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さいとう・たかを『ゴルゴ13 28 死者の唄(シギリジャ)』(リイド社)(1978/04/25)

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====もくじ=====

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第43話 ゲート・イン(GATE IN)(1971/06作品)

脚本協力:K・元美津

ページ数:62ページ

依頼者:英国賭事徴税委員会(HBLB)
ターゲット:ダービーで不正をはたらこうとしたビクター・モーガンら
依頼金額:1万ポンド

殺害場所:ロンドン郊外エプソム・ダウン競馬場

殺害人数:6

殺害相手:ダービーで不正をはたらこうとしたビクター・モーガン

    P地点で馬の手綱を撃とうとした、元ウェールズ警察官の「ストライク・ハリー」

    P地点にいた元競馬騎手ウイリー・ワトソン

    Q地点で馬の手綱を撃とうとした、元英国陸軍の狙撃手の「ホーク・アイ」

    Q地点にいた、ビクター・モーガンの手下ゴースト

    ビクター・モーガンの手下、フィリップ・メイスン

    ダービーで不正をはたらこうとしたビクター・モーガン

H:0人

 

エプソム・ダウン競馬場

Part1 エプソム競馬場にて・・・
 かつて、グランド・ナショナルで29番障害がとべなくて、何もかも失った元騎手ウイリー・ワトソンにフィリップ・メイスンという男が近づいてきた。

 その様子をちらっと見るゴルゴ13。

 

Part2 ダービー

 ダービーとは第12代ダービー伯のエドワード・スミス・スタンレーが1780年5月7日、ロンドン郊外エプソム・ダウン競馬場でサラブレッド4歳雌雄混合レースを行ったのが始まりで、現在では6月第1水曜日に行われている。

 

Part3 アクシデントは作るもの

 フィリップ・メイスンは、ウイリー・ワトソンを、アルバート・B・ウォーレン卿の邸宅に赤いオープンカーで連れていく。アルバート・B・ウォーレン卿はマンチェスター銀行の頭取を引退してから久しい。

 ウォーレン卿と話しているのはビクター・モーガンという男だった。ビクター・モーガンは、ウォーレンから金を引き出そうとしていた。ウォーレン卿は断っていたが、モーガンをビックと呼ぶ一緒にいた女ダイアナ・パーカーが、アルバート・B・ウォーレン卿とセックス女優ジュディ・ブロッサムのお忍びの船遊びの写真を出して脅した。

 ウォーレン卿は10万ポンドを請求された。モーガンは必ず20万ポンドにして返すといった。

 ウォーレン卿は仕方なく同意した。

 そこにフィリップ・メイスンとウイリー・ワトソンが到着した。

 ビクター・モーガンは競馬での数々のアクシデント写真を見せ、アクシデントが起こると、高配当になる、と言った。そのアクシデント写真の中にはウイリー・ワトソンが落馬したレースも含まれていた。そして、ビクター・モーガンは、「祈るだけでなく、われわれの手でアクシデントを作るんだよ!」と言った。

 ウォーレン卿は金のために名ジョッキーを傷つけてはいけない、と止める。ビクター・モーガンは、騎手の手綱をレース中に切ることを狙っていた。

 

Part4 男はきょうも・・・

 ゴルゴ13は熱心に競馬場に通っていた。双眼鏡で馬の様子を観察していた。そこへ女がやってきて声をかけた。ゴルゴ13が観察している馬は彼女の父親の持ち馬だった。

 

Part5 ブックメーカーにて

 ブックメーカーで人気馬を確認するフィリップ・メイスン。1番人気はピゴット騎手が乗るニジンスキー。2番人気がジールだった。ビクター・モーガンは、ジール、スチンチノの馬券を買おうと狙っていた。

 ウイリー・ワトソンは、ピゴット騎手を殺すことには反対だった。また事件にしたくなかった。

 ビクター・モーガンは、少額で分散して馬券を買うこと、銃弾で手綱を切られたことがわかる前に配当をもらうことなどを説明した。そこにゴーストという男がやってきて、そのはなれわざのできそうな男を三人めをつけた、とビクター・モーガンに話した。

 

Part6 ふたりの狙撃手

 元英国陸軍の狙撃手の「ホーク・アイ」、元ウェールズ警察官の「ストライク・ハリー」を、ゴーストが紹介した。そして、ゴーストはもう一人、ゴルゴ13の顔写真を見せた。フィリップ・メイスンはゴルゴ13とエプソム競馬場で会ったことを覚えていた。

 ビクター・モーガンがレース場の図を見せながら説明する。P地点にストライク・ハリー、Q地点にホーク・アイ、X地点にゴルゴ13を配置する。ハリーが撃ちうまくいけばそれまで。撃ちそこなった場合、ホーク・アイが撃つ。ジールの前に出た馬があればゴルゴ13だ。ハリーは馬を撃つと思っていたが、手綱を撃て、と言われて動揺する。 

 ゴルゴ13が、立てたマッチ棒すれすれに撃ち、これに火をつけた話や、時速200キロで走る急行列車に乗っていた標的を窓ごしのただ1発で仕止めたうわさを、ビクター・モーガンは聞いていた。

 P地点はゴルゴ13になった。報酬は2000ポンドだ。

 

Part7 6月3日までに

 ビクター・モーガンとフィリップ・メイスンはダービー競馬場でゴルゴ13を発見した。ゴルゴ13の背後にいきなり近づいたフィリップ・メイスンはゴルゴ13に殴られた。ビクター・モーガンは、報酬は7000ポンド、6月3日までに名刺に書いてある電話番号まで電話をしてほしい、と依頼した。ゴルゴ13はかならず連絡するとは限らない、と答えて去っていった。

 

Part8 ゲートは開かれた!!

 ダービー・デー 6月3日

 結局ゴルゴ13からの連絡はなかった。

 P地点にはウイリー・ワトソンとストライク・ハリーがいた。Q地点にはゴーストとホーク・アイがいた。ゴルゴ13は双眼鏡で、ビクター・モーガンと、ストライク・ハリーとホーク・アイを見ていた。

 ストライク・ハリーが馬の手綱をスコープにとらえたとき、眉間を撃ち抜かれた!ウイリー・ワトソンもこめかみを撃ち抜かれた。

 ホーク・アイがスコープに馬をとらえたとき、眉間を撃ち抜かれた。ゴーストも撃たれた!

 レースは本命のニジンスキーがトップで駆け抜けた!

 ダイアナがふりかえると、フィリップ・メイスンとビクター・モーガンもこめかみを撃ち抜かれて斃れていた。

 ゴルゴ13はM16をアタッシェケースにしまい車で去った。

 

Part9 テムズ川のほとりで・・・

 英国賭事徴税委員会(HBLB)の二人がお礼を言うためにゴルゴ13を呼び出していた。ゴルゴ13への報酬は1万ポンドだった。

 ゴルゴ13は、「おれは依頼人と二度会うことは好まない・・・」と言って去った。

 

[感想]

 ギャンブルと不正の疑いは、切っても切れないものがある。

 しかし、走っている馬の手綱を撃ち抜くのはかなりの射撃の腕をもってしても不可能に近いだろう。場合によっては、ほかの馬全部の手綱を撃たないといけない。普通に馬券を買うよりリスキーな賭けになると思う。

 

第95話 ザ・スーパースター(THE SUPER STAR)(1975/05作品)

脚本協力:K・元美津

ページ数:134ページ
依頼者:
 1)ジェフ・マッケンジー
 2)アメリカ政府の高級官僚フィッシャーの息子ジム

ターゲット:
 1)キッシンジャー長官
 2)キッシンジャー長官暗殺を狙うテロリスト

依頼金額:
 1)10万ドルだが依頼人が依頼前に殺害されたためなし
 2)1束の金と金メダル

狙撃場所:
 1)依頼人が依頼前に殺害されたためなし
 2)ワシントンD.C.

殺害人数
 1)0人(依頼人が依頼前に殺害されたため)
 2)0人

狙撃相手:
 1)依頼人が依頼前に殺害されたためなし
 2)キッシンジャー暗殺を狙うテロリスト・クラークが隠れる車

H:1人(高級娼婦ディーディー)


Part1 マッケンジー氏の死

 ワシントンD.C.ーワシントン、コロンビア特別区

 アタッシェケースいっぱいの札束を入れたジェフ・マッケンジーがドアの外にでたところに、殺し屋が現れ、「キッシンジャーをどうしても中東会談に行かせたくないらしいな・・・あんたは・・・今夜は行けなくなったと・・・あんたを待ってる殺し屋に、な」と言って、消音器付き拳銃を向け、3発の銃弾を撃ち込み、アタッシェケースを持ち去った。

 

Part2 集まった非行少年(ハイティーンギャング)

 非行少年たちが集まってきた。スティーブがウイリーの店である男の後ろに立った途端、素早く左のストレートをかました。スティーブがとびかかっていったら、右腕をとられて床に叩きつけられたのだった。

 トニーは拳銃を持ってきていた。非行少年たちはスティーブのかたき討ちに向かおうとしていた。

 ウイリーの店にはジュディがのぞきに行ってきて、ウイリーのほかには、その男と、酔っ払いと娼婦みたいな女の三人だった。トニーとともにジュディとジムが見物に行く。ジムは皆に馬鹿にされていた。

 

Part3 ウイリーの店で

 ウイリーの店にいるゴルゴ13に娼婦のディーディーが声をかけた。

 ウイリーもスティーブの仲間が戻ってくる前に店を出たほうがいい、と言う。

 そこにトニー達がやってきた。

 トニーをぎろっとにらんだゴルゴ13。トニーはそれですべてを悟った。仲間にやめろ、と言った。

 トニーが投げたダーツの矢がはずれてゴルゴ13に向かったのをゴルゴ13は素手でとり、壁に投げた。ダーツはゴキブリを殺して壁に突き刺さった

 ゴルゴ13は、ジェフ・マッケンジーが来たら自分が1時間待った、と伝えてくれ、と言い残し、ディーディーと去った。ウィリーが名前を聞くと、デューク・東郷と名乗った。

 トニーは仲間たちにデューク・東郷がランクが違うプロだから戦わなかった、と話した。ジムが父親の部屋から持ち出した拳銃を取り出し、デューク・東郷を撃ち殺したら仲間と認めるか、ときき、皆が制止するのもきかずに、スティーブのかたき討ちに向かった。

 

Part4 ある秘密会議

 ヘンリー・キッシンジャーの中東訪問を歓迎しない者は世界中にいる。先の和平会談ではあまりにもアラブ寄りということでイスラエルの反発を買った。エシリアのアサド大統領はエジプトとイスラエルだけの二国間交渉は、アラブの分裂工作だと反発していた。

 ジェフ・マッケンジーがその方面からの回し者とは断言できないが、キッシンジャーの命を狙ったことは確かだとグラハムが語る。キッシンジャーは、アメリカ国内にも敵がいる。

 ジェフ・マッケンジーをシャークという殺し屋が射殺した、と連絡が入った。

 ジェフ・マッケンジーが殺し屋に依頼する前に殺したことは彼らにとってはいいことだった。

 そこにフィッシャーという男が遅刻してきた。遅刻の理由が、彼の息子ジムが非行少年グループにあこがれ、ピストルを持って家出したことだった。

 

Part5 窓の下では・・・

 ディーディーが服を脱ぐのをじっと見守るのゴルゴ13。窓の下には、車が一台あり、男二人が見張っている。その建物の角には拳銃を握ったジムがいる。

 窓の下の車に一台の車が横付けした。あごひげの男が、黒人女とアパートに入っていった男がゴルゴ13に間違いないか、と確認する。中の二人はゴルゴ13がマッケンジーを殺して大金を奪ったと考えていて、キッシンジャー暗殺の前にゴルゴ13との決着をつけるべきだと考えていた。あごひげの男は「うむー・・・」と考える。

 ジムはゴルゴ13とディーディーがいる窓の明かりを見上げて、懐に拳銃をしまって通りを横切る。

 

Part6 命を賭けて・・・

 ゴルゴ13はディーディーを抱いている最中にドアのノックに気づいた。

 ドアをノックしたのはジムだった。ジムは拳銃を向けたが、ゴルゴ13は、ジムが安全装置を外していないことに気づいていた。その上で、「撃ってみろ」と言う。一発で殺さないと、次は自分のからだがハチの巣になる、と話す。

 膝が震えてしゃがみこむジム。そして、皆に馬鹿にされて笑われると、自己嫌悪に襲われて泣く。

 ゴルゴ13は、ディーディーのもとを立ち去る。そのとき「おれのことなら忘れろ・・・おまえさんが雇った相手になんと報告するつもりかは知らないがな・・・」と言って去った。ゴルゴ13は、ウイリーの店が客待ちするには静かすぎるのでディーディーが誰かに雇われていることに気づいていたのだ。

 

Part7 テロリストたちの蠢動 その①

 ゴルゴ13が出てきたのを見た車の男達は、ゴルゴ13を尾行する。あごひげの男は冷静で、ゴルゴ13がジェフ・マッケンジーを殺して金を奪ったかどうかを確かめようとする。他の二人は、今のうちにゴルゴ13を殺すべきだと言う。

 ゴルゴ13の前方の建物の陰にジムがいた。ゴルゴ13はそれを見て驚いて飛び下がった。ジムは自分を連れて行って、子分にしてくれ、と頼むがゴルゴ13は冷たく「帰れ!!・・・」とだけ言う。

 車の男と達はジムを使うことにする。あごひげの男は車を降りてジムに声をかける。残った二人は車でゴルゴ13の尾行を続ける。

 

Part8 テロリストたちの蠢動 その②

 あごひげの男は、ジムにゴルゴ13がゴルゴ13が依頼人を裏切り射殺して金を盗んだと話す。ジムはゴルゴ13がそんなひきょうな人ではない、と反対する。それを確かめるために協力してほしい、とあごひげの男が言う。そこに車で尾行していた二人がやってきて、ゴルゴ13が泊まったホテルを確認した、と報告した。

 男達は、ジムを別室で眠らせた後、キッシンジャー暗殺について、作戦を練る。それを聞いたジムはどうしようか、と迷っていた。そこをあごひげの男に見つかった。

 

Part9 マッケンジーが選んだ人物

 ディーディーを抱くグラハムは、何枚ものプロの殺し屋の写真を見せていた。ゴルゴ13の写真を見たときグラハムはディーディーを抱くのをやめて、部下達を呼んだ。

 ジェフ・マッケンジーが雇おうとしたのがゴルゴ13だとわかったからだ。

 グラハムやヘンリーと呼ばれるグラハムの部下達が、自分達がジェフ・マッケンジーを殺したことでキッシンジャーを守ったことがわかった。この後どうするか検討しているとき、シャークが現れた。シャークはグラハムに自分を雇うか質問する。

 

Part10 少年はひとりで・・・

 ジムは男達と共にゴルゴ13のホテルの部屋に向かう。

 ジムはゴルゴ13の部屋をノックし、中に入れてもらった。

 ジムはゴルゴ13に拳銃の前で顔色一つ変えなかったのに街で会った時は飛び上がったのか、ときいた。

 ゴルゴ13は「おれが、うさぎ(ラビット)のように臆病だからだ・・・だが・・・臆病のせいでこうして生きている・・・」と答えた。「強すぎるのは、弱すぎるのと同様に自分の命をちぢめるものだ・・・」と続ける。(原文では下線部に傍点)

 

Part11 ”J・M”のイニシアル

 ジムはまた自分を連れて行ってくれ、と頼む。ゴルゴ13は無言でヒゲをそる。

 ジムはゴルゴ13のアタッシェケースを調べ、そこにJ・Mのイニシアルがないことを確認した。ゴルゴ13がジェフ・マッケンジーを殺して大金を奪っていたら、そのアタッシェケースにJ・Mのイニシアルがあるはずだからだ。

 ほっとするジム。

 

Part12 準備完了

 高速道路に大きなトラックがやって来た。トラックの積み荷は事故車で、男達はそれらを降ろした。そして警官に変装する。キッシンジャー暗殺のための準備だった。ゴルゴ13始末のことは考えるな、とあごひげの男が言う。

 作戦を確認するあごひげの男。

 キッシンジャー一行がやって来たら、あごひげの男とガスが止めて事故車を避けて通るよう誘導する。その時、事故車の中からクラークがキッシンジャーを狙撃する。狙撃と同時にフリントが逃げ出す。あごひげの男とガスはフリントの車を指さして「あの車だ」と叫びパトカーであとを追う。シークレットサービスもつづく。クラークはその間に逃走する。

 

Part13 勇敢なるジム

 ゴルゴ13はジムが誰かに頼まれてやって来たことに気づいており、ドアの陰にいた男に「子供を使って、どうしようというのだ・・・?」ときいた。男はジェフ・マッケンジーの金を奪った金を出せ、と言う。ゴルゴ13は「なんのことだ・・・?」と答える。

 ジムが男に安全装置を外して拳銃を突きつける。男はジムに反撃する。ゴルゴ13は隙をみて男に蹴りかかり、合計蹴り二発、八発の拳で殴り倒し全治二ヶ月の重傷を負わせた。男の銃弾を受けたジムは、キッシンジャー長官を助けて、と依頼、若干の金と宝物の金メダルを渡し息を引き取った。

 

Part14 作戦開始!

 キッシンジャー長官が乗った車が道路を進む。シャークもグラハムも車の中にいる。グラハムはシャークにゴルゴ13始末の仕事は依頼しなかった。フィッシャーの息子ジムはまだ見つかっていなかった。

 

Part15 男の証言

 ゴルゴ13は警察に届けた。少年が駆け込んできて、撃ち合いになり、隙を見てゴルゴ13が男を殴り倒した、と証言した。

 

Part16 狙撃!!

 キッシンジャーの車がテロリスト達の事故現場に近づく。

 計画通り、キッシンジャーの車が誘導される。クラークがキッシンジャーに銃口を向ける。とその時、一発の銃弾がクラークが潜む事故車に命中した!シークレットサービスや白バイがクラークの存在に気づいた。シークレットサービスや警護する警官達とテロリスト達の銃撃戦になり、キッシンジャーを守り切った。シャークが双眼鏡でゴルゴ13を発見した。最初の一発はゴルゴ13の銃弾だったのだ。

 キッシンジャーを殺すためにやって来たゴルゴ13が長官を救うことになったのだ。

 グラハムは誰がゴルゴ13を雇ったのか、と疑問を呈した。よほどの大物が動いたと推理した。

 

Part17 別れ行くスーパースター

 キッシンジャー長官がワシントンからカイロに向かった。

 別な便でゴルゴ13はホノルルに向かう・・・。

 

[感想]

 うさぎのように臆病だから生き延びることができた、というゴルゴ13。ここでの臆病は用心深い、という意味だろう。それにしては、ディーディーと一緒の時にジムが入ってきた時はちゃんと拳銃を身に帯びていたが、ゴルゴ13の部屋にジムが来た時は、拳銃を近くに置いていなかったため、襲ってきた男を素手で殴り倒すことになった。後で証言した時のことを考えていたのかもしれないが、少し無防備ではないだろうか

 ゴルゴ13は、今際の際(いまわのきわ)の依頼だと、少額でも依頼を受けるが、今回のジムからの依頼もその事例だ。

 臆病者と言われることを嫌い強い者に憧れ、命を失ったジムの運命は哀しいものがある。

 

第102話 死者の唄(シギリジャ)(1975/12作品)

脚本協力:外浦吾郎

ページ数:59ページ
依頼者:スペイン情報局のガルシア局長とその部下マリア

ターゲット:スペイン共産主義者達の一味で毒針を使う姿の見えない殺し屋

依頼金額:不明

殺害場所:スペイン

殺害人数:2人

殺害相手:

  見えない殺し屋のおとりだったステッキに吹き矢を仕込んだ男

  見えない殺し屋でスペイン情報局マリアの父親のギター弾きのエミリオ

H:1人(スペイン情報局のマリア)

 

スペインの街角のレストランで、老人がギターを奏でて歌っている。そこで男が殺された。

 

Part1 序 イントロ 奏

 マドリッド-スペイン-

 ゴルゴ13が夜の街角を歩いている。後から女が追いかけてきた。女は「セニョール東郷」と声をかけた。

 レストランからギター弾きの老人が追い出された。老人は唄った金をもらえなかったのだ。老人は女に「マリア」と声をかけた。老人は、今店内で殺人があり唄った金をもらいそこねた、と言って、マリアに金をせびる。マリアは「ま、また・・・」と言い、老人を残して車に乗って東郷とともの老人のもとを去った。

 

Part2 模 ティエント 索

 マリアは、ゴルゴ13を、情報局のガルシア局長のもとに連れて行った。スペインは、フランコ総統の遺志通り、次の王位はブルボン家のファン・カルロス一世が継承した。しかし共産主義者達が胎動しはじめていた。

さっきの老人が唄っていた店で殺されたのが5人目の犠牲者だった。

 暗殺者の凶器は毒針で、衆人環視の中にいたのに姿を見た者はいなかった。

 ゴルゴ13への依頼はその姿を見せない暗殺者の始末だった。

 

Part3 静 シレンシオ 寂

 ゴルゴ13はマリアと寝た。

 街角で会ったギター弾きはマリアの父だった。マリアの父はフラメンコのギター弾きで、マリアはジプシーとの混血で、父のことは大嫌いだったが、父のフラメンコは大好きだった。

 

Part4 踏 サパラァーダ 音

 スペイン南部-グラナダ-

 フランコ総統、カルロス国王のためのパーティーが開かれていた。マリアやゴルゴ13も出席していた。情報局が暗殺者をおびき寄せるために開催したパーティーだ。

 マリアの所に父親がやってきて、入れてくれ、とせがむ。

 マリアは小遣いをやって追い返した。

 ゴルゴ13は怪しい男を見つけ、倒したが、「ただのコソ泥のようだ・・・敵は”罠”にはかからなかったようだな・・・」と言った。

 

Part5 加 アクセル 速

 ゴルゴ13は、もう一度パーティーを開け、とガルシア局長とマリアに言う。敵はゴルゴ13の存在に気づきゴルゴ13に挑戦してくるはずだからだ。

 パーティーが開催された。

 マリアの父エミリオが小遣いをせびりに来た。ガルシア局長がエミリオを特別に入れてやった。

 

Part6 激 ブレリア 情

 エミリオがギターを弾き唄を歌い始めた。

 ゴルゴ13が気づき、標的となったガルシアを押し倒し、拳銃を撃った。屋根の上にいた吹き矢を持った男が、眉間を撃ち抜かれ、庭に落ちてきた。

 ガルシア局長とマリアは、これで事件がすべて終わった、と安心したが、ゴルゴ13は、まだ終わっていないという。吹き矢は今までの凶器と違っていた。

 吹き矢の暗殺者はおとりで標的はガルシア局長だったのだ。

 ゴルゴ13は凶器の毒針の根元をじっと見ていた。

 

Part7 孤 ソレア 独

 エミリオが夕日を見ながら荒野で唄っている。

 そこにゴルゴ13がやってきた。

 エミリオは「マリアもいやな相手を雇ったものだ・・・」と言う。エミリオは、反政府運動の片棒を担ぐ理由はこの美しいスペインをファシスト達に壊されたくないからだった。

 ゴルゴ13の背後にマリアが現れた。

 エミリオがギターの弦に毒針を仕込んで放った。ゴルゴ13が拳銃の引き金を引いた。エミリオの毒針はゴルゴ13のスーツの左襟に突き刺さった。

 エミリオが「ど、どうして・・・ギターのことが・・・?」ときく。

 ゴルゴ13は「あの瞬間・・・ギターの音が不自然になった・・・」と答えた。

 エミリオは「い、いい耳だ!いい・・・ギター弾きになれるのに・・・」と言う。

 ゴルゴ13は「・・・・・・・」だ。

 マリアがエミリオにギターを持たせる。礼を言ってエミリオが死んだ。

 「ど、どうしてわたしにこんなシーンを・・・・わざわざ見せるため!?・・・」と泣くマリア。

 ゴルゴ13は「・・・・」

 最後のシーンは、エミリオの歌声とスペインの美しい夕景・・・

 

[感想]

 ジプシーはファシズム政権下では虐げられた人達だ。

 そんな哀しい存在であるエミリオは、ギターを弾きながら、弦を使って毒針で暗殺をする殺し屋だった。

 娘のマリアはそんな父の存在が嫌で、政府系の情報局に入り、反政府運動と戦っていた。父親には反発しながらも彼のギターと唄は大好きだった。

 ゴルゴ13は任務とはいえ、その一部始終を娘のマリアの目前でエミリオを殺した。哀しい女シリーズの一つと言ってもいい、切なく哀しい物語だ。

 

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