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石森章太郎『変身忍者 嵐』朝日ソノラマ

 化身の術を身につけた嵐鬼十の息子ハヤテは、父嵐鬼十を殺し化身の術の秘密を奪った血車党の変身忍者を皆殺しするための旅に出ている。

 第1巻 第1話 「化身忍群、闇に踊る」 名張の竜巻が殺され、その娘カスミと息子ツムジを守り、ハンザキを殺す。テレビ番組では、カスミとツムジとともに旅していたが、漫画版では、ハヤテは一人旅だ。カスミ役の林寛子のミニスカートから見える脚は魅力的だった。

 第2話 「青い猫の夜」 肥前鍋島藩の化け猫の話を下敷きにし、猫魔を斬る。

 第3話 「白狐、枯れ野を走る」 親子三人幸せに暮らしていた化身忍者葛の葉(白狐に変身)を斬る。母親を失った息子の泣き声が悲しい。

 第4話 「視よ、蒼ざめたる馬、その名は死」古墳のはにわの馬と甲冑をつけた者が馬のはにわを置いた家の者は奴隷にならないといけない、という村に来たハヤテ。はにを置く馬と男は化身忍者だった。

 第5話 「地の底で黄金の牛が鳴く」 ギリシャ神話のミノタウロスを下敷きにしたのだろう。牛神という黄金の牛の姿をした者が支配する村。実は隠れて金を掘っており、そのための労働力を村から調達していたのだ。

 

 第2巻 第6話 「蜜蜂の羽音は地獄の子守唄」子どもが神隠しにあう村。実は蜜蜂の化身忍者がさらっていたのだ。嵐もつかまりその女の子どもにされそうになるが、斬る!

 第7話 「菩薩の牙が霧を裂く」 うねめ、白妙母娘のところにハヤテが現れる。実は二人は化身忍者だった。白妙は変身しなかったが、血車党の忍者と戦おうとして刃を抜いたところを、ハヤテが自分を殺そうとしていると誤解して彼女を斬ってしまう。うねめは、白象に変身するが、ハヤテは殺さず助ける。

 第8話 「獺祭の雷太鼓」 カワウソに化身する忍者大八。愛する女とその父を殺してしまう。ハヤテは大八とその仲間を閉じ込めて火薬で殺してしまう。

 第9話 「虎落笛(もがりぶえ)の遠い夏」 中国明から来日しハヤテとともに成長し虎に化身する李徴子。ハヤテはそんな親友と戦うことになり彼を斬ってしまう。

 第10話 「呪いの孔雀曼荼羅」 蛇の化身、孔雀の化身の2人を斬る。

 第11話 「血車がゆく、餓鬼阿弥の道」 血車党の副首領、骨餓身丸(ほねがみまる)がある墓の前で泣いている。街には流行病が蔓延し、血狂曼荼羅教というあやしい宗教がはやっている。なめくじの化身、梅雨道軒に石油をかけて斬る。かけるなら塩だと思うが。そして骨餓身丸も。じつは骨餓身丸は武士だったが、業病にとりつかれた。それなでも献身的に接してくれた照手姫。骨餓身丸が死んだ時、あの世からよみがえる化身の術を骨餓身丸が身につけていると知らない彼女は自害した。骨餓身丸は照手姫の墓前で泣いていたのだ。ハヤテは骨餓身丸を斬る。骨餓身丸はすでに戦う意思をなくしていた。

 第12話 「犬神の里に吠える」 犬吠埼に来たハヤテ。そこには多数の犬の化身の子ども達と女達がいた。そして血車党の首領 魔神斎も。犬の化身達を多数殺し、魔神斎も斬るハヤテ。魔神斎の仮面の下は、なんと記憶喪失になったハヤテの父親だった。

 そして犬の化身達は、ハヤテの兄弟達だった。つまり、ハヤテは知らずに親殺し、兄弟殺しをしていたのだ。

 なんとも暗い話だ。テレビに合わせろ、とか、もっと明るく楽しい話にしろ、と言われなかったか、と思ってしまう。