

第592話『複数弾同時着弾』 (2019/07作品)
脚本協力:加久時丸
ページ数:106ページ
依頼者:
1)2001年 不明
2)2019年 極右政党党首のギオルゴス・スクファス
3)アメリカのギリシャ駐在武官のグレン・フレッチャー大佐
ターゲット:
1)タリバン司令官
2)ブルガリアの闇の帝王であるスタニスラフ・シシュコフ
3)極右政党党首のスクファスと財界の長老クサントスと元外務官僚のツァカロフ
依頼金額:不明
殺害場所:
1)アフガニスタン
2)ブルガリア ソフィア
3)ギリシャ アカルナニア県、メソロンギ
殺害人数:
1)1人
2)1人
3)3人
殺害相手:
1)タリバン司令官
2)ブルガリアの闇の帝王であるスタニスラフ・シシュコフ
3)極右政党党首のスクファスと財界の長老クサントスと元外務官僚のツァカロフ
H:0人
ブルガリアの首都ソフィアで、ブツ(ヘロイン)がロッテルダムに到着したことを、ブルガリアの闇の帝王であるスタニスラフ・シシュコフに報告が入った。ギリシャで要注意なのは極右政党党首のスクファスだけだ、と彼は言った。
ゴルゴ13が車を狙う。銃弾が路面電車のレールに反跳し車の底部から乗っている男を射殺した。
Part1 神業
ギリシャのアテネにあるアメリカ大使館で上級会議が始まる。駐在武官のグレン・フレッチャー大佐を、ガーランド大使が紹介した。
会議で、ブルガリアの闇の帝王であるスタニスラフ・シシュコフ狙撃が話題となった。そして、極右政党党首のスクファスに関する情報を集めるように、となって会議が終わった。
グレン・フレッチャー大佐に、部下が、北ギリシャのコザニにある第一軍団の演習所の演習風景を見せた。それは2.1km先の的を狙って延々と訓練する兵士達だった。
Part2 奇妙な演習
ピーターソン分析官とグレン・フレッチャー大佐は、2.1km先の的を狙っていた狙撃兵3人のうち、リーダーのステファノス・ツァベラス准尉に会うことになり、コザニに向かった。
ツァベラス准尉の部下にサマラスがいた。彼には5歳の娘がいた。
グレン・フレッチャー大佐は、ツァベラス准尉にキャリアが何年かきいた。ツァベラス准尉は8年と答えた。
Part3 英雄の誕生
グレン・フレッチャー大佐は、2001年のアフガニスタンでのことを思い出す。距離2050mで、狙撃したが、彼の銃弾は外れたが、誰もがグレン・フレッチャー上等兵(当時)が当てたと思った。本当に当てたのはゴルゴ13だった。
Part4 任務と謀反
コザニ基地で、コンスタンティノス・フォルトゥニス司令官とアンドレアス・バコギアニ副司令官が、兵士達に任務を説明した。狙撃対象者は、極右政党党首のスクファスと財界の長老クサントスと元外務官僚のツァカロフだった。この3人はフィリキ・エテリア創設者の末裔だった。彼らはEU離脱を含む完全なるギリシャ独立を目指していた。バイロンの命日である4月19日に彼ら3人が集まるので、2.1km先から狙撃するのだ。
アンドレアス・バコギアニ副司令官が、サマラス上等兵を呼び出し、コンスタンティノス・フォルトゥニス司令官の命令を阻止するように、と命じた。
4月19日までの間に、腔発(こうはつ)を起こして、訓練中の事故を起こし、計画を阻止せよ、と副司令官が指示した。
Part5 苦渋の決断
サマラス上等兵の娘マリアは拘束型心筋症で、1日でも早く心臓移植手術が必要だったが、サマラス上等兵には知らされていなかった。副司令官は費用の援助とドナー探しを約束した。
副司令官は、ブルガリアの闇の帝王であるスタニスラフ・シシュコフが死んだことで、極右政党党首のギオルゴス・スクファスを活かしておき、陸路ルート確保のために自分に擦り寄ってきて、賄賂をもらえると計算していた。
Part6 暴発
翌朝、訓練が始まった。ステファノス・ツァベラス准尉の銃が暴発した。
Part7 疑念
米国大使館では、ステファノス・ツァベラス准尉の銃が腔発したことを、グレン・フレッチャー大佐が知った。
Part8 不可能な任務
入院したステファノス・ツァベラス准尉に状況を聞いたグレン・フレッチャー大佐は、サマラス上等兵にも話を聞く。
Part9 唯一の選択肢
グレン・フレッチャー大佐は、ガーランド大使に、フィリキ・エテリア活動の阻止はアメリカの国益に影響する、と話した。そしてゴルゴ13へ依頼することを提案した。
Part10 接触
翌朝、アテネで、グレン・フレッチャー大佐はゴルゴ13と会い、極右政党党首のスクファスと財界の長老クサントスと元外務官僚のツァカロフの狙撃を依頼した。ゴルゴ13は、判断までに12時間時間をくれ、と答えた。
ドイツのベルリン・テーゲル空港に飛んだゴルゴ13は、ボーデン・ブル年戦端木医術研究所の所長と会っていた。研究所では、ユルゲン・ツィーゲ技術員が、連続射撃の研究をしていた。そして、研究所にゴルゴ13が案内された。
Part11 選ばれし銃
ユルゲン・ツィーゲ技術員が、銃の説明をした。
Part12 数弾の見極め
ゴルゴ13は試射した。
Part13 受諾と自白
アテネに戻ったゴルゴ13は、グレン・フレッチャー大佐に、依頼を受けると回答した。
サマラス元上等兵は、グレン・フレッチャー大佐と会った時に、全てを自白してしまった。そのため、アンドレアス・バコギアニ副司令官も逮捕された。
Part14 ミッション・ポイント
アカルナニア県、メソロンギで、作曲家に化けたゴルゴ13は、ホテルを借りた。
Part15 鉄壁の標的(ターゲット)
ゴルゴ13は標的3人を確認した。
Part16 安堵(あんど)と悔恨
サマラス元上等兵の娘のドナー探しは何とかなった。
Part17 MRSI
3人の標的が黙祷したとき、ゴルゴ13の銃弾が命中し3人が死んだ。
ゴルゴ13はMRSI(Multiple Rounds Simultaneous Impact)を実行した。それは3発の銃弾を角度を変えて発射し、目標地点で同時に着弾する射撃方法だった。
【感想】
ゴルゴ13の、MRSI(Multiple Rounds Simultaneous Impact)を使ったスーパー・ショットが光る作品だ。
第591話『運の悪い女』 (2019/07作品)
脚本協力:ながいみちのり
ページ数:35ページ
依頼者:衆議院議員井田
ターゲット:伊豆の老舗旅館の女将で竹本美千重
依頼金額:不明
殺害場所:日本 静岡県袋井市
殺害人数:1人
殺害相手・狙撃対象:伊豆の老舗旅館の女将で竹本美千重と井田議員の左耳
H:0人
Part1 狙撃
静岡県袋井市で、衆議院議員の井田が演説中、左耳を狙撃された。流れ弾に当たって一人の女性が死んだ。
Part2 10年前の記憶
新聞には、井田への流れ弾で亡くなった女性は、伊豆の老舗旅館の女将で竹本美千重と書いてあった。それを呼んだ室田は、経済記者になる前、保険会社で、10年前に保険契約を結んだ相手であることを思いだした。10年の短期の掛け捨て保険で掛け金は毎月20万程度だった。竹本美千重は、家系が短命だから短期の掛け捨て保険にしたことを覚えていた。
Part3 残された者
室田は辻本という社の女性とともに竹本美千重の葬儀に向かう。旅館は大型温泉リゾート開発に乗り出すも失敗し、持病があったご主人は死亡し、業者はトンズラして借金だけ残ったのだ。
一人娘の竹本絵里は21歳の音大生だった。遺族の前で土下座する井田議員だった。井田も数年前に一人娘を交通事故で亡くしていた。
Part4 相続
竹本絵里が相続すると、借金は7億円。旅館の価値は高くても2億円程度だった。
室田は一泊して取材を続ける決心をした。
Part5 運の良し悪し
竹本美千重の生命保険は死亡時7億円で適用期間は10年間だった。あと半年で満期日というときに彼女は死んだ。保険的には彼女は不運ではなかったのだ。
Part6 接触
室田は、井田議員に「絵里さんは知っていたんですか?」と質問する。井田は「!」とする。
Part7 計画(プラン)の全貌(ぜんぼう)
室田は井田議員と会った。室田は、竹本美千重が末期ガンだったことをつきとめていた。そして満期日を超えて生き延びることを恐れた。井田議員は、竹本美千重との関係が1度だけだったことを話した。そして竹本美千重が、井田議員を道具として使ったのだ。竹本美千重は、保険金を娘に残すために、ゴルゴ13を雇い井田議員を狙った銃弾が当たったかのように見せるために狙撃させたのだ。そんな腕のいい狙撃手がいるのか、疑う室田だった。
Part8 災害級の狙撃者(スナイパー)
室田と辻本が歩いていると、ゴルゴ13とすれ違った。室田はゴルゴ13の殺気のためにその晩は一睡もできなかった。
【感想】
ゴルゴ13のスーパー・ショットの一つだろう。保険金を娘に残すために井田議員を狙ったように見せかけて自分を殺すようにした竹本美千重の作戦には驚く。この後室田は井田議員との約束を守ったのだろうか。いや井田議員はゴルゴ13との約束を破ったことにならないだろうか。
第597話『幻滅のアトランティス』 (2020/02作品)
脚本協力:よこみぞ邦彦
ページ数:105ページ
依頼者:DEA(アメリカ麻薬取締局)
ターゲット:神崎水産会社を奪いマフィアとコカイン密輸ビジネスを行うサントス
依頼金額:不明
殺害場所:マルガリータ島
殺害人数:1人
殺害相手:神崎水産会社を奪いマフィアとコカイン密輸ビジネスを行うサントス
H:1人(ゴルゴ13の依頼に応え情報屋の女)
Part1 順調の裏で
ブラジル最南端、リオ・グランデ市リオ・グランデ漁港で、マグロ船船長神崎雅人は、友人の佐藤の現地合弁の水産会社の規模が大きくなり、水揚げも順調なのを確認した。
神崎は、元気なさげで相談したいと言ってきた佐藤と会おうとしたところ、佐藤はオフィスで首を吊っていた。
Part2 大西洋の夢
佐藤の葬儀に出席した神崎は共同経営者のサントスと車で移動する。
25年前、神崎は自分の愛艇「神崎丸」でアトランティック・オーシャン(大西洋)で南マグロをとることを、リオ・グランデの港湾員たちに呼びかけた。
ブラジル人たちは最初は搾取されると警戒していたが、心をひらき共同事業がスタートした。
Part3 日本伝統の漁法
神崎の指導で、ブラジル人たちも、日本伝統の漁法でマグロをとるようになった。
Part4 略奪者の影
神崎に自殺前日に書いた佐藤からの手紙が来た。その手紙を読んだ神崎は、日本のマグロ船団が南米諸国に食い荒らされてマグロ事業を根こそぎ奪う影の略奪者がいたことがわかった。
神崎は自分も危ないと見て、神崎丸のもとに向かった。そこで船員達が神崎水産会社を乗っ取る話をしていた。どうやらボスはサントスだった。
神崎は船員たちに拳銃で追われ、海中に飛び込んで何とか逃れた。
Part5 救いの手
ブラジル大使館に駆け込んだ神崎だったが、大使館は何も助けてくれなかった。
そこに台湾の者が救いの手をさしのべた。
合弁事業での現地のやり方は、合弁事業と称して日本から高価なマグロ船を持って来させ、10年ほど共同経営して、ノウハウを習得したら、日本人経営者を追い出すのだ。
外資参入規制で外国資本は49%に制限されているので、それを利用して51%の経営権を使って、高額な債務をでっちあげ、赤字を追及し、日本人経営者を追い出すのだ。
神崎の父親から神崎丸を受け継いだので、神崎雅人は、その船だけでも取り返したいのだ。
台湾側は、ブラジルの対応に対して、徹底的に対抗していた。
サントスの行方がわかったが、彼は今ベネズエラにいた。政情不安で治安も悪く探しようがなかった。
Part6 サントスの野望
ベネズエラのギアナ高地のジャングル地帯で、サントスは佐藤の会社から2億円を手にしていた。神崎の会社からも億単位の金が入る、と皮算用していた。
サントスは、数百億円の儲けになるための宝の船を建造中だった。
Part7 現れたG
ベネズエラのシモン・ボリバル国際空港にゴルゴ13が降り立った。
その情報は首都カラカス市のアメリカ大使館のフェルナンデス大使にも伝えられ緊急会議が開かれることになった。
同じ頃ロシア大使館や中国大使館にもゴルゴ13入国の情報が伝わりすぐに対策会議が始まった。
Part8 2人の大統領
ベネズエラでは、反米勢力の支持を受けたニコラス・マドウリョ大統領と親米勢力の支持を受けたグアラド暫定大統領の2人が激しく対立していた。
これはロシア・中国対アメリカの戦いでもあった。石油利権もからんでいた。
Part9 光の無い世界
サントスは半沈潜水艇を作っていた。この半沈潜水艇で、フロリダ沖まで行き、コカインを密輸するもくろみだった。
サントスは竹馬の友でブラザーと呼ぶニコとのカリブ海マルガリータ島での再会を楽しみにしていた。
Part10 事前調査
ゴルゴ13の調査依頼に応えた情報屋の女とゴルゴ13がSEXする。
Part11 神崎の策
神崎を追い出した神崎の会社に台湾人の李が資金回収のために現れた。サントスの手下達は李を押し出した。
李はスキを見て盗聴器を仕掛けた。
Part12 Gの足取り
ロシアやアメリカ大使館ではゴルゴ13の足取りと標的が誰か、調査中だった。
裁判所に神崎が出廷した。
Part13 闇への出航
サントスの手下達は、半沈潜水艇にコカインを載せて、出航した。
Part14 マルガリータ島
カリブ海のリゾート地・マルガリータ島で、サントスがニコを訪ねる。
船がマルガリータ島に近づく。
そこにゴルゴ13が乗っていた。マドウリョ大統領一行がマルガリータ島を訪れていて警戒厳重だった。ゴルゴ13は水中スクーターで島に向かう。
Part15 裁判闘争
神崎水産の経営は順調だと述べる神崎雅人。サントスの手下達は、神崎水産は赤字のため経営権を譲渡すべきと申請していた。
Part16 旧友との再会
サントスが合った旧友はニコラス・マドウリョ大統領だった。
サントスはコカイン・ビジネスをやっている話をした。
その時、ゴルゴ13の話を聞いたニコラス・マドウリョ大統領は急用ができた、と言って中座した。
Part17 暴かれた真実
神崎雅人は、盗聴した声を証拠としてあげた。
Part18 計画の行方
アメリカのフロリダ沖で、半沈潜水艇が湾岸警備隊に捕まった。
その情報を受けたサントスがゴルゴ13に狙撃された!!
Part19 天罰
ブラジルのリオ・グランデの台湾系商社で、マドウリョ大統領所有のホテルでサントスが殺されたことについて、話していた。
アメリカのDEA(アメリカ麻薬取締局)がゴルゴ13を雇ってサントスを殺した、と推測していた。
Part20 残された希望
神崎雅人は神崎水産会社とマグロ漁の設備は失ったが、神崎丸を取り戻した。
【感想】
アメリカ、ロシア、中国を相手にした国際的なスケールの大きな戦いが始まるのかと思ったら、麻薬密輸業者のサントスが標的だったとは、何だかスケールが小さくなった気がする。
DEAが依頼者ならアメリカ大使館は慌てなくて良さそうなものだが、アメリカ政府でも組織の横の情報連携はよくないのだろう。
合弁事業のルールを逆手にとったサントスによる合弁事業乗っ取り策と、麻薬密輸問題をからめた面白い作品だ。
神崎雅人や、名前は出てこなかったが情報屋の女がまた他の話で再登場するのが楽しみだ。
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