武藤敬司の引退が近いので彼のもう一つの化身であるグレート・ムタの試合を見てみた。
【1】グレート・ムタvsザ・グレート・カブキ(1993/06/15 日本武道館)
ムタは、カブキの息子という設定だったから、親子対決だ。
お互いの毒霧合戦。噴水のように噴き出すカブキの血。
最後はムタがカブキを仕留めたが、ムタというより武藤敬司になってリスペクトしてカブキを送り出している感じがする試合だった。
【2】グレート・ムタvs馳浩(1990/09/14 広島サンプラザ)
グレート・ムタというキャラクターが日本で開眼した試合がこれだ。
馳浩が大流血し、そこを攻め立てるムタ。
カブキは長髪なのでペイントが取れても長髪で隠すことで不気味さが残るが、ムタはペイントが落ちるとベビー・フェイスの武藤敬司の顔になってしまい不気味さがなくなってしまうのが日本で受けなかった理由だと思う。
この試合もペイントが取れて武藤敬司になってしまったので迫力と不気味さがなくなってしまった。馳浩の大流血が、試合とグレート・ムタというキャラクターを救った。
【3】グレート・ムタvsハルク・ホーガン(1993/05/03 福岡ドーム)
アメリカでは実現しないまさに夢の対決だ。
ムタとしてはなんだかやりにくそうに見えた。
この試合もペイントが取れて武藤敬司になってしまったのが残念だ。
最後はホーガンがムタを下した。
【4】長州力&天龍源一郎vs武藤敬司&蝶野正洋 (1994/04/04 広島グリーンアリーナ)
アントニオ猪木カウントダウンの第一戦がグレート・ムタになったことに端を発する因縁が勃発して、天竜の挑発で、武藤敬司が途中でグレート・ムタになって試合に戻ってくるという凄い試合だ。ムタは毒霧を何発も吹いて大乱闘だ。蝶野は、「やってられない」という感じで、負けて試合が終わったらさっさと帰ってしまう。アントニオ猪木まで出てきたが、毒霧を浴びてしまった。
ムタがどうやって何色もの毒霧を仕込んでいるのか不思議だ。