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ニュートン(2025/03号)(2025/01/26)(その1)

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表紙


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Newton 2025年3月号

Newton 2025年3月号

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もくじはこちら


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p.70 土はすごい

この号で一番面白かったのは、この記事だった。

 

p.72 土=砂+粘土+生物の死骸。つまり、土は生命の星・地球の「特産物」

 

 あまりに身近で意識したことがなかった土だが、土は、地球にしかないのだ!!

生命がないければ土がないのだった。

 これは驚いた。

 

p.74 地球のダイナミックないとなみによって岩石が細かく砕かれ、土のもとになる

 岩石の地球規模の循環が描かれている。

 マグマ=>火成岩=>砕屑物=>堆積岩=>変成岩=>マグマ・・・

 

p.76 動物、植物、微生物-多様な生物によって土はつくられる

 植物が土壌からミネラル(マグネシウムイオンやカルシウムイオンやカリウムイオンなど)を吸収すると、水素イオンを放出し、その水素イオンによって、土壌が酸性化するのだ。

 宮沢賢治は酸性土壌の改良をライフワークにしたのだそうだ。

 

p.78 土と生命は5億年かけてともに進化した

 土と生物の5億年の進化を年表でまとめている。

 5億年前に陸上に生物が進出し、植物も陸上に進出した。

  オルドビス紀 菌根菌の共生

  シルル紀 維管束植物の誕生

  石炭紀 リグニンの進化

   虫や微生物から身を守るために、虫や微生物が好まないリグニンを裸子植物が生成し始めた。

   石炭紀の植物は分解されない植物遺体として泥炭として蓄積した。

  ペルム紀(約2.5億年前) リグニンを分解できるキノコの進化

  ジュラ紀 マツタケやホンシメジなどの外生菌根菌の共生 

 

p.80 あらやうる土は「12種類」に分類することができる

 

 未熟土、粘土集積土壌、泥炭土、若手土壌

 砂漠土、黒ボク土(日本で多い)、強風化赤黄色土、ポドゾル

 オキシソル、ひび割れ粘土質土壌、チェルノーゼム、永久凍土

 

p.82 土は人類文明の栄枯盛衰を決めてきた

 いわゆる四大文明の誕生、文明の崩壊を土の観点で説明している。

 文明崩壊のきっかけは、乾燥による塩類集積により、現地の農業が破綻したからだっ た。文明の発展=>建築の需要増=>上流の森林伐採=>森の保水力低下=>洪水発生=>土 壌流出や灌漑水路の破壊

 そこに気候の乾燥化が追い打ちをかけたのだ。

 エジプトの肥沃な大地が決定的に失われたのは1970年のアスワンハイダム完成だった。

 

p.84 湿潤なアジア地域の人口を支える「田んぼの土」のすごさ

 焼き畑農業は、草木灰のアルカリ成分によって、酸性土壌を中和できる。

 水田は、カルシウムなどのアルカリ成分が含まれており、酸性土壌が中和される。

 また水をはることで酸素が欠乏し土の中の鉄さびの還元反応によって、水素イオンが消費されて酸性土壌がさらに中和される。

 

p.86 「気候変動」や「環境破壊」によって、今、貴重な土が急速に失われている

 肥沃で食糧生産を支えるチェルノーゼムだが、土壌がどんどん薄くなっている。

 

p.88 宇宙の農業を目指す研究が地球の課題を解決するかもしれない

 月や火星で農業を行う研究が盛んになっている。

 それが地球の課題解決に役立つかもしれない。

 

p.98 写真家がとらえた宇宙の絶景

 14ページにわたる写真全てが美しい!!

 また、その写真を撮ろうとしたアイデアが凄い。

 p.p.98-99 タスマンの宝石(Tasman Gems) Tom Raeは、オリオン座、大小マゼラン雲、カノープス、シリウスが美しい

 

 p.p.100-101 金環日食がつくりだす月面のゆがんだ陰 Ryan Imperioは、金環日食の時に月の地形によって生み出されるベイリー・ビーズという現象を写していて美しい

 

 p.102 まるで青い溶岩のよう(Like Blue Lava) Petr Horalekは、海と星空と海ホタルの共演が凄い

 

 p.103 指導者「ビッグ・ブラザー」が君を見ている Matt Jacksonは、無数の人工衛星が通る軌跡を1時間で撮影した写真だ。その数の多さに圧倒される。

 

 p.p.104-105 クイーンズタウンのオーロラ Larryn Raeは、ピンク色の低緯度オーロラが美しい。

 

 p.106 ハイテク・シルエット Tom Wiliamsは、太陽と国際宇宙ステーション(ISS)が重なった時の写真だ。まるでISSが太陽の間近にいて観測しているような写真だ。太陽の表面の様子が美しい。

 

 p.107 木星のメタン光 Sophie Paulin and Tom WIliamsは、赤外線波長で撮影した青く光る木星だ。普段見慣れた姿とは違って悪魔のような不気味な姿だ。

 

 p.p.108-109 イルカの頭星雲 Xin Feng and Miao Gongは、イルカの頭星雲を写した写真で、本物のイルカのようで美しい。

 

 p.p.110-111 夜空の交響曲(Symphony of the Night Sky) Fei Xueは、中国、甘粛省の蘇武砂漠の彫刻上を動く星を2時間撮影した写真で、前衛芸術のような美しさだ。

 

p.112 死因を見きわめる法医学

死の判定は、「死の三兆候」で行う。死の三兆候とは、心臓の停止、呼吸の停止、瞳孔反応がないことの3つだ。

解剖しないと見逃す死因について、何種類か事例を挙げている。散弾銃をあびた死体さえ見落とす可能性があるのは驚いた。

身元特定の三種の神器は、歯科所見、DNA型、指紋だそうだ。

 

p.122 動物たちの"超能力"

 これも美しく驚く記事だった。それぞれの生物の能力の凄さに圧倒される。

p.p.122-123 タコ

 タコが周囲の岩に擬態している。

p.124 フタコブラクダ

 体重の1/3の水分を失っても生きられ、体重の1/4の水(最大130L)を一度に飲める。

p.124 マッコウクジラ

 90分も呼吸を止めて推進1000m付近の深海でダイオウイカを獲る。推進2000m以上もくることができる。

 

p.125 アメリカアカガエル

 前進が凍っても復活できる。このカエルを研究することで冷凍冬眠技術開発に役立つのではないか。

p.125 マメガムシ

 カエルに食べられても、消化されず生きたまま脱出できる。

p.126 アメリカツノウズムシ(プラナリア)

 切断されても、それぞれの断片が完全な個体として再生できる。

p.126 アカハライモリ(ニホンイモリ)

 遺伝子Newtic1を発現した赤血球が成長因子を運ぶことで、組織の再生がうながされる。

p.127 ベニクラゲ

 若返りをくりかえす唯一の動物だ。

p.127 ハダカデバネズミ

 セロトニンというホルモンで、老化細胞を除去して癌を防ぐ。

p.128 ヨーロッパコマドリ

 量子論の現象を使って地磁気を検知しているのだそうだ。

p.129 カマイルカ

 イルカの音響脂肪(メロン)は、咀嚼筋に由来する。そうだ。

p.130 ミイデラゴミムシ(ヘッピリムシ)

 過酸化水素とヒドロキノンを反応させて100℃以上の毒ガスを噴射する。

 

p.142 次号予告

第1特集は「アレルギーの新常識」、第2特集は「半導体の未来」だ。

とても楽しみだ。