談社(2011/07/15)

Amazon 文庫本へのリンク Amazon Kindle版へのリンク 日清戦争から大東亜戦争までの11個の歴史のイフを検証した本。 黒文字は本書の概要。青文字は私個人の感想だ。 第1章 日清戦争ー北京を攻略していたら 清国政府が瓦解し交渉相手を失う。列強の武力干渉必…

藤井青銅『「日本の伝統」の正体』新潮文庫(2021/1/1)

Amazon文庫版へのリンク Amazon Kindle版へのリンク 「日本の伝統」と言われているものが実際には何年くらいなのか調べた本だ。 「伝統」と言われているものがせいぜい30年だったり、昔は全然違ってたりするので驚いた。 初詣が実は鉄道会社のプロモーション…

江藤淳『閉ざされた言語空間 占領軍の検閲と戦後日本』文春文庫(1994/01/10)

江藤淳『閉ざされた言語空間』文春文庫 表紙 もくじ アジア太平洋戦争、当時の言い方だと大東亜戦争、アメリカの呼び名では太平洋戦争末期から戦後にかけてのアメリカによる検閲についてまとめた本。アメリカのメリーランド大学付属マッケルディン図書館とス…

半藤一利・加藤陽子・保坂正康『太平洋戦争への道 1931-1941』NHK出版新書659(2021/7/10)

半藤一利・加藤陽子・保坂正康による太平洋戦争に至る道に関する鼎談。 三人の著作からエッセンスを語っている。 二・二六事件や五・一五事件で、事件を起こした軍人を裁けなかったこと。裁けなかった理由は国民世論に逆らえなかったため。 満洲事変を起こし…

井上雄彦(吉川英治原作)『バガボンド』

井上雄彦(吉川英治原作)『バガボンド』全37巻 吉川英治『宮本武蔵』を原作にした井上雄彦の『バガボンド』全37巻。 巌流島での宮本武蔵と佐々木小次郎の戦いがいよいよ迫るところで未完に終わっている。 本位田又八のどうしようもない性格やその母親のキツい…

平間洋一『日英同盟 同盟の選択と国家の盛衰 (角川ソフィア文庫)』(2015/8/25)

先の戦争を語る時、満洲事変から語り始めることが多いが、本当は日英同盟廃棄が大きな転換点だったのではないか、と思ったことが、本書を読み始めたきっかけだった。 そう思ったのは、国際的な孤立=>短期的な視点で日独伊三国同盟を締結=>連合軍との戦争に突…

播田安弘『日本史サイエンス』講談社ブルーバックス(2020/9/20)

科学の新書である講談社ブルーバックスの棚に「日本史」という言葉が見えたので手にとった。書いたのは、三井造船で船の設計をしていた方。映画『アルキメデスの大戦』では製図監修を担当したそうだ。理系の眼で日本史を分析しているので面白そうだ。もくじ…

江藤淳『閉された言語空間』(文春文庫)(1994/1/10)

連合軍による日本占領期の検閲についてまとめたノンフィクション。 連合軍の検閲組織や方法が、あらかじめ決まっていたわけではなく、占領後、バタバタと慌ただしく整っていったことがよくわかった。 検閲に対してふてぶてしく抵抗する日本の出版人や、連合…

尾脇秀和 『氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書) 新書』

名前という身近なものの歴史がよくわかり面白い! もとが学術論文だが、とても面白いので[E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605] 戦国時代は、木下藤吉郎=>羽柴秀吉=>豊臣秀吉と名前が変わっていったのが当たり前。 また、織田信長は、愛知県…

鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫)(1998/05/24)(ネタバレ注意)

Amazon 文庫版へのリンク Amazon Kindle版へのリンク バーでの対話形式で、歴史の謎を紐解くミステリー。 視点と論の展開が面白い!軽く読めるので、歴史好きにはおすすめ! 1.悟りを開いたのはいつですか? ブッダが悟りを開かなかった、ということを仏典か…

猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』中央公論新社 (2010/06/25)

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井沢元彦『「誤解」の日本史 (PHP文庫)』2012/03/03)

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丸田勲『江戸の卵は1個400円! モノの値段で知る江戸の暮らし (光文社新書)』(2011/04/15)

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中田 力『日本古代史を科学する (PHP新書)』PHP研究所 (2012/02/15)

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竹田いさみ『世界史をつくった海賊 』(ちくま新書) [新書](2011/02/09)

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田原 総一朗『ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕』文藝春秋 (2011/07/08)

Amazonへのリンク ■田原 総一朗 (著) ■ドキュメント東京電力―福島原発誕生の内幕 (文春文庫) [文庫] ■出版社: 文藝春秋 (2011/7/8) ■ISBN-10: 4167356155 ■ISBN-13: 978-4167356156 ■発売日: 2011/7/8 日本の原子力発電所創設期の通産省と電力会社の熾烈な…

ロバート・ホワイティング『東京アウトサイダーズ ― 東京アンダーワールド2』角川書店(2002/04/18)

Amazon単行本へのリンク ■東京アウトサイダーズ ― 東京アンダーワールド2 ■ロバート・ホワイティング ■出版社: 角川書店 (2002/4/18) ■ISBN-10: 404791410X ■ISBN-13: 978-4047914100 ■発売日: 2002/4/18 Amazon文庫本へのリンク ■東京アウトサイダーズ ― …