

第358話 偽りの星条旗(1996/10作品)
脚本協力:国分康一
ページ数:86ページ
依頼者:現職大統領マッケンジーの補佐官タッカー
ターゲット:米軍兵ホロニックを狙う人間
依頼金額:不明
殺害場所:ボスニア
殺害人数:17人
殺害対象:セルビア人ゲリラと陸軍第75歩兵連隊第2大隊所属のフィリー
H:0人
ボスニア連峰北東部の森林地帯を1機のヘリコプターが飛んでいる。ボスニア・ヘルツェゴビナ和平協定が結ばれた後だが、セルビア人ゲリラがうようよいるという噂の地域だ。乗っているのはキースとホロニックという二人のアメリカ軍兵士だ。ボスニア・ヘルツェゴビナ和平協が守られているか監視しているのだ。
Part1 大統領選を控えて
USA、ワシントン・ホワイトハウスで、民主党の現職大統領マッケンジーは、共和党の大統領候補オニールに大差をつけて圧倒的優位にあった。湾岸戦争の英雄メイソンがオニール支持を表明したのだけが懸念材料だった。
ボスニアで、キースとホロニックが乗っていたヘリコプターが撃墜され二人が捕虜となった。
Part2 緊急事態発生
テキサス州ヒューストンでマッケンジー大統領が演説をしていた時、キースとホロニックが捕虜になった可能性がある、という報告がタッカーからマッケンジー大統領に伝えられた。
Part3 解放された"1名"
ボスニア北東部、首都ツヅラ近郊で、キースだけが解放された。
マッケンジー大統領とタッカーは焦るが、オニール候補とメイソンは喜ぶ。
Part4 オニールの巻き返し
ボスニア・セルビア人勢力下の寒村で、セルビア人リーダーのラシッチがホロニックを殴るが、交渉材料だから殺しはしない、と言った。
オニールは、マッケンジー大統領を糾弾する。
タッカーは、テレビでその様子を見ながら焦る。
Part5 残された道
マッケンジー大統領はホロニック救出だけが残された道だと考え、タッカーに命じる。
オニールとメイソンは、マッケンジー大統領がホロニック救出作戦を開始したことを知り、それを阻止しようとする。
ドイツ・ミュンヘン・ラムシュタイン米軍基地に、5人の精鋭が集まった。
ノースカロライナ州フォート・ブラグ陸軍第五特殊部隊所属のピート
陸軍第75歩兵連隊第2大隊所属のフィリー
ケンタッキー州フォート・キャンベルの第101空挺師団のジム
指揮をとる海軍特殊部隊SEAL所属のブルース・クーパー
沖縄嘉手納空軍基地所属のトウゴウ(ゴルゴ13)
Part6 セルビア人は叫ぶ
クロアチア人が第二次世界大戦中にセルビア人70万人を虐殺したこと、ユーゴスラビア連邦人民共和国を作ったチトーもセルビア人居住区を分断するように線引きしセルビア人を抑圧した、とセルビア人リーダー・ラシッチがホロニックに話した。
Part7 選ばれた5人
ブルース・クーパーは、今回の作戦には統合配分情報支援システム(JDISS)を使って、陸・海・空軍が直接支援する態勢をとっていた。ゴルゴ13はCIAの情報はどうか、と質問した。ブルース・クーパーがCIAの情報も入手済で300万個の地雷の場所やホロニック監禁場所を特定している、と答えた。
マッケンジー大統領は、メイソンが救出作戦を妨害することを懸念していた。
Part8 救出作戦
5人を乗せた輸送機一機が夜間飛行をしていた。
Part9 降下地点
5人は落下傘で降下した。
Part10 闇を裂くナイフ
ピートを除く4人が集まった。ピートは何者かにナイフで切り裂かれて死んだ。
イリノイ州シカゴではオニールを支援する集会が大変な盛り上がりを見せていた。
Part11 作戦開始
約束の時間を30分過ぎたがピートは現れなかった。夜明けが近いので、4人はホロニック監禁場所に向かった。
4人が突入し、ゴルゴ13は16人を精確な射撃で次々と斃していく。
ブルース・クーパーが何者かに射殺された。
ジムとフィリーがホロニックを発見した。
ピートに続いてブルース・クーパーが姿を現さない。またトウゴウも。2人はトウゴウを疑う。2人がホロニックを救出した。
Part12 夜明けの荒野
ジープで逃走するジムとフィリーは、トウゴウが、ブルース・クーパーとピートを殺したのではないか、と疑う。JDISSで連絡をとろうとしたジムだったが、JDISSが使えなくなっていた。フィリーがジムを撃った。ジムの右肩を銃弾がかすめた。裏切り者はフィリーだった。
遠方からフィリーをゴルゴ13が狙撃して殺した。
ホロニックが運転してジムと2人で逃走する。
Part13 大統領選への明暗
ニューヨークで、ホロニック救出作戦阻止に失敗した、と報告を受けたメイソンはオニールに次期大統領をあきらめろ、と言った。心の中で次は自分の番だ、と思う。
英雄として帰国したホロニックは、「い、いやだ・・・ア、アメリカなんてっ・・・」と心の中でつぶやく。
【感想】
「世界の保安官」アメリカを信じ切っていたホロニックだったが、セルビア人ゲリラのリーダーのラシッチの言葉を聞いて、アメリカの正義が偽りであること、大統領選挙に自分が利用されていることを知る。ラストシーンの彼の表情と「い、いやだ・・・ア、アメリカなんてっ・・・」という心の中のつぶやきが印象に残る。
5人の特殊作戦参加者の中に裏切り者がいて、それが誰か推理しながら読んでいくのもこの作品の魅力の一つだ。
この頃のアメリカ大統領は民主党のビル・クリントンで、メイソンのモデルは、湾岸戦争の英雄だからコリン・パウエルだろう。名前も顔もあまり似ていないのは、救出作戦を阻止しようとする陰謀を描いているからだろうか。
増刊第46話 乳白の闇(1996/02作品)
脚本協力:ながいみちのり
ページ数:40ページ
依頼者:ムンツ
ターゲット:Dr.タップスを雇った男の兄
依頼金額:不明
殺害場所:カナダ・カルガリー
殺害人数:2人
殺害相手:Dr.タップスを雇った男の兄とDr.タップス
H:0人
カナダ・カルガリー近郊を走る1台の車・・・。突然運転手が目を両手で覆い、車は路外に飛び出し炎上した。
カナダ・カルガリーで、ムンツが無事事故で死んだ、とDr.タップスに男が礼を言う。ムンツはゴルゴ13に依頼して男の兄を殺したのだ。その復讐をDr.タップスに依頼したのだ。男はDr.タップスにゴルゴ13を殺す依頼をした。ゴルゴ13の写真を入手するのに情報屋のマックスにベンツ2台分の金を払った、と男は言った。
カルガリー動物園でゴルゴ13は、情報屋の赤外線(レッドアイ)マックスから情報を受け取った。
山岳リゾート地・カルガリーの近く、バンフにいるゴルゴ13は、ホテルの窓から外を眺める。情報屋のマックスがゴルゴ13にDr.タップスに狙われている、という情報を届けようと、車を急がせていた。
Dr.タップスは車の中からゴルゴ13がホテルから出てくるのを待っていた。
ゴルゴ13がホテルから出てきた。
そこへマックスがやってきて、ゴルゴ13に命が狙われている、と言おうとしたとき、目を両手で覆って倒れた。ゴルゴ13はバスに乗った。Dr.タップスはバスを尾行する。
Dr.タップスが使っていたのはレーザーガンだった。撃たれた人間は目以外だと何も気づかないが、直視すると網膜がやられて失明するのだ。
ゴルゴ13はバスを降りた。Dr.タップスはゴルゴ13を追跡する。ゴルゴ13はDr.タップスの方に振り返るが、直視せずによけた。
Dr.タップスの左目はつぶれていた。
吊り橋を渡るゴルゴ13。その背後に、Dr.タップスが来ると、ゴルゴ13は吊り橋を揺らして橋の下に飛び降りた。
川霧が出てきた。霧があるとレーザーは乱反射してまっすぐ進まなくなる。
その時ゴルゴ13が現れて、Dr.タップスを射殺した。
【感想】
本作品のラストで、オーストリアでこの種の兵器の使用を禁じる条約が締結されたが銃の開発・研究に関しては規制がない、と書いてある。
兵器は皆、非人道的だと思うが、この種の兵器はとても非人道的だと思う。
この作品が発表されてから約30年経過するが、人の目を狙うレーザー兵器はどうなっているのだろうか?
第357話 世紀末ハリウッド(1996/09作品)
脚本協力:テーラー平良
ページ数:129ページ
依頼者:俳優リーのマネージャーのロイ
ターゲット:リーを狙う人間とその黒幕
依頼金額:不明
殺害場所:
1)アメリカ・ニューヨーク ロケ現場
2)アメリカ・ニューヨーク ロケ現場からの帰り道
3)アメリカ・ブロンクスにあるチャイニーズフォート(中国砦)と呼ばれるビル
殺害人数:
1)2人
2)13人
3)36人
狙撃対象:
1)リーにナイフで襲いかかった男とロケ現場近くでリーをライフルで狙った男
2)ロケ現場からの帰り道でトラックでリーを襲った者達
3)DIAが送った兵士達とDIAのアラン
H:0人
ニューヨークのブロンクスでストリートバスケットをする3人の黒人。
その前に2人の用心棒とクー、そして俳優のリーが車から降りた。3人の黒人が銃を取りだし、クーを射殺した。リーは急いで車の中に入り、逃走した。
Part1 香港人の決心
香港の返還が迫っているため、香港人はアメリカに何としても移住しなければならない。自由を愛する俳優のリーを中華人民共和国政府がプロパガンダに使うのを阻止するためだ。
アメリカで富を占有する数%の人間達は政府と結託しており、ハリウッド映画を世界的にしたのは自分達で、利益を得るのも自分達だと考えていた。中国人はハリウッドのためではなく華僑のために働くと彼らは考えていて、リーが成功することを阻止しようとして殺し屋をさし向けたのだ。
ゴルゴ13はその話を聞いていたが、ボディーガードは自分の仕事ではない、と言った。ロイはリーを襲う人間の排除とそれを命令している人物の抹殺を依頼した。ゴルゴ13はロイだけ残して、たった一つの条件を話して、依頼を受けた。
Part2 地下駐車場
ゴルゴ13の指示で車を防弾仕様にしたロイ。地下駐車場で、リーを狙う殺し屋がいたが、スキがなくて手出しできなかった。
Part3 ロケ現場の攻防
ロケ地で撮影が始まった。リーを集団で襲うシーンの撮影で、一人の男が本物のナイフを持っていたが、ゴルゴ13が狙撃した。ロケ現場近くでライフルでリーを狙った男もゴルゴ13に射殺された。
Part4 ソフトクライシス
ペンタゴン(アメリカ国防相)DIA(国防情報局)で、アランが、主要な映画会社のトップが集めていた。オルカはアメリカ最大のネットワークABGを買収し、ワーグはダイム社と手を握り、バハマウントはビデオレンタルとケーブルの最大手バイコムと手を結んだ。
アランは、ソフトクライシスの話をした。1960年代のアメリカの映画やキャラクターのリメイクは大ヒットしているが、1970年代以降、アメリカは世界的なキャラクターを生み出していない。1980年代になると日本製アニメが大ヒットしている。
アランは、日本の漫画の映画化権を手に入れ、その他の国々でミリオンセラーになった小説やテレビ作品を買い付け、アメリカの価値観に焼き直し世界に売り出す作戦をとるよう、指示した。
Part5 DIAの陰謀
アランは、ゴルゴ13がリー側についたこを知り、攻撃の人数を倍にする。撮影所からの帰り道、工事現場で襲われたリーの乗る車だったが、ゴルゴ13が反撃し13人を殺した。
ゴルゴ13は、ホテルからブロンクスにある華僑組織の秘密のビルに拠点を移すことにした。
Part6 籠城作戦
ブロンクスにある華僑組織の秘密のビルでゴルゴ13は、リーとロイ以外は引き払わせる。敵は今夜来る、とゴルゴ13は断言した。
Part7 チャイニーズ"砦(フォート)"
ゴルゴ13はエレベーターの速度を上げ、ロイにカメラの設置場所を指示した。
DIAの部隊は、0300時にチャイニーズフォート(中国砦)と呼ばれるビルに突入する作戦だった。
Part8 戦闘開始!!
ビルが停電した。ゴルゴ13は、無線で敵の動きを伝えるようロイに指示して、部屋を出て行った。
DIAの部隊が突入しようとすると、3人がゴルゴ13にいきなり殺された。屋上の狙撃犯4人もゴルゴ13が始末した。
ドラゴンで壁を破壊したDIAの部隊がビル内に侵入する。
無線で状況を聞いたゴルゴ13がエレベーターの天井から現れ4人を殺した。
今度は屋上に5人が降り立ち、ロープで壁を降りて来た。ゴルゴ13が全員射殺した。
最上階からビル内に9人が降りて来た。
ロイとリーがこもる部屋に戻ってきたゴルゴ13はPTRSを取り出し、またビル内に走って行った。
ゴルゴ13は床下からPTRSをぶっ放し、8人を殺した。最後の1人は手榴弾を使って自爆した。ゴルゴ13を道連れにするつもりだった。ゴルゴ13のいる階の天井が崩れてきた。
DIAの男達11人が、ロイとリーの部屋に入ってきた。リーダーが、リーを拳銃で撃ったが、ロイが身代わりになった。ゴルゴ13が現れあっという間に6人を殺した。
残った5人が反撃する。
ゴルゴ13が持っている弾丸はグレネード1発だけだった。ゴルゴ13は消火用のハロンガスを撃って充満させる。ロイとリーには、何かしっかりした物にしがみつくよう命じた。
ゴルゴ13がグレネードで窓を破壊すると、窓の外に向けて凄い風が吹き、DIAの男達5人が吹き飛んだ。
高圧ハロンガスが充満して窓内が高気圧、窓の外が低気圧になったのだ。
ロイは、ゴルゴ13に自分自身の命を差し出すことを条件に、この仕事を依頼していた。ゴルゴ13とロイがともに働くことでゴルゴ13の職業上の秘密をロイが知ってしまうからだった。
ロイは死んだ。
ゴルゴ13はDIAが黒幕である、とわかり、アランを射殺した。
Part9 ビバ・ハリウッド!
ペンタゴンでは、アランがばかな事をしでかしてくれた、と話していた。アランは、ハリウッドを世界的産業にした自負があった。それは勘違いだ、とペンタゴンの男が言った。誰にでもやってこれる機会(チャンス)を与えることこそアメリカの強みで、どんなリスクへも挑戦して、新大陸を求める精神を持つ者は受け入れる、とペンタゴンの男が言った。
【感想】
リーのモデルはジャッキー・チェンだろう。無残な死に方をしたブルース・チェンのモデルは、ブルース・リーだろう。アメリカ映画が、世界を魅了し、アメリカ人のライフスタイルを世界中に広めたのは事実だろう。そのハリウッドが、黄色人種に閉鎖的なのもある程度は事実だと思う。
自分の命と引き換えにリーを守ろうとする老マネージャーのロイが魅力的な人物だけにこの作品で死んでしまったのは惜しい。
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