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さいとう・たかを『ゴルゴ13 16 死を運ぶ者共』(リイド社)(SPコミックスコンパクト)(2003/05/30)

 Amazon紙版へのリンク

表紙

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もくじ


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SPコミックスコンパクトは、文庫サイズで、中に含まれる話は、SPコミックス版と異なり、最初のうちは、発表順となっている。

SPコミックス版にはない、SPコミックスコンパクト独自として、杉森昌武氏の解説が入っている。杉森昌武氏は、ゴルゴ13研究家兼デューク東郷研究所所長、『THEゴルゴ学』(小学館)編集総監督だ。

解説だけでない。

SPコミックス版にはない、構成、脚本、構図、作画、担当者それぞれのスタッフの名前がきちんと入っている。

なお、それぞれの話の内容は、SPコミックス版を参照するようリンクだけを貼っておく。

 

第67話『"Dabbie!!"(デビィ)』(1973/01作品)

 

第68話『死を運ぶ者共 』(1973/03作品)

 

第69話 『動作(アクション)・24分の4』(1973/04作品)

 

第70話『ヒート・ウェーブ(灼熱)』(1973/05作品)

 

 

解説:杉森昌武

 人間だけでなく動物にも法、掟がある。そして、プロにはプロの法があり、プロがプロのルールを破るとき、底に舞っているのは、死という名の刑罰である。ゴルゴ13はルールを厳格に遵守するという点でも超一流だ。ゴルゴ13のルールは既成のものとは異なり、己だけに通用する法だ。自己の意志によって、誰からも強制されないルールを守っていくというのは強靱な意志の力がない限り不可能で、それを可能にしている彼は人間としても超一流なのだ。

 杉森昌武氏の解説文は、その通りだと思う。

 

 第67話のタイトルは、誰かが薄幸な黒人少女を叫んで呼んでいるようなタイトルだ。これは誰の叫びなのか?ゴルゴ13は叫ばないだろう。杉森昌武氏は、これは作者のさいとう・たかを氏の叫びだと指摘している。「作者の、人間社会の矛盾に対する憎悪と、人間というどうしようもない存在に対する深い哀しみの年賀伝わってくる。そしてそれが作者の大いなるヒューマニズムなのだ」と杉森昌武氏は書いている。

 このタイトルには私も同様の疑問を持った。私には誰の叫びかわからなかったが、杉森昌武氏の解説はなるほど~、と感心した。

 

 第68話では、ゴルゴ13に弟子入りしたい、という殺し屋が登場する。だが、彼は殺し屋には向いていない。しかしゴルゴ13は、彼には妙に優しく接している。彼が愛しているセシリアを殺した犯人を教えて仇をとらせたり、死ぬ前にセシリアの言葉を伝えたりしている。ゴルゴ13のヒューマンな一面をのぞかせた印象深い作品だ。

 

 第69話では、ゴルゴ13が拳銃を抜いて標的に狙いを定めるまでの時間が24分の4秒=0.17秒だという。この話ではゴルゴ13のスーパー・ショットがいくつも見られる。

 

 第70話では、ゴルゴ13は人間社会における倫理や常識という尺度と無縁で超越して生きている超人だ、と杉森昌武氏が書いている。まさにその通りだ。

 

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