霞ヶ関の働き方がブラックだとはタクシーの運転手さんに聞いてなんとなくは知っていたが、これ読むと、ひどいものだと納得した。
大量の印刷・コピーが必要な紙文化。国会待機。締め切り過ぎてからの質問主意書。コールセンターでできる仕事も官僚がやっている実態。ワークロードや体制や予算を考慮せずに始まる政策。作られてもなくなりはしない法律。高齢化や女性職員増加による昭和的な24時間働けるエース級職員の比率減少。酷使されるエース級の人材。
p.87にあったこのグラフには驚いた!!そりゃぁ、志願者減るはずだ、と納得した。
筆者の「本当に官僚を国民のために働かせる方法~霞が関への10の提言」は、次の10個。
1.ペーパーレス化の推進
2.テレビ会議の活用
3.チャットなどビジネスツールの活用
4.テレワークの推進
5.煩雑な手続きの簡素化
6.作業の外注
7.国家公務員の兼業推進(制度のユーザーサイドの経験)
8.民間とのパートナーシップ(新しい課題に対応するための外部委託)
9.官僚自身の意識改革(労働生産性の向上に向けて)
10.霞ヶ関全体の人員配置の適正化と柔軟化
筆者の「国会を国民のために働かす方法~永田町への10の提言~」は次の10個。
1.委員会日程の決定と質問通告の早期化・見える化
2.質問主意書のルール見直し
3.公務と関係ない発注の禁止
4.議員立法は執行体制もセットで
5.議論の場の効率的な設定(会議の乱立、個別レクの見直し)
6.国会、政党の会議や議員レクの対応者の柔軟な設定
7.コミュニケーションのオンライン化
8.国会の入館証の大幅な増加
9.国会議員の研修
10.国会議員と官僚の交流
レベル感はバラバラだが、いずれも今やらないと間に合わない重要な提言だと思った。
■著者 : 千正康裕
■ブラック霞が関
■出版社 : 新潮新書(2020/11/20)
■言語 : 日本語
■新書 : 239ページ
■ISBN-13 : 978-4-10-610885-3