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藤井青銅『「日本の伝統」の正体』新潮文庫(2021/1/1)

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「日本の伝統」と言われているものが実際には何年くらいなのか調べた本だ。

「伝統」と言われているものがせいぜい30年だったり、昔は全然違ってたりするので驚いた。

 

初詣が実は鉄道会社のプロモーションだった、というのは驚いた。

夫婦同姓が明治時代に決まったことというのは、下の本で知っていたので驚かなかった。

haruichiban0707-books.hatenadiary.com

大正時代でも、核家族が過半数で三世代同居が31%というのも驚いた。

洗濯板が実は海外から日本に入ってきた、というのも驚いた。

明治まで日本の喪服が白だったのも驚いた。

神前や仏前結婚式が、キリスト教の結婚式を参考にして、寺社が独自に考案した、という話も驚いた。

演歌が演説を歌でやるから演歌というのも驚いた。オッペケペー節が元祖だそうだ。五木寛之が演歌を再定義してから現在の演歌になっていったという歴史が面白い。

けん玉がフランス=>日本=>アメリカと広がったという話も面白い。

マトリョーシカやアロハシャツが、実は日本発祥というのもびっくりした。

江戸しぐさの嘘についても実に明快に説明している。

 

人はせいぜい、孫、子、自分、両親、祖父母のせいぜい5代くらいしか知らない。2世代前の祖父母が「昔からだ」と言えば、1000年くらい続いている感覚になるものだ。

実際には祖父母で約60年前、祖父母が祖父母から聞いたとしてもせいぜい約120年前のことだ。

「伝統」なんてそんなものなのだろう。