haruichibanの読書&視聴のおと

読書メモや映画やテレビ番組視聴メモです

2021-01-01から1年間の記事一覧

平間洋一『日英同盟 同盟の選択と国家の盛衰 (角川ソフィア文庫)』(2015/8/25)

先の戦争を語る時、満洲事変から語り始めることが多いが、本当は日英同盟廃棄が大きな転換点だったのではないか、と思ったことが、本書を読み始めたきっかけだった。 そう思ったのは、国際的な孤立=>短期的な視点で日独伊三国同盟を締結=>連合軍との戦争に突…

チャールズ・マクドナルド『空挺作戦』(Airborne)サンケイ新聞出版局(1972/06/01)

チャールズ・マクドナルド/板井文也訳『空挺作戦』(Airborne)第二次世界大戦ブックス36 サンケイ新聞出版局(1972/06/01)を読んだ。 小中学生の頃、図書館にあった赤い背表紙のこのシリーズをずいぶん読んだものだった。 第二次世界大戦の各国の空挺作戦につ…

Newton(ニュートン) 2022年1月号

2022年1月号の特集は超ひも理論 世界は9次元でできていて6次元は折り畳まれているとか、世界が膜とか、わかりやすいイラストで説明してくれている。物理学の究極の理論となるか?? 「オイラーの等式」「岩石図鑑」「宇宙飛行士の訓練」「眠りを変える技術」…

吾妻ひでお 『失踪日記2 アル中病棟』イーストプレス(2013/10/06)

第2巻 紙版 第2巻 Kindle版 アルコール中毒者が入院する病院の日常を、自身の入院体験をもとに描いた作品。 患者の本当の悲惨さや家族や病院関係者達の真の苦労は描かず、温かい視線で日常を描いている。 アルコール依存症患者への対応は、治療というより社…

週刊新説戦乱の日本史(1) 長篠の戦い 織田信長 2008/2/5号 (小学館ウィークリーブック) 雑誌

長篠の戦いは鉄砲隊の三段撃ちがなかったというのが最近の説だ。 本誌では、長篠の戦いを時系列で紹介している。 武田勝頼軍1万5000、徳川家康軍8000、織田信長軍3万が激突した。井沢元彦は鉄砲隊の轟音に武田軍の馬が驚いた、という新説をあげている。 戦い…

カミュ『ペスト』(新潮文庫)

新型コロナのパンデミックのため、この本は書店の店頭に大量に山積みされていた。ペストとコロナの違いはあっても感染症という点と感染症の蔓延と封鎖という点では共通するからだろう。 数十年前に一回読んだが、改めて読むと、凄い本だ。カミュがこの小説を…

吾妻ひでお『失踪日記』イーストプレス(2005/03/01)

第1巻 紙版 第1巻 Kindle版 吾妻ひでおがうつになって全ての仕事を投げ出し失踪し、警察に保護され家に戻り、また失踪し、ガス管工事会社で働いたり、アル中になってアル中病棟に入院した話を、淡々とほのぼのと描いた漫画。 家族は大変だったろうな、と思う…

石森章太郎『ザ・スターボウ』(講談社)

石森章太郎『ザ・スターボウ』 石森章太郎『ザ・スターボウ』 恒星間移動が自由にできる未来。暗黒星軍団が支配する宇宙。主人公ヒロはハンター。リンクルスターの王女リリルと半人半馬のケタルスと出会い、最終兵器を探す旅を始める。ヒロの父の形見であり…

Newton(ニュートン) 2021年12月号

2021年12月号の『Newton』の特集は、「円周率π」人類は何千年も円周率を研究してきたことがすごい。そしてそれでもわからない円周率とは凄い。 オイラーの等式は、素人ながら、美しいと思った。 この時期はノーベル賞受賞後なので、その速報もある。今年はや…

石ノ森章太郎『新・変身忍者嵐』大都社(1998/6/8)

『希望の友』(1972/4-73/3)に連載したもの。 前作と同じ登場人物が登場するが、ストーリーのつながりはない。 ハヤテは父鬼十を血車党の殺され、旅をして血車党の化身忍者達に復讐する。 今回は一人旅ではなく、竜巻、カスミ、ツムジと旅をする。血車党の副…

石森章太郎『変身忍者 嵐』朝日ソノラマ

化身の術を身につけた嵐鬼十の息子ハヤテは、父嵐鬼十を殺し化身の術の秘密を奪った血車党の変身忍者を皆殺しするための旅に出ている。 第1巻 第1話 「化身忍群、闇に踊る」 名張の竜巻が殺され、その娘カスミと息子ツムジを守り、ハンザキを殺す。テレビ番…

池沢さとし『サーキットの狼』マインドカルチャーセンター

スーパーカーブームを巻き起こしたジャンプコミックス『サーキットの狼』全27巻を全18巻+番外編1巻にして再発行したもの。 第1巻から第4巻までは、公道グランプリ編。1位風吹裕也、2位沖田、3位早瀬左近 第4巻の首都高速道路でのレースでは、1位早瀬、2位風…

橘玲『無理ゲー社会』小学館新書(2021/8/3)

「親ガチャ」という言葉が「親ガチャに外れたから俺の人生は浮かび上がることがなくダメだ」という文脈で語られることが多いことに、私はとても疑問を感じていた。今の日本には、江戸時代やつい最近のインドと比べても身分制度はない。江戸時代以前と比べれ…

日経サイエンス 2021/11号

特集は『mRNAワクチン』 mRNAワクチンの仕組み、研究の歴史がわかりやすい。 新型コロナのパンデミックに対してずいぶん早くワクチンができて不思議に思っていたが、その仕組みと研究史を読んで納得した。 mRNAワクチンは、ウイルスのスパイク部分の設計図を…

石ノ森章太郎『人造人間キカイダー』秋田文庫

光明寺博士によって作られた不完全な良心回路を持つロボット、ジロー=キカイダー。光明寺博士の子供であるミツコやマサルを守るためにギルと戦う。 光明寺博士の脳を埋め込まれたハカイダー。 良心回路を持たないイチロー=キカイダー01、とぼけた探偵服部…

石ノ森章太郎『番長惑星』竹書房

石ノ森章太郎のリュウ三部作の第三部。 普通の学生だった等々力竜が、神社の穴に落ちたらパラレルワールドに行ってしまった。その世界は力こそ第一の世界だった。殺人許可証を持つ者は殺人さえも許される世界だった。ハカセこと左巻ツトム、バクダンこと伴太…

石ノ森章太郎『原始少年リュウ』竹書房

石ノ森章太郎のリュウ三部作の第二作目。前作の『リュウの道』とはつながりはない。 白い赤ちゃんが生まれたが、恐竜の王、りゅうの王のいけにえになりそうになるが、生き抜き成長した。 ラン、ドン、りゅうの王を狙うキバとともに、女神と言われた母を探す…

石ノ森章太郎『リュウの道』竹書房

石ノ森章太郎のリュウ三部作の一作目。 2020年に地球を出発し2038/7にシリウス第5惑星を目指す宇宙船フジ1号に密航した柴田リュウが主人公。宇宙船が着いた星は地球なのかそれとも別な星か?どうやら地球のようだ。 マリア、その弟ジミイ。ロボットのアイザ…

播田安弘『日本史サイエンス』講談社ブルーバックス(2020/9/20)

科学の新書である講談社ブルーバックスの棚に「日本史」という言葉が見えたので手にとった。書いたのは、三井造船で船の設計をしていた方。映画『アルキメデスの大戦』では製図監修を担当したそうだ。理系の眼で日本史を分析しているので面白そうだ。もくじ…

半藤一利・保坂正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』東洋経済新報社(2013/10/24)

半藤一利・保坂正康二人によるジャーナリズム批判。 対談の中で心に残った言葉。 「新聞社や雑誌社に勤めていたらジャーナリストか?」 「メディアが、裏調査、分析、判断をしなくなり、責任をとらなくなった。考える暇がない。・・・あれよ、あれよという間…

江藤淳『閉された言語空間』(文春文庫)(1994/1/10)

連合軍による日本占領期の検閲についてまとめたノンフィクション。 連合軍の検閲組織や方法が、あらかじめ決まっていたわけではなく、占領後、バタバタと慌ただしく整っていったことがよくわかった。 検閲に対してふてぶてしく抵抗する日本の出版人や、連合…

永井豪『バイオレンスジャック』中公文庫コミック版

もともとは、週刊少年マガジンで、その後、月刊少年マガジン、週刊漫画ゴラクに連載場所を移して18年かけて完成した永井豪の傑作漫画。 関東地獄地震の影響で暴力が支配する世界に変わってしまった関東地方の物語。最大の悪役がスラムキング(本名、銅磨高虎)…

『あの戦争になぜ負けたのか』半藤一利・保坂正康・中西輝政・戸髙一成・福田和也・加藤陽子 文春新書 (2006/05/20)

第一部が座談会で「あの戦争になぜ負けたのか」 第二部 「あの戦争に思うこと」 座談会だし、それぞれ個性的な方々なので議論していないし、それぞれが思ったことを述べているのが並んでいて共通の結論が出ているわけではない。 日中戦争で中国軍の武器がほ…

千正康裕『ブラック霞が関』新潮選書 (2020/11/20)

霞ヶ関の働き方がブラックだとはタクシーの運転手さんに聞いてなんとなくは知っていたが、これ読むと、ひどいものだと納得した。 大量の印刷・コピーが必要な紙文化。国会待機。締め切り過ぎてからの質問主意書。コールセンターでできる仕事も官僚がやってい…

尾脇秀和 『氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか (ちくま新書) 新書』

名前という身近なものの歴史がよくわかり面白い! もとが学術論文だが、とても面白いので[E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605][E:#x2605] 戦国時代は、木下藤吉郎=>羽柴秀吉=>豊臣秀吉と名前が変わっていったのが当たり前。 また、織田信長は、愛知県…

ミリタリー・クラシックス vol.73

■季刊ミリタリー・クラシックス vol.73 2021年春号■出版社: イカロス出版■雑誌18441-06■発売日: 2021/6/1 第1特集の『松型/橘型駆逐艦』も面白いが、第2特集の『マーケット・ガーデン作戦』が面白かった。 昔、『遠すぎた橋』という映画があったが、あの背…