第354話 白龍昇り立つ(1996/05作品)
脚本協力:横溝邦彦
ページ数:121ページ
依頼者:ダライ・ラマ14世
ターゲット:転生祭で立てられる柱を支えている紐
依頼金額:不明
殺害場所:チベット
殺害人数:4人
殺害対象:中国山岳歩兵部隊の兵士(鋳と梁と名前のない兵士)と隊長の燐
H:0人
チベットでダライ・ラマに選ばれたラモンという少年僧が、中華人民共和国人民軍に捕らえられ脳に電流を送る拷問をして廃人にされそうになっていた。
Part1 輪廻転生霊童
チベットで転生祭が行われていた。
中華人民共和国政府が仕立て上げたノブチェという少年が輪廻転生霊童だった。
チベットには二人の生き神がおり、一人は観音菩薩の生まれ変わりのダライ・ラマ。もう一人は阿弥陀仏の生まれ変わりバンチェン・ラマだ。
1989年にバンチェン・ラマが死亡しその生まれ変わりの人物探しが行われ、一人は中国政府が作り上げたノブチェ。もう一人はダライ・ラマが見いだしたラモンだった。
黄代表は中国政府から派遣されてきており、チベット人の今日参加を進めようとしていた。
輪廻転生祭のクライマックスを迎えようとしていたとき、柱を支えていた紐が切れて、柱が倒れた。
そのすきにラモンが奪われた。
Part2 吹雪をついて
ヒマラヤ山系に巻き上がる巨大な雪煙を白龍と呼ぶ。
その白龍が昇り立つ山中をチベット兵士達がラモンを連れて移動していた。
Part3 雪山の"悪霊"
中国山岳歩兵部隊隊長燐がラモンを連れたチームの前に現れ、ラモン以外を殺害した。
ラモンは雪煙の中逃走した。
雪崩が起こり、中国山岳歩兵部隊の2人が巻きこまれた。
Part4 合流者あり
ラモンを追う中国山岳歩兵部隊は、ラモンと大人1人が合流したことを足跡から知った。
燐に、祭りの柱を狙撃した男が逃走中だと、全人代の韋から無線が入った。
燐に、ラモンと狙撃者を逃すな、と命令が下った。
Part5 追われる二人
ゴルゴ13とラモンは雪の山中を歩いて行く。
燐達中国山岳歩兵部隊も後を追う。
Part6 氷点下五十度の夜
狙撃者があるバインスタイルを身につけていれば7日間生存可能で、未経験者でも超人的な体力の持ち主なら3日間は生存可能だ、と燐は言った。
多数のサポーターで上る極地法は登山家の恥だ、と罵倒した。
Part7 雪崩の巣の中で
ゴルゴ13とラモンが寝た跡を発見した燐は、30分前に出発したと推測した。
雪崩の巣をゴルゴ13とラモンは雪の表層を痛めない方法で登っていく。
燐は銃で雪崩を起こした後、追跡を続ける。
Part8 標高7000メートル
標高7000メートルの尾根で足跡の乱れを見た燐の眼前にゴルゴ13とラモンがいた。
鋳と梁という2人の兵士が走り始めたところを、ゴルゴ13が足元を銃撃し二人は転落した。
さらに2人の兵士が走り始めたが、高山病になってしまった。
燐が二人を苦しませないために射殺した。
ゴルゴ13とラモンは危険な死の壁をノーザイルで渡っていく。
燐たちも後に続く。
Part9 絶壁の追跡
だが2人の兵士が突風にあおられ転落した。
燐は上から回り込む。
ゴルゴ13が兵士1人を撃って殺した。
燐がゴルゴ13に射撃しゴルゴ13の左腕を一発の銃弾がかすめた。
Part10 限界を超えて
燐に相手がゴルゴ13だと無線で連絡が入った。
燐は残った部下に下山を命じた。
ゴルゴ13は8000メートルに向かって一人で登っていた。
燐は双眼鏡でその様子を発見した。
Part11 死の世界の二人
寒さのせいでゴルゴ13の左腕の出血は止まったが凍傷が進んでいた。
ゴルゴ13は仕事の前に専門家から聞いた話を回想する。
幻覚が出てきたらもう死の淵で、3日以内で逃げ切ること、酸欠と極寒で判断力が低下し足し算すらできなくなる、と言われたことを思い出す。
ゴルゴ13はニンニクを食べて体力を保とうとする。
Part12 最後の攻防
ゴルゴ13は世界一高いゴミ捨て場のサウスコルに向かっていた。
燐が追跡する。
ゴルゴ13はサウスコルで酸素ボンベから酸素を吸う。
ゴルゴ13が登る姿を見つけた燐が銃撃する。
ゴルゴ13が紐を引くと銃の引き金が引かれ酸素ボンベが爆発し雪崩が起こり、燐を飲み込んだ。
Part13 チョモランマは快晴
ゴルゴ13はクレバスの中でビバークするよう、ラモンに命じた。
ゴルゴ13が帰らなければ、一人で南のネパール側へ下るよう、指示した。
ラモンの前にゴルゴ13が帰ってきた。
【感想】
チベットを軍事侵攻し占領して中国化している中華人民共和国の所業を背景にした作品だ。
中国のような国家に占領される、とどういう状況になるかを具体的に描いた作品だ。
燐率いる中国山岳歩兵部隊によるゴルゴ13とラモン追跡劇は、スリルと迫力満点で、それだけでも手に汗握るストーリーで楽しめる好作品だ。
第360話 間違われた男(1996/12作品)
脚本協力:ながいみちのり
ページ数:45ページ
依頼者:マイアミのボスであるブラッツ
ターゲット:ブラッツのシマを荒らそうとしたアイスマン
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ・イリノイ州・シカゴ
殺害人数:1人
殺害相手:ブラッツのシマを荒らそうとしたアイスマン
H:0人
東洋人の男の前に、クーンツとジーノという男がやって来て、車にその東洋人を乗せた。
そのそばにゴルゴ13がいた。
クーンツは、東洋人にデューク・トウゴウと呼びかける。
その東洋人はトニー・トウゴウという名前だったが、仕事をくれるなら名前はどうでもいい、と思った。
アメリカ、イリノイ州・シカゴのホテルに、クーンツはトニー・トウゴウを案内した。
トニー・トウゴウの元に娼婦が送り込まれた。
クーンツがホテルの部屋に入った。ベッドには娼婦が寝ていた。
トニー・トウゴウはシャワーを浴びていた。クーンツがシャワー・ルームに入ったがトニー・トウゴウはいなかった。
ひげそりを片手に立っていた。
クーンツは、、シャワー・ルームでも油断していないデューク・トウゴウ=ゴルゴ13が凄い、と肝を冷やしていた。
ホテルのロビーにはホンモノのゴルゴ13がいた。
車の中でクーンツはトニー・トウゴウにターゲットであるアイスマンの写真を見せる。
取引先の相手の目の前でアイスマンを殺すように依頼した。
トニー・トウゴウは自分が間違われたことに気づいた。
トイレに逃げ込むが、クーンツが追ってくる。
クーンツは"プロの心得"をトニー・トウゴウに質問する。
トニー・トウゴウは"one hundred per cent guarantee"="完璧な保証"と答えた。
アイスマン達が集結してきた。トニー・トウゴウは本当は電動工具の腕利きセールスマンだった。
トニー・トウゴウが拳銃を撃つ。
アイスマンの手下達が車の陰に伏せて反撃する。
伏せた車の下からアイスマンが狙撃され死んだ。
クーンツはトニー・トウゴウを車に乗せて逃走した。
クーンツは最後までトニー・トウゴウがゴルゴ13だと勘違いしたままだった。
【感想】
トニー・トウゴウをデューク・トウゴウと勘違いするクーンツは最後まで勘違いしたままだった。
トニー・トウゴウにとっては恐怖だったろうが、ギャグ漫画のようなおかしさのある、好作品だ。
クーンツにもトニー・トウゴウにも再登場してもらいたいものだ。
第356話 臆病者に死を(1996/08作品)
脚本協力:国分康一
ページ数:84ページ
依頼者:ニューヨーク市警の爆弾処理専門家であるキース部長
ターゲット:コスモタワーの1階から100階へ直通するエレベータの底に取り付けられた爆弾のバッテリー
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ・ニューヨーク・コスモタワー
殺害人数:0人
狙撃対象:コスモタワーの1階から100階へ直通するエレベータの底に取り付けられた爆弾のバッテリー
H:0人
USAのニューヨークで無人の車が爆発し車10台が大破し死者15人に達した。
Part1 爆発物処理隊
ニューヨーク市警本部で、マッケイ教官が爆発物処理班に指導していた。
Part2 爆弾魔からの注文
警視総監のスチュアートに対して、爆破事件の犯人から電話がかかってきた。
ハドソン河に船体に二本の赤い線が入った船が航行しており、爆弾魔のカウントダウンと同時にその船が爆発した。
爆弾魔は、これはゲームで、ある場所に設置した爆弾を爆弾処理班のスティーブ・マッケイにやらせろ、と命じた。
そして爆弾設置場所は30時間後に連絡する、と言って切った。
Part3 指名された"男"
キース部長とエドモンドにヘンリックらは、どう対応するか話していた。
スティーブ・マッケイは5年前に自ら現場を離れた腰抜けだ。
キース部長はスティーブ・マッケイに爆弾処理をさせることに反対するが、スチュアート警視総監は、爆弾魔の要求だからやらせる、と答えた。
また爆弾魔が狙撃手を用意しておけ、と言っていたことを、スチュアート警視総監は、キース部長に伝えた。
キース部長はスティーブ・マッケイを信じることにした。
スティーブ・マッケイは自信はないが、やらざるを得ない、と答えた。
ゴルゴ13が空港に降り立った。
Part4 犯人からのメッセージ
犯人は電話ではなく電子メールで連絡してきた。
コスモタワーの完成記念パーティーを狙ってきた。
そのビルに3つの爆弾を仕掛けたのでそのすべてを解除してみろ、と言う。
客を避難誘導した時点で全てのスイッチをオンにすると警告していた。
パーティー終了まであと3時間だった。
Part5 三時間弱の間に
キース部長とスティーブ・マッケイがゴルゴ13に会った。
オフィスエリアの10階1006号室に爆弾を仕掛けた、と連絡が入ってきた。
Part6 第一の挑戦
犯人はC-4爆弾30グラムをコピー機の中に仕掛けていた。
それだと高層ビル全体を破壊するほどの量ではない。
スティーブ・マッケイは手際よく液体窒素の泡で封入し爆弾全体を瞬間的に凍結した。
Part7 第二の挑戦
二個目は80階住居エリアの8018号室だった。
スティーブ・マッケイとゴルゴ13は、テレビにぎっしり爆弾が詰め込まれているのを発見した。
今回は液体窒素も使えない。「・・・解除できない爆弾は存在しない・・・あんたの信念だったな・・・?」とゴルゴ13が言う。
ごく少量のセムテック爆弾を使って・・・起爆装置を吹っ飛ばしてしまう方法がある、とスティーブ・マッケイは言った。
自信がないと答えるスティーブ・マッケイにゴルゴ13はすぐにやるよう、命じた。
スティーブ・マッケイは起爆装置を吹っ飛ばすことに成功した。
そして、スティーブ・マッケイは、爆弾魔の男が完全に爆弾に見せられていて広範な知識を持っている男で、その男が誰か思い至った。
スティーブ・マッケイがシカゴ警察の爆発物処理隊にいたとき、パートナーがフィル・クラスマンだった。
彼は超人的な処理技術を持っていた。5年前、二つの回路を同時に処理しようとして、スティーブ・マッケイはミスしてしまい、フィル・クラスマンは左手を失い、警察を去った。
その時、フィル・クラスマンはスティーブ・マッケイをチキンハート(臆病者)と罵った。
既に神経をやられていたスティーブ・マッケイも現場を去ったのだ。
フィル・クラスマンから第三の爆弾、最後の爆弾の指示が来た。そこにはCHICKEN HEARTという言葉があった。
スティーブ・マッケイはフィル・クラスマンが爆弾魔と確信した。
Part8 エレベーター爆弾
第三の爆弾はエレベーターの底についており、50階にあるエアコンデョナーシステムに使う冷却ガス入りタンクで爆発したら上の50階部分はあっという間に崩れ落ちる。
スティーブ・マッケイはフィル・クラスマンがどういう起爆装置を使うか考える。1988年12月に270名の命を奪ったパンナム機の爆発事故で使われた高度計信管を使った起爆装置だろう、と推理した。
二人はロビーに降りてドアをこじ開けることにした。
Part9 最後の挑戦
ロビーに穴をこじ開けエレベーターを見上げる二人。
400メートル上のタバコケースほどのバッテリーを撃てば爆発は阻止できる。
ゴルゴ13はM16を構えた。
パーティーが終わり客を乗せたエレベーターが下り始めた。
もうすぐ50階というところで、ゴルゴ13が引き金を引いた。
銃弾はみごとにバッテリーを破壊した。
3個目の爆弾が爆発しなかったことを悟ったフィル・クラスマンは拳銃で自分の右こめかみを撃って死んだ。
【感想】
臆病者と罵られたスティーブ・マッケイとゴルゴ13と、爆弾魔のフィル・クラスマンの対決はゴルゴ13達が勝利した。
どこにどんな爆弾が仕掛けられたのか、時間との攻防戦は、手に汗握る知的で迫力ある闘いだった。
ゴルゴ13はたびたび自分が臆病者だから生きてこられた、と言っているが、彼はスティーブ・マッケイのような臆病者ではない。
臆病者のように可能性を考え準備し、勇敢に対処している男だ。
スティーブ・マッケイや我々凡人は、準備段階では臆病ではなく、対処するときに臆病になってしまう。
"臆病者"ということについて、考えさせられる作品だ。
一覧表へのリンク
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
haruichiban0707-books.hatenadiary.com
