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さいとう・たかを『ゴルゴ13』第597話『幻滅のアトランティス』(2020/02)

 

 

第597話『幻滅のアトランティス』 (2020/02作品)

 

脚本協力:よこみぞ邦彦
ページ数:105ページ
依頼者:DEA(アメリカ麻薬取締局)
ターゲット:神崎水産会社を奪いマフィアとコカイン密輸ビジネスを行うサントス
依頼金額:不明
殺害場所:マルガリータ島
殺害人数:1人
殺害相手:神崎水産会社を奪いマフィアとコカイン密輸ビジネスを行うサントス
H:1人(ゴルゴ13の依頼に応え情報屋の女)

 

Part1 順調の裏で
 ブラジル最南端、リオ・グランデ市リオ・グランデ漁港で、マグロ船船長神崎雅人は、友人の佐藤の現地合弁の水産会社の規模が大きくなり、水揚げも順調なのを確認した。
 神崎は、元気なさげで相談したいと言ってきた佐藤と会おうとしたところ、佐藤はオフィスで首を吊っていた。

Part2 大西洋の夢
 佐藤の葬儀に出席した神崎は共同経営者のサントスと車で移動する。
 25年前、神崎は自分の愛艇「神崎丸」でアトランティック・オーシャン(大西洋)で南マグロをとることを、リオ・グランデの港湾員たちに呼びかけた。
 ブラジル人たちは最初は搾取されると警戒していたが、心をひらき共同事業がスタートした。
 
Part3 日本伝統の漁法
 神崎の指導で、ブラジル人たちも、日本伝統の漁法でマグロをとるようになった。
 
Part4 略奪者の影
 神崎に自殺前日に書いた佐藤からの手紙が来た。その手紙を読んだ神崎は、日本のマグロ船団が南米諸国に食い荒らされてマグロ事業を根こそぎ奪う影の略奪者がいたことがわかった。
 神崎は自分も危ないと見て、神崎丸のもとに向かった。そこで船員達が神崎水産会社を乗っ取る話をしていた。どうやらボスはサントスだった。
 神崎は船員たちに拳銃で追われ、海中に飛び込んで何とか逃れた。
 
Part5 救いの手
 ブラジル大使館に駆け込んだ神崎だったが、大使館は何も助けてくれなかった。
 そこに台湾の者が救いの手をさしのべた。
 合弁事業での現地のやり方は、合弁事業と称して日本から高価なマグロ船を持って来させ、10年ほど共同経営して、ノウハウを習得したら、日本人経営者を追い出すのだ。
 外資参入規制で外国資本は49%に制限されているので、それを利用して51%の経営権を使って、高額な債務をでっちあげ、赤字を追及し、日本人経営者を追い出すのだ。
 神崎の父親から神崎丸を受け継いだので、神崎雅人は、その船だけでも取り返したいのだ。
 台湾側は、ブラジルの対応に対して、徹底的に対抗していた。
 サントスの行方がわかったが、彼は今ベネズエラにいた。政情不安で治安も悪く探しようがなかった。
 
Part6 サントスの野望
 ベネズエラのギアナ高地のジャングル地帯で、サントスは佐藤の会社から2億円を手にしていた。神崎の会社からも億単位の金が入る、と皮算用していた。
 サントスは、数百億円の儲けになるための宝の船を建造中だった。
 
Part7 現れたG
 ベネズエラのシモン・ボリバル国際空港にゴルゴ13が降り立った。
 その情報は首都カラカス市のアメリカ大使館のフェルナンデス大使にも伝えられ緊急会議が開かれることになった。
 同じ頃ロシア大使館や中国大使館にもゴルゴ13入国の情報が伝わりすぐに対策会議が始まった。
 
Part8 2人の大統領
 ベネズエラでは、反米勢力の支持を受けたニコラス・マドウリョ大統領と親米勢力の支持を受けたグアラド暫定大統領の2人が激しく対立していた。
 これはロシア・中国対アメリカの戦いでもあった。石油利権もからんでいた。
 
Part9 光の無い世界
 サントスは半沈潜水艇を作っていた。この半沈潜水艇で、フロリダ沖まで行き、コカインを密輸するもくろみだった。
 サントスは竹馬の友でブラザーと呼ぶニコとのカリブ海マルガリータ島での再会を楽しみにしていた。
 
Part10 事前調査
 ゴルゴ13の調査依頼に応えた情報屋の女とゴルゴ13がSEXする。
 
Part11 神崎の策
 神崎を追い出した神崎の会社に台湾人の李が資金回収のために現れた。サントスの手下達は李を押し出した。
 李はスキを見て盗聴器を仕掛けた。
 
Part12 Gの足取り
 ロシアやアメリカ大使館ではゴルゴ13の足取りと標的が誰か、調査中だった。
 裁判所に神崎が出廷した。
 
Part13 闇への出航
 サントスの手下達は、半沈潜水艇にコカインを載せて、出航した。
 
Part14 マルガリータ島
 カリブ海のリゾート地・マルガリータ島で、サントスがニコを訪ねる。
 船がマルガリータ島に近づく。
 そこにゴルゴ13が乗っていた。マドウリョ大統領一行がマルガリータ島を訪れていて警戒厳重だった。ゴルゴ13は水中スクーターで島に向かう。
 
Part15 裁判闘争
 神崎水産の経営は順調だと述べる神崎雅人。サントスの手下達は、神崎水産は赤字のため経営権を譲渡すべきと申請していた。
 
Part16 旧友との再会
 サントスが合った旧友はニコラス・マドウリョ大統領だった。
 サントスはコカイン・ビジネスをやっている話をした。
 その時、ゴルゴ13の話を聞いたニコラス・マドウリョ大統領は急用ができた、と言って中座した。
 
Part17 暴かれた真実
 神崎雅人は、盗聴した声を証拠としてあげた。
 
Part18 計画の行方
 アメリカのフロリダ沖で、半沈潜水艇が湾岸警備隊に捕まった。
 その情報を受けたサントスがゴルゴ13に狙撃された!!
 
Part19 天罰
 ブラジルのリオ・グランデの台湾系商社で、マドウリョ大統領所有のホテルでサントスが殺されたことについて、話していた。
 アメリカのDEA(アメリカ麻薬取締局)がゴルゴ13を雇ってサントスを殺した、と推測していた。
 
Part20 残された希望
 神崎雅人は神崎水産会社とマグロ漁の設備は失ったが、神崎丸を取り戻した。

 

【感想】
 アメリカ、ロシア、中国を相手にした国際的なスケールの大きな戦いが始まるのかと思ったら、麻薬密輸業者のサントスが標的だったとは、何だかスケールが小さくなった気がする。
 DEAが依頼者ならアメリカ大使館は慌てなくて良さそうなものだが、アメリカ政府でも組織の横の情報連携はよくないのだろう。
 合弁事業のルールを逆手にとったサントスによる合弁事業乗っ取り策と、麻薬密輸問題をからめた面白い作品だ。
 神崎雅人や、名前は出てこなかったが情報屋の女がまた他の話で再登場するのが楽しみだ。
 

 

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