【1】藤波辰巳 vs 木村健吾 1979/12/13 東京府立体育館
木村健吾が藤波辰巳のWWFジュニアヘビー級のタイトルに挑戦した試合。同い年だが藤波辰巳の方がプロレスのキャリアは1年上。
そのため木村健吾がかなり気負っており、開始早々にドロップキックを放つ奇襲作戦に出るが当たりが浅い。
藤波のドラゴン・ロケットや木村健吾のバックドロップが強烈だ。
【2】ボブ・バックランド vs スタン・ハンセン 1980/09/30 日本武道館
多くの人がラリアットをするが、いつ見てもハンセンのラリアットが一番凄い。
ラリアットを打った方がはじき返されるのは論外だが、ラリアットした後、腕を振り抜くのはハンセンだけではないか。
【3】ハルク・ホーガン vs アブドーラ・ザ・ブッチャー 1982/05/26 大阪府立体育会館
「新日本プロレスvs全日本プロレスの引き抜き戦争の功の部分」と本文にあるが、やはりブッチャーは新日本には向いていなかった、と思わざるを得ない。ホーガンがうまくブッチャーの良さを引き出している試合だ。
【4】ディック・マードック vs アドリアン・アドニス 1984/05/24 大阪府立体育会館
ディック・マードックもアドリアン・アドニスも本当に上手い選手だと思う。
カーフ・ブランディングが出なかったのは残念だが、両者の良さがよく出た好試合だ。
【5】ビッグバン・ベイダー vs クラッシャー・バンバン・ビガロ 1988/09/12 福岡国際センター
ビガロは、87年1月に初来日し、半年ほどでWWFに行き、88年夏に戻ってきた。その間に外人トップになったのがベイダーだ。両者合わせて350kgの戦いは迫力満点だ。
これこそスーパーヘビー級の戦い、プロレスだ。
【6】橋本真也 vs 獣神サンダー・ライガー 1994/02/24 日本武道館
2023年5月3日、IWGP世界ヘビー級王者SANADAにIWGPジュニアヘビー級王者高橋ヒロムが挑戦した。IWGPヘビー級王者対IWGPジュニアヘビー級王者の戦いといえば、この橋本真也と獣神サンダー・ライガーの戦いだろう。
ヘビー級王者が勝って当たり前というプレッシャーの中、橋本真也はやりにくそうだ。
ライガーは、角のない新型マスクに、コスチュームで隠していた筋肉隆々の裸の上半身を見せて、観客の度肝を抜き、入場時点でペースを握る。
最初はライガーが橋本に真っ向から挑む。パワー負けするのはさすがに致し方ない。
序盤は、橋本のサイドヘッドロックが、凄い。ライガーの首が極められ、隙間が全くない。
つり天井固めをトライしようとして客席を盛り上げる。
グラウンドでの関節技は、体重差が影響しないので、ジュニアヘビー級選手がヘビー級選手と戦う上では、いい戦い方だろう。
最後はパワーと体重に勝る橋本真也が順当に勝利するが、ライガーの挑戦は見所が多く、とても面白かった。