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白土三平・岡本鉄二『カムイ伝 第二部 13』(小学館)(1995/11/01)



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佐倉十一万石〔二〕

  盗賊10人のうち9人を倒した笹一角(草加竜之進)とカムイだった。

  カムイは残った1人が追忍だと見て、後を追った。

 海跡湖(二)

  目が覚めた鏑木村の庄屋、平山忠兵ヱらの前に9人の盗賊の遺体があった。オミネは首を吊って自殺していた。いきさつを話した笹一角(草加竜之進)の進言で役所に届けず死体を始末し箝口令をしいた。

 

 海跡湖(三)

  追忍を追うカムイ。その後を追う草鬼。それに気づいたカムイは草鬼に、追うなと命じる。それを聞いて草鬼の好奇心はますます募るのだった。

  カムイは沼に入り、追忍を追う。沼には巨大な鯉がいて、ヤツメウナギに血を吸われていた。ヤツメウナギから鯉を救ってやったカムイだった。喜んだ鯉が空中にジャンプする。それを見る追忍。

  カムイは洞窟を見つけ、そこで魚を焼き、匂いに釣られて動物たちが集まってきた。追忍もそれに気づいた。二人の戦いが始まった。カムイの霞斬りがきかない!!飯綱落としも逃げられた!!

  空中で二人がすれ違う瞬間、カムイは布を投げその陰から相手の足に手裏剣を当てた。

  しかし戦いはまだ終わっていなかった。ハナフイというアカクラゲの粉末を使った目潰しでも追忍は気配を消して戦い続けている。

 

 十文字霞くずし(一)

  三日後、追忍が狼煙を上げ、カムイに挑戦してきた。追忍はサメ地獄の海からよみがえってきた不動だった!!カムイの技を、「十文字霞くずし」と言う技で、くずした。カムイが不動の首を斬ったが、その首を投げ返す不動!その不動の首が爆発し不動の投げたカギ縄がカムイの首にがっちり巻きついた。カギ縄の反対側は木に巻きついており、その木が深い沼の底に沈み、カムイは水上に出られなくなった。

  カムイは心法で呼吸を止めた。魚万(コマセ)をまいた。それに集まってきた小魚たち。小魚を求めてやってきた中型の魚や大型の魚たち。多数の魚の動きでカムイの首に絡んだカギ縄の反対側の木が水上に浮かんだ。追忍はそこを襲わなかった。九死に一生を得たカムイを助けたのが草鬼だった。

  庄左ヱ門(正助)らの測量は続いていた。松造は普通の船頭ではなさそうだ。

  10体の木製の人形を流して川の流れを調べる庄左ヱ門(正助)たち。

  その結果から、干拓するには湖水の放水路は仁玉筋だろう、となった。しかし熊沢蕃山は、この干拓には反対だった。理由1は、古村の上田が荒廃すること。理由2は用水の問題で、田畑が増えてもそこに見合う水を確保できない、ということ。台風などがあれば水没するだろう。理由3は美しい椿湖の自然がなくなることだ。

  庄左ヱ門(正助)は干拓を1/3の面積にし、放水路は後草村から三川村にし、利根川の水を引くという考えを述べた。庄左ヱ門(正助)が向かおうとしているもっと大きな目的への第一歩なのだった。

 

 再会(一)

  サブ(カムイ)を救出した草鬼はカムイの身体に刺さったカギ縄を手術で取った。モドシが鎖骨に食い込んでいたのだ。草鬼はスッポンを捕ったりアシタケを採ったりして、カムイにご馳走する。カムイは草鬼が追忍に捕縛された時、なぜ草鬼が殺されなかったか考えていた。カムイには殺そうとしていなくて試そうとしているように思えていた。その時、草鬼は追忍の声を思い出した。「あやつ(カムイ)もこれでしまいじゃろうと。もしもあそこから脱出したとすれば一人前じゃ。抜けるばかりが抜忍ではなかろうが・・・初心を忘れおってからに・・・」と言っていたのだ。

  「不動の姿をしていたが、絶対に不動ではない。搦(からみ)の手風(てぶり)か百日(ももか)のウツセか棒心か・・・あの人か・・・」と候補をあげるカムイだった。

 

 再会(二)

  半月ほどして体力を回復してきたカムイは草鬼と忍術の稽古をする。忍術では草鬼はカムイの足下にも及ばない。カムイは草鬼に椿湖の連中に自分が江戸に向かうことを伝えることと、気心の知れた野鍛冶を紹介することを頼む。

  水中に潜ったカムイはあの巨鯉がかけ針の糸が絡まり死んでいるのを発見した。

 

 再会(三)

  カムイは江戸に向かう山中の野鍛冶の小屋にいた。野鍛冶の伝次がやってきた。伝次の話では、鷹匠の百舌兵ヱが今は酒井雅楽頭忠清の所にいるとわかった。

  また、野鍛冶の伝次の話では、搦(からみ)の手風(てぶり)が材木商の河村瑞賢の番頭になっているとのことだった。

  カムイは野鍛冶の伝次大金を渡し、搦(からみ)の手風(てぶり)に気をつけろ、と伝言した。

 

 再会(四)

  江戸に向かうカムイとすれ違った飛脚は、カムイであることに気づいた。そこに8人の編み笠の男達が襲ってきた。飛脚はあっという間に全員倒してしまった。

  そこにカムイが現れ、飛脚に向かって「名張(なばり)の五つ(いつつ)じゃねえか・・・」と言う。名張の五つは日州を紹介する。そして名張の五つは堀田十一万石の所への書状を持っていて、その内容をカムイに耳打ちした。そして8人の武士達に妙活の術の一つ催眠術をかけて記憶を消去した。

  

[感想]

 野鍛冶の伝次や名張(なばり)の五つ(いつつ)が再登場したのは嬉しい。河村瑞賢の番頭が怪しいとは思ったが、搦(からみ)の手風(てぶり)だったとは・・・。追忍が誰なのか謎だが、赤目しか考えられないのだが・・・。草鬼の経緯も知りたいところだ。

 今後の展開がまた楽しみだ。