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さいとう・たかを『ゴルゴ13 77 ハリウッド・シンデレラ』(リイド社)(1991/01/07)

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====もくじ=====

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第248話 ハリウッド・シンデレラ(1987/03作品)

脚本協力:新井たかし
ページ数:80ページ
依頼者:U・M(United-Movies)社副社長のR(ロイ)・カーター
ターゲット:今は引退しているが演技がうまいナンシー・N
依頼金額:100万米ドルと映画の興行収入の3%
殺害場所:アメリカ ロサンゼルス
殺害人数:1人
殺害相手:今は引退しているが演技がうまいナンシー・N
H:0人

 

 ハリウッドのU・M(United-Movies)社撮影所で、撮影が行われていた。

 

Part1 U・M社路線決定

 ニューヨークのU・M本社では今後の路線について会議が行われていた。R(ロイ)・カーターとR(ロナルド)・スタンバーグの二人の副社長も出席していた。現役バリバリで知名度があるが演技が下手なオリビア・ロペスと今は引退しているが演技がうまいナンシー・Nの二人に次の作品を賭けることになった。

 

Part2 撮影所内の噂

 副社長のR(ロイ)・カーターは、オリビア・ロペスに話をしていた。

 撮影所内にいた監督は、主役はナンシー・Nにする、と噂していた。

 オリビア・ロペスのマネージャーのデイビスとR(ロイ)・カーターは、出かけた。

 

Part3 ライバルを消せ

 デイビスとR(ロイ)・カーターは、ゴルゴ13に会い、ナンシー・N殺しを依頼する。報酬は100万米ドルと映画の興行収入の3%だった。既にナンシー・Nの付き人(アシスタント)のボブを買収しており、ナンシー・Nの情報は得られることになっていた。

 

Part4 ナンシーの大ファン

 ナンシー・Nの大ファンで自前の映画館まで購入したジミーとR(ロナルド)・スタンバーグが会って話をしていた。R・スタンバーグはジミーに映画ユダヤ人会へのネゴシエーションを依頼した。また、ゴルゴ13へオリビア・ロペス殺しを依頼するために手配中だった。

 ジミーは、R・カーターがナンシー・N殺しをゴルゴ13に依頼した、という情報を入手した。

 

Part5 付け人ボブの行動

 ジミーがボブを尾行していると、ボブがゴルゴ13に情報を渡したのを目撃した。

 

Part6 ボブの告白

 ジミーはボブをボコボコにした。ボブはナンシー・N殺しは知らなくて、ただ情報を渡しただけだった。

 

Part7 静かなナンシー

 ジミーとR・スタンバーグはナンシーに会って警告した。

 

Part8 因縁の二人

 ロスアンゼルス ビバリーヒルズ

 オリビア・ロペスとR・カーターが抱き合っている。15年前のアカデミー賞授賞式で、主演女優賞がナンシー・Nと決まった時、オリビア・ロペスがナンシー・Nをひっぱたいたのだった。それが二人の因縁だった。その事件がきっかけでナンシー・Nはスクリーンを去った。R・カーターは、会議の議長のウィリアムズを買収しているので、次の主役はオリビア・ロペスになる、と彼女に言った。

 

Part9 多数決

 会議の席上、オリビア・ロペスとナンシー・Nのどちらを主役にするかを、U・M社のクリスマス・パーティーで取材陣がどちらを多く記事や番組にするかで、決めることになった。

 

Part10 パーティーの件

 パーティーの件で、電話がひっきりなしにU・M社にかかってきていた。

 

Part11 ナンシー側の焦り

 ジミーとR・スタンバーグはオリビア・ロペス側への対抗策について話し合っていた。ゴルゴ13が狙うとしたら、パーティーの時だろうから、どうやってナンシー・Nを守るか、犯罪映画の監督とカメラマンであるスミスとスタンリーに意見を聞くことにした。

 

Part12 映画の中の可能

 スミスは、ビルの屋上から狙撃する、と話した。ジミーとR・スタンバーグは人手をかき集めることにした。

 

Part13 華やかな人々

 パーティーが始まり、俳優達が集まりだした。

 

Part14 花を裂く銃声

 オリビア・ロペスが登場した。その後、ナンシー・Nも登場した。屋上からナンシー・Nが狙撃された。ゴルゴ13は、テレビに映るナンシー・Nを見て照準を合わせていたのだった。

 その後、U・M社はオリビア・ロペスで映画制作を始めたが、演技力不足で彼女は役を降り、代わりにヒロインになったのは、マギー・パウエルという無名の女優だった。マスコミは彼女に”ハリウッド・シンデレラ”とニックネームをつけた。

 

【感想】
 この話のモデルは誰と誰だろうか?SPコミックスコンパクト第64巻の解説で、杉森昌武氏はエリザベス・テーラーとオードリー・ヘップバーンを例としてあげている。確かにオリビア・ロペスは何となくエリザベス・テーラーのような顔立ちだ。ナンシー・Nはオードリー・ヘップバーンとは少し違うと思う。

 タイトルの『ハリウッド・シンデレラ』がラスト1コマで、しかも全然登場しないマギー・パウエルというのが、意外だし、何かを象徴しているのだろうが、わからない。

 U・M社の権力争いに巻きこまれたナンシー・Nは気の毒だ。

 映画が大ヒットしたかどうかは作品中には描かれていないので、ゴルゴ13がこの映画でいくら稼いだかはわからない。

 

第249話 ルート95(1987/04作品)

 

脚本協力:沖吾郎
ページ数:40ページ
依頼者:不明
ターゲット:左きき(サウスポー)のジョー
依頼金額:不明
狙撃場所:アメリカ ネバダ州 国道95号線沿いの町の墓地
殺害人数:0人
狙撃相手:左きき(サウスポー)のジョーの左腕
H:0人

 

Part1 95線上のモーテル

 USA ネバダ州 国道95号線沿いのモーテルに一人の女がやって来た。

 そして宿の主人に、「あなたがドン・バローネ?」ときく。主人は「そんな男はここにはいない・・・」と答えた。ドン・バローネとは、マフィアを7年前に引退した"ビッグ・ドン"のことだ。宿の若い使用人は、こんな所にいるはずがない、と女に言った。

 そのモーテルにはゴルゴ13も泊まっていた。

 

Part2 モーテルの人々

 モーテルの主人の娘はソフィアだった。ソフィアは若い使用人が気になっていたが、彼は他の女とキスをしていた。

 

Part3 モーテル主人の死

 翌朝、モーテルの主人がナイフで刺されて殺害されていた。

 

Part4 モーテルの新しい客

 モーテルの主人の葬儀が行われた。ゴルゴ13も葬儀に出席していた。女客はモーテルの主人がドン・バローネで取材しようとしていたのだった。葬儀に遅れてジョーという男がやって来た。ソフィアと兄妹同様に育った者だった。

 

Part5 モーテルの灯は消えて
 使用人の男がモーテルを去ろうとしたところ、ジョーが拳銃を向けてエンリコと呼んで墓地に向かった。

 

Part6 墓地の銃声

 エンリコは、ナイフ・サムという名で呼ばれる殺し屋だった。ナイフ・サムは一ヶ月の間にビッグ・ドンを油断させてソフィアもたらし込んでいた。ドンはナイフ・サムが組織からの殺し屋と気づき、ジョーに調べさせていた。ジョーも組織から抜けていたのだった。

 ナイフ・サムはナイフを投げたが、一瞬早くジョーがナイフ・サムを撃った。

 ナイフ・サムはいずれジョーも組織がさし向けた殺し屋に狙われる、と言ってこときれた。

 墓地を去ろうとしたジョーの前にゴルゴ13が現れた!

 そして二人は撃ち合った。ゴルゴ13の銃弾がジョーの左腕を貫いた。

 なぜひと思いに殺さない、と言うジョーに、ゴルゴ13は、「"他の組織(シンジケート)に左きき(サウスポー)のジョーの腕を取られたくない、始末してくれ”・・・これが依頼内容だ・・・依頼に、"命を取れ"の言葉はなかった・・・」と答えて、去って行った。

 

【感想】
 余韻の残る作品だ。脚本の沖吾郎はさいとう・たかを氏が脚本するときのペンネームだ。エンリコに父を殺され、そのエンリコが死んだのを知ったソフィアはこの後どういう人生を選ぶのだろうか?

 

増刊第16話 汚れた重賞(グレートレース)(1988/05作品)

 

脚本協力:熊坂俊太郎
ページ数:48ページ
依頼者:英国王室リック・ジェファーソン
ターゲット:ハーディリーフ号に薬物投与した場所
依頼金額:不明
狙撃場所:イギリス エプソム・ダービー・コース
殺害人数:0人
狙撃相手:ハーディリーフ号に薬物投与した場所
H:0人

 

 イギリス サフォーク・ケンブリッジ州 ニューマーケット競馬場 ウォーリック厩舎

 サラブレッド・明け四歳馬のクラシックレースの最高峰がダービーを明日に控え、出走馬が集まってきた。

 優勝候補の一頭、モーゼルワイルの馬主、タタミール卿と獣医のヨーク・グレストがチェスター調教師に状況をきく。モーゼルワイルの対抗馬が王室のハーディリーフで、こちらは明朝午前4時に入厩する予定だった。

 

Part1 狙われたハーディリーフ号

 イギリス ロンドンで、ジャパンD・Nのイワシロと名乗ってゴルゴ13が英国王室リック・ジェファーソンの前に現れた。20年前のセントレジャー事件で所有馬を失ったタタミール卿が、復讐のために、獣医のグレストと結託して、ハーディリーフ号に薬物投与を行おうとしているので、それを防いでほしいと言うのが依頼だった。

 

Part2 タタミール卿の復讐

 ハーディリーフに薬物を投与すると確実にレース中に骨折する、とグレストが言う。既に日本のレースで実証済だった。

 

Part3 ゲートはあがった!!

 輪乗りの時に蹄鉄が落ちるようにしてあり、その時にグレストが薬物を投与する。

 そしてレースが始まった。

 

Part4 壮絶なマッチレース

 ハーディリーフとモーゼルワイルのマッチレースとなった。そしてハーディリーフが勝利した。

 

Part5 伝統を汚した者共

 エリザベス女王と関係者が現れ、タタミール卿とグレストを英国競馬界から永久追放した。

 タタミール卿とグレストの計画を防ぐ方法は、薬物投与された直後に同じ場所に、アナボリックステロイドかテストステロンなどを打って中和させることだった。全力疾走している馬の一点に撃ち込めるのはゴルゴ13しかいない。

 

【感想】
 第43話『GATE-IN』、第227話『血統の掟』に続く競馬ネタ第三弾だ。タタミール卿はひどい男だ。セントレジャー事件を仕掛けて、自分の所有馬が勝てなかったことを逆恨みして、復讐しようとするのだから英国紳士とはいえない。

 ゴルゴ13のスーパー・ショットの一つだ。
 

  

第257話 隠されたメッセージ(1987/12作品)

脚本協力:熊坂俊太郎
ページ数:88ページ
依頼者:国家安全保障会議(NSC)のレーン
ターゲット:イスラエルとアメリカの平和協定をめるぐ陰謀の首謀者
依頼金額:不明
殺害場所:アメリカ ホワイトハウス
殺害人数:1人
殺害相手:イスラエルとアメリカの協定文書のカンマ、アメリカ国防総省(ペンタゴン)副長官ドースン
H:0人

 トルコ アンカラ空港にイスラエルのモサド出身のリクード将軍がアメリカの国防総省(ペンタゴン)副長官ドースンに会った。
 イスラエルが核保有を宣言するという内容の情報をバラまき、アメリカがイスラエルに圧力をかけ核の非保有を宣言させる協定を結ぶよう迫る。
 その協定の条文にトリックを使ってまったく正反対の意味にさせるのだ。
 二人がこのような陰謀を話していた。

 

Part1 平和協定の裏で
 アメリカのブッシュ大統領が、イスラエルの核保有宣言に遺憾の意を表した。
 ペンタゴン(国防総省)副長官ドースンが、陰謀をスタートさせる、とテレビ局の男P1(ワン)に秘密裡に話をした。
 また、テレビ局のルイスというニュースキャスターの報道に注意するよう言った。
 
Part2 ルイスへの脅迫
 UBCのフレディ・ルイスがイスラエルの核兵器保有とイスラエルとの平和協定について報道していた。
 ルイスの自宅では息子のジェイがテレビを見ていた。
 ルイスのもとには脅迫電話がかかってきた。
 
Part3 陰謀者たちの交信
 ドーソン副長官がP1(ワン)に、平和協定の条文を送り、簡単な操作で意味が二重に取れるものしてほしい、と依頼した。
 ドーソン副長官はP1(ワン)との会話の暗号化がオフのままだったことに気づいた!!
 
Part4 少年の通報
 ルイスのもとにボニーという少年が訪ねてきた。
 彼はアマチュア無線をやっており、ドーソンとP1(ワン)の会話を録音していた。
 
Part5 恐怖の地下駐車場
 P1(ワン)が、カンマによって、核兵器非保有宣言の意味が、核弾頭配備計画に変わる条文のトリックを作り上げた。
 カンマの位置を差し替えた条文を調印直前に差し替えるのだ。
 P1(ワン)は、無線マニアの少年に会話が録音されそのテープがルイスに渡ったことを、ドーソン副長官に話した。
 地下駐車場で、ルイスの車が爆破された。
 
Part6 フォーチュン・キッド
 ルイスは息子のジェイにトランプ占いを教えた。答はヘレン伯母さんとやった時しか同じ答にならないのだ。
 ルイスが帰ってこないときになるべく大勢の人の前でこの占いをするように、とルイスはジェイに話した。
 
Part7 立ち塞がった影
 ルイスの車が他の車に進路を妨害され、ルイスは拳銃を突きつけられて拉致された。
 
Part8 友人レーンの心配
 国家安全保障会議(NSC)のレーンが、テレビのニュース番組を見ていた。
 そこでは、フレディ・ルイスが行方不明であることを報道し、リチャード・パーカーが代役を務めていた。
 リチャード・パーカーがルイスを無視しすぎているのをレーンは不審に思った。
 リチャード・パーカーは、ドーソン副長官と会話していたP1(ワン)だった。
 レーンは、CIA捜査官のジャクソンに、リチャード・パーカーを調べるよう指示した。
 ルイスの車と死体が見つかった。
 
Part9 ルイスの死
 レーンがルイスの妻と会っているとき、ルイスの死体がハドソン川見つかったという電話がかかってきた。
 また、リチャード・パーカーがベトナム戦争に従軍中、異常とも思える皆殺し作戦を計画、実行、提言していた極右派だった、とCIA捜査官のジャクソンが報告した。
 
Part10 荒らされた書斎
 ルイスの自宅にレーンとジャクソンが向かうと、すでにルイスの書斎が荒らされていた。暗号文らしきものが残っていた。
 
Part11 父子の約束
 レーンとジャクソンは、アメリカの非合法超右派組織"KⅡ"について調べた。リチャード・パーカーがその中の実行役で、政府内部か軍事担当の重要セクションに何者かがいる、とレーンは推理した。
 ルイスの自宅で、ジェイがトランプ占いをしよう、と提案した。
 
Part12 調印までに!
 ジャクソンが、レーンに、暗号文をCIAで解析したところ、イスラエルとの協定に陰謀が隠されていると報告した。
 調印は明後日だった。
 レーンは大統領に調印延期を提言した。大統領は延期できないと答えた。
 調印まであと24時間だ。
 レーンに陰謀の証拠をつかむよう指示が出た。
 
Part13 調印阻止の依頼
 レーンはゴルゴ13に会い、陰謀の首謀者の始末を依頼した。
 
Part14 PEACE MAKER
 レーンはジェイと会い、カード占いをやった。
 そして、出てきた答えが、PEACE MAKERだった。
 PEACE MAKERは、アメリカの次期戦略ミサイルの愛称だった。
 レーンは、イスラエルとの軍事協定案とピースメーカーの配備に関連性がある、と判断した。
 ルイスとヘレン伯母さんは、双子のため同じ誕生日なのだ。
 
Part15 吹っとんだ条文
 調印まであと10分だった。
 ジャクソンがカードの5の真ん中にマイクロフィルムが貼ってあることに気づいた。
 そこにはピースメーカーの配備計画が明記されていた。
 しかし時間がなかった。
 ゴルゴ13はスコープから見た協定のカンマに気づいた。
 ゴルゴ13がそのカンマを狙撃し、ドーソン副長官を射殺した。
 レーンとジャクソンが、表向きはニュースキャスターで実は"KⅡ"の指導者であるリチャード・パーカーを逮捕しようとしたが、彼が抵抗したので、やむを得ずジャクソンが射殺した。
 レーンはゴルゴ13がどうして"条文"を撃ったのか不思議がっていた。
 アメリカ政府は正式にこの協定を破棄した。

 

【感想】
 平和協定の条文をめぐる陰謀と、それを把握し阻止しようとする男達の戦いが、スリリングに描かれた作品だ。
 カンマ一つで、平和協定の文書がミサイル配備に変わるだろうか。少し極端すぎる気がする。
 杉森昌武氏はSPコミックスコンパクト第67巻の解説中では、「顧客サービス」だと指摘している。
 ドーソン副長官を殺しただけでは陰謀を阻止できない可能性があるから、協定を撃ったのかもしれない。
 ゴルゴ13がわずかな時間のうちに陰謀を暴き、阻止したのは凄いことだ。
 それにしてもホワイトハウスで、衆人環視の前でペンタゴンの副長官が射殺されたのだから、アメリカ政府のプライドはズタズタになったと思うが、その後どう対処したのだろうか。
 

 

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