■渡辺啓太
■『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか―勝利をつかむデータ分析術 バレーボール「観戦力」が高まる!!』
■出版社: 東邦出版 (2012/5/10)
■ISBN-10: 4809410374
■ISBN-13: 978-4809410376
■発売日: 2012/5/10
監督がiPadを持ち込み、ベンチには、多数のノートパソコンが並ぶ光景が、バレーボールでは日常的になった。
あのiPadにはどんな画面が出ているのだろう?どのようにアナリストが入力するのだろう?バレーボールを観戦する人は誰でも一度は疑問を持ったことだろう。
本書は、そんなアナリストの仕事内容やアナリストの草分けである著者の半生が語られている。
使われているソフトは、Data VolleyとData Videoだそうだ。驚いたのは、これらのソフトがイタリア製だということだ。そして、それらがデファクトスタンダードなのだ。
本書には入力の仕方の一例や、画面例もある。アナリスト同士で情報を交換しあうが、日本人のきめ細かな入力に対して、諸外国のアナリストの入力が雑だという話や駆け引きや取引の話が面白い。
根性論がまかり通っていた日本バレーボール界で、アナリストの存在価値を高めてきた著者の半生も面白い。
選手個々人が求めるデータや映像が違うので、それらの要望にきめ細かく応えながら、選手の信頼を勝ち得ていく著者の努力には頭が下がる。
本書を読むとバレーボール応援がまたより一層楽しくなる。